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番外編エピソード スーパーヒーローモコネコの冒険
エピソード3 HEROモコネコの助手カルガモの恋
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第十話 モコネコの助手 カルガモ登場!
モコネコは、ウミウシと結婚し、リア充(リアルに充実の略)な生活をしていた。
「ウミウシ、オイラは朝から牛タンが食べたいニャン!」
「モー、朝から大胆なんだから♡ 牛乳もちゃんと飲みなさいよ♡」
「若くて育ち盛りのオイラは、食欲旺盛なのです。チュパチュパ、レロレろ、ゴックン。うーん、松坂牛の味だ……。では、次はミルクの方を……。
ゴクゴクゴク……、し、しまった……。また、お腹が痛くなってきた……」
「モー、この欲張りさん♡ アタイのためにお金をがっぽりと稼いで来てね♡」
モコネコは、いつものようにパトロールをし始めた。
すると、女子高生のカルガモが近付いてきた。
「キャー、リア充のモコネコさんだ。
アタシは、ピッチピッチの女子高生、カルガモちゃんだよ。
アタシ、モコネコさんのお手伝いがしたいな! 携帯の番号を教えてよ!」
「いいけど、ギャル語とか分かんないぜ!
それでもいいなら教えてやるよ!」
「キャー、モコネコさんの番号だ! じゃあ、何か困ったことがあったら連絡するね!
またね♡」
カルガモは、モコネコに別れを告げ、去って行った。
「カルガモちゃんか……。乳はないけど、可愛い子だった。
助手としてビシバシ鍛えてやろう!」
モコネコは、カルガモが連絡してくるまで昼寝をしていた。そして、昼三時になり、モコネコの携帯が鳴った。
「あ! カルガモちゃんから電話だ!」
「くっすん、モコネコさん、助けて!
アタシの友達と山の遠足に行っていたら、突然苦しみ出して倒れちゃったの。どうしよう?」
「大丈夫! まず、その友達の写メ(顔写真付きメール)を送って!
美女だったら助けに行くから! ブスだったら、自力で何とかしなさい!
分かったね!」
カルガモは、モコネコに言われた通りにする。しばらくしてメールが届いた。
「ふーむ、山姥系(流行っていたファッションの一つ、顔の肌の色を黒くし、見分けが付かない化粧)か……。判断に迷うな……。
スッピン(化粧してない普段の顔)の写真があればいいんだがな……」
モコネコが迷っていると、メアリー先生がモコネコに話しかけて来た。
メガネバージョンでの登場である。
「どうしたの、モコネコちゃん?」
「あ、お美しいメアリー先生!
どうか、無智で愚かなオイラに正しい答えを教えてください。
オイラは、この女子高生を助けるべきでしょうか? 見捨てるべきでしょうか?」
「どれどれ? なるほど、判断に困るな。まずは、肌色のペンで色を塗ってみよう。
次に、ピンク系の唇にしてっと……。さあ、これでどうかな?」
「うわー、本来は美女だけど、周りに合わせて不細工にしている内気な美女だったのか!
こんな美女を不細工にするなんて、世の中は腐っているね。
ブスは、ブス同士で固まっていればいいんだよ!」
「まったくだ! ブスが美女に近づいて、態度や美意識が良くなるならともかく、ブスが美女に影響を与えて、醜くさせるなどあってはならないことだ!
タバコを勧めるクズ、万引きをするよう仕向けるゴミ、麻薬を打とうとする犯罪者、こいつらを生かしておいてはいけない。
すぐに警察に連絡し、ブタ箱にぶち込むことが大切です。
社会的に抹殺というけれど、本人にとっても大切な事なのです。
本当に友達なら、そういう子を見かけたら、大人に告げてくださいね」
モコネコは、女子高生が美女と分かり、救助に向かった。
「人の命はとても貴重なんだ。オイラはそれを守る!」
モコネコはそう決意し、問題の場所へ向かう。
第十一話 過激化する街の甘い罠
モコネコは、問題の場所へと辿り着いた。
カルガモの誘導により、モコネコは女子高生を見付けることができた。
「ふーむ、これはキノコを食べてしまった自然毒だな。
大方、友達がいたずらで食べさせたのだろう。
激しい腹痛、下痢、言葉の障害、目の障害、しびれ、幻覚などが出ている。
早く、大量のぬるま湯を飲ませて、食べた物を吐かせるんだ!
そして、細かくすりつぶした炭を水と一緒に飲ませて、早く病院に運ぶんだ!」
モコネコは、ぬるま湯の代わりになるような物を飲ませ、細かくすりつぶした炭を水と一緒に飲ませた。そして、救急車を呼んだ。
モコネコの適切な処置により、女子高生の命は助けられた。
「ふー、オイラのオシッコが役に立って良かったぜ!
応急処置が良かったから助かるだろう!」
「わー、モコネコさん、ありがとうございます!」
カルガモの感謝の言葉に気を良くしたモコネコは、特別授業を開始し始めた。
「キノコ以外にも、朝鮮アサガオやアジサイ、スイセン、キョウチクトウ、スズランなどに毒があるから注意してね!」
「キャー、さすがはモコネコさん、カッコいいだけじゃなく、知識もすごいんですね!
アタシ、惚れてしまいそう……」
「カルガモちゃん、オイラに惚れちゃ、いけないよ! 基本、貧乳には興味ないんだ!」
モコネコは、誰かにメールを送る。
「ふっ、オイラから逃げられるとでも思ったのかな?
彼女に毒を飲ませたのは、担任の先生さ!
彼女の携帯電話を見たが、こいつのメールだけ数が異常にあった。
教師と生徒の禁断の恋とか言って燃えあがったんだろう。
しかし、オイラの目は誤魔化せなかった。
こいつが、彼女を毒殺しようとした犯人さ。
一回は脅迫してお金をせしめ、その後にブタ箱にぶち込む。
せいぜい五万から十万といったところだが、絞り取れる。
そして、さっさと警察に通報して、罪を償わせる。
厳しいようだが、これが社会のルールなんだ。
犯人もいずれは後悔して、社会のためになるよう復帰してくれるだろう!」
「キャー、そのままブタ箱に送らず、ちょっと間を空けて通報するなんて……」
「ふっ、すぐに送ったんじゃ、相手の良心が鍛えられない。
悪いと想い出した時に送るのがベストなんだ。
脅迫は一回まで、それ以上は刺される危険が増すからね!」
「うーん、このハードボイルド!」
モコネコはクールに飛び去って行った。
二日後、犯人の男性教諭はブタ箱に送られた。
「うう、モコネコさん……。この気持ちは何? もしかして……。
駄目よ、ウミウシさんがいるのに……」
カルガモは、自分の気持ちを押し殺そうと必死だった。
モコネコは、全くそのことに気付いていなかった。
第十二話 加速するカルガモの恋心
翌日、モコネコはまたカルガモに呼び出された。
なんでも、山に自生している毒草を食べてしまったらしい。
ヨモギと間違えたそうだ。モコネコは写真を確認し、現場へと向かった。
すると、むっちりとした美女が倒れていた。
「おお、写真で確認したが、これはオイラ好みの美女! 早速診察だ!
ふーむ、なんて大きなおっぱいだ。
肉球で触れても分かる張りと柔らかさ、これは本物だ!」
モコネコはしばらく肉球で診察を続けた。
「さてと、本職に戻るか。手足の痙攣やしびれ、呼吸困難が見られる。
このままでは危険だ。食べた毒草は、トリカブトだな!
正直に言うと、トリカブトに解毒剤はない!
一応、ぬるま湯のような物を大量に飲ませて、食べた物を吐かせよう。
そして、細かくすりつぶした炭と水を一緒に飲ませて、病院まで運ぼう!」
モコネコの適切な処置により、またしても人間の命を救ったモコネコ。
美女はお金がないようなので、将来はメアリー牧場で働かせることにし、モコネコは帰って行った。
「モコネコさん、大好き! 鳥類と猫羊類の恋なんて許されないけれど……。
もしも、モコネコさんがその気になってくれたのなら、アタシ……」
カルガモは、日々モコネコに思いを寄せて行った。
第十三話 甘い誘惑、モコネコ禁断の夜!
モコネコは、最近カルガモの連絡のみを頼りに仕事をしていた。
そのため、パトロールもめっきりしなくなっていた。
「ふー、カルガモちゃんのおかげで仕事が楽になったぜ!
このまま助手になってくれないかな? 丁度翼もあるし……。ゴクゴクゴク……」
モコネコは、ビール片手に昼寝をしていました。
夕方になった頃、カルガモが連絡をして来ました。
「モコネコさん、大変! なんかホテルで女子高生の子が倒れたみたいなの。
助けてくれないかな?」
「おいおい、ホテルで女子高生って、完全に援助交際とかだろ?
どうせ援助交際をするような女なんてブスしかいないんだ。諦めるんだな!」
モコネコは、そう言って電話を切ろうとした。
すると、メアリー先生が話を聞いていたらしく近づいてきた。
「モコネコちゃん! 援助交際をする男性っていうのはね、かなり金を持っている可能性があるんだ。しかも、家庭もしっかりしているだろう。
それをむしり取ってくればいい。
ATMまで行って、二百万円くらいは取れるだろうね。それだけあれば……」
「メアリー先生の欲しがっていた電子顕微鏡がようやく買えるようになるんだね。
それさえあれば、更なる研究に役立てることができる。
ゴミのような人間も、ようやく人様の役に立つことができるんだね。早速行ってきます!」
こうして、モコネコは飛び立っていった。
「ふっふっふ、十歳の僕じゃ買えないと思っていたのに……。モコネコちゃんのおかげだね!」と、メアリー先生はさわやかに笑っていた。
モコネコは、カルガモの連絡してきたホテルに辿り着いた。
「モ、モコネコさん、あの、こっちです!
ここのホテルの部屋で倒れていました」
モコネコは、早速お金を持っていそうな男性と交渉を始めた。
「お父さん、ちょっと事情をお伺いしましょうか?
あっと、携帯電話が落ちましたよ。
おやー、こんなに多くの女性のメールアドレスが登録されていますねー。
あった! これが奥さんですね。
連絡しちゃおうかなー、お宅のご主人さんが、女子高生とここで何をしていたとか、その様子とか、ホテルの部屋の防犯カメラに二人の愛の記録が、バッチリ残っているでしょ?
ホテルの従業員を買収して、もらちゃおうかな……。
どうせ、アルバイト社員だから五万くらいで売ってくれるでしょ。
ダビングでもいいんだし……」
「くっ、い、いくらだ? いくら出せばいいと言うのかね、君?」
「さすがは大手企業の従業員、話がサクサク進んで助かりますな。
大丈夫です! 五百万円ほど、ATMでお金を下ろしてくれれば、奥さんにも、社長にも、他の従業員にも黙っていますよ!
こういう交渉は一回までと、親に教えられていますから……」
「ちっ、分かった……。その条件を飲もう!
ただし、彼女を助けてくれたらの話だ!」
「はいはい、分かりました。五百万円と引き換えに、この携帯電話はお返ししますよ!」
モコネコは、おっさんとの交渉に成功した。
「さてと、ブスでも助けますか。
どうせ、どっかの男に、これは避妊薬だからとか言われて、フグ毒でも盛られたんだろ! ブスのくせに色気付やがって! はん、しびれや麻痺症状が出ているぜ、いい気味だ!
まだ、呼吸があるから助かるな。ブスはしぶとくていいよな!」
モコネコは、救急車を呼んだ。
「ふー、ブスとキスしなくて助かったぜ!
呼吸困難なら人工呼吸するしかないからな。
さてと、おっさん、ブスの娘の命は助けたぜ。
ATMに行って、五百万円払ってもらいましょうか?」
モコネコは、カルガモを一匹残し、夜の街へと消えて行った。
カルガモは、一匹さびしくホテルの前をうろうろする。
すると、しばらくしてモコネコがホテルの前に戻って来た。
カルガモは勇気を出し、モコネコに告白した。
「モコネコさん、あの、アタシと、付き合ってください!」
「ああ、いいぜ! 俺もお前と付き合いたいと思っていたんだ。
丁度いい、ここで一夜を共にしようぜ!」
(え? そ、そんな……。でも、こんなチャンスを逃せない。
彼を他のメスに取られたくない……。いいわ! アタシ、モコネコさんの妻になる!
優しくしてね♡)
こうして、カルガモとモコネコは、一夜を共にした。
第十四話 モコネコ最大の敵登場!
モコネコとカルガモは一夜を共にし、朝になった。
「ふう、モコネコさん、おはよう♡」
「ああ、おはようさん。コーヒーを一杯くれないか?
ミルクと砂糖無しのブラックコーヒーを……」
カルガモは、モコネコを見て驚く。
「え? え? あなたはモコネコさん? ですよね……」
「ふー、どうやら部屋が暗かったから分からなかったようだな……。
俺は、ブラックモコネコってんだ。ヒーローモコネコとは、格が違うんだよ!」
「ガーン! アタシを騙したのね?」
「くっくっく、騙される方が悪いのさ!
少しの間だけでもいい夢が見られて良かったな。
だが、あんたはもう俺のものだ。
ここに昨晩記録したビデオがある。
俺の言うことを聞かなければ、これをインターネットに流す!
世界中の人々が見ることになるんだろうな。あんたと俺の愛の記録を……」
「ああ、アタシが不倫なんて考えたばっかりに……。
ごめんなさい、お父さん、お母さん、モコネコさん……。
アタシはどうしたらいいの? 助けて……」
「ふん! あんたは俺の玩具さ!
せいぜいモコネコをいたぶるのに利用させてもらうぜ! 覚悟するんだな!」
こうして、カルガモは、ブラックモコネコの罠にはまり、モコネコをおびき出す道具にさせられてしまった。
その頃、モコネコといえば……。
「スパークモコネコと名付けよう!」
「うおおお、力が、力が漲って来る!
少し電気を起こすだけで、ゴミが体にひっ付いて来る。
そして、力を抜けば静電気は消えて、体からゴミが離れる。
なんて、掃除に便利なんだ。
オイラの体を使わずとも、モップやハタキに静電気を通せば、この能力は道具に伝わる。これはすごい便利ですよ!」
「気に入ってもらえたかな?
他にも使い方しだいで、いろいろ出来るようになるよ。
頑張って能力を開発していってね!」
メアリ―先生により、モコネコに新たな能力が備わっていた。
(へへへ、自販機の下に落ちてるお金をこれで楽に拾うことができるぜ!)
モコネコはそんなことを考えていた。
モコネコは、ウミウシと結婚し、リア充(リアルに充実の略)な生活をしていた。
「ウミウシ、オイラは朝から牛タンが食べたいニャン!」
「モー、朝から大胆なんだから♡ 牛乳もちゃんと飲みなさいよ♡」
「若くて育ち盛りのオイラは、食欲旺盛なのです。チュパチュパ、レロレろ、ゴックン。うーん、松坂牛の味だ……。では、次はミルクの方を……。
ゴクゴクゴク……、し、しまった……。また、お腹が痛くなってきた……」
「モー、この欲張りさん♡ アタイのためにお金をがっぽりと稼いで来てね♡」
モコネコは、いつものようにパトロールをし始めた。
すると、女子高生のカルガモが近付いてきた。
「キャー、リア充のモコネコさんだ。
アタシは、ピッチピッチの女子高生、カルガモちゃんだよ。
アタシ、モコネコさんのお手伝いがしたいな! 携帯の番号を教えてよ!」
「いいけど、ギャル語とか分かんないぜ!
それでもいいなら教えてやるよ!」
「キャー、モコネコさんの番号だ! じゃあ、何か困ったことがあったら連絡するね!
またね♡」
カルガモは、モコネコに別れを告げ、去って行った。
「カルガモちゃんか……。乳はないけど、可愛い子だった。
助手としてビシバシ鍛えてやろう!」
モコネコは、カルガモが連絡してくるまで昼寝をしていた。そして、昼三時になり、モコネコの携帯が鳴った。
「あ! カルガモちゃんから電話だ!」
「くっすん、モコネコさん、助けて!
アタシの友達と山の遠足に行っていたら、突然苦しみ出して倒れちゃったの。どうしよう?」
「大丈夫! まず、その友達の写メ(顔写真付きメール)を送って!
美女だったら助けに行くから! ブスだったら、自力で何とかしなさい!
分かったね!」
カルガモは、モコネコに言われた通りにする。しばらくしてメールが届いた。
「ふーむ、山姥系(流行っていたファッションの一つ、顔の肌の色を黒くし、見分けが付かない化粧)か……。判断に迷うな……。
スッピン(化粧してない普段の顔)の写真があればいいんだがな……」
モコネコが迷っていると、メアリー先生がモコネコに話しかけて来た。
メガネバージョンでの登場である。
「どうしたの、モコネコちゃん?」
「あ、お美しいメアリー先生!
どうか、無智で愚かなオイラに正しい答えを教えてください。
オイラは、この女子高生を助けるべきでしょうか? 見捨てるべきでしょうか?」
「どれどれ? なるほど、判断に困るな。まずは、肌色のペンで色を塗ってみよう。
次に、ピンク系の唇にしてっと……。さあ、これでどうかな?」
「うわー、本来は美女だけど、周りに合わせて不細工にしている内気な美女だったのか!
こんな美女を不細工にするなんて、世の中は腐っているね。
ブスは、ブス同士で固まっていればいいんだよ!」
「まったくだ! ブスが美女に近づいて、態度や美意識が良くなるならともかく、ブスが美女に影響を与えて、醜くさせるなどあってはならないことだ!
タバコを勧めるクズ、万引きをするよう仕向けるゴミ、麻薬を打とうとする犯罪者、こいつらを生かしておいてはいけない。
すぐに警察に連絡し、ブタ箱にぶち込むことが大切です。
社会的に抹殺というけれど、本人にとっても大切な事なのです。
本当に友達なら、そういう子を見かけたら、大人に告げてくださいね」
モコネコは、女子高生が美女と分かり、救助に向かった。
「人の命はとても貴重なんだ。オイラはそれを守る!」
モコネコはそう決意し、問題の場所へ向かう。
第十一話 過激化する街の甘い罠
モコネコは、問題の場所へと辿り着いた。
カルガモの誘導により、モコネコは女子高生を見付けることができた。
「ふーむ、これはキノコを食べてしまった自然毒だな。
大方、友達がいたずらで食べさせたのだろう。
激しい腹痛、下痢、言葉の障害、目の障害、しびれ、幻覚などが出ている。
早く、大量のぬるま湯を飲ませて、食べた物を吐かせるんだ!
そして、細かくすりつぶした炭を水と一緒に飲ませて、早く病院に運ぶんだ!」
モコネコは、ぬるま湯の代わりになるような物を飲ませ、細かくすりつぶした炭を水と一緒に飲ませた。そして、救急車を呼んだ。
モコネコの適切な処置により、女子高生の命は助けられた。
「ふー、オイラのオシッコが役に立って良かったぜ!
応急処置が良かったから助かるだろう!」
「わー、モコネコさん、ありがとうございます!」
カルガモの感謝の言葉に気を良くしたモコネコは、特別授業を開始し始めた。
「キノコ以外にも、朝鮮アサガオやアジサイ、スイセン、キョウチクトウ、スズランなどに毒があるから注意してね!」
「キャー、さすがはモコネコさん、カッコいいだけじゃなく、知識もすごいんですね!
アタシ、惚れてしまいそう……」
「カルガモちゃん、オイラに惚れちゃ、いけないよ! 基本、貧乳には興味ないんだ!」
モコネコは、誰かにメールを送る。
「ふっ、オイラから逃げられるとでも思ったのかな?
彼女に毒を飲ませたのは、担任の先生さ!
彼女の携帯電話を見たが、こいつのメールだけ数が異常にあった。
教師と生徒の禁断の恋とか言って燃えあがったんだろう。
しかし、オイラの目は誤魔化せなかった。
こいつが、彼女を毒殺しようとした犯人さ。
一回は脅迫してお金をせしめ、その後にブタ箱にぶち込む。
せいぜい五万から十万といったところだが、絞り取れる。
そして、さっさと警察に通報して、罪を償わせる。
厳しいようだが、これが社会のルールなんだ。
犯人もいずれは後悔して、社会のためになるよう復帰してくれるだろう!」
「キャー、そのままブタ箱に送らず、ちょっと間を空けて通報するなんて……」
「ふっ、すぐに送ったんじゃ、相手の良心が鍛えられない。
悪いと想い出した時に送るのがベストなんだ。
脅迫は一回まで、それ以上は刺される危険が増すからね!」
「うーん、このハードボイルド!」
モコネコはクールに飛び去って行った。
二日後、犯人の男性教諭はブタ箱に送られた。
「うう、モコネコさん……。この気持ちは何? もしかして……。
駄目よ、ウミウシさんがいるのに……」
カルガモは、自分の気持ちを押し殺そうと必死だった。
モコネコは、全くそのことに気付いていなかった。
第十二話 加速するカルガモの恋心
翌日、モコネコはまたカルガモに呼び出された。
なんでも、山に自生している毒草を食べてしまったらしい。
ヨモギと間違えたそうだ。モコネコは写真を確認し、現場へと向かった。
すると、むっちりとした美女が倒れていた。
「おお、写真で確認したが、これはオイラ好みの美女! 早速診察だ!
ふーむ、なんて大きなおっぱいだ。
肉球で触れても分かる張りと柔らかさ、これは本物だ!」
モコネコはしばらく肉球で診察を続けた。
「さてと、本職に戻るか。手足の痙攣やしびれ、呼吸困難が見られる。
このままでは危険だ。食べた毒草は、トリカブトだな!
正直に言うと、トリカブトに解毒剤はない!
一応、ぬるま湯のような物を大量に飲ませて、食べた物を吐かせよう。
そして、細かくすりつぶした炭と水を一緒に飲ませて、病院まで運ぼう!」
モコネコの適切な処置により、またしても人間の命を救ったモコネコ。
美女はお金がないようなので、将来はメアリー牧場で働かせることにし、モコネコは帰って行った。
「モコネコさん、大好き! 鳥類と猫羊類の恋なんて許されないけれど……。
もしも、モコネコさんがその気になってくれたのなら、アタシ……」
カルガモは、日々モコネコに思いを寄せて行った。
第十三話 甘い誘惑、モコネコ禁断の夜!
モコネコは、最近カルガモの連絡のみを頼りに仕事をしていた。
そのため、パトロールもめっきりしなくなっていた。
「ふー、カルガモちゃんのおかげで仕事が楽になったぜ!
このまま助手になってくれないかな? 丁度翼もあるし……。ゴクゴクゴク……」
モコネコは、ビール片手に昼寝をしていました。
夕方になった頃、カルガモが連絡をして来ました。
「モコネコさん、大変! なんかホテルで女子高生の子が倒れたみたいなの。
助けてくれないかな?」
「おいおい、ホテルで女子高生って、完全に援助交際とかだろ?
どうせ援助交際をするような女なんてブスしかいないんだ。諦めるんだな!」
モコネコは、そう言って電話を切ろうとした。
すると、メアリー先生が話を聞いていたらしく近づいてきた。
「モコネコちゃん! 援助交際をする男性っていうのはね、かなり金を持っている可能性があるんだ。しかも、家庭もしっかりしているだろう。
それをむしり取ってくればいい。
ATMまで行って、二百万円くらいは取れるだろうね。それだけあれば……」
「メアリー先生の欲しがっていた電子顕微鏡がようやく買えるようになるんだね。
それさえあれば、更なる研究に役立てることができる。
ゴミのような人間も、ようやく人様の役に立つことができるんだね。早速行ってきます!」
こうして、モコネコは飛び立っていった。
「ふっふっふ、十歳の僕じゃ買えないと思っていたのに……。モコネコちゃんのおかげだね!」と、メアリー先生はさわやかに笑っていた。
モコネコは、カルガモの連絡してきたホテルに辿り着いた。
「モ、モコネコさん、あの、こっちです!
ここのホテルの部屋で倒れていました」
モコネコは、早速お金を持っていそうな男性と交渉を始めた。
「お父さん、ちょっと事情をお伺いしましょうか?
あっと、携帯電話が落ちましたよ。
おやー、こんなに多くの女性のメールアドレスが登録されていますねー。
あった! これが奥さんですね。
連絡しちゃおうかなー、お宅のご主人さんが、女子高生とここで何をしていたとか、その様子とか、ホテルの部屋の防犯カメラに二人の愛の記録が、バッチリ残っているでしょ?
ホテルの従業員を買収して、もらちゃおうかな……。
どうせ、アルバイト社員だから五万くらいで売ってくれるでしょ。
ダビングでもいいんだし……」
「くっ、い、いくらだ? いくら出せばいいと言うのかね、君?」
「さすがは大手企業の従業員、話がサクサク進んで助かりますな。
大丈夫です! 五百万円ほど、ATMでお金を下ろしてくれれば、奥さんにも、社長にも、他の従業員にも黙っていますよ!
こういう交渉は一回までと、親に教えられていますから……」
「ちっ、分かった……。その条件を飲もう!
ただし、彼女を助けてくれたらの話だ!」
「はいはい、分かりました。五百万円と引き換えに、この携帯電話はお返ししますよ!」
モコネコは、おっさんとの交渉に成功した。
「さてと、ブスでも助けますか。
どうせ、どっかの男に、これは避妊薬だからとか言われて、フグ毒でも盛られたんだろ! ブスのくせに色気付やがって! はん、しびれや麻痺症状が出ているぜ、いい気味だ!
まだ、呼吸があるから助かるな。ブスはしぶとくていいよな!」
モコネコは、救急車を呼んだ。
「ふー、ブスとキスしなくて助かったぜ!
呼吸困難なら人工呼吸するしかないからな。
さてと、おっさん、ブスの娘の命は助けたぜ。
ATMに行って、五百万円払ってもらいましょうか?」
モコネコは、カルガモを一匹残し、夜の街へと消えて行った。
カルガモは、一匹さびしくホテルの前をうろうろする。
すると、しばらくしてモコネコがホテルの前に戻って来た。
カルガモは勇気を出し、モコネコに告白した。
「モコネコさん、あの、アタシと、付き合ってください!」
「ああ、いいぜ! 俺もお前と付き合いたいと思っていたんだ。
丁度いい、ここで一夜を共にしようぜ!」
(え? そ、そんな……。でも、こんなチャンスを逃せない。
彼を他のメスに取られたくない……。いいわ! アタシ、モコネコさんの妻になる!
優しくしてね♡)
こうして、カルガモとモコネコは、一夜を共にした。
第十四話 モコネコ最大の敵登場!
モコネコとカルガモは一夜を共にし、朝になった。
「ふう、モコネコさん、おはよう♡」
「ああ、おはようさん。コーヒーを一杯くれないか?
ミルクと砂糖無しのブラックコーヒーを……」
カルガモは、モコネコを見て驚く。
「え? え? あなたはモコネコさん? ですよね……」
「ふー、どうやら部屋が暗かったから分からなかったようだな……。
俺は、ブラックモコネコってんだ。ヒーローモコネコとは、格が違うんだよ!」
「ガーン! アタシを騙したのね?」
「くっくっく、騙される方が悪いのさ!
少しの間だけでもいい夢が見られて良かったな。
だが、あんたはもう俺のものだ。
ここに昨晩記録したビデオがある。
俺の言うことを聞かなければ、これをインターネットに流す!
世界中の人々が見ることになるんだろうな。あんたと俺の愛の記録を……」
「ああ、アタシが不倫なんて考えたばっかりに……。
ごめんなさい、お父さん、お母さん、モコネコさん……。
アタシはどうしたらいいの? 助けて……」
「ふん! あんたは俺の玩具さ!
せいぜいモコネコをいたぶるのに利用させてもらうぜ! 覚悟するんだな!」
こうして、カルガモは、ブラックモコネコの罠にはまり、モコネコをおびき出す道具にさせられてしまった。
その頃、モコネコといえば……。
「スパークモコネコと名付けよう!」
「うおおお、力が、力が漲って来る!
少し電気を起こすだけで、ゴミが体にひっ付いて来る。
そして、力を抜けば静電気は消えて、体からゴミが離れる。
なんて、掃除に便利なんだ。
オイラの体を使わずとも、モップやハタキに静電気を通せば、この能力は道具に伝わる。これはすごい便利ですよ!」
「気に入ってもらえたかな?
他にも使い方しだいで、いろいろ出来るようになるよ。
頑張って能力を開発していってね!」
メアリ―先生により、モコネコに新たな能力が備わっていた。
(へへへ、自販機の下に落ちてるお金をこれで楽に拾うことができるぜ!)
モコネコはそんなことを考えていた。
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そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
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