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林間学校
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お味噌汁を味見する。うん、味噌はこんなものかな。これで、朝ごはんは完成だ。さて、今日は待ちに待った林間学校の日! 朝ごはんも出来たことだし、もう一回荷物を確認してこようっと。
「どうした、朱里。ずいぶんご機嫌だな」
「あっ、お父さん。今日からね、林間学校なの」
お父さんは笑った。
「珍しいな。大体、遠足とか修学旅行とか、楽しみにしていた行事に限って、朱里は風邪をひくから」
「私も、成長したの」
体調管理はばっちりだ。咳ひとつでない。私がそういうと、そうかそうか、と頷いた。
「楽しんでおいで」
「うん。ありがとう」
学校についたら、林間学校に行くバスに乗り込む。隣はもちろん、彩月ちゃんだ。
「楽しみだね」
「うん。私トランプ持ってきたから後でしよーよ」
「うん!」
わいわいとおしゃべりをしているうちに、合宿場についた。
まずは、班ごとにお昼ご飯作りだ。材料の関係で、献立は指定されていて、カレーを作る。カレーは、私と彩月ちゃんで、飯盒炊飯は、亮くんと小塚くんにやってもらうことにした。
彩月ちゃんと分担して、野菜を切る。
「わっ、朱里手際がいいね」
「最近は、毎日朝ごはん作ってるからね」
少しは、料理も上達したはず。そう思いながら、野菜を切っていく。
野菜を切ったら、お肉を色が変わるまで炒めて、そこに野菜を加える。うん、大体油がまわったかな。あとは水を加えて、中火で煮こむ。
煮込んでいる間に、彩月ちゃんとお話しながら調理器具を片付ける。と、そんなことをしている間に、そろそろいい時間だ。いったん火を止めて、ルウを割って入れて、溶かし、弱火で煮込んだら出来上がりだ。
亮くんと小塚くんも丁度飯盒炊飯できたらしく、やって来た。
「どうかな、割と上手く炊けたと思うんだけど」
炊きあがったご飯は、ふっくらとして美味しそうだ。
「美味しそうだね。ありがとう、亮くん、小塚くん。カレーもできたよ」
鍋の蓋をあけると、カレーのいい匂いがした。
「わぁ、ほんとだ。ありがとう、小鳥遊さん、藤堂さん」
「こっちも美味しそうだね」
皆で、カレーとご飯をよそい、席につく。
「じゃあ、班長お願いします」
班長は、亮くんだ。亮くんは照れたように、咳払いをした後、
「えーっと、皆お疲れ様。冷めないうちに、食べようか。いただきます」
「いただきます」
合掌して、皆でカレーを食べる。皆で協力して作ったからか、カレーはいつもより美味しい気がした。
食べ終わった後は、皆で片付けて、とりあえず、お昼ご飯は終わった。
その後は、オリエンテーリングをして、宿舎で夜ご飯を食べた後、皆がお待ちかねの肝試しだ。
ちなみに、肝試しの脅かす係りは二年生がやるらしい。ということは、お兄ちゃんもお化け役するんだよね。どんなお化けになるんだろう。
ペア決めは、学年ごとにくじをひく。なので、同じ学年ではあるんだけど、違うクラスのことペアになることも多いんだよね。私は、誰とペアになるんだろう。
「一年生の八番の人、誰かいませんか」
私は、八番だったので、八番のくじをひいた人を探す。
「あっ、私、八番」
私の声に駆け寄って来たのは、意外な人物だった。
「愛梨ちゃん?」
「朱里ちゃん?」
私たちは、きょとんとして、お互いにくじをみせ合う。書かれていた数字はやっぱり八だった。
まさか、ライバルの愛梨ちゃんとペアになるなんて驚きだ。愛梨ちゃんとはあの、ライバル宣言以来、あまり、話せていない。
「とりあえず、よろしくね」
「こちらこそ、よろしくね」
お互いに少し気まずく思いながらも、出発する順番を待つ。
「朱里ちゃんは、お化け苦手?」
「ちょっとだけ、苦手。愛梨ちゃんは?」
「私は全然平気だなー」
そうなんだ。ちょっと意外。そう思ったけれど、そういえば、愛梨ちゃんは基本的にお化けの類いを信じないと漫画にもあった気がする。
そんな雑談をしているうちに、私たちの番になった。
懐中電灯の光を頼りに、道を進む。事前に配られた地図を見る。
「えーっと、次は右に曲がるんだったよね」
「うん」
右に曲がろうとしたとき──、
「わっ!」
「うわああぁ!」
突然、骸骨が現れた。私は、びっくりして懐中電灯を落としてしまった。すると、骸骨は、懐中電灯を拾って渡してくれた。
「あ、ありがとう」
骸骨の仮面をしてるけど、優しいんだな。と、思っていると、骸骨は仮面を外した。
「お兄ちゃん……?」
なんと、骸骨はお兄ちゃんだった。お兄ちゃんは、驚かせたことにご満悦なのか、嬉しそうに笑っている。
「やぁ、朱里」
「小鳥遊先輩、怖かったです!」
すかさず愛梨ちゃんが、お兄ちゃんに抱きつく。私も、愛梨ちゃんを見習って抱きつくべきかと悩んだが、今更なのでやめた。
お兄ちゃんは、やんわりと愛梨ちゃんに回された腕を外して、
「ここから先は、少しわかりづらくなってるから、誘導の看板通りにいくんだよ」
と言った。お兄ちゃんの言葉通り、地図を見ても分かりにくいところはあったけれど、看板通りに進み、ちゃんとゴールすることができた。ちなみに、懐中電灯係りだった私は、計七回も驚いて、懐中電灯を落としてしまった。
その後は、宿舎に戻り、彩月ちゃんや他の子たちとトランプをして、楽しく過ごしたのだった。
林間学校は、特にトラブルも起こることなく、無事に楽しく終わった。
「どうした、朱里。ずいぶんご機嫌だな」
「あっ、お父さん。今日からね、林間学校なの」
お父さんは笑った。
「珍しいな。大体、遠足とか修学旅行とか、楽しみにしていた行事に限って、朱里は風邪をひくから」
「私も、成長したの」
体調管理はばっちりだ。咳ひとつでない。私がそういうと、そうかそうか、と頷いた。
「楽しんでおいで」
「うん。ありがとう」
学校についたら、林間学校に行くバスに乗り込む。隣はもちろん、彩月ちゃんだ。
「楽しみだね」
「うん。私トランプ持ってきたから後でしよーよ」
「うん!」
わいわいとおしゃべりをしているうちに、合宿場についた。
まずは、班ごとにお昼ご飯作りだ。材料の関係で、献立は指定されていて、カレーを作る。カレーは、私と彩月ちゃんで、飯盒炊飯は、亮くんと小塚くんにやってもらうことにした。
彩月ちゃんと分担して、野菜を切る。
「わっ、朱里手際がいいね」
「最近は、毎日朝ごはん作ってるからね」
少しは、料理も上達したはず。そう思いながら、野菜を切っていく。
野菜を切ったら、お肉を色が変わるまで炒めて、そこに野菜を加える。うん、大体油がまわったかな。あとは水を加えて、中火で煮こむ。
煮込んでいる間に、彩月ちゃんとお話しながら調理器具を片付ける。と、そんなことをしている間に、そろそろいい時間だ。いったん火を止めて、ルウを割って入れて、溶かし、弱火で煮込んだら出来上がりだ。
亮くんと小塚くんも丁度飯盒炊飯できたらしく、やって来た。
「どうかな、割と上手く炊けたと思うんだけど」
炊きあがったご飯は、ふっくらとして美味しそうだ。
「美味しそうだね。ありがとう、亮くん、小塚くん。カレーもできたよ」
鍋の蓋をあけると、カレーのいい匂いがした。
「わぁ、ほんとだ。ありがとう、小鳥遊さん、藤堂さん」
「こっちも美味しそうだね」
皆で、カレーとご飯をよそい、席につく。
「じゃあ、班長お願いします」
班長は、亮くんだ。亮くんは照れたように、咳払いをした後、
「えーっと、皆お疲れ様。冷めないうちに、食べようか。いただきます」
「いただきます」
合掌して、皆でカレーを食べる。皆で協力して作ったからか、カレーはいつもより美味しい気がした。
食べ終わった後は、皆で片付けて、とりあえず、お昼ご飯は終わった。
その後は、オリエンテーリングをして、宿舎で夜ご飯を食べた後、皆がお待ちかねの肝試しだ。
ちなみに、肝試しの脅かす係りは二年生がやるらしい。ということは、お兄ちゃんもお化け役するんだよね。どんなお化けになるんだろう。
ペア決めは、学年ごとにくじをひく。なので、同じ学年ではあるんだけど、違うクラスのことペアになることも多いんだよね。私は、誰とペアになるんだろう。
「一年生の八番の人、誰かいませんか」
私は、八番だったので、八番のくじをひいた人を探す。
「あっ、私、八番」
私の声に駆け寄って来たのは、意外な人物だった。
「愛梨ちゃん?」
「朱里ちゃん?」
私たちは、きょとんとして、お互いにくじをみせ合う。書かれていた数字はやっぱり八だった。
まさか、ライバルの愛梨ちゃんとペアになるなんて驚きだ。愛梨ちゃんとはあの、ライバル宣言以来、あまり、話せていない。
「とりあえず、よろしくね」
「こちらこそ、よろしくね」
お互いに少し気まずく思いながらも、出発する順番を待つ。
「朱里ちゃんは、お化け苦手?」
「ちょっとだけ、苦手。愛梨ちゃんは?」
「私は全然平気だなー」
そうなんだ。ちょっと意外。そう思ったけれど、そういえば、愛梨ちゃんは基本的にお化けの類いを信じないと漫画にもあった気がする。
そんな雑談をしているうちに、私たちの番になった。
懐中電灯の光を頼りに、道を進む。事前に配られた地図を見る。
「えーっと、次は右に曲がるんだったよね」
「うん」
右に曲がろうとしたとき──、
「わっ!」
「うわああぁ!」
突然、骸骨が現れた。私は、びっくりして懐中電灯を落としてしまった。すると、骸骨は、懐中電灯を拾って渡してくれた。
「あ、ありがとう」
骸骨の仮面をしてるけど、優しいんだな。と、思っていると、骸骨は仮面を外した。
「お兄ちゃん……?」
なんと、骸骨はお兄ちゃんだった。お兄ちゃんは、驚かせたことにご満悦なのか、嬉しそうに笑っている。
「やぁ、朱里」
「小鳥遊先輩、怖かったです!」
すかさず愛梨ちゃんが、お兄ちゃんに抱きつく。私も、愛梨ちゃんを見習って抱きつくべきかと悩んだが、今更なのでやめた。
お兄ちゃんは、やんわりと愛梨ちゃんに回された腕を外して、
「ここから先は、少しわかりづらくなってるから、誘導の看板通りにいくんだよ」
と言った。お兄ちゃんの言葉通り、地図を見ても分かりにくいところはあったけれど、看板通りに進み、ちゃんとゴールすることができた。ちなみに、懐中電灯係りだった私は、計七回も驚いて、懐中電灯を落としてしまった。
その後は、宿舎に戻り、彩月ちゃんや他の子たちとトランプをして、楽しく過ごしたのだった。
林間学校は、特にトラブルも起こることなく、無事に楽しく終わった。
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