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しおりを挟むメアリーは鬼のような形相のまま私に近づき、ものすごい力で私の肩を掴んできた
「ねぇ何でお姉様とジョージ様が2人っきりでいるの?何でジョージ様がお姉様を口説いてるの?そっか・・・お姉様が誘惑したのね。絶対にそうだわ」
「誘惑なんてしてませんわ。言いがかりはよしてちょうだい」
「なら何でジョージ様がお姉様なんかによりを戻そうなんて言うの!!メアリーの方が可愛いのに!!絶対におかしいわ!!先にメアリーがお姉様からジョージ様を奪ったから、仕返しでメアリーのジョージ様を奪うつもりなんでしょ」
言いがかりにも程があるわ。
ジョージ様なんて絶対に欲しくないわよ。
「私はジョージ様には興味ないですわよ。婚約してたのだって王命だったから仕方なくですわ」
「ならジョージ様に手を出さないで!!それにメアリーが愛人に狙ってる人と何で仲良くしてるの。あれもメアリーのなんだからね!!」
この子には一回本気で叱らないと分からないわね
「いい加減にしなさい!!ジョージ様が私にすがり付いてきたのはメアリー貴女が悪いのよ」
「メアリーの何がいけないのよ!?いい加減なこと言わないで」
「じゃあ言わせて貰いますけど、貴女がいつまでも勉強から逃げたり、他国の方と問題を起こすせいでジョージ様が私に復縁目的で近づいてくるのよ!!メアリーが真面目に勉強をして問題行動をしなければ、私まで面倒事に巻き込まれないですむのよ」
「何でメアリーが勉強しなかったらジョージ様がお姉様を口説くことになるのよ」
「そんなの決まってるじゃない。貴女達2人が結婚したらジョージ様は王様になれないからよ。それに貴女がした行動のせいでジョージ様は廃嫡確定ですし、2人仲良く庶民になることは決定でしょうね。ジョージ様はメアリーと結婚したら伯爵当主になると思ってるみたいですけど、お兄様が譲らないかぎり次期当主はお兄様ですわよ?」
「何でジョージ様が廃嫡されないといけないの!?お姉様が意地悪で何かしたのね」
「私がそんな意地悪して何の得がありますの?貴女とジョージ様が庶民になるのは自業自得でしょ?特にあなたは他国の要人に失礼なことをしたのよ」
「私は悪くないもん。ただ愛人になれって言っただけで庶民にされるなんておかしいわ」
この子の頭のなかはどうなってるのかしら?
普通、両親に甘やかされてもここまで頭のおかしい人に育つものなの?
家に1人も常識人が居なかったなら百歩譲って仕方なかったとして、私とお兄様は人として常識的な行動をしていたつもりよ?
いけない事はいけないって注意もしていたわ
「ジョージ様が王様になれないのは今回の事だけが原因ではないわ。ジョージ様は王様として国を治める実力が無いんですもの。王妃に成るものがそれをサポート出来れば良かったけどメアリーにはそれが出来ないでしょ?メアリーがサポート出来るように周りは一生懸命、貴女に知識を詰め込もうとしてたけどそれを逃げたのはメアリー貴女でしょ」
「でも急に廃嫡だなんて酷いわ。王様と王妃様はジョージ様が可愛くないの?」
「急にじゃないわよ。貴女も何回も言われたはずよ。貴女がが王妃教育を完璧にマスターしないとジョージ様は廃嫡になるって、ジョージ様が貴族ではなく庶民になるのは、王様の決定を勝手に覆して好き勝手やった罰よ」
メアリーはこのまま庶民になること決定なのが受け入れられないみたいで、
『噓よ、噓よ、噓よ、噓よ、噓よ。ジョージ様と一緒に平民に成るなんて、メアリーは何のためにお姉様からジョージ様を奪ったかわからなくなるじゃない。メアリーはお姉様より幸せに成らなくちゃダメなのよ。こんな未来間違ってるわ』
メアリーはボゾボソとずっと独り言を言っている
気味悪いわね
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