【R18】愛しのウサギ~可愛い男の子にいいようにされる長身イケメン~

黒夜須(くろやす)

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第28話 遭遇

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月明かりの下を正樹は大きな身体を小さくしてチラチラと彼を見ながら、優吾の横を歩いていた。

その時。

「ギャーッ」

と言う叫び声がした。

目の前にいる優吾は固まって少し下を見ていた。
正樹も恐る恐る優吾が視線の先を見ると、小さな女の子が2人いた。

1人がもう1人を両手で抱きかかえていた。

所謂、お姫様だっこだ。

抱き抱えられた少女は足にギブスをつけている。

真夜中に、2人の少女。

お化け。
幽霊。

正樹はすぐに逃げたかったが、優吾が動かないのでそうもいかなかった。

「ほ、ほ……」

「デカい図体で、情けないですね」

優吾の名前を呼ぼうとした時、抱っこをしている方の少女が正樹に向かってしゃべったと思ったが彼女は抱きかかえている少女の方を見た。

「へ? これが? クマだよ」

抱き抱えてる少女に向かって話をしているようだが相手の少女の声を全く聞こえない。

「いや、病室にいますよ。え、そうなんですね」

その少女は今度は、優吾の方を向いて話したが優吾自身は言葉をまったく発していない。

優吾が振り向いて、正樹の方をみた。

「抱かれているのは速水の妹で、楓さんというそうだ。抱いているのは彼女の親友で愛川姫路さんだ」
「え、はい。速水さんの部下で岡田正樹と言います」

突然の紹介にあわてて上擦った声になってしまった。

(どうして、こんな真夜中に? 妹さんは怪我しているから病室からでではマズいのでは? 両親は? だいたい姫路って子はなんでこんな軽々妹を抱きかかえてるんだ?)

「うるさいですね。優吾さん?」

姫路は、優吾の方をみると彼はゆっくりと目を閉じてあけた。

「あ……」

優吾が正樹に説明をしようとした途端、楓が姫路から飛び降り地面に足をついた。

優吾も正樹もそれを目にして固まった。

楓は立った瞬間はふらついて姫路に支えられたがすぐに一人で立った。ギブスで固められた足を地面につきながら、ピョコピョコと正樹の前にいた。

その歩き方は昨日、骨折で手術をした人間には見えなかった。

「初めまして、速水楓と申します。こんな素敵な方が兄の会社にいたなんで楓は感激です」
「はぁ……」

キラキラとした目を向けられて、正樹は動揺を隠せなかった。

夜中に外を歩いてるし。
昨日怪我したのに平気そうだし。
突然ほめられるし。

正樹は情報過多で頭がくらくらした。

「あら、どうされたのですか? 体調が悪いのですか?」
「いえ……」

正樹は自分は飲み過ぎたのだと思った。だからありもしない幻覚を見ていると思った。

「あ、こんな寝間着姿で失礼しました。あの……」

楓は恥ずかしそうに自分の姿をみた。そして、正樹に近くによると彼の大きな手を握った。

クマのような正樹と並ぶと楓はリスのように小さく見えた。

「今日は、偶然でしたので何も準備おりません。是非改めてお会いして頂けますか?」
「……え?」
「ダメですが?」

正樹が困った顔をすると彼女は正樹の手を楓は強く握り、上を向いて寂しそうな顔でお願いしてきた。

祐介と瓜二つの彼女は控えめに言っても学校で上位に入れるほどの整った顔をしている。

自分に少女趣味はないと頭で何度も繰り返し、自分を落ち着かせようとしたが心臓の音は早くなるばかりであった。

そして、頷いてしまった。

「ありがとうございます。連絡は兄を通しますね」

彼女は嬉しそうに笑うと、ピョンピョンと跳ねて姫路に抱きついた。姫路は楓を抱き上げると、2人に頭を下げていなくなった。

正樹は状況がまったく飲み込めずに、目を何度もパチクリとさせた。

「すべて予想外だ。すまない。夜だから散歩がてら病院を外から見て帰ろうと思った」
「はぁ」

数十メートル先には大きな病院の門が見えた。公園の中にたたずむ大きなこの病院はどんな患者も受けれると有名であった。

優吾は腕にある時計をみた。

「まだ、終電までは時間があるな。話すか?」
「……はい」
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