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私が目を瞬かせると、鼻をならして書記の男子が馬鹿にしたような顔をしてつけたした。

 「知らなかったんですか? 僕たちは全員が、佑月愛の幼なじみなんですよ」

 そうだったんだ。私は、とんだ敵地へと足を踏み込んでしまったことをそこで初めて知った。でも、それにしても。あの子はどうして、この高校を選ばなかったんだろう。

 ……そしたら、私だって、いじめなかったのに。

 ううん、いじめたのは私が悪い。こうなったのは自業自得だもん。わかってる。

 「そろそろいいか?」

 と、ここで佑月会長が声をかけた。
「お前たちもわかったと思うが、こいつが愛をいじめた犯人だ。俺はもちろん、八条を許す気はない。だが、生徒会執行部の一員になったのは事実だ。各自、それを受け止めて、仕事に励んでくれ」

 「えー、一緒に仲良く仕事なんて絶対ムリ」
これは、有田副会長が。

 「俺も無理です」
そういったのは、会計の男子。

 「僕も納得できませんね」
そういったのは、書記の男子だった。


 「仕方ないだろう。俺だって本当は、目も合わせたくない。でも、無視なんてしたら俺たちはこの八条と同レベルに落ちたということだからな」

 散々な言われようだ。でも、事実なので、何も、言えない。

 「ってかさー、今日は顔合わせだけでしょ? もう帰ってもいい?」
「誠、自己紹介はしてからかえってもらうぞ」

 「残念だけど、僕、いじめっ子に名乗る名は持ち合わせてないんだよねー。じゃあね、みんな」
「あっずるいっすよ。有田先輩」
「僕だって、ごめんです」

 そういって、みんな次々と席をたつ。残されたのは、私と佑月会長だけだった。
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