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君を追いかけて(ハヤトEND)
意地
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土日だろうが、玲奈に休みはなかった。目いっぱいバイトを入れている。家庭教師として受け持っている子どもの家を出て、玲奈は湯島にある喫茶店へ向かった。ここは美知子に紹介してもらったバイト先で、唯一玲奈がほっとできる場所だった。
「こんにちは、マスター」
「ああ、お帰り」
ここのおじいさんマスターは、お客でも誰にでもそういうのだ。昔ながらの喫茶店で、来るのは年配のお客さんばかり。
「そんな急がなくて大丈夫だよ」
少し遅れて、走ってきた玲奈に対して彼はのんびりと言った。このお店は全体的にゆったりした時間が流れていて、せっかちな人や若い人はまず来ない。だから玲奈も少し肩の力が抜けるのだった。
「ありがとうございます」
そう返してから、玲奈はコーヒー豆の選別を始めた。豆にこだわるお店なので、空き時間があるといつもこの作業だ。それも、玲奈は気に入っていた。時給は家庭教師の方がいいが、大事な人に紹介してもらったこのバイトを、玲奈は長く続けたいと思っていた。
が、その平安は突然破られた。扉がばっと開かれて、カランカランと吊るされたベルが耳障りな音を立てる。常連客はそれを知っているので、いつもゆっくり扉を開ける。
…ということは、それを知らない無粋な客が来たということだ。でも仕事だから対応しなければ。もしかしたらただうっかりしただけの人かもしれないし。そう思って玲奈は立ち上がった。
「…ハヤト」
戸口に現れた彼に、玲奈は思わず一歩下がった。
「…そんな顔しないでよ」
玲奈はマスターをちらりと見た。彼は何も気にしないでコーヒーを選別している。
「ん?お友達?」
「あ…ええと」
「この時間帯は暇だからね。席でおしゃべりしてていいよ」
マスターののほほんとした笑顔に、玲奈は毒気を抜かれた。
「…お席に案内します」
玲奈はしぶしぶそう言って、ハヤトに水を出した。
「注文は?」
「玲奈がウエイトレスなんて意外。でも、エプロンかわいいね」
「注文は?」
玲奈がギっと歯を食いしばったのを見て、ハヤトは慌てて言った。
「ごめんごめん、じゃあカフェラテ」
乱暴に作ってやりたい所だったが、マスターの手前、いつも通りに牛乳とアイスコーヒーを注いで持って行った。
―自分のわがままだとはわかっているが、貴重なオアシスが踏み荒らされたようで嫌な気持ちだった。
「…何でこの店知ってるの?」
「理沙ちゃんに聞いた」
いつの間に。玲奈はため息をついた。
「…なんで週末、来てくれなかったの」
「行くなんて言ってないんだけど」
「…そうだけど」
ハヤトは拗ねたような顔で玲奈を見上げた。その表情を見たくなかった玲奈は目をそらした。
「悪いけど忙しいんだ、土日もバイトで」
「…玲奈に俺の作ったアイス、食べてほしかったのに」
ハヤトは口をへの字に曲げて言いつのった。
「俺がアイス屋開いたら行くって…玲奈、あの時言ったのに」
そういわれて、玲奈はたじろいだ。でももうあの時とは事情が違うのだ。
「…私がいかなくても、ハヤトくんには友達がいっぱいいるでしょ」
玲奈は低い声でつぶやいていた。
「え?」
「…悪いけど、今自分の事で精一杯。余裕がないの。ハヤトくんと違って」
「俺だって、一生懸命…」
「私は働かなきゃ、家賃すら払えないの。…あなたとは違う」
「玲奈…」
「もう来ないで。特にここには」
「な、なんでだよ」
「仕事の邪魔になるから」
そういって玲奈はキッチンに引っ込んで、豆の選別を再開した。いい香りのコーヒーも、今ばかりは心を落ち着けてはくれなかった。
(…私、またハヤトを傷つけたな…)
最後玲奈を見るハヤトの顔は、傷ついた子どもそのものだった。自分の性格の悪さが、またつくづく嫌になった。
(でももう、彼と関わりたくない。彼といると、私はどんどん意地悪になる…)
美知子さんのような、優しい穏やかな人になりたいのに。逆行もいいところだ。
(ごめんハヤト。もう私のこと、忘れて…)
喫茶店のあとは夜間の家庭教師の仕事をしに行き、へとへとになって帰りついたのはもう夜遅くだった。隣の部屋に明かりがついている。まだ理沙は起きているようだ。
そうっと自分の部屋のドアを開けるが、古いせいでいつもギイーっと音がする。すかさず隣の部屋のドアがあいて、理沙が顔を出した。
「玲奈…ハヤトくんから電話あったよ」
理沙の静かな声に、玲奈はぎくっとした。
「そ、そう…」
「彼、泣いてたよ?自分勝手な事して、玲奈を怒らせちゃったって。謝りたいって」
責める声ではなかったが、玲奈も言い分があった。
「ええ…。でも私だって困るよ。仕事中だったし…」
「じゃあ終わってから話してあげればよかったのに」
「だって、その後もバイトあったし…」
理沙がくすっとわらった。
「でもでもだってって、玲奈にしては珍しいじゃん」
「っ…だって、」
墓穴を掘ったとわかって玲奈は口をつぐんだ。
「そんなに邪険にしなくてもいいじゃん。なにか…あったの?」
玲奈は即首を振った。
「なにも。でもどうせ、付き合った所でうまくいかないし」
「え?なんで」
玲奈ははっとした。
「あー今の、ハヤトには言わないでね!」
「えぇー、どうしよっかなぁ」
「お願い」
「じゃあなんでか聞かせてよ」
「うーん」
玲奈はしばし考え込んだ。
「あいつ家が激太なんだよ。超お坊ちゃん。だから金の心配とかしたことない。価値観違い過ぎて、一緒にいるとキツイよ」
「えっ、そうなの?ぜんぜんわからなかった。」
「そうなんだよ。もう身分が違うから、無理」
今度は理沙が考え込んだ。
「そんな風には見えなかったけど…すごく気さくだし。周りに合わせられるタイプなんじゃないかなぁ」
「そうかもしれないけど。でも今私そんな余裕ないんだよ、付き合うとか彼氏とか」
「そんな事言って~、本当はまだ振られたのがショックなんでしょ」
「なんでそれを!?…あぁ、ハヤトか…」
理沙はよしよしと玲奈の頭を撫でた。
「可哀想だったね。玲奈はプライド高いから、振られて辛かったでしょ」
「それ慰めになってない」
「しかし玲奈を振る男とかいるんだねぇ、目ぇ腐ってたのかな」
理沙が笑いながら言ったので、思わず玲奈も笑った。
「性格が地雷なの見抜かれたのかも」
「なーるほど」
「肯定するんかい」
ひとしきり笑いあったあと、理沙は言った。
「謝罪くらいは聞いてあげなよ。会いたいって言ってたでしょ?」
玲奈はスマホを取り出した。たしかに彼からラインが来ていた。
「…わかった」
理沙を取り込むとは、一本とられた。仕方がないから玲奈は返信した。
「明日の夜なら時間取れるから、三鷹まで来て」
「玲奈…来てくれないかと、思った」
改札を出てきたハヤトは、はぁはぁ息切れをしていた。
「大丈夫?」
「うん。まにあって、よかった」
「てっきりタクシーで来ると思ってたよ」
「ほとんど使わないよ、そんなん」
「ふぅん…忙しいの?」
「まぁ、ぼちぼち。でもやりたいことやらせてもらってるから、文句は言えない」
あの時から一年もたっていない。なのに、隣を歩くハヤトは前よりたくましくなったような感じがした。
「成長したんだね、ハヤトくんは」
玲奈が言うと、ハヤトははっとした。
「そうだ、ごめん。昨日はいきなり押しかけて…玲奈の気持ちを考えないで」
「いいよもう。」
「…もう会わないなんて言わないよね?」
ハヤトはおそるおそるそう言った。
「そうさせないために、理沙に取り入ったんでしょうが」
ふんと玲奈が言うと、ハヤトはうろたえた。
「ごめん、理沙ちゃんは、悪くないよ。俺が泣きごと、一方的に言っただけだから」
玲奈はため息をついた。ハヤトはますます焦った。
「ごめん、玲奈…」
その声は泣きそうだった。昔の記憶がよみがえった。
「…私のことなんか、もう忘れればいいのに」
「え?」
「いつも私、ハヤトに意地悪してばっかじゃん、嫌にならない?」
「嫌なわけ、ないだろ!」
「…なんで私なの?」
ハヤトは驚いた声を出した。
「なんでって…わからないのかよ?」
「わからないっていうか…ハヤトはもう、私なんて忘れた方がいいよ」
ハヤトの表情が固まった。そして叫んだ。
「もう忘れたのかよ!あんなに…俺は玲奈に、言った、のにっ…!うわあああ!」
叫びながら泣き始めたので、周りの視線が一気に集中した。
「ちょ、ちょっとハヤト」
「玲奈の、玲奈のバカあっ!うっ…うぐっ…」
ハヤトが玲奈を睨みつけた。その目からは、大粒の涙がぼたぼたと滴っている。そういう所はやっぱり変わらない。
「何なに?喧嘩?」
「別れ話じゃない?」
周りからそんな声がひそひそ聞こえてくる。焦った玲奈はハヤトの手をひっぱって歩きだした。しかしいつまでたっても泣き止まない。延々無言で歩き続け、ついに寮まで帰ってきてしまった。
「うっ…ひぐっ…」
ハヤトはまだぐずぐず泣いていた。玲奈はとりあえずハヤトに言った。
「あれが寮」
「えっ…」
そのあまりにも不気味な光景に、さすがのハヤトも立ち止まった。
「こんにちは、マスター」
「ああ、お帰り」
ここのおじいさんマスターは、お客でも誰にでもそういうのだ。昔ながらの喫茶店で、来るのは年配のお客さんばかり。
「そんな急がなくて大丈夫だよ」
少し遅れて、走ってきた玲奈に対して彼はのんびりと言った。このお店は全体的にゆったりした時間が流れていて、せっかちな人や若い人はまず来ない。だから玲奈も少し肩の力が抜けるのだった。
「ありがとうございます」
そう返してから、玲奈はコーヒー豆の選別を始めた。豆にこだわるお店なので、空き時間があるといつもこの作業だ。それも、玲奈は気に入っていた。時給は家庭教師の方がいいが、大事な人に紹介してもらったこのバイトを、玲奈は長く続けたいと思っていた。
が、その平安は突然破られた。扉がばっと開かれて、カランカランと吊るされたベルが耳障りな音を立てる。常連客はそれを知っているので、いつもゆっくり扉を開ける。
…ということは、それを知らない無粋な客が来たということだ。でも仕事だから対応しなければ。もしかしたらただうっかりしただけの人かもしれないし。そう思って玲奈は立ち上がった。
「…ハヤト」
戸口に現れた彼に、玲奈は思わず一歩下がった。
「…そんな顔しないでよ」
玲奈はマスターをちらりと見た。彼は何も気にしないでコーヒーを選別している。
「ん?お友達?」
「あ…ええと」
「この時間帯は暇だからね。席でおしゃべりしてていいよ」
マスターののほほんとした笑顔に、玲奈は毒気を抜かれた。
「…お席に案内します」
玲奈はしぶしぶそう言って、ハヤトに水を出した。
「注文は?」
「玲奈がウエイトレスなんて意外。でも、エプロンかわいいね」
「注文は?」
玲奈がギっと歯を食いしばったのを見て、ハヤトは慌てて言った。
「ごめんごめん、じゃあカフェラテ」
乱暴に作ってやりたい所だったが、マスターの手前、いつも通りに牛乳とアイスコーヒーを注いで持って行った。
―自分のわがままだとはわかっているが、貴重なオアシスが踏み荒らされたようで嫌な気持ちだった。
「…何でこの店知ってるの?」
「理沙ちゃんに聞いた」
いつの間に。玲奈はため息をついた。
「…なんで週末、来てくれなかったの」
「行くなんて言ってないんだけど」
「…そうだけど」
ハヤトは拗ねたような顔で玲奈を見上げた。その表情を見たくなかった玲奈は目をそらした。
「悪いけど忙しいんだ、土日もバイトで」
「…玲奈に俺の作ったアイス、食べてほしかったのに」
ハヤトは口をへの字に曲げて言いつのった。
「俺がアイス屋開いたら行くって…玲奈、あの時言ったのに」
そういわれて、玲奈はたじろいだ。でももうあの時とは事情が違うのだ。
「…私がいかなくても、ハヤトくんには友達がいっぱいいるでしょ」
玲奈は低い声でつぶやいていた。
「え?」
「…悪いけど、今自分の事で精一杯。余裕がないの。ハヤトくんと違って」
「俺だって、一生懸命…」
「私は働かなきゃ、家賃すら払えないの。…あなたとは違う」
「玲奈…」
「もう来ないで。特にここには」
「な、なんでだよ」
「仕事の邪魔になるから」
そういって玲奈はキッチンに引っ込んで、豆の選別を再開した。いい香りのコーヒーも、今ばかりは心を落ち着けてはくれなかった。
(…私、またハヤトを傷つけたな…)
最後玲奈を見るハヤトの顔は、傷ついた子どもそのものだった。自分の性格の悪さが、またつくづく嫌になった。
(でももう、彼と関わりたくない。彼といると、私はどんどん意地悪になる…)
美知子さんのような、優しい穏やかな人になりたいのに。逆行もいいところだ。
(ごめんハヤト。もう私のこと、忘れて…)
喫茶店のあとは夜間の家庭教師の仕事をしに行き、へとへとになって帰りついたのはもう夜遅くだった。隣の部屋に明かりがついている。まだ理沙は起きているようだ。
そうっと自分の部屋のドアを開けるが、古いせいでいつもギイーっと音がする。すかさず隣の部屋のドアがあいて、理沙が顔を出した。
「玲奈…ハヤトくんから電話あったよ」
理沙の静かな声に、玲奈はぎくっとした。
「そ、そう…」
「彼、泣いてたよ?自分勝手な事して、玲奈を怒らせちゃったって。謝りたいって」
責める声ではなかったが、玲奈も言い分があった。
「ええ…。でも私だって困るよ。仕事中だったし…」
「じゃあ終わってから話してあげればよかったのに」
「だって、その後もバイトあったし…」
理沙がくすっとわらった。
「でもでもだってって、玲奈にしては珍しいじゃん」
「っ…だって、」
墓穴を掘ったとわかって玲奈は口をつぐんだ。
「そんなに邪険にしなくてもいいじゃん。なにか…あったの?」
玲奈は即首を振った。
「なにも。でもどうせ、付き合った所でうまくいかないし」
「え?なんで」
玲奈ははっとした。
「あー今の、ハヤトには言わないでね!」
「えぇー、どうしよっかなぁ」
「お願い」
「じゃあなんでか聞かせてよ」
「うーん」
玲奈はしばし考え込んだ。
「あいつ家が激太なんだよ。超お坊ちゃん。だから金の心配とかしたことない。価値観違い過ぎて、一緒にいるとキツイよ」
「えっ、そうなの?ぜんぜんわからなかった。」
「そうなんだよ。もう身分が違うから、無理」
今度は理沙が考え込んだ。
「そんな風には見えなかったけど…すごく気さくだし。周りに合わせられるタイプなんじゃないかなぁ」
「そうかもしれないけど。でも今私そんな余裕ないんだよ、付き合うとか彼氏とか」
「そんな事言って~、本当はまだ振られたのがショックなんでしょ」
「なんでそれを!?…あぁ、ハヤトか…」
理沙はよしよしと玲奈の頭を撫でた。
「可哀想だったね。玲奈はプライド高いから、振られて辛かったでしょ」
「それ慰めになってない」
「しかし玲奈を振る男とかいるんだねぇ、目ぇ腐ってたのかな」
理沙が笑いながら言ったので、思わず玲奈も笑った。
「性格が地雷なの見抜かれたのかも」
「なーるほど」
「肯定するんかい」
ひとしきり笑いあったあと、理沙は言った。
「謝罪くらいは聞いてあげなよ。会いたいって言ってたでしょ?」
玲奈はスマホを取り出した。たしかに彼からラインが来ていた。
「…わかった」
理沙を取り込むとは、一本とられた。仕方がないから玲奈は返信した。
「明日の夜なら時間取れるから、三鷹まで来て」
「玲奈…来てくれないかと、思った」
改札を出てきたハヤトは、はぁはぁ息切れをしていた。
「大丈夫?」
「うん。まにあって、よかった」
「てっきりタクシーで来ると思ってたよ」
「ほとんど使わないよ、そんなん」
「ふぅん…忙しいの?」
「まぁ、ぼちぼち。でもやりたいことやらせてもらってるから、文句は言えない」
あの時から一年もたっていない。なのに、隣を歩くハヤトは前よりたくましくなったような感じがした。
「成長したんだね、ハヤトくんは」
玲奈が言うと、ハヤトははっとした。
「そうだ、ごめん。昨日はいきなり押しかけて…玲奈の気持ちを考えないで」
「いいよもう。」
「…もう会わないなんて言わないよね?」
ハヤトはおそるおそるそう言った。
「そうさせないために、理沙に取り入ったんでしょうが」
ふんと玲奈が言うと、ハヤトはうろたえた。
「ごめん、理沙ちゃんは、悪くないよ。俺が泣きごと、一方的に言っただけだから」
玲奈はため息をついた。ハヤトはますます焦った。
「ごめん、玲奈…」
その声は泣きそうだった。昔の記憶がよみがえった。
「…私のことなんか、もう忘れればいいのに」
「え?」
「いつも私、ハヤトに意地悪してばっかじゃん、嫌にならない?」
「嫌なわけ、ないだろ!」
「…なんで私なの?」
ハヤトは驚いた声を出した。
「なんでって…わからないのかよ?」
「わからないっていうか…ハヤトはもう、私なんて忘れた方がいいよ」
ハヤトの表情が固まった。そして叫んだ。
「もう忘れたのかよ!あんなに…俺は玲奈に、言った、のにっ…!うわあああ!」
叫びながら泣き始めたので、周りの視線が一気に集中した。
「ちょ、ちょっとハヤト」
「玲奈の、玲奈のバカあっ!うっ…うぐっ…」
ハヤトが玲奈を睨みつけた。その目からは、大粒の涙がぼたぼたと滴っている。そういう所はやっぱり変わらない。
「何なに?喧嘩?」
「別れ話じゃない?」
周りからそんな声がひそひそ聞こえてくる。焦った玲奈はハヤトの手をひっぱって歩きだした。しかしいつまでたっても泣き止まない。延々無言で歩き続け、ついに寮まで帰ってきてしまった。
「うっ…ひぐっ…」
ハヤトはまだぐずぐず泣いていた。玲奈はとりあえずハヤトに言った。
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