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電車でサヨナラ
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「さて、ようやく来た土曜日……」
このところ平日も走り回っていたため、汚れ物が山のように積み上がっている。見ているだけで憂鬱になってくるが、今日こそはこの悪循環を断って片付けてしまうぞ、と灯は袖をまくった。
──しかし、灯は忘れていた。神様仏様というのは、人間が油断した時を見計らって爆弾を投げてくるということを。
突然、玄関の扉が叩かれる。その打ち方には、奇妙なリズムがあった。
「常暁さん」
「よく分かったな」
腕を曲げて、叩く体勢に入っていた常暁が目を丸くする。灯は冷たく言った。
「そりゃ、前とリズムが一緒ですから。木魚のノリでたたいてるでしょ」
「……そうか」
気付いていなかったらしい。目が泳いでいる。
「……本題に入ろう。楡木が死体で見つかった」
「え!」
また、捕まえる前に容疑者が死んだ。灯の掌に、嫌な汗がわいてくる。
「死因は轢死」
「歴史?」
「何かに轢かれて死んだということだ。今回は電車。三代川が飛んで行ったが、かなりひどいらしい。……今までの比ではないくらいな」
「うえっ」
灯はしゃがみこむ。ひどい気分だ。単語から腐った死体を連想してしまい、さっき食べた朝餉を戻しそうになった。
すると、常暁がさっと手を灯の頭上にかざして呪言を唱える。吐き気が瞬時になくなったので、灯は驚いた。
「どうだ」
「すっきりしました」
引きつっていた顔が元に戻った。灯が立ち上がって礼を言うと、常暁は手を懐に収める。
「それは良かった。これから本部に行くのに、そんな死にそうな顔では困る」
治らない方がましだったかも。そう思ったが、遅かった。
階下から、遠慮がちなクラクションが鳴る。常暁が、面倒くさそうにそちらを見た。
「支度をしたら降りてこい。黒江が待ってる」
灯は力なくうなずいた。
古い欧風映画に出てくるような、おしゃれな黒いクラシックカー。丸みを帯びた車のラインとは正反対に、フロントグリルは直線で縦に長い。その対比がユーモラスで、品がある。
中の座席のレザーもしっとりとして肌触りがよく、灯は何度もそれを撫でた。極端に広いというわけでもないのに、何故か落ち着く。灯はパンツが汚れていないか気になって、手で何度もぬぐった。
「……素敵な車ですね」
「いいでしょう? ベントレーのS2サルーンはやはり、素晴らしい」
珍しく車体中央に備え付けられたハンドルを操りながら、黒江が言った。聞けばイギリスではロールスロイスと並び称されるメーカーで、王室の公用車としても採用されているという。いかにも黒江らしい愛車とそつのない運転に、灯の気分は少し良くなった。
「アメリカにいる孫は古くさいと言って、乗ってもくれないんですがねえ。乗れば必ず、この素晴らしさがわかるはずなんですが」
「僕は好きですよ。こういうの」
「ほう、わかりますか」
「デザインがいいですよね。ヨーロッパの町並みも好きで、一回行ってみたいんですが……長い休みがとれなくて」
灯が言うと、黒江は顔をほころばせた。
「おやおや、ではまたお迎えに伺いましょう。紅茶はお好きですか?」
「たまに飲みますが、そんなには……結構、砂糖が入った甘いのが多いですし。残業の時、夜食代わりにいいんですよね」
「では、今度、茶葉からいれた美味しいのをごちそうしましょう。ハロッズも有名ですが、私はフォートナム&メイソンが好きでね……」
紅茶談義の横で、常暁はひとり顔をしかめていた。
「君は紅茶なんか飲まないでしょうが、もう少し興味のある顔をしてくださいよ。人付き合いってやつです」
「俺だって紅茶くらい飲んだことがある。そこの鎌上灯が証人だ」
「本当に?」
問われて、灯はうなずいた。
「ええ。ミルクとレモン、両方入れて飲んでましたけど……」
その時の黒江の顔は、絵画に残しておきたいほど乱れていた。この人もこんな顔をすることがあるんだなあと、灯は妙に感心してしまう。
「そんなに美味いものではなかったな。店員の話では、人気があるということだったが。下界の流行はよくわからん」
「わからないのはあなたの頭と舌ですよ。……鎌上くん、紅茶は断固として、君とだけ楽しみますからね。スコーンもつけてあげましょう」
「スコーンってあのジャムつけるやつですよね。楽しみです!」
灯は黒江との会話を、とても楽しんでいた。だが、そんなほのかな喜びは会議が始まるやいなやフッ飛ぶ。
「楡木智則の遺体が発見されたのは、半神線の巌屋駅付近線路。深夜に点検に来た作業員が発見、通報しました」
「目撃者は?」
「いえ。駅から距離はいくらもないのですが、少し奥まっていて」
今日も三代川が正面に立って話している。凄惨な死体と向き合ったはずだが、彼女の身なりはきちんと整っていた。
「監視をかいくぐられたのが痛かったな……」
「すみません、どうやって抜け出したのかはわからないんです。二つしかない出入り口は。ずっと見張っていたんですが」
見張りをしていた刑事に対する非難の視線は、耐えがたいほどだ。それにさらされた二人は、色濃い後悔を顔に浮かべて会議室の中央でうなだれる。不毛な空気を断つのは、正則管理官の仕事だった。
「俺にも耳が痛い話だ。警備計画については後で見直すとして、今は楡木のことを考えよう」
一同はしばし逡巡した末、ため息をつきながらうなずいた。
「彼の家からは一時間弱か。用もなしに出かける場所じゃないな」
「単線で、駅前に大きな施設もありません。呼び出された、または誰かを待っていたという可能性が大きいでしょう」
「実家って線はないか」
誰かが一石を投じた。
「先週末は医師国家試験でした。楡木も受験していたため、その出来を両親に報告に行ってもおかしくはありません」
正式な発表は一ヶ月ほど先だが、問題を入手した学習塾はすぐに回答例を配布する。それを見れば、だいたい合否の見当がつく。自己採点をした時の楡木は、どんな顔をしていたのだろうか。
しかし金崎が、その意見を鼻で笑う。本当に可愛げのない性格だ。
「彼の実家は聖塚だ。路線も方向も全然違う」
この線はあっという間に消えた。やはり先約があったのだろうと話がまとまる。
「遺体は腹部を左側線路上にのせた状態で発見されました。頭が外側、下肢が内側です」
ホワイトボードに、気持ちのいいものではない図が描かれた。灯はちらっと見て、斜め上へと目をそむける。
「死因は外因性ショック死。傷の周囲に皮下出血がありましたので、電車に轢かれた時にはまだ存命であったと考えられます」
障害を受けたときに組織が生存していれば、出血や膨張などの反応が遺体に残る。ミステリー小説では、生活反応と呼ばれるものだ。
「肺直下部から骨盤直上にかけて皮膚挫創あり。腰椎第一~第五、原型をとどめていません。臍部、左側腹部に解放性皮膚障害あり」
とても難しい言い方をしているが、要は体の左側を電車が横切ったのでそこが裂けているよ、ついでに内臓も漏れているよ、ということだ……と常暁がぶっきらぼうに言う。理解したくなかった。
「検死で分かったことは以上です」
話を聞き終えた正則が低く唸った。
「自殺か、他殺かが問題だな。意見を聞きたい」
管理官が促すと、次々と手があがる。
「通常、鉄道を利用した他殺はあまりありません。素直に自殺でいいのでは?」
列車に轢かせるためには、被害者を線路まで連れてきて、線路に寝かせる必要がある。人に見られるリスクを負ってそんなことをしなくても、他に殺す手段はいくらでもある。他殺が少ないのは、そういう理由らしい。
「でも、自殺の理由がありませんよ。任意同行すらしてないのに」
「国試」
常暁が低い声でつぶやいた。不思議とその声は、部屋全体にしみわたる。
「自己採点の結果、国試に落ちていたらどうでしょう? 惨めな気分になったのでは?」
うまい具合に黒江がその後を継いだ。灯の頭の中を、今まで得た情報が駆け巡った。
何故か上がっていく成績。楡木は自分が合格すると、確信していただろう。そんな状態でもし落ちたら。彼は耐えられただろうか?
他の面々も同じように考えたらしく、視線が黒江に集まる。
「確かに、実家が医院だからな。相当プレッシャーがかかっていたみたいだ」
「死んでお詫びします、ってか?」
「それじゃ、本件とは無関係かもな」
「待って下さい」
周囲が自殺説に納得し始める中、猛然と金崎が反対の声をあげた。
「またお前か」
常暁がからかうが、金崎は無視した。
「見せしめによる殺害、というのはどうでしょう。それなら多少苦労してでも、派手な殺し方を選ぶはずです」
「ほう。続けてくれたまえ」
正則が興味を示すと、金崎は子供のように顔をほころばせた。自分より上の者には従順な様子に、常暁が舌を出す。
このところ平日も走り回っていたため、汚れ物が山のように積み上がっている。見ているだけで憂鬱になってくるが、今日こそはこの悪循環を断って片付けてしまうぞ、と灯は袖をまくった。
──しかし、灯は忘れていた。神様仏様というのは、人間が油断した時を見計らって爆弾を投げてくるということを。
突然、玄関の扉が叩かれる。その打ち方には、奇妙なリズムがあった。
「常暁さん」
「よく分かったな」
腕を曲げて、叩く体勢に入っていた常暁が目を丸くする。灯は冷たく言った。
「そりゃ、前とリズムが一緒ですから。木魚のノリでたたいてるでしょ」
「……そうか」
気付いていなかったらしい。目が泳いでいる。
「……本題に入ろう。楡木が死体で見つかった」
「え!」
また、捕まえる前に容疑者が死んだ。灯の掌に、嫌な汗がわいてくる。
「死因は轢死」
「歴史?」
「何かに轢かれて死んだということだ。今回は電車。三代川が飛んで行ったが、かなりひどいらしい。……今までの比ではないくらいな」
「うえっ」
灯はしゃがみこむ。ひどい気分だ。単語から腐った死体を連想してしまい、さっき食べた朝餉を戻しそうになった。
すると、常暁がさっと手を灯の頭上にかざして呪言を唱える。吐き気が瞬時になくなったので、灯は驚いた。
「どうだ」
「すっきりしました」
引きつっていた顔が元に戻った。灯が立ち上がって礼を言うと、常暁は手を懐に収める。
「それは良かった。これから本部に行くのに、そんな死にそうな顔では困る」
治らない方がましだったかも。そう思ったが、遅かった。
階下から、遠慮がちなクラクションが鳴る。常暁が、面倒くさそうにそちらを見た。
「支度をしたら降りてこい。黒江が待ってる」
灯は力なくうなずいた。
古い欧風映画に出てくるような、おしゃれな黒いクラシックカー。丸みを帯びた車のラインとは正反対に、フロントグリルは直線で縦に長い。その対比がユーモラスで、品がある。
中の座席のレザーもしっとりとして肌触りがよく、灯は何度もそれを撫でた。極端に広いというわけでもないのに、何故か落ち着く。灯はパンツが汚れていないか気になって、手で何度もぬぐった。
「……素敵な車ですね」
「いいでしょう? ベントレーのS2サルーンはやはり、素晴らしい」
珍しく車体中央に備え付けられたハンドルを操りながら、黒江が言った。聞けばイギリスではロールスロイスと並び称されるメーカーで、王室の公用車としても採用されているという。いかにも黒江らしい愛車とそつのない運転に、灯の気分は少し良くなった。
「アメリカにいる孫は古くさいと言って、乗ってもくれないんですがねえ。乗れば必ず、この素晴らしさがわかるはずなんですが」
「僕は好きですよ。こういうの」
「ほう、わかりますか」
「デザインがいいですよね。ヨーロッパの町並みも好きで、一回行ってみたいんですが……長い休みがとれなくて」
灯が言うと、黒江は顔をほころばせた。
「おやおや、ではまたお迎えに伺いましょう。紅茶はお好きですか?」
「たまに飲みますが、そんなには……結構、砂糖が入った甘いのが多いですし。残業の時、夜食代わりにいいんですよね」
「では、今度、茶葉からいれた美味しいのをごちそうしましょう。ハロッズも有名ですが、私はフォートナム&メイソンが好きでね……」
紅茶談義の横で、常暁はひとり顔をしかめていた。
「君は紅茶なんか飲まないでしょうが、もう少し興味のある顔をしてくださいよ。人付き合いってやつです」
「俺だって紅茶くらい飲んだことがある。そこの鎌上灯が証人だ」
「本当に?」
問われて、灯はうなずいた。
「ええ。ミルクとレモン、両方入れて飲んでましたけど……」
その時の黒江の顔は、絵画に残しておきたいほど乱れていた。この人もこんな顔をすることがあるんだなあと、灯は妙に感心してしまう。
「そんなに美味いものではなかったな。店員の話では、人気があるということだったが。下界の流行はよくわからん」
「わからないのはあなたの頭と舌ですよ。……鎌上くん、紅茶は断固として、君とだけ楽しみますからね。スコーンもつけてあげましょう」
「スコーンってあのジャムつけるやつですよね。楽しみです!」
灯は黒江との会話を、とても楽しんでいた。だが、そんなほのかな喜びは会議が始まるやいなやフッ飛ぶ。
「楡木智則の遺体が発見されたのは、半神線の巌屋駅付近線路。深夜に点検に来た作業員が発見、通報しました」
「目撃者は?」
「いえ。駅から距離はいくらもないのですが、少し奥まっていて」
今日も三代川が正面に立って話している。凄惨な死体と向き合ったはずだが、彼女の身なりはきちんと整っていた。
「監視をかいくぐられたのが痛かったな……」
「すみません、どうやって抜け出したのかはわからないんです。二つしかない出入り口は。ずっと見張っていたんですが」
見張りをしていた刑事に対する非難の視線は、耐えがたいほどだ。それにさらされた二人は、色濃い後悔を顔に浮かべて会議室の中央でうなだれる。不毛な空気を断つのは、正則管理官の仕事だった。
「俺にも耳が痛い話だ。警備計画については後で見直すとして、今は楡木のことを考えよう」
一同はしばし逡巡した末、ため息をつきながらうなずいた。
「彼の家からは一時間弱か。用もなしに出かける場所じゃないな」
「単線で、駅前に大きな施設もありません。呼び出された、または誰かを待っていたという可能性が大きいでしょう」
「実家って線はないか」
誰かが一石を投じた。
「先週末は医師国家試験でした。楡木も受験していたため、その出来を両親に報告に行ってもおかしくはありません」
正式な発表は一ヶ月ほど先だが、問題を入手した学習塾はすぐに回答例を配布する。それを見れば、だいたい合否の見当がつく。自己採点をした時の楡木は、どんな顔をしていたのだろうか。
しかし金崎が、その意見を鼻で笑う。本当に可愛げのない性格だ。
「彼の実家は聖塚だ。路線も方向も全然違う」
この線はあっという間に消えた。やはり先約があったのだろうと話がまとまる。
「遺体は腹部を左側線路上にのせた状態で発見されました。頭が外側、下肢が内側です」
ホワイトボードに、気持ちのいいものではない図が描かれた。灯はちらっと見て、斜め上へと目をそむける。
「死因は外因性ショック死。傷の周囲に皮下出血がありましたので、電車に轢かれた時にはまだ存命であったと考えられます」
障害を受けたときに組織が生存していれば、出血や膨張などの反応が遺体に残る。ミステリー小説では、生活反応と呼ばれるものだ。
「肺直下部から骨盤直上にかけて皮膚挫創あり。腰椎第一~第五、原型をとどめていません。臍部、左側腹部に解放性皮膚障害あり」
とても難しい言い方をしているが、要は体の左側を電車が横切ったのでそこが裂けているよ、ついでに内臓も漏れているよ、ということだ……と常暁がぶっきらぼうに言う。理解したくなかった。
「検死で分かったことは以上です」
話を聞き終えた正則が低く唸った。
「自殺か、他殺かが問題だな。意見を聞きたい」
管理官が促すと、次々と手があがる。
「通常、鉄道を利用した他殺はあまりありません。素直に自殺でいいのでは?」
列車に轢かせるためには、被害者を線路まで連れてきて、線路に寝かせる必要がある。人に見られるリスクを負ってそんなことをしなくても、他に殺す手段はいくらでもある。他殺が少ないのは、そういう理由らしい。
「でも、自殺の理由がありませんよ。任意同行すらしてないのに」
「国試」
常暁が低い声でつぶやいた。不思議とその声は、部屋全体にしみわたる。
「自己採点の結果、国試に落ちていたらどうでしょう? 惨めな気分になったのでは?」
うまい具合に黒江がその後を継いだ。灯の頭の中を、今まで得た情報が駆け巡った。
何故か上がっていく成績。楡木は自分が合格すると、確信していただろう。そんな状態でもし落ちたら。彼は耐えられただろうか?
他の面々も同じように考えたらしく、視線が黒江に集まる。
「確かに、実家が医院だからな。相当プレッシャーがかかっていたみたいだ」
「死んでお詫びします、ってか?」
「それじゃ、本件とは無関係かもな」
「待って下さい」
周囲が自殺説に納得し始める中、猛然と金崎が反対の声をあげた。
「またお前か」
常暁がからかうが、金崎は無視した。
「見せしめによる殺害、というのはどうでしょう。それなら多少苦労してでも、派手な殺し方を選ぶはずです」
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