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本来は
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たぶんだが私とエスタレア嬢は、本来はそれぞれ、アレッソ殿とサンフレッチ殿下のお相手だったのだろう。
いずれも令嬢としてはハイスペックな方なので、武家のトップと貴族のトップ、双方に武家寄りの正室をあてがおうという魂胆なのだ。
そして、微妙な立場の穴馬アフマディオ殿下には、あえて力のない家門の娘をあてがって、妙な勢力に祭り上げられないよう仕組む予定だったはず。
恐らくは、想定外だったのは、アレッソ殿の空気の読めなさと、セレニスタ嬢の過分な野心と厚かましさ。
知恵を絞った幕府の皆様、御愁傷様です((笑))。
先着順に選んだだけだと言えなくもないが、とにかくこの私のお相手は、自動的にアフマディオ殿下になってしまったようだった。
ああ、それでか。
セレニスタ嬢の一連の行動の理由がわかった。
彼女は自分に期待された役割を、ちゃんと理解できているのだ。
本来ならばサンフレッチ殿下には、武家としては最高権威である大老家の令嬢を送り込んで貴族を牽制し、アレッソ殿は、貴族社会にもそこそこ影響力を有するハーン家を身内に引き入れて離反の抑止力とし、微妙な立場のアフマディオ殿下には姻戚の後ろ楯を得られぬように、家格は低いが容姿だけは優れた娘をあてがおうという、この構図が。
生粋の貴族社会に飛び込むにはかなりの度胸と下地が要るが、そのくせ現状は王家といえども有形無実。
実際の権力の中枢と富は将軍家の下にある。
行政のシステムも全て、将軍家が掌握している。
王家に求められているものは、雅な伝統の下に国神を祀る、いわば大神殿的な役割のみだ。
王といえども、名前ばかりの名誉職にすぎない。
武家としてすら誇るほどの家門ではないセレニスタ嬢にしてみれば、格式と名誉なんか煩わしいだけなのだろう。
だからさっさと有料物件をキープして、ハズレの殿下なんかあてがわれないように画策したのだ。
そして、アレッソ殿もまんざらでもなさそうだ。
貴族気取りの扱いにくそうな女や、武家ではあるが侮りがたい権力者の令嬢などと比べれば、愛らしく庇護欲を掻き立てられて、かつ与し易く感じる極格下の女性は、安心感を以て側に置けるのだろう。
そんなセレニスタ嬢を眺めるエスタレア様は、冷静至極に見えるが、扇で隠された口元は嫌悪に歪められている。
だが、そこに嫉妬は感じられない。
武家としてすら社会においては将軍家に次ぐ地位にある家門の令嬢で、かつ将軍家の跡取りと同年輩の姫なので、元々、アレッソ殿の正室の有力候補であったはずだが。
「失なうもののないお嬢さんは無邪気ですこと、ねえ、ヴェルディアナ様?」
私の視線に気付いたらしく、エスタレア様が声をかけてきた。
いずれも令嬢としてはハイスペックな方なので、武家のトップと貴族のトップ、双方に武家寄りの正室をあてがおうという魂胆なのだ。
そして、微妙な立場の穴馬アフマディオ殿下には、あえて力のない家門の娘をあてがって、妙な勢力に祭り上げられないよう仕組む予定だったはず。
恐らくは、想定外だったのは、アレッソ殿の空気の読めなさと、セレニスタ嬢の過分な野心と厚かましさ。
知恵を絞った幕府の皆様、御愁傷様です((笑))。
先着順に選んだだけだと言えなくもないが、とにかくこの私のお相手は、自動的にアフマディオ殿下になってしまったようだった。
ああ、それでか。
セレニスタ嬢の一連の行動の理由がわかった。
彼女は自分に期待された役割を、ちゃんと理解できているのだ。
本来ならばサンフレッチ殿下には、武家としては最高権威である大老家の令嬢を送り込んで貴族を牽制し、アレッソ殿は、貴族社会にもそこそこ影響力を有するハーン家を身内に引き入れて離反の抑止力とし、微妙な立場のアフマディオ殿下には姻戚の後ろ楯を得られぬように、家格は低いが容姿だけは優れた娘をあてがおうという、この構図が。
生粋の貴族社会に飛び込むにはかなりの度胸と下地が要るが、そのくせ現状は王家といえども有形無実。
実際の権力の中枢と富は将軍家の下にある。
行政のシステムも全て、将軍家が掌握している。
王家に求められているものは、雅な伝統の下に国神を祀る、いわば大神殿的な役割のみだ。
王といえども、名前ばかりの名誉職にすぎない。
武家としてすら誇るほどの家門ではないセレニスタ嬢にしてみれば、格式と名誉なんか煩わしいだけなのだろう。
だからさっさと有料物件をキープして、ハズレの殿下なんかあてがわれないように画策したのだ。
そして、アレッソ殿もまんざらでもなさそうだ。
貴族気取りの扱いにくそうな女や、武家ではあるが侮りがたい権力者の令嬢などと比べれば、愛らしく庇護欲を掻き立てられて、かつ与し易く感じる極格下の女性は、安心感を以て側に置けるのだろう。
そんなセレニスタ嬢を眺めるエスタレア様は、冷静至極に見えるが、扇で隠された口元は嫌悪に歪められている。
だが、そこに嫉妬は感じられない。
武家としてすら社会においては将軍家に次ぐ地位にある家門の令嬢で、かつ将軍家の跡取りと同年輩の姫なので、元々、アレッソ殿の正室の有力候補であったはずだが。
「失なうもののないお嬢さんは無邪気ですこと、ねえ、ヴェルディアナ様?」
私の視線に気付いたらしく、エスタレア様が声をかけてきた。
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