勇者パーティーから追放される雰囲気だったに、勇者が豹変。動揺するしかない俺。

黒夜須(くろやす)

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女性は椅子やテーブルなど周囲の物を投げ飛ばし、受付カウンターを襲った。しかし、防御壁があるようで弾かれた。カウンターの中では受付嬢が平然と仕事をしている。
すると、突然カズマの背後からナイフが飛んできた。カズマの頬や脇をかすめて、暴れる女性に向かって行った。余りに予想外の出来事にカズマは動く事ができなかった。それが幸いしてナイフに当たらなかった。
女性は向かってきたナイフを素早く避けた。真横から突進してきた筋肉質の男を投げ飛ばした。彼は壁にぶつかると意識を失った。
カズマが呆然としていると、女性の手刀が向かってきた。間一髪で避けが、失敗すれば頭に穴が空いていた。女性に短剣を突き刺そうと腰に手を持っていった瞬間、首を絞められた。
女性の目が血走っていて正気ではない。闘争心を入れた野盗と同じ状況だ。
首から手を離そうともがいていると、大きな音がして女性が断末魔の悲鳴を上げたおれた。その直後灰になった。
目の前にいたのは、女性に飛ばされた男よりも更に身体が大きい筋肉質の男だ。まるで熊の様であった。
カズマもけして低くはないが、彼と並ぶと小柄だ。イズクなんて幼子だろう。
「さすが~」
大男の後ろで、大きな胸を揺らす品のない女がいた。彼女の真横には真っ黒なローブで全身を覆った人物がいた。口しか見えないため性別もわからない。
異様な人々から離れようとしたその時、女の腕輪が視界に入り目を大きくした。その物自体はきらびやかに光っているのだが、周りを黒いモヤが包んでいる。モヤは細い線の様になり隣にいた黒いローブとつながっていた。
それを見ていると気持ち悪くなった。
ふらふらとその場を離れようとすると無言で、大男に二の腕をつかまれた。
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