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第一章
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しおりを挟む私達とお母様の意見は最後まで合わず、お互いに黙り込んでしまった
「オリガいい加減にしなさい。私達は庶民ではないんだよ。公爵という立場は身内だからと何でも許されるわけではない。全ての者の見本にならないといけないんだ。相手が親戚なら尚更厳しく接しないといけない」
「分かっていますわ。だけどあの子はまだ子供なんだから、少しの間ぐらいは大目に見てくれても良いんじゃないですか?」
確かに12歳は前世では周りに甘えられる年齢だったけど、この世界では子供だからと何でも許される年齢ではないと思うけど?
貴族の子供なら尚更よね?
立場が上になればなるほど小さい頃から色々と躾けられる、私やお兄様は公爵家の子供だから特に厳しく言われてきた記憶がある
「お母様はリリヤをどうしたいんですか?このままリリヤが甘やかされたら、恥をかくのはリリヤなんですよ?」
「ちょっと甘やかされたぐらいで恥をかいたりしないわよ。それに厳しくしてもあの子自身が自覚しないと、身に付くものも身に付かないと思うのよね」
はぁ~、意見が合わないのは育った環境が違うから仕方ないのかしら?
私は生まれたときから公爵令嬢として教育されてきた、だけどお母様はこの家に嫁ぐまで伯爵家の娘だった
だから私から見たお母様は、ちょっと考えが甘すぎる気がするのよね
「お母様が言いたいことはわかります。本人にやる気がないと、どんなに周りが注意してと身に付かないと思います。だけど周りから言われなかったら、自覚する機会を逃すことだってあると思いますわ」
「イリーナが言いたいことは分かるわよ。だけどリリヤにはイリーナっていう素晴らしい見本が居るのだから、言われなくても自分で気が付くと思うのよ」
お母様は分かってないわね
確かにリリヤにとって私は良い見本になるかもしれない、だけどやる気を削がれる結果にもなる
「お母様は甘すぎますわ。確かに私はリリヤにとってお手本になるかもしれません。自分で自信を持てるぐらいには、恥をかかないために今まで頑張ってきましたから」
「なら何が問題なの?」
「わかりませんか?リリヤと私は同い年です。周りから比べられやすい立場に居るんですよ?ここまで言ったら流石にわかりますよね。私はリリヤのお手本にもなりますけど、リリヤのやる気をなくす可能性もあるんですよ」
リリヤの能力がどれぐらいあるか知らないけど、見てる感じそんなに優秀だとは思えないわ
リリヤの為に自分の力を偽るつもりはないわ
私はリリヤに何の情もないから、リリヤのやる気が削がれても何とも思わないけどね
リリヤが私達家族に迷惑さえかけなければ、リリヤが我が家に居候しても問題ない
逆に私達が困るようなことをするなら、何が何でもこの家から追い出すつもり
周りから冷たいって言われることになったとしても、お父様やお祖父様たちが必死に守ってきたサフィナ公爵家を守るためなら構わない
自分の名誉よりもサフィナ公爵家の方が大事だもの
私はサフィナ公爵家を守るためなら政略結婚だって問題ないと思っている、愛のない結婚は正直嫌ではあるけど、サフィナ公爵家が繁栄するためなら何でもする
それが公爵家の娘として生まれた私の使命だわ
「親を亡くしたリリヤが心配なのは分かります。だけど甘やかすだけではリリヤの為にならないと思います。私達とリリヤはいずれは離れるときが絶対に来るのだから、その時の為にも適切な距離を取ったほうがお互いの為ですわ。色々な意味でも」
もしかしたらリリヤと仲良くなれるときが来るかもしれない、それかお互いに憎み合うことになるかもしれない
どちらにしてもいずれ離れる相手と近すぎる距離は傷付くだけよね
公爵家の私達といつか庶民になってしまうかもしれないリリヤでは、生きていく環境が違いすぎるもの
庶民になるリリヤをばかりするつもりはないけど、庶民と私達では生活域が違うのだから会うことが難しくなる
お互いの為にも適切な距離を取るのが今後の為になるわ
こんな考え方をする私は、周りから見たらドライなのかもしれないけど、自分が傷付かないようにする為に学んだことだわ
どんなに話し合っても埒が明かないので、一旦この話は終わりにしてリリヤの今後の様子を見てから、また話し合うことになった
確かに色々決めたくても、リリヤがどう行動するのか分からないから決めようがないわよね
今まで関わって来なかった子だから、リリヤの性格を把握してるわけでもないですし
皆が私の部屋を出て行く時にお兄様だけちょっと呼び止めて、後で1人でまた来てほしいとお願いした
お兄様は黙って頷いてから、お父様達と一緒に部屋から出て行った
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