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私とケイリーは恋人同士であったけれど、清い関係だった。それでも、私たちはお互いを信頼しあっていたから、結婚するまでそうであっても大丈夫だと信じていた。けれど、ケイリーはいった。クレアの子供の父親は自身だと。
「どうして、どう、して?」
やっぱり、結婚まで待たずに身体の関係を結ぶべきだった? でも、結婚するまでそういったことをしないと言ったのはケイリーだ。まさか、そのケイリーが。しかもその相手がクレアなんて。
「きっかけは、アニータとの関係を相談したことだった」
そうして、ぽつりぽつりとケイリーは話し出した。私たちは恋人だったけれど、なんだか照れ臭くて村の人たちに私たちの関係を公にはしなかった。だから、クレアに私との関係を相談していただけならわかる。私たちの関係を知っているのは、クレアだけだったから。
クレアは村長の一人娘にも拘らず、驕ったところがなく、優しい気立てのいい、幼馴染みであり、私にとって親友でもあった。
「アニータと喧嘩していつものようにクレアに相談をした日のことだった。クレアに言われたんだ」
──私だったら、そんなこと言わないのに。
私、私ね、ずっとケイリーのことが好きだったもの。
「……え」
クレアはずっと、私の従兄のムドが好きだと言っていたはずだし、私もそう思っていた。
「目を潤ませてそう言ったクレアに、僕は、間違いを犯した。でもその一度だけのつもりだった。でも……」
一度ではすまなかった、とケイリーは言った。今日こそこんな関係は終わりにしよう、毎回そう思うのに、クレアの嬉しそうな顔をみると止まらなかった。そして、ついに子供ができたのだと。
「……それで、アニータ。僕たちが恋人だったことはなかったことにして欲しい」
ああ、そう。そういうことなの。私たちの関係を知っているのは、私たちとクレアだけ。村長はクレアを溺愛している。浮気で子供を身籠らせたなんて許さないだろうし、幼馴染みで親友の恋人を寝とったなんて体裁も悪い。だから、私たちが過ごしてきた日々はなかったことにしたいのだ。
ぐっ、と唇を噛み締める。親友と恋人に裏切られ、それ以外に泣かずにすむ方法が見つからなかった。
家に帰ると、なんとクレアとケイリーの結婚式の招待状が届いていた。家族は、クレアたちが付き合っていたなんて初耳だ。どうして、はやく教えてくれなかったのか? なんて呑気なことを言っていた。村長の一人娘の結婚式に、皆が浮き足立っているのがわかった。
ここで、実はケイリーと付き合っていたのが私だったなんて言ったら、余計惨めなことになるのは、明白だった。だから、私も驚きねなんて言って笑った。そして、その翌日、家族に置き手紙だけを残して村を出た。
「どうして、どう、して?」
やっぱり、結婚まで待たずに身体の関係を結ぶべきだった? でも、結婚するまでそういったことをしないと言ったのはケイリーだ。まさか、そのケイリーが。しかもその相手がクレアなんて。
「きっかけは、アニータとの関係を相談したことだった」
そうして、ぽつりぽつりとケイリーは話し出した。私たちは恋人だったけれど、なんだか照れ臭くて村の人たちに私たちの関係を公にはしなかった。だから、クレアに私との関係を相談していただけならわかる。私たちの関係を知っているのは、クレアだけだったから。
クレアは村長の一人娘にも拘らず、驕ったところがなく、優しい気立てのいい、幼馴染みであり、私にとって親友でもあった。
「アニータと喧嘩していつものようにクレアに相談をした日のことだった。クレアに言われたんだ」
──私だったら、そんなこと言わないのに。
私、私ね、ずっとケイリーのことが好きだったもの。
「……え」
クレアはずっと、私の従兄のムドが好きだと言っていたはずだし、私もそう思っていた。
「目を潤ませてそう言ったクレアに、僕は、間違いを犯した。でもその一度だけのつもりだった。でも……」
一度ではすまなかった、とケイリーは言った。今日こそこんな関係は終わりにしよう、毎回そう思うのに、クレアの嬉しそうな顔をみると止まらなかった。そして、ついに子供ができたのだと。
「……それで、アニータ。僕たちが恋人だったことはなかったことにして欲しい」
ああ、そう。そういうことなの。私たちの関係を知っているのは、私たちとクレアだけ。村長はクレアを溺愛している。浮気で子供を身籠らせたなんて許さないだろうし、幼馴染みで親友の恋人を寝とったなんて体裁も悪い。だから、私たちが過ごしてきた日々はなかったことにしたいのだ。
ぐっ、と唇を噛み締める。親友と恋人に裏切られ、それ以外に泣かずにすむ方法が見つからなかった。
家に帰ると、なんとクレアとケイリーの結婚式の招待状が届いていた。家族は、クレアたちが付き合っていたなんて初耳だ。どうして、はやく教えてくれなかったのか? なんて呑気なことを言っていた。村長の一人娘の結婚式に、皆が浮き足立っているのがわかった。
ここで、実はケイリーと付き合っていたのが私だったなんて言ったら、余計惨めなことになるのは、明白だった。だから、私も驚きねなんて言って笑った。そして、その翌日、家族に置き手紙だけを残して村を出た。
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続きを楽しみにしています(^ ^)
お読みくださり、ありがとうございます。また、更新が滞っていて申し訳ありません。
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