断罪回避に失敗した悪役令嬢の祈りは届いた! ……だが、コレじゃない!

らおぴん

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親子ではない何か

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子連れの旅は、長かった。

優に3倍の時間をかけて本拠地に戻ったワタシは、まずは、ボクに衣服をあてがった。
この世界では子供は概ね裸で育つ。
大人ですら、覆い隠すという目的での被服という概念はなく、防護のために革を纏うのが関の山。

ワタシが交易に出向く際にはフクロの応用で作った貫頭衣を着ていたのだが、今はそれがじわじわと今世に浸透しつつある。
出来れば過剰な羞恥心を芽生えさせたくはないのだが、ワタシ自身が耐えられなかったのでしかたがない。

本拠地にはもっと着心地の良い布も織り貯めてあったし、子供服くらい、大概のものはちゃっちゃと編める。

「ここで暮らすんなら、ちゃんと服を着なさいよ。」

戸惑うボクに短めの貫頭衣を着せて、小さな靴を履かせてやった。
子供用に浅いトイレも作ってやって、服を汚さないように何回か付き添っている内に、ちゃんとコツを掴んでくれた。

「ボク」と呼べば振り向くので、やはり、自身は「ボク」だと認識している。
今さら名付けて呼び名を変えると、混乱させてしまうかも。
原始少年だから「リュウ」か「ゴン」、あるいは「ケン」や「ホルス」も良さそうかなあと迷っていたが、そんなワタシの微オタクな逡巡は敢えなく無と帰した。

とにかく、一緒に暮らすからにはワタシの基準に慣れてもらわねば困る。
元の群れに帰る可能性が少しでも残されていた内は最低限に止めていたが、この本拠地にむかえてからは、言葉もどんどん教えて行った。

「ごはん」とか「ふく」などの単語を発するようになるのは早く、ものの数日。
さすがは人類である。


ここで、ちょっと悩みが生じた。
他ならぬワタシ自身をどう呼ばせるか、である。

母ではないし、ありきたりにお姉ちゃん呼ばわるというのも、何だか違う。
何しろ、人間と言うよりはやや賢い野生生物なのである。
家族、と言うよりは共存……有り体に言えば、ペットに近い感覚なのは否めない。
もちろん十分に愛情も愛着もあるし、いずれこのこの子の知的レベルが成長すれば感覚も変わるのかもしれない。

悩んだ末に、「ウーダ」と呼ばせる事にした。

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