30 / 39
第三十話 報告2
しおりを挟む
「ラルフ君、大丈夫かね?」
「あっはい!大丈夫です!」
俺は現実離れした美人に肩を組まれた緊張で、身体が固まってしまっていた。
ちょっと意識もボーッとしていたが、スティーブンスの声で我に帰った。
「それで今後についてなんだが……」
スティーブンスはルーナの方を見る。
「ラルフ君は帝国の動向を調査すると聞いている。それにルーナも連れて行ってくれないか?」
「えっ、彼女をですか?」
ルーナは目線を下にして、もじもじしている。
見るからに戦闘タイプって感じではなさそうだが……
「帝国の調査をしていれば、ゲネシス教とぶつかるのは確実だ。その時に仲間がいれば都合が良いだろう?それにルーナはこんなんだが強いからな、ゲネシス教を殲滅する手助けになるのは間違いない」
「スティーブンスさん!?褒めてくれたと思いきや……こんなんってなんですか……!?」
ルーナは涙目でスティーブンスに反論する。
「まぁ、僕は構わないですけど……」
「ラルフさん……!」
俺が返事をすると、ルーナは目をうるうるとさせたまま抱きついてきた。
「ルーナ……ごめんちょっと……」
「あっ……ごめんなさい……」
今日は美人に肩を組まれたり、抱きつかれたり精神がもたない……
ルーナは、しょんぼりしながら俺から離れた。
ごめんルーナ……嫌なわけじゃないんだ……
女性経験のない精神年齢51歳のおじさんには、美人耐性がないんだ……
「早速仲良くなってくれたみたいでよかったよ。それじゃあルーナ、あと一応デリエラもラルフ君の魔道具と通信できるようにしておこう」
スティーブンはそう言うと、俺たちに指輪型の魔道具を出すように促す。
「よし、オッケー。これで私たちはいつでも通信ができるぞ」
もしかしてこの魔道具ってめちゃくちゃ便利な物なんじゃないか?
「あの、この魔道具って使ってる人を見た事ないんですけど……かなり貴重な物だったりするんですか?」
「あぁこれか?これはカナンが作った魔道具だ。確かに世間には流通してないな」
氷の魔女カナンか……
入学試験の際に使われていた魔道具も、カナンが作った物と聞いている。
「もしかして、スティーブンスさんって氷の魔女カナンとも繋がりがあるんですか?」
「まぁ、昔に少しな。その伝手で彼女が作った魔道具を提供してもらっているんだ」
そうだったのか。
関係について深くは聞かないが、スティーブンスとカナンに関係があるのは好都合だ。
氷の魔女カナンは、S級冒険者の称号も持っていると聞いた記憶がある。
その強さ故に、使徒である可能性があるのだ。
スティーブンスにいつか紹介してもらおう。
「とりあえずラルフよぉ~!ルーナを頼んだぜ~?」
「あぁ、任せてくれ」
ルーナの実力については問題ないと思うが、一応注意しておこう。
何かあってからでは遅いからな。
「よろしくお願いします……!」
ルーナは深々と頭を下げる。
なんだか、ニアとはまた別のかわいさがあるんだよなぁ……
これが、守ってあげたい感というのだろうか。
俺がそんな事を考えながらボーッとしていると、スティーブンスが口を開く。
「それで、出発はいつ頃になりそうかね?」
「そうですね……学園の入学式に参加したら、すぐに出発しようと思ってます」
入学式まで待つのは理由がある。
一つ目は、ナイジェルにも一緒に同行してもらいたいからだ。
あいつのスキルは必ず役に立つ。
今すぐ転移でナイジェルの元へ行ってもいいのだが、向こうは王族だからな。
色々と都合もあるだろうという事で、入学式で再開した際に頼んでみようと思っている。
二つ目は、単純にニアの答辞を見てみたいという理由だ。
ニアの晴れ姿は、目に焼き付けておきたい。
「承知した。入学式が楽しみだなラルフ君」
「そうですね、入学前に学園長とこんなに関わっているので不思議な感じではありますが……」
「ハハハ、確かにそうだな」
スティーブンスは声をあげて笑う。
「それじゃあラルフ君、引き続きゲネシス教の殲滅、そしてルーナを頼んだぞ」
「はい、頑張ります」
なんだか上手く使われてているような気もするが、とりあえずはいいだろう。
スティーブンスとデリエラも、さっきの口ぶりだとそれぞれ動いているみたいだしな。
「さて、それじゃあ帰るか」
入学式まであと数日。
家でゆっくりさせてもらおう。
俺は龍の円環のメンバーに一礼して、自宅へと転移した。
「あっはい!大丈夫です!」
俺は現実離れした美人に肩を組まれた緊張で、身体が固まってしまっていた。
ちょっと意識もボーッとしていたが、スティーブンスの声で我に帰った。
「それで今後についてなんだが……」
スティーブンスはルーナの方を見る。
「ラルフ君は帝国の動向を調査すると聞いている。それにルーナも連れて行ってくれないか?」
「えっ、彼女をですか?」
ルーナは目線を下にして、もじもじしている。
見るからに戦闘タイプって感じではなさそうだが……
「帝国の調査をしていれば、ゲネシス教とぶつかるのは確実だ。その時に仲間がいれば都合が良いだろう?それにルーナはこんなんだが強いからな、ゲネシス教を殲滅する手助けになるのは間違いない」
「スティーブンスさん!?褒めてくれたと思いきや……こんなんってなんですか……!?」
ルーナは涙目でスティーブンスに反論する。
「まぁ、僕は構わないですけど……」
「ラルフさん……!」
俺が返事をすると、ルーナは目をうるうるとさせたまま抱きついてきた。
「ルーナ……ごめんちょっと……」
「あっ……ごめんなさい……」
今日は美人に肩を組まれたり、抱きつかれたり精神がもたない……
ルーナは、しょんぼりしながら俺から離れた。
ごめんルーナ……嫌なわけじゃないんだ……
女性経験のない精神年齢51歳のおじさんには、美人耐性がないんだ……
「早速仲良くなってくれたみたいでよかったよ。それじゃあルーナ、あと一応デリエラもラルフ君の魔道具と通信できるようにしておこう」
スティーブンはそう言うと、俺たちに指輪型の魔道具を出すように促す。
「よし、オッケー。これで私たちはいつでも通信ができるぞ」
もしかしてこの魔道具ってめちゃくちゃ便利な物なんじゃないか?
「あの、この魔道具って使ってる人を見た事ないんですけど……かなり貴重な物だったりするんですか?」
「あぁこれか?これはカナンが作った魔道具だ。確かに世間には流通してないな」
氷の魔女カナンか……
入学試験の際に使われていた魔道具も、カナンが作った物と聞いている。
「もしかして、スティーブンスさんって氷の魔女カナンとも繋がりがあるんですか?」
「まぁ、昔に少しな。その伝手で彼女が作った魔道具を提供してもらっているんだ」
そうだったのか。
関係について深くは聞かないが、スティーブンスとカナンに関係があるのは好都合だ。
氷の魔女カナンは、S級冒険者の称号も持っていると聞いた記憶がある。
その強さ故に、使徒である可能性があるのだ。
スティーブンスにいつか紹介してもらおう。
「とりあえずラルフよぉ~!ルーナを頼んだぜ~?」
「あぁ、任せてくれ」
ルーナの実力については問題ないと思うが、一応注意しておこう。
何かあってからでは遅いからな。
「よろしくお願いします……!」
ルーナは深々と頭を下げる。
なんだか、ニアとはまた別のかわいさがあるんだよなぁ……
これが、守ってあげたい感というのだろうか。
俺がそんな事を考えながらボーッとしていると、スティーブンスが口を開く。
「それで、出発はいつ頃になりそうかね?」
「そうですね……学園の入学式に参加したら、すぐに出発しようと思ってます」
入学式まで待つのは理由がある。
一つ目は、ナイジェルにも一緒に同行してもらいたいからだ。
あいつのスキルは必ず役に立つ。
今すぐ転移でナイジェルの元へ行ってもいいのだが、向こうは王族だからな。
色々と都合もあるだろうという事で、入学式で再開した際に頼んでみようと思っている。
二つ目は、単純にニアの答辞を見てみたいという理由だ。
ニアの晴れ姿は、目に焼き付けておきたい。
「承知した。入学式が楽しみだなラルフ君」
「そうですね、入学前に学園長とこんなに関わっているので不思議な感じではありますが……」
「ハハハ、確かにそうだな」
スティーブンスは声をあげて笑う。
「それじゃあラルフ君、引き続きゲネシス教の殲滅、そしてルーナを頼んだぞ」
「はい、頑張ります」
なんだか上手く使われてているような気もするが、とりあえずはいいだろう。
スティーブンスとデリエラも、さっきの口ぶりだとそれぞれ動いているみたいだしな。
「さて、それじゃあ帰るか」
入学式まであと数日。
家でゆっくりさせてもらおう。
俺は龍の円環のメンバーに一礼して、自宅へと転移した。
0
あなたにおすすめの小説
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜
みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。
…しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた!
「元気に育ってねぇクロウ」
(…クロウ…ってまさか!?)
そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム
「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ
そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが
「クロウ•チューリア」だ
ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う
運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる
"バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う
「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と!
その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ
剣ぺろと言う「バグ技」は
"剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ
この物語は
剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語
(自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!)
しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる