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第1章
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しおりを挟む試験開始の時間が来た。
女子は私を含め5人みたい
女子の人数が少ないから目立つ、女子の中でも私は小柄な方だから視線が集まる
被害妄想かも知れないけど、私みたいなのが何で来てるんだと思われてる気がする。
近くに居る男の子達がボソッと
「女子が騎士に成れるわけないだろ」
「遊び気分で来んなよ」
「女なら家政科に行けよ」
「あの娘、場違いだよな~、見るからに剣術出来ませんって感じじゃん。筋肉も全く付いてないみたいだし」
悔しい
私だって頑張ってきたのに何でこんなこと言われないといけないの?
絶対に試験受かって見返してやる
バンッ
音にビックリして、音の発信源を見ると
男の子が息を切らせながらドアの所に立っていた
「すみません。遅刻しました」
「騎士を目指すものが遅刻など言語道断、お前には試験を受ける資格は無い。帰りなさい」
「そんな!?お願いです!!試験を受けさせてください!!」
「駄目だ。騎士になりたいなら来年受けなさい。他の受験生の邪魔だ帰りなさい」
男の子は抵抗してたけど監視員に部屋から無理やり連れ出された
厳しいわね
でも騎士は時間厳守だから仕方ないわよね。
時間を守って遅刻しないのもテストの内なのかも
「それでは試験を始める。最初は筆記試験だ。好きな席に座れ」
皆が席に座ったのを確認してから試験官から問題用紙が配られた
試験内容は護衛対象との適切な距離、貴族相手に遣ってはいけない行動、他国では侮辱になる行動、護衛対象が居る時の緊急時の正しい行動など様々な問題があった。
他国のマナーは正直自信はない
「はい終了。次は実技です。移動するので付いてきてください。答案用紙はそのままでお願いします」
ここからが本番ね。会場に着くと練習用の剣を選ぶように言われた。
普段使っているやつを選ぼうとしたけど、今朝アレンおじ様に言われたことを思い出した。
「すみません、ここにあるものより一回り小さいものはありますか?」
「ん?あるぞちょっと待っていなさい」
試験官は私の名札を確認して、紙に何かを書いてから奥の部屋に取りに行ったみたいだ。
あれは何を書いていたんでしょうか?
私は何か不味いこと言ったかな?
「ここにある物を使えないなんてひ弱ね。騎士に向いてないじゃないの」
近くにいた女の子がバカにしてきた。
少しイラッとしたけど、ここで揉めるわけにはいかないので無視をすることにした
「ちょっと!!無視するんじゃないわよ」
「何なんですか?私はここに試験しに来てるんです。貴女と喧嘩するために来たんじゃないので絡んでこないで下さい」
「逃げるつもり?臆病者なのね」
ウザいわね。
この場を離れたくても、まだ剣を渡されてないから動くわけにはいかないですし
「シネア・リザー、ここは因縁を付ける場所ではない。試験を受けるつもりじゃないなら帰れ。イリス・アンカース待たせたな。これで大丈夫か?」
渡された剣で数回素振りをしてみる、
剣を代えただけでこんなに違うのね。
前のより振りやすくて、疲れにくい
「大丈夫ですありがとうございます」
私の他にも自分に合った剣に代えて貰ってる人もいるみたいだ
皆が剣を選び終わったら10人ずつ順番に、試験官と試合をすることになった。皆の前でやるみたいで少しやりづらい
人数が多いから時間がかかりそうだ
1時間ぐらい経過してやっと私の番になった。
少し前に私に突っかかってきた子が試合していたけど酷いものだった。
剣に完全に振り回されて、騎士を目指している人の腕前ではなかった
他人に突っかかるぐらいだから実力があって、弱そうな私が騎士の試験に来てるのが気に入らなくて、文句を言ってきたと思ったけど何のつもりだったんだろうか?
あんな風に残念な結果に成らないように気合いを入れ直す
「イリス・アンカース準備はいいか?」
「はい!!よろしくお願いします」
試験官に選ばれるような人だから強くて当たり前、今の私に勝てないのは仕方ない。
騎士になって自分より強い敵と遭遇したら、やらないといけないのは足留めと時間稼ぎ、騎士は1人行動では無いから助っ人が来るまで粘ればいい
大人の男性の剣を受け止めるのは無理。朝、アレンおじ様が見せてくれた受け流し、ぶっつけ本番だけどやってみるしかないわよね。
少しぎこちないけど出来た!!
そのまま相手の懐に
「そこまで!!」
はぁ~疲れた
慣れないことやるのは辛いわね
応援ありがとうございます!
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