エフィーシアの特に何の役にも立たない前世。

夕立悠理

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顔合わせ

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 お父様にお願いして、セドリオと会う約束を取り付けてもらう。体調もよくなったので、顔合わせのやり直しがしたい、と言うとすぐに準備は整えられた。

 大人たちがいない方が緊張しないだろうと、王城へつくと、今度は私とセドリオだけ部屋に取り残されることになった。

 まずは、先日の非礼を詫び、手紙のお礼をいった。
「ううん、気にしないで。君が、元気になって良かった」

 そういって、ふわりと笑う姿に釘付けになりそうになり、慌てて視線をそらした。

 「ありがとうございます。その、セドリオ殿下」
「どうしたの?」
セドリオが穏やかに首をかしげる。
「もし、殿下に好きな方ができたり、私のことが嫌いになったときは、迷わずこの婚約を破棄していただけませんか?」

 良かった、なんとか言い切った。けれど、急に穏やかだったセドリオの表情は曇る。
「君は僕のことが、嫌いなの?」

 「い、いいえ、そんな!」
首を大きく横にぶんぶんと振る。嫌いどころか、初恋の人だ。嫌えるはずもない。

 「じゃあ、僕と上手くやっていく気がない?」
それは、あるとは言い切れない。関わるのは必要最低限にしようと思っているのだから。

 思わず口ごもると、セドリオはゆっくりと距離を詰めた。

 「理由を、聞いてもいいかな」
「今、殿下は私のことをなんとも思っていないかもしれませんが、殿下は私のことを嫌うようになるのです。ですから──」

 「まるで、未来でも知っているような口ぶりだね」

 知っている。実際に、前世の私はセドリックに嫌われていたのだから。そうと知らずに。

 「未来は……、わかりません。けれど、そうならない確証もありません」
「確かに僕も絶対君を嫌いにならないとは、言えないものね」

セドリオが頷いたことに安心する。良かった。わかってくれただろうか。

 「ですから──」
「でも、それって、僕たちが仲良くなれば問題ないよね」
「えっ?」

 「君と仲良くなれば、嫌いになることもないんじゃない?」
そういって、私の手をぎゅっと掴んだ。
「そうだな、僕とまずは友達になってよ、エフィー」
 
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