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どんな時でも妄想はできる
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屋敷内にはいり、グレース殿下夫妻ついて部屋向かった。その間、屋敷の人間に会うことはなかった。ルイが使用人の人数が少ないと行っていたから不思議には思わなかった。しかし、城では何人もの使用人とすれ違うので違和感があった。
案内された部屋に着くと私とルイそれからジャック隊長、マリア隊長が入室し、四番隊員アーロと五番隊員カラムは扉の外で待機した。入室後、隊長の両名と救護部隊の騎士は扉の横に立った。
立ってから微動だにしないのはすごいと思う。
グレース夫妻の案内でテーブルの席に着いた。
しばらくすると侍女らしき人が現れて紅茶と焼き菓子を置いて行った。グレース殿下とジョージ殿下は彼女の名前を呼び丁寧に礼を言っていた。すると侍女は嬉しそうにほほ笑み去っていった。城にも侍女が多くいるがこんな可愛らしい反応する侍女はいない。私の侍女のサラなんて事務的な笑顔だ。
うらやましく思った。
「可愛いだろ。うちの侍女は」
グレース殿下がニヤリと笑った。私があまりにも見すぎていたため好意的思ったと感じたのだろう。
この手の話はよくない。
チラリとルイに視線を移すとやっぱり怖い顔をしている。ルイの気持ちを落ち着かせるため慎重に言葉を選びグレース殿下に返答した。
「いえ、そういうのではなく侍女と仲が良いようで羨ましいと思いました」
私の言葉を聞いてルイは穏やかな顔になった。そんなに私が好きなのか。告白された後、露骨に態度に出されると意識してしまう。
「使用人が少ない分関係が濃い」
楽しげに話すグレース殿下に対して、同意するようにジョージ殿下は笑顔で頷いていた。
その信頼関係をつくり良き相談相手になってもらうために王族は専属侍女がいるのだが私は上手くいない。サラは騎士であるから上手く行かない部分も多いのかもしれない。
そろそろ、本題に入りたいと思ったがどう切り出していいか分からなかった。
もう少し世間話をしなくてはならないのだろうか。
茶会にあまり参加していないため世間話に本題を混ぜるやり方がわからない。ルイがなんとかしていれるかと思いチラリと見るがすました顔をしている。
「それより、話したい事があるのではないのかい」
穏やかな表情を浮かべたジョージ殿下が私達に視線を送った。本題の切り出し方に困っていたので助かった。
私は身を乗り出しグレース殿下とジョージ殿下の方を見た。
「私達はこれからハリー・ナイトを裁かなくてはなりません。しかし、資料が足りません。お力をお貸し頂けますでしょうか」
「構わないよ」
グレース殿下はすぐに承諾して、ジョージ殿下が頷いていた。ずっと、もの柔らかに微笑むジョージ殿下は本当素敵だと思った。顔は我が国の王族に比べたら劣るがそれでも整っている。更に年齢を重ねて人間としての味が出ており服の上から分かる引き締まった身体も素敵すぎる。
グレース殿下は男性に見えるため男性同士のカップルにも思える。夜はどっちがリードするのかと思うと顔がにやける。凛としてカッコいいグレース殿下が夜は可愛くなり優しいジョージ殿下が男の顔を見せるのだろうか。逆にジョージ殿下が受け身でもいいと思う。親父マッチョ受けではないか。カッコいいグレース殿下はそのままカッコよくリードするとか……。楽しすぎる。
本当にありがとうございます。
ごちそうさまでした。
「何か言いたいことがあるのかな?」
あまりに見すぎてしまったために、ジョージ殿下は困った顔をしていた。
私は声をかけられて慌てた。妄想がバレてはいないだろうが見透かされている気がして心臓が高鳴った。
ルイは「筋肉か……」と言って自分の腕に触れていた。
「申し訳ございません。今後の事を考えていまして……」
「裁判かな。心配なのはわかる。力になろう」
いきなり裁判を押し付けられた事をジョージ殿下は同情しているようだ。私は妄想のことが誤魔化すことができて胸をなでおろした。
グレース殿下は金色に輝く髪をゆらしながら、私たちを見た。
「何が聞きたい」
そうグレース殿下が言ったとたんグレース殿下の胸が光った。
その瞬間彼女は顔色を変えて、胸がポケットから一枚の紙を取り出し広げた。
『母上』
そこからアーサーの焦った声から聞こえた。
案内された部屋に着くと私とルイそれからジャック隊長、マリア隊長が入室し、四番隊員アーロと五番隊員カラムは扉の外で待機した。入室後、隊長の両名と救護部隊の騎士は扉の横に立った。
立ってから微動だにしないのはすごいと思う。
グレース夫妻の案内でテーブルの席に着いた。
しばらくすると侍女らしき人が現れて紅茶と焼き菓子を置いて行った。グレース殿下とジョージ殿下は彼女の名前を呼び丁寧に礼を言っていた。すると侍女は嬉しそうにほほ笑み去っていった。城にも侍女が多くいるがこんな可愛らしい反応する侍女はいない。私の侍女のサラなんて事務的な笑顔だ。
うらやましく思った。
「可愛いだろ。うちの侍女は」
グレース殿下がニヤリと笑った。私があまりにも見すぎていたため好意的思ったと感じたのだろう。
この手の話はよくない。
チラリとルイに視線を移すとやっぱり怖い顔をしている。ルイの気持ちを落ち着かせるため慎重に言葉を選びグレース殿下に返答した。
「いえ、そういうのではなく侍女と仲が良いようで羨ましいと思いました」
私の言葉を聞いてルイは穏やかな顔になった。そんなに私が好きなのか。告白された後、露骨に態度に出されると意識してしまう。
「使用人が少ない分関係が濃い」
楽しげに話すグレース殿下に対して、同意するようにジョージ殿下は笑顔で頷いていた。
その信頼関係をつくり良き相談相手になってもらうために王族は専属侍女がいるのだが私は上手くいない。サラは騎士であるから上手く行かない部分も多いのかもしれない。
そろそろ、本題に入りたいと思ったがどう切り出していいか分からなかった。
もう少し世間話をしなくてはならないのだろうか。
茶会にあまり参加していないため世間話に本題を混ぜるやり方がわからない。ルイがなんとかしていれるかと思いチラリと見るがすました顔をしている。
「それより、話したい事があるのではないのかい」
穏やかな表情を浮かべたジョージ殿下が私達に視線を送った。本題の切り出し方に困っていたので助かった。
私は身を乗り出しグレース殿下とジョージ殿下の方を見た。
「私達はこれからハリー・ナイトを裁かなくてはなりません。しかし、資料が足りません。お力をお貸し頂けますでしょうか」
「構わないよ」
グレース殿下はすぐに承諾して、ジョージ殿下が頷いていた。ずっと、もの柔らかに微笑むジョージ殿下は本当素敵だと思った。顔は我が国の王族に比べたら劣るがそれでも整っている。更に年齢を重ねて人間としての味が出ており服の上から分かる引き締まった身体も素敵すぎる。
グレース殿下は男性に見えるため男性同士のカップルにも思える。夜はどっちがリードするのかと思うと顔がにやける。凛としてカッコいいグレース殿下が夜は可愛くなり優しいジョージ殿下が男の顔を見せるのだろうか。逆にジョージ殿下が受け身でもいいと思う。親父マッチョ受けではないか。カッコいいグレース殿下はそのままカッコよくリードするとか……。楽しすぎる。
本当にありがとうございます。
ごちそうさまでした。
「何か言いたいことがあるのかな?」
あまりに見すぎてしまったために、ジョージ殿下は困った顔をしていた。
私は声をかけられて慌てた。妄想がバレてはいないだろうが見透かされている気がして心臓が高鳴った。
ルイは「筋肉か……」と言って自分の腕に触れていた。
「申し訳ございません。今後の事を考えていまして……」
「裁判かな。心配なのはわかる。力になろう」
いきなり裁判を押し付けられた事をジョージ殿下は同情しているようだ。私は妄想のことが誤魔化すことができて胸をなでおろした。
グレース殿下は金色に輝く髪をゆらしながら、私たちを見た。
「何が聞きたい」
そうグレース殿下が言ったとたんグレース殿下の胸が光った。
その瞬間彼女は顔色を変えて、胸がポケットから一枚の紙を取り出し広げた。
『母上』
そこからアーサーの焦った声から聞こえた。
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