【完結】腐女子が王子～独身中年女性が異世界王子に転生、ヲタクの知識と魔法と剣術で推しメンの危機を守ります～

提案

　様々なことを言われて、頭が混乱している。
　まず私がハリー・ナイトを裁く。そこで、ルキア帝国から奴隷を流していた事を明らかにして尚且つ革命軍を作るということ。仕事が多すぎて無理があると思う。アーサーにそこを確認すると彼は笑顔で首をふった。

「ハリー・ナイトにルキア帝国から奴隷を流していたと認めさせ、闇市殲滅とルキア帝国との同盟及び貿易中止をするというのが僕の案。もう一つは反乱軍をつくり奴隷制度の廃止」

「待ってください。後者ですと私が王になりませんか」

　話を整理してみて驚いた。大体私が反乱軍の指導者になって貴族を責めたら王族が黙って見ているわけには行かない。それらに勝利するということは即ち……。私が王子でなければ反乱後、王族との和解も可能かもしれない。
　その場いる全員の顔をみたが誰も何も言わない。

「父上を悪しき国王陛下として私に打てと言っていますか」

　誰も私の質問に答えてはくれない。それは肯定ととることにした。
　確かに“反乱軍が悪しき国王”を倒して新しい国をつくるというのは最も平民や奴隷の支持を集められる方法であるが私は国王陛下……父上を打ちたくはない。

　国の貴族は全体的の数%程度だろう。この国は人口を把握していないがどの国もそれくらいだと前世の授業で習った。貴族は免税など様々な待遇を受けているため数か多いと国が破産する。
　それに対して奴隷はある一定収入を得ている平民ならば世帯に一人はいる。つまり闇市の奴隷を含めると我が国の国民の数と同等もしくはそれ以上の可能性がある。彼らが集まり反乱を起こしたらそれはもう革命である。自分で考えていてゾッとした。
　三人は私が考えている間一切話をしなかった。まるで私の言葉を待っているようである。

「現在の状態は奴隷の不満がた高まっている。今までのままでは反乱軍ができ革命を起こされる可能性があるということですよね。そして解決案一つ目はハリー・ナイトを裁き闇市壊滅を行いルキア帝国のとの関係を切る。しかし、奴隷解放をしないかぎり完全な奴隷取り締まりができず、また闇市ができる可能性がある。そもそも奴隷たちの不満は解消させていない。解決案二つ目は私が革命を起こし新たな国の成立ですか。この案は私が国王陛下を打つ前提ですよね」
　言葉の最後に“なぜ私なのか”と付け加えた。するとアーサーは「都合がいいから」と答えたあとは黙ってしまった。この件は重すぎてすぐに答えを出すことができなかった。

「兄上と相談してもいいですか」

　私だけで答えを出すのは無理だと思った。本当は目の前にいる方々に意見を貰いたいがさっきからすべてを私に任せるという態度なのだ。私の質問にも答えない。

「また今晩話そう。それとオリビア令嬢の従者ルークの訪問は許可する。その日程も今夜聞こう」

　叔父は私の目をじっと見ながら期限を設定してきた。

　だからなんで私なんだ。