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悪役令嬢と薄幸の美少女
6話 失踪した悪役令嬢
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この館では、執事は雇い主の滞在中はずっとそばについているルールだ。
「……」
王都の貴族の館の執事の仕事はたくさんの仕事があると聞く。
主の仕事の補佐。
スケジュール管理。
来客者への対応。
様々だ。
しかしここは本来クルック伯爵が猟をするときにくつろぐだけの館。
現在は館を買い取ったヘザー男爵がそっくりそのまま使用人も雇った状況。
つまり、主をもてなす事だけが我々の任務。
つまり私個人の仕事は執事なんてたいそうな肩書きがついていても、男の付き人に過ぎない。
「そろそろ何か食べておくか」
私は食事の時間帯には主、または主の家族に付き添う。
コース料理の説明や、時には話相手になるなどする事になる。
そのときはもちろん飲食などできない。
午前十時ごろに軽く賄いを食べておくのがコツだ。
肝心な時に腹の虫でも鳴ったりしたら大変だからだ。
「……!」
執事室のドアのほうからノックする音が聞こえた。
「イーモン、俺だ」
「チャーリーか? 入ってくれ」
チャーリーだ。
「よう、新しい体制になったからいろいろ大変だろ? サンドイッチ持ってきてやったぜ」
入ってきたむさ苦しい男は、バスケットを片手に持っていた。
素直にありがたい。
「ちょうどこれから厨房につまみ食いしに行くつもりだった。助かるよ」
「ははっ、可愛い女の子が作ったのじゃなくて申し訳ないがな」
「バカ言え、どうせお前の事だ。俺の好物を食べたい分だけ用意してるんだろ?」
「まあな」
「本当気が利くやつだな。実はお前にプロポーズしようと考えている所なんだ。お前との結婚生活は快適そうだ」
「き、気持ち悪い冗談はよせ」
お互いに笑い合う。
そしてさり気なく彼のかけて欲しい言葉を会話に混ぜておく。
「……」
思えば前任の執事は優秀な方だったが、こういう時に言ってはいけない冗談を口にしていた。
チャーリー、むさ苦しい奴が来たな。
チャーリー、お前その毛深い腕から料理に毛が落ちてないだろうな?
そんな感じで。
もちろんチャーリーとて大人だ。
そんなときは今と同じように笑っていたが……目は笑っていなかった。
そんな出来事の繰り返しが、少しずつ自分の居場所を無くしていく結果に繋がっていくのだ。
結局前任の執事は最後は誰からも信頼されなくなっていた。
皮肉なものだ。
彼は本当は常に周りの事を考え、自己犠牲心の強い人間だったのに、その事自体はみんなわかっていたのに……。
相手に対する禁句を把握しないうえでのジョークの連発で評価を落とす。
私はそんなヘマはしない。
そのうえで生きたいように生きる。
「どうした? ボーッとして」
「……!」
突然話しかけられて焦る。
自分の世界に入り込んでいた。
「いや、考え事をしていた」
「ベアトリクス様とケイト様の事か?」
「ああ、もちろん。俺たち使用人はどう対応したらいいんだろうな」
「うーん」
なんとかごまかす。
いや、あながちウソでもないか。
最近は四六時中その二人の事を考えているし。
「じゃあ、俺はいくわ」
「ああ、ありがとうチャーリー」
そうして私はまた執事室に一人になった。
†††††
腹も膨れた。
そろそろベアトリクス様の様子を見に行こう。
そう思って立ち上がったときだった。
「イーモンさん、大変!」
ドアがバタンと開き、ソバカスが目立つ赤毛の女性が入ってきた。
「リリー、どんなときもノックは……」
「そ、それどころじゃないです!」
「……? どうした?」
彼女はメイドのリリーだ。
珍しく動揺している
「ベアトリクス様がベアトリクス様がお部屋にいません」
「な、何!」
「ど、どうしましょう?」
「とりあえず現場に行こう」
本当に寝耳に水だ。
まさかベアトリクス様が失踪?
先ほど見た王都での連続失踪事件の記事が頭に浮かぶ。
少なからず私も動揺している。
駆け足でベアトリクス様の私室に向かう。
「マリン!」
大広間に出ると、真っ青な顔のマリンがオロオロしていた。
彼女のそういう姿を見るのは珍しい。
「ああ、イーモン。ごめんなさい、少し目を離した隙にベアトリクス様はいなくなってたの」
震えた声で涙目でそう語る。
そのうち屋敷中の使用人が大広間に集まってきた。
ケイト様や馬番のアレンも来ている。
マリンの夫であるアレンは、付き人の役をしていた彼女を叱りつける。
「マリン!なぜ目を離したんだ!」
「ごめんなさい……でも、私が部屋から出て五分もしないうちにベアトリクス様はいなくなっていて……」
「五分? 嘘をつくな! そんな短時間で屋敷内から出れるか! 今みんな総出で探しても見つからないんだぞ」
「う、嘘じゃないわ」
「もういい、とにかくお前もベアトリクス様を探せ」
「……はい」
マリンとアレンの会話が終わる。
そのおかげでだいたい状況は把握した。
しかしアレン……結婚したばかりなのに大丈夫なのだろうか?
マリンへの禁句は【嘘つき】だぞ。
「……ううっ……嘘じゃないのに」
ほら、泣き出した。
とりあえずフォローを入れとくか。
肩にポンと手を置いて優しく声をかける。
「マリン、私は君を信じるよ。ごく短時間でいなくなった事を前提になぜこうなったか考えよう」
五分だけ目を離したらいなくなったとか、まったく信じていない。
しかし適当な言葉をかけておいた。
ここでヒステリーとか起こされると面倒くさい。
「イーモン……あなただって私の事なんか信用しないくせに……」
「何の話だ? こんな重要な事で君は嘘なんかつかないだろ」
「……」
とりあえず落ち着いたみたいだ。
マリンは涙を拭いてベアトリクス様捜索に加わる。
†††††
かなりの時間、使用人総出で探した。
屋敷内は屋根裏からワインセラーまですべてみた。
池の周りの足跡は調べた。
藪は総出でかきわけた。
馬小屋まで隅々まで調べた。
しかしまったくベアトリクス様は見つからない。
「……」
さすがに私も冷や汗が止まらない。
このままベアトリクス様が行方不明などという事になったら……解雇だけではすまないだろう。
「まさか頻繁に起きてる神隠し?」
「バカな、それは王都での話だろ」
「ここで起きないって補償はないでしょ」
不穏な空気になっていく。
まさか本当に神隠しなのか?
「あっ!」
突然ケイト様が叫ぶ。
何事かと全員振り向く。
「もしかしたらベアトリクス、地下の隠し通路を見つけたのかも!」
「……?」
地下の隠し通路……?
この屋敷に勤めて約七年になる。
しかしそんなものは見たことも聞いたこともない。
「……」
王都の貴族の館の執事の仕事はたくさんの仕事があると聞く。
主の仕事の補佐。
スケジュール管理。
来客者への対応。
様々だ。
しかしここは本来クルック伯爵が猟をするときにくつろぐだけの館。
現在は館を買い取ったヘザー男爵がそっくりそのまま使用人も雇った状況。
つまり、主をもてなす事だけが我々の任務。
つまり私個人の仕事は執事なんてたいそうな肩書きがついていても、男の付き人に過ぎない。
「そろそろ何か食べておくか」
私は食事の時間帯には主、または主の家族に付き添う。
コース料理の説明や、時には話相手になるなどする事になる。
そのときはもちろん飲食などできない。
午前十時ごろに軽く賄いを食べておくのがコツだ。
肝心な時に腹の虫でも鳴ったりしたら大変だからだ。
「……!」
執事室のドアのほうからノックする音が聞こえた。
「イーモン、俺だ」
「チャーリーか? 入ってくれ」
チャーリーだ。
「よう、新しい体制になったからいろいろ大変だろ? サンドイッチ持ってきてやったぜ」
入ってきたむさ苦しい男は、バスケットを片手に持っていた。
素直にありがたい。
「ちょうどこれから厨房につまみ食いしに行くつもりだった。助かるよ」
「ははっ、可愛い女の子が作ったのじゃなくて申し訳ないがな」
「バカ言え、どうせお前の事だ。俺の好物を食べたい分だけ用意してるんだろ?」
「まあな」
「本当気が利くやつだな。実はお前にプロポーズしようと考えている所なんだ。お前との結婚生活は快適そうだ」
「き、気持ち悪い冗談はよせ」
お互いに笑い合う。
そしてさり気なく彼のかけて欲しい言葉を会話に混ぜておく。
「……」
思えば前任の執事は優秀な方だったが、こういう時に言ってはいけない冗談を口にしていた。
チャーリー、むさ苦しい奴が来たな。
チャーリー、お前その毛深い腕から料理に毛が落ちてないだろうな?
そんな感じで。
もちろんチャーリーとて大人だ。
そんなときは今と同じように笑っていたが……目は笑っていなかった。
そんな出来事の繰り返しが、少しずつ自分の居場所を無くしていく結果に繋がっていくのだ。
結局前任の執事は最後は誰からも信頼されなくなっていた。
皮肉なものだ。
彼は本当は常に周りの事を考え、自己犠牲心の強い人間だったのに、その事自体はみんなわかっていたのに……。
相手に対する禁句を把握しないうえでのジョークの連発で評価を落とす。
私はそんなヘマはしない。
そのうえで生きたいように生きる。
「どうした? ボーッとして」
「……!」
突然話しかけられて焦る。
自分の世界に入り込んでいた。
「いや、考え事をしていた」
「ベアトリクス様とケイト様の事か?」
「ああ、もちろん。俺たち使用人はどう対応したらいいんだろうな」
「うーん」
なんとかごまかす。
いや、あながちウソでもないか。
最近は四六時中その二人の事を考えているし。
「じゃあ、俺はいくわ」
「ああ、ありがとうチャーリー」
そうして私はまた執事室に一人になった。
†††††
腹も膨れた。
そろそろベアトリクス様の様子を見に行こう。
そう思って立ち上がったときだった。
「イーモンさん、大変!」
ドアがバタンと開き、ソバカスが目立つ赤毛の女性が入ってきた。
「リリー、どんなときもノックは……」
「そ、それどころじゃないです!」
「……? どうした?」
彼女はメイドのリリーだ。
珍しく動揺している
「ベアトリクス様がベアトリクス様がお部屋にいません」
「な、何!」
「ど、どうしましょう?」
「とりあえず現場に行こう」
本当に寝耳に水だ。
まさかベアトリクス様が失踪?
先ほど見た王都での連続失踪事件の記事が頭に浮かぶ。
少なからず私も動揺している。
駆け足でベアトリクス様の私室に向かう。
「マリン!」
大広間に出ると、真っ青な顔のマリンがオロオロしていた。
彼女のそういう姿を見るのは珍しい。
「ああ、イーモン。ごめんなさい、少し目を離した隙にベアトリクス様はいなくなってたの」
震えた声で涙目でそう語る。
そのうち屋敷中の使用人が大広間に集まってきた。
ケイト様や馬番のアレンも来ている。
マリンの夫であるアレンは、付き人の役をしていた彼女を叱りつける。
「マリン!なぜ目を離したんだ!」
「ごめんなさい……でも、私が部屋から出て五分もしないうちにベアトリクス様はいなくなっていて……」
「五分? 嘘をつくな! そんな短時間で屋敷内から出れるか! 今みんな総出で探しても見つからないんだぞ」
「う、嘘じゃないわ」
「もういい、とにかくお前もベアトリクス様を探せ」
「……はい」
マリンとアレンの会話が終わる。
そのおかげでだいたい状況は把握した。
しかしアレン……結婚したばかりなのに大丈夫なのだろうか?
マリンへの禁句は【嘘つき】だぞ。
「……ううっ……嘘じゃないのに」
ほら、泣き出した。
とりあえずフォローを入れとくか。
肩にポンと手を置いて優しく声をかける。
「マリン、私は君を信じるよ。ごく短時間でいなくなった事を前提になぜこうなったか考えよう」
五分だけ目を離したらいなくなったとか、まったく信じていない。
しかし適当な言葉をかけておいた。
ここでヒステリーとか起こされると面倒くさい。
「イーモン……あなただって私の事なんか信用しないくせに……」
「何の話だ? こんな重要な事で君は嘘なんかつかないだろ」
「……」
とりあえず落ち着いたみたいだ。
マリンは涙を拭いてベアトリクス様捜索に加わる。
†††††
かなりの時間、使用人総出で探した。
屋敷内は屋根裏からワインセラーまですべてみた。
池の周りの足跡は調べた。
藪は総出でかきわけた。
馬小屋まで隅々まで調べた。
しかしまったくベアトリクス様は見つからない。
「……」
さすがに私も冷や汗が止まらない。
このままベアトリクス様が行方不明などという事になったら……解雇だけではすまないだろう。
「まさか頻繁に起きてる神隠し?」
「バカな、それは王都での話だろ」
「ここで起きないって補償はないでしょ」
不穏な空気になっていく。
まさか本当に神隠しなのか?
「あっ!」
突然ケイト様が叫ぶ。
何事かと全員振り向く。
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