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元伯爵令嬢との逃避行
3話 迷い
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とりあえず吊してあった乾パンとドライフルーツを口にした。
それらを紅茶で胃に流し込む。
ケイトは私のその様子をジッと見ている。
「イーモン。この状況でよく食べれるね。逆の立場ならパニックになりそうな気がする」
「……」
パニック状態に決まってる。
目の前の殺人犯の少女を刺激しないために、必死でリラックスしているふりをしている。
「最近退屈していましたからね。こういう刺激的なシチュエーションも悪くないかと」
「は?」
「まるで小説の主人公になった気分です。この後私はどうなるのかな」
「アハハハ」
私のブラフを聞いて、ケイトは腹を抱えて笑い出した。
これは……好感度が上がったのか下がったのか。
どっちだ?
「アハハ……あなたってそんな性格だっけ? ベアトリクスと似たようなタイプだと思ってたけど」
「……?」
「面白いわ」
ケイトは頬を少し染めながら笑い続ける。
これは……間違いなく好感度が上がってる。
まだ漠然とだが、ケイトのかけて欲しい言葉が明確になってきた。
やはり、自分を普通の存在として扱う者。
今この場においては……おそらく私がケイトに普通の少女に話しかけるような態度だったから気に入ったはず。
考えれば簡単だった。
それは異常者に一番多いタイプだ。
自分が異常と自覚がある者は、普通の存在として認識される事に喜びを感じる。
何のことはない。
この娘は異常者だ。
†††††
上の劇場の音が聞こえなくなった。
もう劇団員は掃除が終わって帰ったようだ。
「……」
「……」
私とケイトは、事もあろうに劇場の下の地下空間に敷かれた分厚い絨毯の上で仰向けで寝そべっていた。
まるで普通に食後に行儀悪く休んでいるように……。
「……」
もちろん形だけだ。
お互い寝息など立てていない。
相手を油断させるための行動……向こうもそうな可能性が高い。
先ほど横目で確認した。
ケイトは今は猟銃を手放している。
大型のナイフは枕元に置いているが……彼女の投げナイフの腕はどんなものなのだろうか?
とにかく、今ならその気になれば逃げれる可能性が高い。
上体を起こすだけでも、数秒間はかかるはず。
しかし……やはりチャーリーだ。
チャーリーの存在が私をこの場に縛り付ける。
例えケイトから逃げきれたとして、地上への出口を見つける前に彼に見つかったら終わり。
元軍人に素手で勝てるわけがない。
「ねえ、なんで自分が誘拐されたか聞かないの?」
ケイトがこちら側に寝返りを打った。
私も声をしたほうを振り向く。
横になったまま見つめ合う形に。
「……」
こんな緊迫した状況なのに……。
枕元のランタンの灯りに照らされたケイトの美しさに、見とれてしまっていた。
生命力に溢れた美しさを持つベアトリクス様とは違う、どこか儚げな危なげな妖しげな美しさ。
幼さも微かに残るが、あの森の館で見ていたお転婆なケイトの雰囲気とはずいぶん異なる。
少し大人びて見える。
いや、もしかしたらこちらが本来の姿なのかもしれない。
「そうですね、では質問します。なぜ私を誘拐したのですか? あなたはてっきりベアトリクス様を狙ってると思っていたのですが」
数秒間見とれてしまった。
しかし、取り繕って質問を開始する。
これはブラフでもなければ牽制でもない。
実際に知りたかった情報だ。
そして言葉にして思い出す。
こいつは……主の娘であるベアトリクス様と仲が悪かった。
未だに執着しているかもしれない。
「ベアトリクスを私が誘拐? なんであの子を?」
キョトンとした顔でそう返された。
これは?
真意が読めない。
「いえ、なんとなく」
とりあえず言葉を濁す。
もっと喋らせて情報を得なければ。
「ねえ、最近の王都での行方不明者のリスト見たことある?」
「……? それは、興味があったので図書館で調べました」
「なら話が早いわ。最近の行方不明者は貴族のお爺さんばかりだったでしょう? 女の子なんて一人もいなかったでしょ?」
……いや、違うが。
怪人が絡むとされた行方不明事件。
貴族の老人ばかりなんてことはない。
「……」
この返答は目の前の少女の機嫌を損ねたいと信じたい。
一か八か、ストレートに伝えるか。
「ここ二年で怪人目撃情報込みで行方不明になった者たち、老若男女いろいろでしたよ」
「え?」
「女性の行方不明者は特に若い方が多いようでした」
「そ、そんな……」
「……?」
なんだ?
ランタンの灯りではわかりにくいが……私の言葉の後に、ケイトの顔から血の気が引いた気がする。
これはよくない傾向だ。
まだ明確にわかってない彼女の禁句に関わることに触れた可能性がある。
†††††
なぜケイトは動揺しているのだろう。
騎士団に追われている殺人犯に、今さら心を揺らされる事なんてあるのか?
「そ、そんなはずはない。私が殺したのは十人だけ」
震えた声が聞こえてきた。
「たしかに私は殺人衝動を抑えられなくてたくさん殺したけど……」
「殺人衝動?」
「殺されて当然の悪い人間しか手にかけてない」
「……?」
強めの口調で言われた。
言葉の意味が理解できない。
そんな事を私に言われても困る。
いや、どうでもいい。
大切なのは、今現在そのケイトの中に潜む殺人衝動とやらが私に向くかどうか。
そして執事としての矜恃もある。
もしケイトが今後雇い主とその家族を手にかける可能性があるなら……。
ここで始末する。
そうだ。
駆け引きなんかしてる場合じゃなかった。
執事としての使命を優先させないと。
「……」
「……」
沈黙が続く。
ランタンの灯りしかない薄暗い中、寝転がったまま睨み合う形になっている。
体に力が入る。
もちろん私は人を殺した事などない。
しかし、よく考えたら必要な事だった。
改めて考える。
この殺人犯はベアトリクス様を狙う可能性も大いにあるのだ。
何しろ二人はとても仲が悪かった。
「私を殺す気? すごい表情してるよ」
「よくそんなのわかるな」
「……!?」
お互い飛び起きる。
そのまま睨み合いを続ける。
「お前が……ベアトリクス様を今後殺す可能性があることに気づいた。ならこの手を汚しても、止めなければならない」
「……そんな事したら、チャーリーがあなたを殺すよ?」
「構わない。私は今はヘザー男爵家の使用人だ。クルック家の……お前の執事じゃない」
二十五の青年と十六の少女の会話とは思えない。
物騒な言葉が飛び交う。
……本当にやるか?
いや、迷う必要はない。
私は、執事だ。
今はヘザー男爵家に仕えているんだ。
それらを紅茶で胃に流し込む。
ケイトは私のその様子をジッと見ている。
「イーモン。この状況でよく食べれるね。逆の立場ならパニックになりそうな気がする」
「……」
パニック状態に決まってる。
目の前の殺人犯の少女を刺激しないために、必死でリラックスしているふりをしている。
「最近退屈していましたからね。こういう刺激的なシチュエーションも悪くないかと」
「は?」
「まるで小説の主人公になった気分です。この後私はどうなるのかな」
「アハハハ」
私のブラフを聞いて、ケイトは腹を抱えて笑い出した。
これは……好感度が上がったのか下がったのか。
どっちだ?
「アハハ……あなたってそんな性格だっけ? ベアトリクスと似たようなタイプだと思ってたけど」
「……?」
「面白いわ」
ケイトは頬を少し染めながら笑い続ける。
これは……間違いなく好感度が上がってる。
まだ漠然とだが、ケイトのかけて欲しい言葉が明確になってきた。
やはり、自分を普通の存在として扱う者。
今この場においては……おそらく私がケイトに普通の少女に話しかけるような態度だったから気に入ったはず。
考えれば簡単だった。
それは異常者に一番多いタイプだ。
自分が異常と自覚がある者は、普通の存在として認識される事に喜びを感じる。
何のことはない。
この娘は異常者だ。
†††††
上の劇場の音が聞こえなくなった。
もう劇団員は掃除が終わって帰ったようだ。
「……」
「……」
私とケイトは、事もあろうに劇場の下の地下空間に敷かれた分厚い絨毯の上で仰向けで寝そべっていた。
まるで普通に食後に行儀悪く休んでいるように……。
「……」
もちろん形だけだ。
お互い寝息など立てていない。
相手を油断させるための行動……向こうもそうな可能性が高い。
先ほど横目で確認した。
ケイトは今は猟銃を手放している。
大型のナイフは枕元に置いているが……彼女の投げナイフの腕はどんなものなのだろうか?
とにかく、今ならその気になれば逃げれる可能性が高い。
上体を起こすだけでも、数秒間はかかるはず。
しかし……やはりチャーリーだ。
チャーリーの存在が私をこの場に縛り付ける。
例えケイトから逃げきれたとして、地上への出口を見つける前に彼に見つかったら終わり。
元軍人に素手で勝てるわけがない。
「ねえ、なんで自分が誘拐されたか聞かないの?」
ケイトがこちら側に寝返りを打った。
私も声をしたほうを振り向く。
横になったまま見つめ合う形に。
「……」
こんな緊迫した状況なのに……。
枕元のランタンの灯りに照らされたケイトの美しさに、見とれてしまっていた。
生命力に溢れた美しさを持つベアトリクス様とは違う、どこか儚げな危なげな妖しげな美しさ。
幼さも微かに残るが、あの森の館で見ていたお転婆なケイトの雰囲気とはずいぶん異なる。
少し大人びて見える。
いや、もしかしたらこちらが本来の姿なのかもしれない。
「そうですね、では質問します。なぜ私を誘拐したのですか? あなたはてっきりベアトリクス様を狙ってると思っていたのですが」
数秒間見とれてしまった。
しかし、取り繕って質問を開始する。
これはブラフでもなければ牽制でもない。
実際に知りたかった情報だ。
そして言葉にして思い出す。
こいつは……主の娘であるベアトリクス様と仲が悪かった。
未だに執着しているかもしれない。
「ベアトリクスを私が誘拐? なんであの子を?」
キョトンとした顔でそう返された。
これは?
真意が読めない。
「いえ、なんとなく」
とりあえず言葉を濁す。
もっと喋らせて情報を得なければ。
「ねえ、最近の王都での行方不明者のリスト見たことある?」
「……? それは、興味があったので図書館で調べました」
「なら話が早いわ。最近の行方不明者は貴族のお爺さんばかりだったでしょう? 女の子なんて一人もいなかったでしょ?」
……いや、違うが。
怪人が絡むとされた行方不明事件。
貴族の老人ばかりなんてことはない。
「……」
この返答は目の前の少女の機嫌を損ねたいと信じたい。
一か八か、ストレートに伝えるか。
「ここ二年で怪人目撃情報込みで行方不明になった者たち、老若男女いろいろでしたよ」
「え?」
「女性の行方不明者は特に若い方が多いようでした」
「そ、そんな……」
「……?」
なんだ?
ランタンの灯りではわかりにくいが……私の言葉の後に、ケイトの顔から血の気が引いた気がする。
これはよくない傾向だ。
まだ明確にわかってない彼女の禁句に関わることに触れた可能性がある。
†††††
なぜケイトは動揺しているのだろう。
騎士団に追われている殺人犯に、今さら心を揺らされる事なんてあるのか?
「そ、そんなはずはない。私が殺したのは十人だけ」
震えた声が聞こえてきた。
「たしかに私は殺人衝動を抑えられなくてたくさん殺したけど……」
「殺人衝動?」
「殺されて当然の悪い人間しか手にかけてない」
「……?」
強めの口調で言われた。
言葉の意味が理解できない。
そんな事を私に言われても困る。
いや、どうでもいい。
大切なのは、今現在そのケイトの中に潜む殺人衝動とやらが私に向くかどうか。
そして執事としての矜恃もある。
もしケイトが今後雇い主とその家族を手にかける可能性があるなら……。
ここで始末する。
そうだ。
駆け引きなんかしてる場合じゃなかった。
執事としての使命を優先させないと。
「……」
「……」
沈黙が続く。
ランタンの灯りしかない薄暗い中、寝転がったまま睨み合う形になっている。
体に力が入る。
もちろん私は人を殺した事などない。
しかし、よく考えたら必要な事だった。
改めて考える。
この殺人犯はベアトリクス様を狙う可能性も大いにあるのだ。
何しろ二人はとても仲が悪かった。
「私を殺す気? すごい表情してるよ」
「よくそんなのわかるな」
「……!?」
お互い飛び起きる。
そのまま睨み合いを続ける。
「お前が……ベアトリクス様を今後殺す可能性があることに気づいた。ならこの手を汚しても、止めなければならない」
「……そんな事したら、チャーリーがあなたを殺すよ?」
「構わない。私は今はヘザー男爵家の使用人だ。クルック家の……お前の執事じゃない」
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