【オススメネット小説】幻獣少女えるふ&幻獣になったオレ

猫パンチ

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番外編エピソード ラブリー聖書 ソロモンの歌

第四話 シュラムの娘のダンスパーティー

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シュラムの娘はソロモンの城に連れ戻され、パーティ―会場でダンスをすることになりました。王妃やそばめ、花嫁候補達は薄ら笑いを浮かべています。

(汚らしい田舎娘が踊りなんて踊れるのかしら? せいぜい、私達を笑わせておくれよ!)

シュラムの娘は母親に教えてもらった踊りでその場を乗り切りました。魅惑的なダンスではないものの、神秘的な雰囲気を感じさせる踊りでした。踊りがなかなかだったため、王妃達は無表情になりました。

(ふー、なんとか乗り切ったわ……。恥をかかない程度にはうまく踊れたと思うけど……。
しかし、ソロモン王の支給した踊りの衣装、なんてエロいのかしら。私はもっと布のあるほうが好きなんだけど……。これじゃまるで下着じゃない。外国の伝統的な衣装らしいけど、趣味が合わないわね……)

シュラムの娘は自分の衣装を改めて確認する。

王妃達やそばめの衣装と違い、特別に作られたものだった。ソロモン王の熱い視線を感じ始めた。

(まずい、うかつだった……。こんな衣装を着たら、ソロモン王を欲情させてしまったかもしれない! 

今夜、私の用意した部屋で寝なさいとか言ってくるかもしれない! そして、夜に忍び込まれて、無理矢理結婚させられるかもしれない! どうしよう……)


 ソロモン王はシュラムの娘の踊りを誉め始める。

「快く仕える娘よ、あなたの足取りはあなたのサンダルの中にあって何と美しい物となったことか。あなたの股の丸みは工匠の手業になる飾り物のようだ」

(おー、なかなかのチョイスだな。シュラムの娘の身体が手に取るように分かるわ。やはりあの服職人は最高だ! 後で高額を与えてやろう)


 ソロモン王は続けてシュラムの娘の身体を誉め始める。

「あなたのへその周りは円い鉢。混ぜ合わされたぶどう酒がそれから欠けることのないように。あなたの腹は、ユリで周りを囲まれた、積み上げられた小麦のようだ」

シュラムの娘は、ソロモン王の視線がより強くなるのを感じる。

(うー、キモい。どうかエホバ、私を助けて!)


 ソロモン王の愛情表現は激しさを増す。

「あなたの二つの乳房は、二頭の若子、雌のガゼルの産んだ双子のようだ。あなたの首は象牙の塔のようだ。あなたの目はバト・ラビムの門の傍らのへシュボンの池のようだ。あなたの鼻はダマスカスの方を見渡すレバノンの塔のようだ」

シュラムの娘はソロモン王の心を感じ取った。

(あ、顔に移ったら表現が怪しくなった。ソロモン王は私の身体が目的なんだ。もう、危険な状況に置かれてしまった。このまま強引に結婚まで持って行く気満々なんだ。私の感情なんて考えてない……。最低な奴!)

ソロモン王はシュラムの娘の髪の毛を誉め始める。

「あなたの頭はカルメルのようで、あなたの房々した髪は赤紫に染めた羊毛のようだ。ソロモン王である私は、その垂れ髪に引き付けられている」

シュラムの娘はそれを聞き、髪形を変えようと考えた。ソロモン王の言葉はまだ続く。

「愛されている乙女よ、無上の喜びを与える
者の中で、あなたは何と美しく、何と快い者なのであろう」


 ソロモン王はシュラムの娘に誉め言葉を語り終えると、怪しい含み笑いをする。

(シュラムの娘よ、お前は既に罠に掛かっている。お前は私のためにダンスを踊った。それにより、フット・イン・ザ・ドアの法則により、少しだけだが結婚を申し込みやすくなった。更に、六十人の王妃と八十人のそばめ、エキストラとして呼び集めた花嫁候補達。

こいつらは長い時間、お前を落とすために仕掛けた恐るべき罠なのだ。こいつらの我慢もすでに限界のはず……。お前が私の結婚に断れないように、こいつらが圧力を懸けてくれるだろう。お前は結婚を断れば死ぬかもしれない。もはや、私のものになるしか選択肢が無いのだ! 

こんな方法は少し不本意だが、このままお前を妻にしよう!)


 ソロモン王はまたシュラムの娘の身体を嫌らしく誉め始めた。

「あなたのこの背丈は高く、ヤシの木に、あなたの乳房はナツメヤシの房に似ている。私は言った、私はヤシの木に登って、そのナツメヤシの果梗を取ろうと。そして、どうか、あなたの乳房がぶどうの房のようであって欲しい。あなたの鼻の香がリンゴのようであれ」

シュラムの娘はソロモン王の危険とキモさを感じ取っていた。

(うえ、ソロモン王め、明らかにセクハラの言葉を述べ始めたぞ。奴はもう危険な状態になってきている。このまま結婚して、今夜は一緒に寝るとか考えている。何とか断らなければ……。あいまいな態度は危険だ!

 そうした態度は、すべて奴の脳内ではOKになってしまう。よし、はっきりと断るぞ! しかし、なに、この息苦しさは……)


 ソロモン王はついにシュラムの娘に向かってプロポーズの言葉を口にした。

「あなたの上顎が、私の愛する者のために滑らかに滑って、眠っている者達の唇を柔らかに流れる最良のぶどう酒のようであれ。あなたを王宮に迎え入れたい! 私の部下や王妃達のためにもぜひ私と結婚して欲しい!」

(うわ、ついに来たか! よし、ここは即座に断ろう!)


 シュラムの娘はソロモン王のプロポーズを即座に断る。

「お断りします。私は私の愛する方のもの。あの方の渇望は私に向けられているのです。

私の愛する方よ、ぜひ来てください。野に出て行きましょう。ヘンナの木の間に宿りましょう。早く起きて、ぶどう園に行きましょう。

ぶどうの木が新芽を出したかどうか、鼻が開いたかどうか、ザクロの木が花を咲かせたかどうかを見るために。私はそこで愛情の表現をあなたに捧げましょう。こいなすもその香りを放ちました。

私達の入り口のそばにはあらゆる種類の選り抜きの果物があります。私の愛する方よ、私はあなたのために新しい物も古い物も蓄えておきました」

(準備は万端だけど、相手がまだ現れないのよね……)


 シュラムの娘の言葉を聞き、王妃達とそばめ達、エキストラの花嫁候補達は怒りを露わにし出します。

「あなたは何を言っているのです! あなたはソロモン王の前で踊りを踊った。これは結婚する気があるという意味じゃないのですか? それとも、ソロモン王をいたずらに誑かしたのですか? 何という娘なのでしょう。あなたにはもうソロモン王の妻になるか、死ぬかしか選択肢が無いのです!」

王妃達や他の女達はしびれを切らして、シュラムの娘に究極の二択を迫る。


 シュラムの娘はもう後が無い事を悟り、逃走を試みます。

(くっ、王妃達も限界だったのね……。あの息苦しさは王妃達とそばめ達の圧力だったのか。このままでは、いずれ殺されてしまう!)

シュラムの娘は逃げようと外へ向かいますが、ソロモン王の話を聞き、立ち止ります。

「ああ、あなたが私の母の乳房を吸う私の兄弟のようであったなら。それならば、私もあきらめがついたでしょう。しかし、あなたは私の兄弟ではない。私は追い続けます! 

私はあなたを外で見いだすなら、あなたに口づけするでしょう。人々は私をさげすんだりはしないでしょう。私はあなたを導き、私をいつも教えてくれた私の母の家に連れて入るでしょう。私は香料を加えたぶどう酒を、ザクロの新鮮な果汁をあなたに飲ませるでしょう。

あなたは絶対に逃げられません!」

ソロモン王の言葉を聞き、シュラムの娘の怒りも限界に達した。

(やろう、堂々とレイプ発言とは、良い度胸じゃない……。私、もう怒りを抑えることができない!)


 シュラムの娘は向きを変え、ソロモン王にゆっくりと近づいて行く。

「あの方の左手は私の頭の下にあり、その右手は私を抱くことでしょう。エルサレムの娘達よ、私はあなた方に誓いを立てさせました。愛がその気になるまでは、私の内にそれを目覚めさせたり、呼び起こしたりしないと」

シュラムの娘は握り拳を作る。

(でも怒りは別よ!)

シュラムの娘はソロモン王に向かって近づいて行く。途中で兵士達が異変に気付き、止めようとするが吹っ飛ばされてしまった。そう、シュラムの娘は単純に強かった。

もしも、サウルの時代に生きていたなら、巨人で有名なゴリアテと素手で良い勝負ができるほどに鍛え上げられていた。戦争のないこの時代の兵士では、手に負えないのだ。

(ひーい、化物か!)

ソロモン王はそれを見、かつてない恐怖に襲われていた。

(ソロモン王、せめてあなたが真面目に支配できるように私が愛を示してあげるわ。かなり荒い仕付けだけど、しないよりはマシでしょう)

シュラムの娘は聖拳突きをソロモン王に加えた。かなりの威力があり、ソロモン王は王座ごと吹っ飛ばされ、気絶させられた。シュラムの娘は我に帰り、自分のしてしまったことを見て怖れ始めた。

(しまった! いくら全力じゃなかったとしても、イスラエルの王を攻撃してしまった……。最悪、家族全員打ち首か、私の強制的な結婚、または死刑……。くっ、荒野へ逃げて、ほとぼりが冷めるまで逃げ回るしかないわ)

シュラムの娘の心配とは裏腹に、王妃達は喜んでいた。

(ナイス! あー、スカッとしたわ。イスラエルの王が小娘に殴り倒されたなんて、誰にも言えないわ。ソロモン王もしばらくは女に懲りて、真面目な支配をすることでしょう。

シュラムの娘、安心して逃げてお行き!)
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