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探し物
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大丈夫だよ、エフィー。手を握って言うそれは、セドリックの、魔法の言葉。何一つ大丈夫、じゃないのに。その言葉があれば、何だってできる、気がした。
「友達なら愛称で呼ぶのも、当たり前かなって思ったんだけど、どうかな?」
そう言ったセドリオの言葉にはっとする。息がとまっていた。
「あ、はい、いいと……思います」
思わず生返事になりながら言うと、セドリオはふわりと微笑んだ。
「だったら、君のことをエフィーと呼ぶね。僕のことも、リオって呼んで」
あのまま結局、セドリオには押しきられ、私はセドリオと友達になってしまった。
必要最低限のかかわり合いにとどめようと思っていたのに、セドリオと友達になってしまった以上、ある程度の接触は避けられない。
どうしよう。それで、また、あんな声で、私を拒絶されたら。その日は不安でなかなか寝付けなかった。
■ □ ■
「──と、言うわけでね、エフィーと友達になったんだ」
僕がそういうと、『もう一人の僕』であるルカルドは、愛おしむようにその名を呼んだ。
「……エフィー」
「本当の名前はエフィーシアっていうのだけどね。ルカどうかした?」
「いや、単なる偶然だろう。何でもないよ、リオ」
「ならいいんだけど」
ちなみに、姿はこんな感じ。と、僕が描いた彼女の似顔絵を見せると、ルカルドは顔をしかめた。
「私たちは何から何まで一緒だが、絵のセンスは一緒だと思いたくないな」
「そう? 僕としては、かなり上出来だと思うけどな」
相変わらず、ルカルドは美術に厳しい。肩を竦めると、気を取り直して、ルカルドに聞く。
「……ところで、探し物は見つかりそう?」
僕の問いに、ルカルドはため息で返した。あんまり、調子は良くないみたいだ。
これ以上そのことについて、追求するのもあれなので、僕は別の話題を振ってルカルドと過ごした。
「友達なら愛称で呼ぶのも、当たり前かなって思ったんだけど、どうかな?」
そう言ったセドリオの言葉にはっとする。息がとまっていた。
「あ、はい、いいと……思います」
思わず生返事になりながら言うと、セドリオはふわりと微笑んだ。
「だったら、君のことをエフィーと呼ぶね。僕のことも、リオって呼んで」
あのまま結局、セドリオには押しきられ、私はセドリオと友達になってしまった。
必要最低限のかかわり合いにとどめようと思っていたのに、セドリオと友達になってしまった以上、ある程度の接触は避けられない。
どうしよう。それで、また、あんな声で、私を拒絶されたら。その日は不安でなかなか寝付けなかった。
■ □ ■
「──と、言うわけでね、エフィーと友達になったんだ」
僕がそういうと、『もう一人の僕』であるルカルドは、愛おしむようにその名を呼んだ。
「……エフィー」
「本当の名前はエフィーシアっていうのだけどね。ルカどうかした?」
「いや、単なる偶然だろう。何でもないよ、リオ」
「ならいいんだけど」
ちなみに、姿はこんな感じ。と、僕が描いた彼女の似顔絵を見せると、ルカルドは顔をしかめた。
「私たちは何から何まで一緒だが、絵のセンスは一緒だと思いたくないな」
「そう? 僕としては、かなり上出来だと思うけどな」
相変わらず、ルカルドは美術に厳しい。肩を竦めると、気を取り直して、ルカルドに聞く。
「……ところで、探し物は見つかりそう?」
僕の問いに、ルカルドはため息で返した。あんまり、調子は良くないみたいだ。
これ以上そのことについて、追求するのもあれなので、僕は別の話題を振ってルカルドと過ごした。
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ルカはセドリックで探し物はエフィーですかね?続き読みたいです。
お読みくださりありがとうございます。他の話が落ち着いたら書きたいとは思っているのですが、お約束できず申し訳ありません。