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天井に貼ってある白い紙について叔父は何も言わずに無表情である。国王は助けを求めるような顔をしてその白い紙と扉を交互にみている。なんとなく白い紙の意味が分かってきた。
突然、扉を叩く音がするとこちらの返事を待たずに扉が開いた。そんな失礼な入室の仕方を衛兵はしない。入室した人物を確認するため目だけを動かして扉の方を見ると法務大臣で国王のいとこであるアーサーがいた。笑顔を作っていたがあまり顔色がよくない。疲れているようである。
「その白い紙は僕の魔法陣だよ。それでここの様子を見ていた」
挨拶もせずに、私の横に乱暴に座った。ソファの背もたれに体重をかけるその姿はだいぶお疲れにようである。「国王陛下の前ですが……」あまりの態度に心配して声をかけると「今は業務外だから」と言っていた。時計を確認すると確かに公務時間を過ぎている。私は随分長い間居てしまったと思った。
国王と叔父は何も言わずにアーサーを見ていた。
「いくら見てもルカにこの魔法陣の説明はしないよ。必要ないしね」
チラリと私の顔を見た。これは私が同じように魔法陣を使えることを国王と叔父に説明しろということだろうか。それとも言葉の意味通りこの魔法陣の説明はしないということか。
「魔法陣の話をする?それとも他のことがいい? 」
私が石板魔法陣以外を使えることを彼から言うつもりはないようだ。私に任せるということだろう。魔法陣の話は私が許可しなければ彼の口から他者に伝わることはないだろう。
ルキア帝国や闇市問題から戦争になる可能性があるため魔法陣の事は伝えたくなかった。あれは使うと疲れるためアテにされたくない。私はアーサーの質問に答えずに今回のシナリオ提案者はアーサーである事を確認すると少し考えてから頷いた。そもそも、誰が提案者であっても私はこの話にのらない選択肢はない。
「奴隷解放案についてお願いします。全貴族に反発されたらいくら王族でも抑えることは難しいと思います」
「それは貴族が反発をする余裕があればの話でしょ」
ニヤリと笑うアーサーはソファの背もたれに肘をつきこちらを見ている。貴族が反発を起こす余裕がない状態とは……。
よく分からなかったので、逆に貴族が余裕ある現状を考えてみる。生活の全てを雇われた使用人や奴隷がやってくれるからゆっくりお茶を飲んでいる。それはわかるが……。どうもピンと来ない。
「そんなに難しい問題じゃないでしょ。貴族の生活基盤を支えているのは雇われた使用人や奴隷だよね。雇われた使用人は辞める権利があるからそんな酷い扱いは受けないだろし賃金も貰える。奴隷どうだろうね。まぁ奴隷法があるから国に登録されている奴隷はある程度は守られているけどね」
つまり、法で守られていない闇市奴隷は不当な扱いをうけており不満を持っているということだ。その話は漫画ものあった話であるため知っている。主人公アイラが解放した奴隷と共に反乱軍をつくるのだ。そのアイラはまだ自国にいる。
「では、法に守られない闇市奴隷で反乱軍でもつくりますか」
そんな大掛かりな事を本気でやろうとは思っていなかったが漫画にある要素だから口にしてみた。するとアーサーを含む三人が頷いている。
もしかしてマズい事を口にしたかもしれない。
突然、扉を叩く音がするとこちらの返事を待たずに扉が開いた。そんな失礼な入室の仕方を衛兵はしない。入室した人物を確認するため目だけを動かして扉の方を見ると法務大臣で国王のいとこであるアーサーがいた。笑顔を作っていたがあまり顔色がよくない。疲れているようである。
「その白い紙は僕の魔法陣だよ。それでここの様子を見ていた」
挨拶もせずに、私の横に乱暴に座った。ソファの背もたれに体重をかけるその姿はだいぶお疲れにようである。「国王陛下の前ですが……」あまりの態度に心配して声をかけると「今は業務外だから」と言っていた。時計を確認すると確かに公務時間を過ぎている。私は随分長い間居てしまったと思った。
国王と叔父は何も言わずにアーサーを見ていた。
「いくら見てもルカにこの魔法陣の説明はしないよ。必要ないしね」
チラリと私の顔を見た。これは私が同じように魔法陣を使えることを国王と叔父に説明しろということだろうか。それとも言葉の意味通りこの魔法陣の説明はしないということか。
「魔法陣の話をする?それとも他のことがいい? 」
私が石板魔法陣以外を使えることを彼から言うつもりはないようだ。私に任せるということだろう。魔法陣の話は私が許可しなければ彼の口から他者に伝わることはないだろう。
ルキア帝国や闇市問題から戦争になる可能性があるため魔法陣の事は伝えたくなかった。あれは使うと疲れるためアテにされたくない。私はアーサーの質問に答えずに今回のシナリオ提案者はアーサーである事を確認すると少し考えてから頷いた。そもそも、誰が提案者であっても私はこの話にのらない選択肢はない。
「奴隷解放案についてお願いします。全貴族に反発されたらいくら王族でも抑えることは難しいと思います」
「それは貴族が反発をする余裕があればの話でしょ」
ニヤリと笑うアーサーはソファの背もたれに肘をつきこちらを見ている。貴族が反発を起こす余裕がない状態とは……。
よく分からなかったので、逆に貴族が余裕ある現状を考えてみる。生活の全てを雇われた使用人や奴隷がやってくれるからゆっくりお茶を飲んでいる。それはわかるが……。どうもピンと来ない。
「そんなに難しい問題じゃないでしょ。貴族の生活基盤を支えているのは雇われた使用人や奴隷だよね。雇われた使用人は辞める権利があるからそんな酷い扱いは受けないだろし賃金も貰える。奴隷どうだろうね。まぁ奴隷法があるから国に登録されている奴隷はある程度は守られているけどね」
つまり、法で守られていない闇市奴隷は不当な扱いをうけており不満を持っているということだ。その話は漫画ものあった話であるため知っている。主人公アイラが解放した奴隷と共に反乱軍をつくるのだ。そのアイラはまだ自国にいる。
「では、法に守られない闇市奴隷で反乱軍でもつくりますか」
そんな大掛かりな事を本気でやろうとは思っていなかったが漫画にある要素だから口にしてみた。するとアーサーを含む三人が頷いている。
もしかしてマズい事を口にしたかもしれない。
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