上 下
4 / 12

お茶会

しおりを挟む
セオドア殿下の婚約者になってから、毎日がとても楽しい。だって、もう嫁ぎ先は決まったようなものだから、おしゃべりを我慢しなくていいのだ。

 今日はセオドア殿下とのお茶会。私はいつものように、お話していた。

 あっ、でも。セオドア殿下に愛想をつかされたら、またおしゃべりは禁止になっちゃうのかしら。

 慌ててしゃべっていた口を閉じてみたものの。
「大丈夫だよ、僕はキャロルがおしゃべりだからって嫌いになんてならない」
とセオドア殿下は柔らかく微笑んだ。そっかぁ。それなら、安心だわ。

 セオドア殿下はこんなに優しいのに、怖がるなんてみんな変なの。
 「みんなが、キャロルみたいに思ってくれたらいいのにな」

 そういって、セオドア殿下は、悲しそうな顔をした。他の人の考えを変えるのは難しいかもしれないけれど。
「私はずっと側にいます!」
そういってセオドア殿下の手を握る。セオドア殿下の手は暖かい。

 「ありがとう、キャロル」

 セオドア殿下は心から嬉しそうに笑った。その笑みに、なぜだかわからないけれど、心臓が早くなった。もっと、もっと、セオドア殿下の笑顔が見たいわ! そのために、頑張ろう。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

メイドを妊娠させた夫

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7,185pt お気に入り:251

時代小説の愉しみ

歴史・時代 / 連載中 24h.ポイント:1,030pt お気に入り:3

7回も人生やってたら無双になるって

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:895pt お気に入り:55

私が王女です

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:41,650pt お気に入り:378

〖完結〗私は旦那様には必要ないようですので国へ帰ります。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:149pt お気に入り:3,622

処理中です...