21 / 33
第21話 魔力制御2
しおりを挟む
自分の手にある葉をミヅキはじっと見つめた。
いまだに、魔力の出し方が分からなかった。
しばらく考えてから、目を閉じて指輪の時と同じように葉に神経を集中させた。すると身体が熱くなるのを感じた。
その瞬間、男性の顔が脳裏に浮かんだ。彼が誰だかはすぐに分かった。
国王だ。
国中に彼の絵があり、見ない日はない。
国王は生徒会室の王太子の席に座っていた。
「なんだったんだ……?」
驚いて、目を開けると枯れ葉は少しずつ赤色が変わってきた。全て赤色になると砕けちってしまった。近くにあった落ち葉を拾い同じことをするとまた砕け散った。
その間も国王の顔が脳裏から離れなかった。
「……」
おじさんの顔がいつまでも頭にあり不快だった。
近くにあった葉を手にとり、レイージョをイメージしながら集中した。おじさんの顔を忘れたかったのだ。
レイージョの頬を赤くして照れた表情を思い浮かべると心が優しくなった。
すると、手に持った葉は赤く染まったが崩れなかった。
「おぉ」
レイージョの愛らしい笑顔を思い浮かべてみた。すると、赤く染まった葉にレイージョの顔が描かれた。それはイメージした通りの顔であった。
「面白い」
調子にのり、何度も繰り返したため周囲に落ちている葉には全てレイージョの顔が掛かれていた。
楽しくなり、目を閉じて葉の中に埋もれた。
ほのかにレイージョの香りがする気がした。
「な、なにをしているの?」
転がってレイージョ葉を堪能していると、聞きなれた美しい声がした。
それがすぐにレイージョだとわかった。
彼女の声は震えていた。
勝手に葉っぱに顔を描いたことを怒っているのかと思い慌てて目を開けて、飛び起きた。目の前には真っ赤な顔をして震え立っているレイージョがいた。
可愛い。
「レイに埋もれています」と笑顔で答えるとレイージョは「そう」と言った。
彼女は呼吸を整えて、ミヅキの隣に座った。
そしてレイージョの顔が描かれている葉を一枚拾った。
「よく出来ているわ。どうやったの?」
「レイを思い浮かべたのです」
「どのわたくしも笑っているのね」とレイージョは持っている葉以外の葉っぱにも視線を送った。
「ええ、レイはいつも優しく微笑んでくれますから」
満面の笑みを浮かべた。すると、レイージョはまた頬を赤くした。
「そういえば、何か私に御用ですか? 私を探すなんて初めてですよね?」
「パーティーにいないから」
「……パーティー」
「ええ。今日は広間でパーティーが行わる日でしょ。卒業の時のように大規模ではないけど、社交界にでる人間としては大切な行事よ」
朝、クラスの人間が受かれていたのを思い出した。
パーティーがあるからこそ、自分はここにいた。
「自由参加という話ですので、ここにいます」
「そうね。無理して出るものではないわ」レイージョは何か考えているようであった。「ずっと、ここにいたの?」
「ええ」綺麗な顔でじっと見つめられるとドキドキした。「あ、さっきユウキ様にお会いしましたよ。パーティーに出ないのですね」
「ユウキはいつも参加しないわ。身長が足りないから踊れないとか言って逃げるのよ。それはいいのだけど、本当にここいたのよね」
「ええ」
何度も確認するレイージョを不思議に思い首を傾げた。
「そう、ならいいのよ。それで、この葉はどうするの?」レイージョは自分の顔の描かれた葉を恥ずかしそうに見た。「このままはちょっと……」
「あ、そうですよね」
自分の顔の葉がバラまかれているなんて誰でも恥ずかしい。
ミヅキは手を広げて葉にかざすと集中した。一度に多くの数に対応できるか分からなかったがやってみることにした。
力を出しすぎないように、水道の蛇口をイメージした。すこしずつ水を出していく感覚だ。
すると、葉は赤くなり砕けた。
その時、首から下げている石が入ったチャームが熱くなったように感じた。そっとそれに触れると確かに熱を持っているようであった。
それをレイージョに伝えようとしたが……。
「全て、ミヅキがやったのよね?」レイージョに砕けだ葉を見て眉を寄せた。
「はい。先ほど、ユウキ様に言われて練習していました」
「そう。予知だけじゃなくて……、そんなこともできるの?」
「できちゃいました」
いつになく怖い顔をしているレイージョに不安になった。
「時間がないからはっきり言うわ。アキヒト様と結婚したくないのよね?」
「いやです」
唐突な質問に驚いたがはっきりと答えた。
「なら、わたくしとならいい?」
「はい」できるのかわからないけど、はっきりと答えた。
「では、そうしましょう」
「よろしくお願いいたします」彼女の言っている意図が分からなかったが元気よく頭を下げた。
「どういうことだか分かってないでしょ? 即答していいの?」
「はい」
確かに、唐突な話過ぎて理解できなかったがレイージョと結婚できるならどうでもいい話であった。
こんな幸せなことはない。
レイージョは呆れたように、笑った。
「承諾してくれたから全部話すわ」
「はい」
「ミヅキも知っての通り、アキヒト様は高魔力である貴女を側妃にするつもりだったわ。それは、国とためでもあり貴女自身のためでもあったの。それを断ったのよね」
「そうですね」
王太子と結婚するぐらいなら国なんか滅びればいいと思った。以前は大丈夫であったが今は、レイージョと王太子が仲良くする姿を見たくない。
「仲良くしないわよ」
「へ?」
「結婚するから話すわね。特殊能力で心が読めるの」
ぬぉぉぉぉぉぉ。
レイージョの能力を聞いた途端、心の中で雄叫びをあげた。顔が熱くなるどころか、燃えているようであった。今まで思っていたことが全て筒抜けなんて羞恥。
「ごめんなさいね」
申し訳なさそうにするレイージョに大きく首をふた。
「いえいえいえいえいえいえ。私、気持ち悪くてごめんなさい」
「そんなことないわ。女神なんでしょ」
「はい。愛しています」
すると、ぼっとレイージョ顔が赤くなった。
「あ、こ、言葉で聞くとなんかアレね」
レイージョは頬を抑えた。
あああああ。
レイ、レイ。
かわゆいよ。
照れた顔も最高だよ。
もう超大好き。
愛している。
「あ、うん。わ、わかったわ。もう……」
赤い顔のレイージョに抱きしめられた。
そして、耳元で「落ち着いて」と言われたが、そんなことされたら落ち着けるわけがない。心臓がハイスピードで動き100年ぐらい寿命が進んだ気がした。
頭は大爆発。
「あ、情報過多よね。ごめんね」
レイージョが背中を優しくなぜてくれた。すると次第に気持ちが落ち着いてきた。
心臓の音が正常になったころ、レイージョはミヅキを離した。
「生徒会の人間全員に特殊能力があるだけど、それはおいおいね」
「……はい」
「話進めるわ。貴女の魔力が強すぎるのよ。隣国が気づいたみたなの」
「あら」
「あら、じゃないの」レイージョは葉がなくなった地面を見た。「魔力制御できるようになったのね。朝は出来なかったわよね」
「ユウキ様にした方がいいて言われたからやってみました」
「さっきもその話していたわね。天才すぎるわ。普通、教えてもらって何年もかかるのよ」レイージョは小さく息を吐くと座りなおした。「まぁいいわ」
「このままじゃ、隣国に誘拐される可能性があるの。それは我が国にとっても貴女にとってもいい事ではないわ」
「レイにとっても?」
「勿論よ。貴女には国にいてほしいわ」
「嬉しいです」
自分の国も隣国もどうでも良かった。ただ、レイージョに必要とされるだけで嬉しかった。高魔力で、それを扱える“天才”だからだとしても、レイージョが手放したくないと思ってくれているのは嬉しかった。
その時、レイージョ大きなため息をついた。
「わたくしの“愛”については、のちのち伝えるわ。今は時間がないの」
「愛」
頭の中がハートでいっぱいになった。
ニヤニヤしているミヅキを見てレイージョは困った顔をした。
「ちょっと来て」
レイージョに手を引かれて立ち上がった。そのまま、彼女について走った。彼女はとても焦っているようで足が速くついていくのがやっとだった。
いまだに、魔力の出し方が分からなかった。
しばらく考えてから、目を閉じて指輪の時と同じように葉に神経を集中させた。すると身体が熱くなるのを感じた。
その瞬間、男性の顔が脳裏に浮かんだ。彼が誰だかはすぐに分かった。
国王だ。
国中に彼の絵があり、見ない日はない。
国王は生徒会室の王太子の席に座っていた。
「なんだったんだ……?」
驚いて、目を開けると枯れ葉は少しずつ赤色が変わってきた。全て赤色になると砕けちってしまった。近くにあった落ち葉を拾い同じことをするとまた砕け散った。
その間も国王の顔が脳裏から離れなかった。
「……」
おじさんの顔がいつまでも頭にあり不快だった。
近くにあった葉を手にとり、レイージョをイメージしながら集中した。おじさんの顔を忘れたかったのだ。
レイージョの頬を赤くして照れた表情を思い浮かべると心が優しくなった。
すると、手に持った葉は赤く染まったが崩れなかった。
「おぉ」
レイージョの愛らしい笑顔を思い浮かべてみた。すると、赤く染まった葉にレイージョの顔が描かれた。それはイメージした通りの顔であった。
「面白い」
調子にのり、何度も繰り返したため周囲に落ちている葉には全てレイージョの顔が掛かれていた。
楽しくなり、目を閉じて葉の中に埋もれた。
ほのかにレイージョの香りがする気がした。
「な、なにをしているの?」
転がってレイージョ葉を堪能していると、聞きなれた美しい声がした。
それがすぐにレイージョだとわかった。
彼女の声は震えていた。
勝手に葉っぱに顔を描いたことを怒っているのかと思い慌てて目を開けて、飛び起きた。目の前には真っ赤な顔をして震え立っているレイージョがいた。
可愛い。
「レイに埋もれています」と笑顔で答えるとレイージョは「そう」と言った。
彼女は呼吸を整えて、ミヅキの隣に座った。
そしてレイージョの顔が描かれている葉を一枚拾った。
「よく出来ているわ。どうやったの?」
「レイを思い浮かべたのです」
「どのわたくしも笑っているのね」とレイージョは持っている葉以外の葉っぱにも視線を送った。
「ええ、レイはいつも優しく微笑んでくれますから」
満面の笑みを浮かべた。すると、レイージョはまた頬を赤くした。
「そういえば、何か私に御用ですか? 私を探すなんて初めてですよね?」
「パーティーにいないから」
「……パーティー」
「ええ。今日は広間でパーティーが行わる日でしょ。卒業の時のように大規模ではないけど、社交界にでる人間としては大切な行事よ」
朝、クラスの人間が受かれていたのを思い出した。
パーティーがあるからこそ、自分はここにいた。
「自由参加という話ですので、ここにいます」
「そうね。無理して出るものではないわ」レイージョは何か考えているようであった。「ずっと、ここにいたの?」
「ええ」綺麗な顔でじっと見つめられるとドキドキした。「あ、さっきユウキ様にお会いしましたよ。パーティーに出ないのですね」
「ユウキはいつも参加しないわ。身長が足りないから踊れないとか言って逃げるのよ。それはいいのだけど、本当にここいたのよね」
「ええ」
何度も確認するレイージョを不思議に思い首を傾げた。
「そう、ならいいのよ。それで、この葉はどうするの?」レイージョは自分の顔の描かれた葉を恥ずかしそうに見た。「このままはちょっと……」
「あ、そうですよね」
自分の顔の葉がバラまかれているなんて誰でも恥ずかしい。
ミヅキは手を広げて葉にかざすと集中した。一度に多くの数に対応できるか分からなかったがやってみることにした。
力を出しすぎないように、水道の蛇口をイメージした。すこしずつ水を出していく感覚だ。
すると、葉は赤くなり砕けた。
その時、首から下げている石が入ったチャームが熱くなったように感じた。そっとそれに触れると確かに熱を持っているようであった。
それをレイージョに伝えようとしたが……。
「全て、ミヅキがやったのよね?」レイージョに砕けだ葉を見て眉を寄せた。
「はい。先ほど、ユウキ様に言われて練習していました」
「そう。予知だけじゃなくて……、そんなこともできるの?」
「できちゃいました」
いつになく怖い顔をしているレイージョに不安になった。
「時間がないからはっきり言うわ。アキヒト様と結婚したくないのよね?」
「いやです」
唐突な質問に驚いたがはっきりと答えた。
「なら、わたくしとならいい?」
「はい」できるのかわからないけど、はっきりと答えた。
「では、そうしましょう」
「よろしくお願いいたします」彼女の言っている意図が分からなかったが元気よく頭を下げた。
「どういうことだか分かってないでしょ? 即答していいの?」
「はい」
確かに、唐突な話過ぎて理解できなかったがレイージョと結婚できるならどうでもいい話であった。
こんな幸せなことはない。
レイージョは呆れたように、笑った。
「承諾してくれたから全部話すわ」
「はい」
「ミヅキも知っての通り、アキヒト様は高魔力である貴女を側妃にするつもりだったわ。それは、国とためでもあり貴女自身のためでもあったの。それを断ったのよね」
「そうですね」
王太子と結婚するぐらいなら国なんか滅びればいいと思った。以前は大丈夫であったが今は、レイージョと王太子が仲良くする姿を見たくない。
「仲良くしないわよ」
「へ?」
「結婚するから話すわね。特殊能力で心が読めるの」
ぬぉぉぉぉぉぉ。
レイージョの能力を聞いた途端、心の中で雄叫びをあげた。顔が熱くなるどころか、燃えているようであった。今まで思っていたことが全て筒抜けなんて羞恥。
「ごめんなさいね」
申し訳なさそうにするレイージョに大きく首をふた。
「いえいえいえいえいえいえ。私、気持ち悪くてごめんなさい」
「そんなことないわ。女神なんでしょ」
「はい。愛しています」
すると、ぼっとレイージョ顔が赤くなった。
「あ、こ、言葉で聞くとなんかアレね」
レイージョは頬を抑えた。
あああああ。
レイ、レイ。
かわゆいよ。
照れた顔も最高だよ。
もう超大好き。
愛している。
「あ、うん。わ、わかったわ。もう……」
赤い顔のレイージョに抱きしめられた。
そして、耳元で「落ち着いて」と言われたが、そんなことされたら落ち着けるわけがない。心臓がハイスピードで動き100年ぐらい寿命が進んだ気がした。
頭は大爆発。
「あ、情報過多よね。ごめんね」
レイージョが背中を優しくなぜてくれた。すると次第に気持ちが落ち着いてきた。
心臓の音が正常になったころ、レイージョはミヅキを離した。
「生徒会の人間全員に特殊能力があるだけど、それはおいおいね」
「……はい」
「話進めるわ。貴女の魔力が強すぎるのよ。隣国が気づいたみたなの」
「あら」
「あら、じゃないの」レイージョは葉がなくなった地面を見た。「魔力制御できるようになったのね。朝は出来なかったわよね」
「ユウキ様にした方がいいて言われたからやってみました」
「さっきもその話していたわね。天才すぎるわ。普通、教えてもらって何年もかかるのよ」レイージョは小さく息を吐くと座りなおした。「まぁいいわ」
「このままじゃ、隣国に誘拐される可能性があるの。それは我が国にとっても貴女にとってもいい事ではないわ」
「レイにとっても?」
「勿論よ。貴女には国にいてほしいわ」
「嬉しいです」
自分の国も隣国もどうでも良かった。ただ、レイージョに必要とされるだけで嬉しかった。高魔力で、それを扱える“天才”だからだとしても、レイージョが手放したくないと思ってくれているのは嬉しかった。
その時、レイージョ大きなため息をついた。
「わたくしの“愛”については、のちのち伝えるわ。今は時間がないの」
「愛」
頭の中がハートでいっぱいになった。
ニヤニヤしているミヅキを見てレイージョは困った顔をした。
「ちょっと来て」
レイージョに手を引かれて立ち上がった。そのまま、彼女について走った。彼女はとても焦っているようで足が速くついていくのがやっとだった。
0
あなたにおすすめの小説
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
悪意には悪意で
12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。
私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。
ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。
悪役令嬢のビフォーアフター
すけさん
恋愛
婚約者に断罪され修道院に行く途中に山賊に襲われた悪役令嬢だが、何故か死ぬことはなく、気がつくと断罪から3年前の自分に逆行していた。
腹黒ヒロインと戦う逆行の転生悪役令嬢カナ!
とりあえずダイエットしなきゃ!
そんな中、
あれ?婚約者も何か昔と態度が違う気がするんだけど・・・
そんな私に新たに出会いが!!
婚約者さん何気に嫉妬してない?
記憶喪失の婚約者は私を侍女だと思ってる
きまま
恋愛
王家に仕える名門ラングフォード家の令嬢セレナは王太子サフィルと婚約を結んだばかりだった。
穏やかで優しい彼との未来を疑いもしなかった。
——あの日までは。
突如として王都を揺るがした
「王太子サフィル、重傷」の報せ。
駆けつけた医務室でセレナを待っていたのは、彼女を“知らない”婚約者の姿だった。
【完結】悪役令嬢な私が、あなたのためにできること
夕立悠理
恋愛
──これから、よろしくね。ソフィア嬢。
そう言う貴方の瞳には、間違いなく絶望が、映っていた。
女神の使いに選ばれた男女は夫婦となる。
誰よりも恋し合う二人に、また、その二人がいる国に女神は加護を与えるのだ。
ソフィアには、好きな人がいる。公爵子息のリッカルドだ。
けれど、リッカルドには、好きな人がいた。侯爵令嬢のメリアだ。二人はどこからどうみてもお似合いで、その二人が女神の使いに選ばれると皆信じていた。
けれど、女神は告げた。
女神の使いを、リッカルドとソフィアにする、と。
ソフィアはその瞬間、一組の恋人を引き裂くお邪魔虫になってしまう。
リッカルドとソフィアは女神の加護をもらうべく、夫婦になり──けれど、その生活に耐えられなくなったリッカルドはメリアと心中する。
そのことにショックを受けたソフィアは悪魔と契約する。そして、その翌日。ソフィアがリッカルドに恋をした、学園の入学式に戻っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる