17 / 18
18
しおりを挟む
抱えられてついたのは、自分が住んでいた家とは違う立派な建物のであった。
「綺麗な家だ」
「普通じゃん。君がいた村もこんな家ばかりだったよ」
よく覚えていないがそうだったかもしれない
山や川へ向かうには村の中を通る必要があった。その時に視界に入ったかもしれないが、すぐに村の人間が近づいてきて周りを見る暇なんてなかった。
「入っていいのか? 知り合いの家?」
「違うけど、誰もいないから」
「いない?」
普通の建物だとしても、きれいに整えられている。住んでいる人間がいるのは明らかだ。
「うん」トウは明るく頷いた。
不審に思ったが、トウに抱えられているため自分の意思とは関係なく家の中に入った。
すぐに違和感を持った。
「トウ……」
「なぁに?」
トウは穏やかに笑っている。しかし、この家は何かが変だ。
片付いている室内は今まで誰かがいたような生活感があった。
人の姿は見えないが気配を感じる。
「本当に誰もいないのか?」
「うーん、誰もってどこまでを指すの?」
意味の分からない事を言う。
「どこまでって……。ここに住んでいた人間だ」
「人間……」
トウに抱きかかえられたまま、ゆっくりと部屋を通り抜けて中庭にでた。
「――ッ」中庭の光景を見て息をのんだ。
庭に指が一本は生えた。
「トウ……、埋めた?」
「うん」トウは大きく頷いた。「家くれって言ったら拒否されたから刻んで埋めた。指だけでちゃったね」
まるで生ごみを捨てたような軽い言い方をした。
「トウ……」
「ん?」
悪びれる様子も隠す様子もない。彼にとって邪魔な人間を始末するのは日常的な行動なのだろう。
「綺麗な家だ」
「普通じゃん。君がいた村もこんな家ばかりだったよ」
よく覚えていないがそうだったかもしれない
山や川へ向かうには村の中を通る必要があった。その時に視界に入ったかもしれないが、すぐに村の人間が近づいてきて周りを見る暇なんてなかった。
「入っていいのか? 知り合いの家?」
「違うけど、誰もいないから」
「いない?」
普通の建物だとしても、きれいに整えられている。住んでいる人間がいるのは明らかだ。
「うん」トウは明るく頷いた。
不審に思ったが、トウに抱えられているため自分の意思とは関係なく家の中に入った。
すぐに違和感を持った。
「トウ……」
「なぁに?」
トウは穏やかに笑っている。しかし、この家は何かが変だ。
片付いている室内は今まで誰かがいたような生活感があった。
人の姿は見えないが気配を感じる。
「本当に誰もいないのか?」
「うーん、誰もってどこまでを指すの?」
意味の分からない事を言う。
「どこまでって……。ここに住んでいた人間だ」
「人間……」
トウに抱きかかえられたまま、ゆっくりと部屋を通り抜けて中庭にでた。
「――ッ」中庭の光景を見て息をのんだ。
庭に指が一本は生えた。
「トウ……、埋めた?」
「うん」トウは大きく頷いた。「家くれって言ったら拒否されたから刻んで埋めた。指だけでちゃったね」
まるで生ごみを捨てたような軽い言い方をした。
「トウ……」
「ん?」
悪びれる様子も隠す様子もない。彼にとって邪魔な人間を始末するのは日常的な行動なのだろう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
学園の卒業パーティーで卒業生全員の筆下ろしを終わらせるまで帰れない保険医
ミクリ21
BL
学園の卒業パーティーで、卒業生達の筆下ろしをすることになった保険医の話。
筆下ろしが終わるまで、保険医は帰れません。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる