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しおりを挟むカイル様に付いていくと、エレベーターの前でつく。
「凄い!!エレベーターを実際に見るのは初めてです。本当にあるんですね~」
「見たことなかったのか?親がここで働いてるなら、来たことぐらいないのか?塔所属の魔術師が子供を連れてきてるのを何度か見たことがある」
「そんなんですね。私の親は絶対に連れてこないですね。親は子供が居るのは公表してますけど、私達の詳しいプロフィールは公表してないんですよ。だから私たち全く知られてないんです」
上級魔術師の子供は狙われることが多い、逆恨みや上級魔術師の子供なら高魔力を持ってる可能性が高いから、奴隷として売ったら高値がつく。そのせいで抵抗できない子供が狙われる可能性が高い。
それにお父様達は魔術師としても稼いでるし、商売でもボロ儲けしてるから、身代金目的で狙われる可能性が高い。
そんな危険から私とデニス兄様を守るために、お父様達は私達の存在を詳しく知られないように注意している。
普通の貴族ならそれは難しかったかもしれないけど、上級魔術師のお父様達は貴族としての社交が免除される。
国としても無駄な社交をするよりも、国を守ってくれる方が重要ってことなんだよね。
学園に通ってたら家名でバレそうだけど、そこは学園の方で対策されている。
基本的に学園に通ってる間は家名を名乗る機会は滅多にない。
名乗らなくても有名な人は別だけど、身分が低い貴族や地方からあまり出てこない貴族は、家名を名乗らなければ正体をバレることはない。
学園には庶民も居たから、有名じゃない貴族は庶民に間違われることもよくある。
私もその一人だったんだよね。
学園も庶民が差別されないように、全校生徒に家名を基本的に使わないように注意している。
それでも名乗って自分の身分をアピールする人もいるけど、傍から見たら情けなく感じるだけなんだよね。
自分は偉いって自慢した相手が、自分より上の身分だったら恥ずかしいだけ。
「確かにデニスと出会うまでは、アルファード夫婦の子供の情報は全然知らなかったな。学園を卒業する前から、塔には出入りしてたから、アルファード夫婦と関わる機会もあったけど、子供の情報は全く入ってこなかった」
卒業する前から塔に出入りしてたの?
学園を卒業するまで、塔の魔術師になることは出来ないから、所属する前から塔に立ち入りする事が出来るのって、かなり凄いことだよね?
やっぱり天才魔術師って呼ばれるだけはある。
「カイル様は学生時代から期待されてたんですね」
「努力はしていたからな。ここで立ち話を続けても目立つだけだから、部屋に行くからちゃんと付いてこい」
「はい!!」
努力だけでどうにかなるものなのかな?
絶対に違うよね?
私が秘書で大丈夫なのかな?
私がエレベーター乗るのを確認してから、カイル様はエレベーター内にある機械に手をかざす。
するとエレベーターが動き出した。
今まで感じたことない感覚にビックリして、隣にいるカイル様の腕に抱きついてしまった。
「ご、ごめんなさい!?」
「別に良いけど毎日乗ることになるから、怖がってたら毎日大変だぞ」
確かにこれに毎日乗るんだよね。
人は慣れる生き物だから、1週間もしたら何も思わなくなるはず!!
エレベーターが止まり扉が開くと、大きいロビーが広がっていた。
「ここが俺専用の仕事部屋だ」
えっ?
これがカイル様専用の部屋?
ロビーには沢山の扉がある。
この感じだと20部屋はあるよね?
「全部使ってるんですか?」
「半分以上が未使用だ。仕事部屋と個人の自室と秘書や助手の部屋と使用人の部屋が用意されている。だけど俺には秘書は居ないから使う機会がなかった。使用人も2人だけだしな」
仕事部屋とカイル様の個人部屋と使用人2人だから、4部屋しか使ってないの?
こういうのを宝の持ち腐れって言うのかな?
でも20部屋は多すぎるよね?
使用人は5人居れば十分だよね。
侯爵令息なのに使用人を2人しか雇ってないのも驚きだけどね。
「こんなに部屋って必要なんですか?10部屋もあれば十分ですよね?」
「俺もそれでいいと思ってるけど、自分のことも満足に出来ない貴族とかは、20部屋でも足りないんだよ。使用人だけで10人以上居る。それと秘書や助手も複数人雇うことが出来るから、秘書や助手が貴族なら追加で使用人が必要になる」
うわぁ~、無限ループってことか………
お父様とお母様は子供に甘いけど、最低限のことは自分で出来るように躾けられたけど、もしかしてこの環境に何か思うことがあったのかな?
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