【オススメネット小説】幻獣少女えるふ&幻獣になったオレ

猫パンチ

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第八章 ペガサスVSヒュドラー

プロローグその二 天草夏美の過去

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 平和な日常も終わり、危険な任務の伴う休日になりました。
春樹の仕事を手伝うため、今日も朝から起きて、ご飯を作っています。
朝ごはんは活力の源、一日の食事の中でも一番重要と言われているので、しっかり食べたいと思います。
私がご飯を作っていると、兄の携帯が鳴りました。でも、三コール以内に出ません。
兄は朝シャンをしているので、丁度出られなかったのです。
仕方なく、私が出ようとすると、兄が裸のまま飛び出して来ました。

「危ない、危ない! 依頼は本人から直接聞かないとな。
情報間違いがあったら、生死にかかわる問題だ!」

「決めている所悪いけど、まだ泡が付いているよ。後、床を拭いておいてね」

私の言葉を遮るように、春樹は言います。

「静かにしてくれ! 大事な商談の最中なんだ!」

春樹はそう言って風呂場に戻り、床掃除しませんでした。
しばらくすると、兄が風呂場からあがり、牛乳を飲みます。
歩きながら牛乳を飲んでいると、足を滑らせ柱に頭をぶつけました。
私は兄思いなので、気付かないふりをし続けました。
食事の準備が終わり、兄の方を見ると血を流して倒れています。
予想以上にダメージが大きく、本当に殺し屋に命を狙われたのかと思いました。

 私がご飯を食べていると、春樹が仕事の内容を話し出します。
今日は、春樹も予想外のダメージを受けているし、簡単な仕事が良いと願いました。

「今日の敵はテロリスト。
ある領土を占拠し、自分の土地と言い張って、周囲の国の人々を攻撃している恐ろしい奴だ。
ある国の首相から、そく奴を捕らえるように依頼された。
奴の全身はもはや凶器、近付く人間を皆殺しにするほどの破壊力を誇る! 
対策を立てていかねば、俺といえども命は無いかもしれないほどの化け物だ!」

春樹の顔は震えていた。それほどまでの強敵なのだ。
何も大ダメージを負った日に、こんな危険な依頼が来なくても良いじゃないか……。
そうは思ったが、これも仕事。私も全力で臨まなければならない。
いったい、どれほどの強敵なのだろうか? 
一国を脅かすほどの存在を相手に、私達二人で立ち向かえるのだろうか? 
失敗すれば命は無い。

 私は兄が案内する場所へと向かう。
飛行機も電車も乗らず、歩いて着いた場所は公園だった。
どういう事なのだろうか? 
まさか、犯人はこの場所で爆弾テロでも仕掛けようとしているのだろうか? 
人通りは多いけど、大した被害が出そうでもない。

「テロリストはどこ?」

春樹が指差した先には、一人のホームレスが寝ていた。
まさか、今はホームレスをしているが、元々は危険な奴なのだろうか? 
それとも、身分を隠すため偽装しているのだろうか? 
私は春樹に尋ねる。

「ホームレスが一人いるだけだ。まさか、あいつが今回のターゲットなの?」

「そうだ! 臭い、汚い、気持ち悪いの三Kを持つ恐るべき相手だ。
人々を洗脳する音楽を大音量で流している。
更に、周囲に猛毒の瘴気を振りまいている。
一呼吸でも吸えば、命さえも奪いかねないほどの強敵だ! 
一国の主である奴の息子から回収を依頼されている。
何とか奴の精神を破壊し、自分で国に戻るようにさせなければならない!」

真剣に説明している春樹だったが、私の中に殺意が芽生え始めた。
全力でぶん殴りたいという衝動に抗う事ができない。

「分かったわ。二人まとめてまともな人間にしてあげるわ!」

私は愛刀のフルンティングを構え、春樹を攻撃する。

「喰らえ、フルンティング・カッター!」

フルンティング・カッターは、私の持っている技の中でも一番早い攻撃技だ。
反射神経に任せ、対象を攻撃する。威力は落ちるが、確実にダメージを与える事ができる。私の攻撃は、春樹の右肩を攻撃したが、クリティカルヒットはしなかった。
ちっ、戦力を奪うほどではなかったか……。

「バカな! 夏美が俺を攻撃しただと? まさか、洗脳されているのか? 
おのれ、凶悪なテロリスト『タキシム』。俺の妹を怪しい音楽で操っているというのか?」

春樹は涙を流しているが、私は構うことなく攻撃を続ける。

「喰らえ、フルンティング・ビリヤード!」
フルンティング・ビリヤードは、相手の弱い所を突く一撃の攻撃。
一点に集中した攻撃力は、軽々と相手の鎧を打ち破る。
春樹が防御態勢を取る事を予測し、この攻撃に切り換える。
私は春樹を半殺しにする事ができるのだろうか? 
そして、ホームレスの心を折り、家族の元に帰す事ができるのであろうか?

私の攻撃は、生意気にも防がれた。
単純に、武器のヒュドラ―を盾に変形させ、防御したのだ。
いくら攻撃力が強い一撃といっても、防御力が段違いなら勝てるはずもない。
私は離れて、間合いを取る。

「ふはははは、洗脳されているとはいえ、お前は俺に勝てるはずもない。
なぜなら、お前の攻撃パターンは全て知り尽くしている。
お前は武器の名前を言ってから攻撃しているが、それが弱点。
それでは、俺のカウンター攻撃を受けて……」

春樹の話が長いので、そのまま傘で殴り倒した。
朝に受けたダメージが功を奏したようで、派手に血を流して転げ回る。
これで、ホームレスに恐怖心を与える事ができた。
ホームレスは、私を見て怖がり始める。

「ひい、寄るな、化け物!」

言い方は気にくわないが、殺してしまっては、報酬はもらえない。
ホームレスの手前十センチ地面を攻撃する。
地面にクレーターができ、脅すのに最適な結果となった。
私は思わず笑いながら語りかける。

「死にたくなければ、さっさと身体を洗い、服を着替えて、家族の元に戻りなさい。
報酬を受け取った後は、見逃して・あ・げ・る♡」

ホームレスは跪き、こう約束する。

「はい! 銭湯に行ってから、家族の元に帰ります! ですから命だけは……」

「本当に? 今日中にできる?」
私はそう言って、傘を地面に突き刺す。

「はい! そうします!」

その後、ホームレスの家族から報酬を受け取り、春樹を介抱してから家に帰って行った。家に着いたのは、もう夕方だった。宿題や家事に追われて、寝る時間が遅くなる。
しまった、明日は部活の朝練があるのに……。
私はテニス部だから、練習がハードなのだ。明日に備えてすぐに寝る事にした。
はあ、来週こそまともな仕事ができるのかな? そう思いながら眠りに着く。




天草夏美(あまくさなつみ)

幻住高校一年C組(カプリコーン) 十六歳
身長 155センチ 体重 40キロ
血液型 B型 B87 W55 H89
誕生日 8月6日

性格 兄貴思いの妹。しっかりものタイプだが、兄になんか変な憧れをもっている。
二人は孤児として育ったため、両親も親族もいない。
唯一、自称暗殺業をしている親代わり(姉と見ているぽい)と孤児院の創始者を親と見ている。
孤児院後次候補として、武器兼候補者の証・オレンジの傘『フルティング』を使う。
威力は鉄製のためかなり強力だが、普通の傘だ。
同じ種類の傘は十二本あり、全てに剣の名前が付いている。
傘の所有者それぞれが自分の技を鍛えている。
孤児院は『円卓の騎士団』という名前であり、全てが専門の仕事を出来るように鍛えられて育った。
彼女は特出したスキルもないが、全ての能力において優秀のため、候補者の一人に選ばれた。
後継者になりたいという欲望は無いが、尊敬する親からもらった武器として大切にしている。
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