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番外編エピソード スーパーヒーローモコネコの冒険

エピソード4 HEROモコネコ最強のライバル登場!

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第十五話 モコネコの新必殺技完成!

 メアリー先生の手によって改造されたスパークモコネコ、能力を更に磨くため、メアリー先生に修行をお願いする。

「ふむ、さすがはメアリー先生、スパークモコネコとは、とてもいい名前です。
しかし、どんなことができるんでしょうか? 
レールガンとか、カッコいい技が使いたいです!」

「なるほど、必殺技か……。
電気を使った武器なら、スタンガンの方が使いやすいかもな。
強力な電気を浴びせ、相手を一時的に行動不能に陥らせる必殺技、スーパー猫パンチだ!」

「おお、なんか、パワーアップした感がありますね! 
これで、生意気なクソガキを感電させ、そいつの両親から金をせしめたり、心臓が弱って死にそうな金持ちの老人を助けて、遺産を奪い取ったりすることができます。
更に、日本では禁止されている魚を感電させて取る漁業も行えますよ。
証拠がありませんからね」

「さすがは、モコネコちゃん。そこに気付くとは……。
僕も様々な必殺技があるんだよ。
友人をノーパンにさせたり、僕自身がノーパンになってみたり……」

「さすがはメアリー先生。でも、ノ―パンツはまずいですよ。
男共はウサギさんパンツやいちごパンツとか、そういう純情な乙女を求めているんです。ノーパンキャラは、グラマーでビッチな女性がやってこそ、それなりの数字が獲得できるんです。

メアリー先生は、真面目な学者タイプか、恥じらい路線でいって欲しいとオイラは思います!」

「そうか、恥じらい路線か……」

メアリー先生は、何もない所で躓いた。そして、こけた拍子にパンツをチラッと見せる。

「モ、モコネコパンツ、絶賛発売中!」

メアリー先生は、新しく発売されるモコネコパンツを見せて、宣伝アピールをしてくれた。

(注意・モコネコパンツは販売されてません)

「おお、OKです。これで愚かな男共は喜び、女児小学生はモコネコパンツを買いにくるでしょう!」

「ふう、スパークモコネコだけあって、発想もかなりスパークだな……。
しかし、僕はキャラクターパンツを卒業する!
そして、乙女らしい青いブラとパンツを穿く事にしよう!」

「うわー、白衣から透けて見えるブラとパンツで、男共を悩殺する気ですね」

「そう、そして誘惑された男共を実験のモルモットにしてやるのだ!
それは別の機会にしよう。
よし、訓練も十分だ。行って人間共から金をむしって来い!」

「ブラジャー!」

モコネコはパトロールに出て行った。






第十六話 スパークモコネコ対ブラックモコネコ! 雷と炎の大決戦!

 モコネコがパトロールをしていると、カルガモから連絡が入って来た。

「お? またカルガモちゃんか。何々、お金持ちのおじさまが倒れています。
どうか助けにきてくださいだって? 
うひょー、早速新必殺技を使えそうじゃないか。すぐに行くぞ!」

 モコネコはカルガモの指定した場所へやって来た。
そこは古く、もう使われていない工場だった。モコネコは工場の中に入って行く。
すると、ブラックモコネコがモコネコの前に姿を見せた。

「ふっふっふ、良く来たなモコネコ! 
俺は、ドクターブラックが作ったブラックモコネコ。
貴様を血祭りに上げるため、ここにおびき出したのさ!」

「奇襲もせずに、堂々と出てくるなんて、なんて正々堂々としたお方!」

「ふっ、これを見てもそう言えるかな?」

ブラックモコネコが肉球を差した場所を見ると、そこには翼を傷つけられたカルガモがいた。

 「こいつをここでローストさせてもらう。
お前は黙って見ているがいい!」

「はーい! いやー、カモ肉なんて久しぶりだな。早く焼いちゃってください!」

「え? ふっ、その手に乗るか!」

ブラックモコネコの炎の攻撃により、カルガモから美味しい匂いが漂ってきた。

「ふー、予定は多少狂ったが、これでお前と決戦できるな。
これが俺の特殊能力、フレイムだ。お前には、ここで消えてもらう!」

ブラックモコネコがそう言ってモコネコの方を見ると、そこにあるはずの姿はなかった。

 モコネコは高速で移動し、カルガモを連れて別の場所へ移動していたのだ。

「何! さっき焼けたそいつがなぜ無事なんだ。どうなっている?」

「ふっ、これがオイラの特殊能力、スパークによる高速移動の技だ! 
まあ、カルガモちゃんの翼は、美味しく焼けちゃったけど……」

「くっ、あの炎の中を一瞬で……。面白い!
ようやくライバルになりそうな奴が現れた!」

 こうして、スパークモコネコとブラックモコネコの大決戦が開始された。

「まずは、この工場を爆破してやる。逃げられるかな?」

「何! し、しまった。オイラをここで焼き殺す計画だったのか。くっ、どうする?」

「遅い! 焼けろ! フラッシュオーバー攻撃!」

 ブラックモコネコの攻撃は、工場一帯に燃え広がり、モコネコを焼き尽くそうとする。

「くっ、フラッシュオーバー攻撃だと? 
部屋の限られた範囲の火炎が、数秒から数十秒の間に部屋全体に広がる現象のことをいう。
天井や火に近い部分が、炎や煙によって熱せられて発火し、一気に火炎が広がって、室内が火の海になっている。このままじゃ、数十秒ともたないぞ! 
本来なら、こうなる前に消火しなければならないのに……。

フラッシュオーバーは火災が発生してから三分から十分程で発生する。
しかし、ブラックモコネコはその特殊能力により、それを自力で起こしている。
くっそ、早く逃げないと、ジンギスカンになってしまう!」

「ふはははは、貴様は後で美味しくいただいてやるわ! 
その次は、ウミウシを美味しくいただいてやるわ! 
くっくっく、笑いが止まらないぜ。俺の腹の中で再会するがいい!」
 
「あまいぜ! 火炎から避難する方法を、このモコネコ様が知らないとでも思ったか。
まず、口や鼻にモコネコタオルやモコネコハンカチ(販売希望!)を当てて、低い姿勢で床すれすれに残っている空気を吸うようにして避難するんだ。

煙で前が見えない場合は、壁に手を当て方向を確かめながら避難するんだ。
呼吸は、鼻から吸って口から吐くようにするんだ。これで大丈夫! 
煙こそが一番危険なものだということを知って、下に逃げるようにすれば脱出できる!」

モコネコは、地面を這う様にして移動し、工場から脱出してきた。
ブラックモコネコは、モコネコの逃げる場所を予測し、先回りをしていた。

「はっはっは! 出入り口でお前を待っていたぜ! 
ジンギスカンになれ、モコネコ! 表面フラッシュ攻撃!」

「くっ、罠だったのか? 表面フラッシュだと?」

モコネコの体は、炎に包まれた。

「やったか?」

「まだだ! 表面フラッシュとは、衣類の生地表面の毛羽に火が付くと、火が生地の表面を伝って広がり、短時間で生地表面に炎が広がる現象だ。

表面が綿、レーヨン、キュプラなどは燃えやすい繊維で毛羽のある製品は、事故が特に発生しやすいので注意が必要だ。
あちちち、マントからオイラの体に火が広がっている、レーヨンだから!」
モコネコは地面を転げ回り、火を消した。

「ふー、このように衣服に火が付いてしまったら、慌てずに水をかけて消したり、素早く衣類を脱いだり、火を叩いて消したりしよう。
火を消したら、火傷の部分に水をかけて冷やし続け、救助を呼んでね。
うう、オイラのマントと麗しい羊毛が……」

 モコネコのマントと麗しい羊毛は、ブラックモコネコの連続攻撃を受け、見るも無残な姿になっていた。

「ふははは、お前はマントが無ければ空も飛べまい。
俺は炎を使い、自在に空が飛べるのだ! 俺の勝ちだ! 
最後は、制空権のあるほうが勝つ!」

ブラックモコネコは勝利を確信し、モコネコが逃げられない真上から攻撃してきた。

「ジンギスカンになれ! ブラックタイフーン!」

黒炎を纏う巨大な渦が、モコネコを襲う。
モコネコは黒炎の渦に呑み込まれ、姿が見えなくなった。

「勝ったぞ!」

ブラックモコネコが喜んでいたのも束の間だった。
背後から、モコネコの声が聞こえてくる。
 
「それはどうかな? オイラはお前の後ろにいるぜ!」

「な、何! どうやってここまで飛んで来たんだ? マントは燃えて無いはずなのに……」

モコネコは、ブラックモコネコにぴったりと貼り付いていた。

「お前の黒い羊毛を利用して、ここまで来たのさ。静電気の力を使ってね!」

「静電気だと? バ、バカな……」

「お前の体には、電圧の高いプラスの静電気がたまっている。
オイラは自分の体をマイナスの電気に変えて、お前に貼り付くことができたのだ!」

「しかし、それなら俺のブラックタイフーンの直撃を受けていたはず……」

「そう、なので寄り道をしたのさ、壁に貼り付くことによってね。
壁をクッションにして、ゴムボールのように弾みながら、お前のとこまで来たのだ! 
オイラの羊毛が無いから痛かったぞ!」

モコネコは必殺技、スーパー猫パンチを繰り出した。

「喰らえ! これは、オイラの羊毛とマントの怒り!」

モコネコの攻撃は、ブラックモコネコに大ダメージを与えた。

「ぐっは……」

ブラックモコネコは自然落下によって、下へ落ちて行く。

「まだまだ、これは、お金持ちのおじさんと言って嘘をついた怒り!」

モコネコは更に、スーパー猫パンチで攻撃する。
ブラックモコネコは攻撃を受け、地面に叩き付けられた。

「バカな、この俺がここまでのダメージを……」

ブラックモコネコはダメージを受けながらも、急所を外し、意識を保っていた。

「ふっ、やるニャン! まだ意識があるなんて……。
だが、この最後の攻撃で終わりだ!
電気によりお前の記憶を消し、オイラのような正義の心を持ったホワイトモコネコに生まれ変わるのだ!」

「くっ、お前のどこに正義の心があっルというのだ!」

「うるさいニャン! 勝った奴が正義なんだよ! 
喰らえ、タダ働きをさせられた怒り!」

モコネコはすべての力を肉球に込め、ブラックモコネコにスーパー猫パンチを喰らわせた。

「俺の汚れた記憶が消えていく……」

モコネコの手によって、悪の記憶の無くなったホワイトモコネコは誕生した。

「くっ、僕は、いったい何をしていたんだ。思い出せない……」

「思い出さなくていい……。
これからは、オイラと一緒に、メアリー牧場のために働くんだ! 
これは、お前の就任祝いだ。心して食え!」

モコネコは、ホワイトモコネコにカモ肉を差しだした。
そして、二匹でミルクを飲みながら、美味しいカモ肉を食べて宴会をし、夜が明けた。
二匹で朝日を眺める。

「ああ、世界はこんなに素晴らしいんだな」

「そうだな。オイラ達はこの世界を守って行こう!」

二匹は朝日を背に、愛する物のいるメアリー牧場まで、飛んで行った。
また、君達の近くで事件が起こると、モコネコ達が飛んでくるぞ! 
お金を準備して待っていよう!






第十七話 モコネコ最大のピンチ!
 
モコネコ達は朝日を見た後、飛び立った。
すると、後ろにおかしな気配を感じた。

「ん? 何だ、この音は?」

「先輩、ざわざわとうるさいですよね。何かがオラ達を狙っているんでしょうか?」

モコネコは恐怖を感じていた。

「まさか、カルガモちゃんが怒っているのか? お肉食べちゃったから……」

「じゃあ、カルガモちゃんの身内が、オラ達を狙っているんでしょうか? 
僕、恐いです……」

ホワイトモコネコは不安を口にした。

「いや、きっとオイラ達の雄姿を見て、ファンが押し寄せているに違いない!」

「そんな、それならお洒落しなくっちゃ……」

「ガーン! オイラは麗しい羊毛が無いからお洒落できない!」

二匹がそんな事を話していると、奇妙な音はどんどん二匹に近づいてきました。

「うっわー、音がもう後ろまで聞こえる。ファンが追い付いて来ちゃいましたね、先輩!」

「仕方ない、ここはオイラに任せるニャン!」

モコネコは地面に降り、ファンに対応しようとする。

「あ、サインとかは、お断りだよ! 
全く、アポも取らずに押し寄せて来るなんて、マナー知らずの子猫ちゃん達だな!」

モコネコが後ろを振り向くと、そこには大量のゴミが……。

「ギャー、先輩何ですか、これ!」

モコネコはゴミを見て、ホワイトモコネコを残し一目散に逃げ出した。

「ドクターブラックの差し向けた最終兵器かもしれない。
ホワイトモコネコ君、最初の仕事だ。
これを一匹で食い止めるのだ。
それができてこそ、オイラのパートナーと認めよう」

「そ、そんな……」

ホワイトモコネコはゴミの山に呑み込まれた。

「さらば、ホワイトモコネコ! お前の分までオイラはしっかりと生きるぜ!」

「僕の本気をなめるな! こんなゴミ、燃やしてくれるわ!」

呑み込まれたと思われたホワイトモコネコは、特殊能力の炎でゴミを燃やす。

「くっそ! 数が多過ぎる。捌き切れない!」

ホワイトモコネコはゴミの数に押され始め、再度ゴミの山に呑み込まれた。

「ギャー! 燃やし切れなかった燃えないゴミが、僕の体を焼き始めた。
鉄とかも含んでいるから……」

ホワイトモコネコは力尽き、ゴミの山の中に消え去った。

「ホワイトモコネコ、君との友情は忘れないよ! 
安らかに眠ってくれ……」

しかし、ゴミの山はモコネコを狙う様に、急激にスピードを上げ、モコネコに押し迫っていた。

「くっそ! マントが無いから空が飛べない。このままでは……」

モコネコの努力も虚しく、ゴミの山は容赦なくモコネコを襲う。

「くっ、負けるか……」

モコネコもゴミの山に呑み込まれてしまった。

 二日後、メアリー研究所からモコネコの声が聞こえてきた。

「メアリー先生、助けて……」

「重いニャン、死んじゃうニャン……」

メアリー先生がその声に気付き、扉を開けるとそこにはゴミの山が……。

「キャー! おのれ、ドクターブラック! 
僕の命を狙うため、ついにこんな機械を差し向けて来たか!」

ゴミの山は、モコネコの声で喋り出した。
「違う……。オイラの体に、ゴミが吸い付いてくるニャン」

「たぶん、先輩の特殊能力が暴走したせいだろうと思います」

「助けて欲しいニャーン!」

メアリー先生は、あまりのことに扉を閉じた。

「見なかったことにしよう!」

扉の向こうからモコネコの声が聞こえる。

「国を訴えるニャン! ゴミ屋敷をそのままにしておくからこうなるニャン!」

「こんな可愛い僕達を見捨てるなんて、ひどい国ニャン!」

モコネコ達の必死の訴えにより、自衛隊が来てゴミを処理してくれた。

みんな、こんな悲劇が起こらないよう、ゴミのポイ捨てはやめてね! 
そして、ゴミ屋敷は地域のみんなで協力して処理しましょう!

モコネコはメアリー先生によって、肉球のみが電気を操れるように制限された。



最終話 ヒーローモコネコの最後!
 
その日は突然にやって来ました。
モコネコはある小さな島にやって来て、謎の発火事件を見事に解決したのです。
それは火元がはっきりとしないという不思議な事件でした。
しかし、モコネコが来たことにより、事件はスピード解決したのです。

「これはトラッキング現象ですね。
コンセントにプラグを差したままにしておくと、コンセントとプラグの間にホコリがたまり、そこに湿気が加わることによって、火花放電が繰り返し起こり、いずれは放電から発火するのです。

水滴や湿気のかかるキッチンや洗面所は、定期的に掃除してください。
家具の裏側にある電源プラグや、水槽に使用されている電気機器も気を付けてください。時々プラグを抜いて乾燥した布で汚れを拭き取りましょうね。

では、公議代として、一人に付き五千円程いただきましょうか? 
島の人口が百人なので、締めて五十万円です!」

それを聞き、村人は怒り出しました。

「ふざけるな! お前なんて五百円で十分だ。
島から出て行け!」

モコネコは村人から酷い扱いを受け、島の隅に追いやられました。

「くっそー、お、これは村人の食糧倉庫か?
しめしめ五十万円の代わりに食料をもらうとするか。
これは、僕の当然の報酬なのです。
バクバクバクバク……」
 
モコネコは村人の食糧をすべて食べてしまいました。
丁度その時に台風が島を襲い、村人は一週間も島の外に出られなくなりました。

「ふーう、台風シーズンはどうにも困るな!
村人の食糧も尽きそうだべ。
よし、非常時の食糧を倉庫から出してくるべ。
これで、一週間くらいなら何とかなる」

村人は問題の食糧倉庫へやって来ました。そして、扉を開けて驚きます。

「あれ? 村の非常用食糧が、一つも残ってねえだ……」

 しばらく倉庫を見ていると、食糧を食べたモコネコが気持ち良さそうに眠っているのを見付けました。

「うーん、もうお腹一杯で食べられないよ。
もーう、君は別腹♡ では、いただきまーす。
ムニャムニャ……」

村人達は理不尽にも、モコネコに詰め寄ります。

「お前が食糧を食った犯人か?」

「うーん、なんだ? そうだよ。五十万円の代わりなんだから問題ないだろ! 
むしろ、食糧ごときで済ましてやる僕に感謝するんだな!」

「このやろう! みんな、やっちまえ!」

村人達は総出で、何の罪もない哀れなモコネコを攻撃します。

「ちっくしょお、こんな村、さっさと消えてしまえ! あばよ!」

モコネコは飛び立とうとしますが、体が重くて飛び立てません。

「はっ、腹が重くて飛べない!」

こうして、村人達は何の罪もないモコネコをジンギスカンにして食べ、飢えをしのいだのです。

「ふー、食糧が無くて困ったけど、何とかみんな持ち堪えたな!」



 真実はこうです。

実は、村の非常用食糧倉庫は、ネズミによって荒れされ、食糧は全て食べられていました。心に優しいモコネコは、村人達と仲直りするために、ネズミ退治をしました。
しかし、運悪く台風シーズンと重なり、ネズミを駆除した時には食糧は全く残っていません。

モコネコは村人達の生命を繋ぐため、自ら食糧になることを提案しました。
村人達は反対しましたが、食糧が尽きて来ると恐れをなし、モコネコの提案を受け入れたのです。

村人達はモコネコをジンギスカンとして調理し、飢えをしのいだのです。
こうして、モコネコはメアリー先生の期待通りのスーパーヒーローとなって、その生涯に幕を閉じたのです。




真最終話 復活のМ!

 メアリー先生とモコネコは完成したばかりの絵本を読んで、涙を流していた。

「うーん、感動的な最期だ!」

「うう、自分のことながら泣けてくるニャン。
メアリー先生、この絵本を売れば、みんな感動してお金が、がっぽがっぽ入って来るんだね! 
ホワイトモコネコの奴、調子に乗り過ぎて村人達に食われたけど、こうやってオイラの雄姿も載せることで、感動的な絵本になったニャン!」

「ふふふ、モコネコ君には、まだまだやってもらわなければならないことが山ほどあるのだ。しかし、それはまた別のお話。
今は、しばらくゴールデンな休暇を楽しんでいると良い!」

こうして、モコネコとウミウシは夏休みを与えられ、ゴールデンな休みを満喫する旅行を計画した。

「はーい、じゃあ、ニートのおっさん共には行くことのできない、海外の高級リゾート地ハワイでのバカンスと洒落込みますか? 
ちなみに、オイラの月収は五十三万円だよ。

ニートとは、比べるレベルにすらならないから気にしないでね! 
ウミウシ、今夜も真夏のような暑い夜を過ごそうぜ!」

「モー、アタイの身にもなってよね。結婚してからずっと休み無しなんだから♡」

「うーん、ウミウシがグラマーで、可愛いからいけないんだよ! 
オイラは静かに寝たいのに……」

「なんだ、二匹共悪いのね。じゃあ、二匹で責任をとって、今夜も徹夜よ♡」

「うーん、喜びも半分個だよ♡」

モコネコとウミウシはハワイへ飛び立って行き、暑い夜を満喫していた。
みんな、モコネコ達に逢っても、邪魔しないようにしてあげてね! 
スーパーヒーローモコネコ終わり!


この話は真実が改ざんされています。
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