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君を追いかけて(ハヤトEND)
私の負け(R18)
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「な、なにここ…廃墟…っ?団地のっ…廃墟…?」
「大学の寮だよ」
「玲奈、ここに住んで…?」
驚いてるハヤトに、玲奈は思わず言った。
「そうだよ、夜は真っ暗で怖いよ。その昔、留年しまくって自殺した奴の霊が出るとかでないとか…」
「や、やめろよっ…ひくっ」
ハヤトはまだ嗚咽が止まらないようだった。
「ついここまで歩いちゃったけど、ハヤトはもう帰りな。駅まで送ってくよ」
「……ひくっ…やだっ…だいぶっ…歩いた、じゃんっ」
「…それは…………ごめん」
この寮はだいぶ立地が悪い。最寄りの駅まで徒歩だと40分かかる。つまりそれだけの道を今歩いてきたという事だ。
「あ、上げて、よっ、玲奈の、部屋」
たしかに、歩かせたのは玲奈の責任だ。そう思った玲奈は歩きだした。
「…わかったよ。でも静かにしてね。男連れ込んでるのばれたら困る」
「わ、わかっ、た」
自分の棟の階段を上がり廊下に入ると、後ろのハヤトがびくっとした。
「ぎゃっ、ご、ゴキブリ?!」
「ああ、よく出るよここ。周り雑木林だし、古いし」
「初めて見た…」
玲奈はあきれながらも部屋のドアを開けた。
「ここ、玲奈の、部屋…?」
「そうだよ、ハヤト君が見た事もないようなボロ部屋だよ」
ハヤトは中に入ってしげしげと見まわした。かなり狭いワンルーム。机の上にはいろんな教科書やプリントがつまれている。玲奈は相変わらず勉強熱心なようだ。
「ベッドに座っていいよ」
指さされて座ったベッドは、狭いうえに信じられないほど固かった。ハヤトはふいに、自分が恥ずかしくなった。
(玲奈は必死でバイトして、こんな部屋に住んで、勉強がんばってるんだ。それなのに俺は…)
たしかに玲奈からしたら、ちゃらちゃら遊んでいるように見えるだろう。アイスの店なんかにお金を使って、毎日食べ歩いて、一人暮らしのマンションに帰る生活。
「はいお茶」
玲奈はコップにお茶をついでハヤトに渡した。
「あ、ありがと…」
ハヤトはゆっくりとそれを飲んだ。
「…落ち着いた?」
「……うん」
「じゃ、タクシーでも呼んで帰った方がいいよ。ここはこんなだから」
「玲奈、ごめん」
「もう謝らなくていいって」
「玲奈からしたら…俺、全然ダメだよな、でも」
「?」
「俺が玲奈を好きなことだけは、信じてよ。知ってるでしょ…覚えて、ないの?」
ハヤトは玲奈を見上げた。
「…覚えてるよ。指輪も、持ってるよ」
ハヤトの顔にぱっと赤みが差した。
「ほ、本当?!」
「うん、そこにしまってある」
ハヤトがくしゃっと笑った。
「へへ、よかったぁ…玲奈、俺のこと嫌いになったわけじゃ…ないんだよね?」
玲奈はぐっと詰まった。滝のように流れた涙とこの微笑が、玲奈の打算を流してしまった。玲奈ははあっと乱暴にため息をついた。自分に対してだ。
「わかった、わかったよ…私が悪かった。だから帰って」
ハヤトはきょとんとした。
「え?だって…玲奈は何も悪い事してないよ」
「ハヤトを邪険にした…必要以上に。私…前と何も変わってないんだよ。ひどい人間なんだ。だから嫌になって。ハヤトに当たった。ごめん」
「当たった?」
「…周りに人がいっぱいいて、いい生活してるハヤトがうらやましかった。私には何も、ないから。劣等感でいっぱいになって、抵抗しないハヤトに当たった。最低だね」
「へ?劣等感?玲奈が、俺に?」
「そうだよ悪い?」
「…俺は玲奈の方が、よっぽどすごいと思う」
そういわれて、玲奈はふと既視感を感じた。
「…こんなこと、前にも話したような」
「そうだね。俺たち…変わってないなぁ」
ははとハヤトは笑った。
「玲奈も俺も、頑張ってる。それでいいじゃん。それが事実だよ」
ハヤトが明るく言ったので、玲奈の肩の力はふっと抜けた。
「そうだね…ありがとう、ハヤト」
「ねぇ、玲奈…」
ふいにハヤトが立ち上がって、玲奈の正面から近づいた。
「俺のこと、好き…?」
「え…」
戸惑っているうちに、ハヤトの唇が玲奈の唇に重ねられた。
「…ハヤト」
ハヤトはすぐに唇を放した。触れるだけのキスだった。
「玲奈…答えてよ。あの時玲奈は、俺の事好きになりそうって言ったよね?今は…?」
ハヤトは玲奈の頬を手ではさんだ。唇を真一文字に結んで、目は潤んでいる。その必死な表情を見て、玲奈もとうとう素直になった。
「好き…になる…かも」
その瞬間、ハヤトの目が見開かれて、ぎゅっと玲奈は抱きしめられていた。
「…今俺が…どんな気持ちか…わかる?」
耳元の声が震えている。
「う、嬉しい?」
「嬉しいけど、怖いよ。また、玲奈が逃げるんじゃないかって。消えるんじゃないかって、こんなの嘘じゃないかって」
「嘘じゃないよ。だから…大丈夫」
「本当?」
「本当。だから今日はもう帰りな」
ハヤトは少し下を向いた。
「…やだ。ここにいたい。いさせてよ。今帰ったら、また玲奈が消える気がするんだもん…」
「シャワーくそ狭いよ」
「別にいい」
「ベッド二人なんて寝れない」
「関係ない」
「部屋にもゴキブリ出るよ」
「いい!玲奈と一緒ならゴキブリでもいい!」
玲奈は思わず噴き出した。
「なんじゃそりゃ…」
するとその時、天井からどんどんと音がした。
「うわ!?」
「しっ。ハヤト、声大きい。」
「あっ、ごめん…」
「こんな事で注意されるとかやだからね」
玲奈は立ち上がって机の前の椅子に座った。
「ハヤト、そこで寝てていいよ」
「え…玲奈は」
「レポート仕上げる。」
そういうと、玲奈はいきなり机にむかって集中しだした。もはやハヤトの事など眼中にない。
(玲奈…変わらないなぁ)
あのマンションで問題集に向かっていた横顔と同じ、真剣なその表情はただただ美しかった。
(えらいなぁ…学校いって、バイトして、俺にも会って、そのあと宿題して…)
きっと自分など想像もつかないような難しい宿題なんだろう。ハヤトはそう思いながらじっと玲奈を眺めていた。
だぶだぶのパーカーから覗く細い手。狭い机の下で器用に組まれた白い足…玲奈の身体ばかり見てしまう。そして一時が過ぎた。
「ふぅ…終わった…うわ、」
ベッドを振り返った玲奈は、ハヤトがまだ起きているのを見て驚いていた。
「…寝てていいのに」
「玲奈の事見てた」
「そう」
玲奈はそう言ってからバタンとシャワールームへ入った。水の音がする。ハヤトはにわかに緊張した。
(やばい、どうしよう)
そう思った瞬間に、玲奈がパタンを扉を開けて出てきた。
「えっ…早くない!?」
突っ込みながらも、ハヤトは玲奈から目を離せなかった。サイズオーバーのTシャツから細い足が伸びている。あの下は、下着だろうか…。
「長風呂できるような設備じゃない」
玲奈はクールにそう言ってベッドまで歩いてきた。
「狭いからつめて」
ハヤトがおっかなびっくり詰めると、玲奈が横に入ってきた。
「れ、玲奈、そんな近くにこられると、俺」
「だから狭いって言ったじゃん」
玲奈の腕が、ハヤトの身体に当たった。玲奈の石鹸の匂いがハヤトの鼻をかすめた。このままじっと一晩過ごすのは、無理だった。ハヤトは正直に言った。
「玲奈…し、したい」
「…もう一時だよ…」
玲奈はうんざりした声を出した。彼女は目を閉じている。疲れているようだったが、それが逆に色っぽかった。
「一時じゃなきゃ、してもいいの?」
玲奈はふぅーと長くため息をついた。自分を落ち着かせるように。
「わかったよ」
玲奈は目を開けて体を起こした。
「えっ…いい、のか」
「そう言うと思ったし…もうハヤトを上げた時点で私の負けだよ」
玲奈にしては最大限の譲歩だろう。だがハヤトはさらにつっこんだ。
「いいの?俺と、したいって、思ってくれた?」
「したいっていうか…」
玲奈は目をそらした。頬が少し赤い。
「帰ってって言ってもいるし、寝ないし…てことは相当やりたいんだよね」
「そりゃ、したいよ、玲奈と…!」
「それを我慢させるのは悪いかなって」
玲奈が仏頂面でそう言った。ハヤトは思わず笑った。
「俺が可哀想だから…させてくれるの?ふふ、優しいじゃん」
玲奈はムキになって、墓穴を掘った。
「誰彼させてるわけじゃないからね!?」
「…じゃあ、俺だけ…?」
玲奈はぐっと詰まった後、肩を落として言った。
「そうだよ。ハヤトくん…」
負けたよ。そう言って玲奈はハヤトに口づけた。
「んっ…れい…にゃ…」
久々の舌と舌を絡めるキスに、ハヤトの目はとろんと蕩けた。口づけしながら、玲奈の細い体を、夢中で掻き抱く。
「はぁ、れい、にゃ、すこし、やせた…?」
「そうかもね…っ、なに、」
ハヤトは玲奈のTシャツの下から手を入れて、素肌をなぞった。
「あ…胸はあんま変わってない」
ぷにぷにした柔らかい胸は、前触った時と同じ感触だった。
「よかったぁ…また触れて…」
服をめくって、ハヤトはその胸にかぷりとかぶりついた。
「っ…!」
ちゅっちゅっとそこを吸うと、玲奈は無言で体を震わせた。
「ぷはぁ、美味しい…玲奈、なんで何も言わないの」
玲奈はふいうちで、ぎゅっとハヤトの固くなったそこを握った。
「んあっ…!」
玲奈は小声で怒りをぶつけた。
「あのね、ここ壁薄いの!ハヤトも絶対声出さないでね!?理沙にも聞こえちゃうから!」
「そんなっ…ことっ…ああっ…!」
玲奈はハヤトのパンツの中に手を入れて、それを握って動かした。人に触られるのは、最後に玲奈として以来だ。ハヤトはたまらなくなって声が出た。
「ひゃっ…くうっ…!」
「静かにって」
玲奈が手を放した。
「声、ださないなんて…む、無理だよ」
ハヤトが息も絶え絶えにそういうと、玲奈は自らパンツを脱ぎ捨てた。
「じゃあもう入れよう」
ハヤトは口をへの字に曲げた。
「や、やだぁ、もっと玲奈といろいろ、したい…!ぎゅってしたい」
「入れながらぎゅってすればいいじゃん」
玲奈は横になって、両手を広げた。
「ほら、おいで」
その誘いに抗えるはずはなかった。ハヤトは1も2もなく、服を脱ぎ捨てて上から玲奈の身体を抱きしめた。
「玲奈ぁ…」
抱きしめると、玲奈の腹にハヤトのものが当たった。
「早く、入れてよ…」
「うん…」
ハヤトは玲奈の足の間に自分のものをあてがおうとした。が…その前に指で入り口を確かめた。にゅるっと濡れた感触がして、ハヤトの指はするりと入った。
「なぁんだ、玲奈も濡れてるじゃん…えへ、俺の、欲しかった?」
「っ…!」
中で指を動かすと、ちゅぷちゅぷ音がした。玲奈は悔しそうに顔を反らして、口をぎゅっと閉じて耐えていた。
「はぁぁ…なにその表情…えろい…声我慢してんの…?」
玲奈がきっとこちらを睨んだ。
「あはは…ごめんごめん…でも…気持ちい?」
ぐっ、ぐっ、と指で奥を突くと、玲奈の内壁はぎゅうぎゅうとハヤトの指を絞めつけた。
「あ…すごい…♡玲奈の中、うねうね動いてる…入れたら気持ちよさそ…」
玲奈は震えながら怒った。
「じゃっ、さっさとっ…入れて、よっ…!」
「うん…俺も、もう我慢できない…」
ハヤトは指を抜いて、自分のものをそこに押し込めた。玲奈の熱い肉が、ハヤトのものにぎゅうっとからみつく。
「ああああっ…!れ、れいにゃ…っ」
「し、しずかにっ…!」
「む、無理だよぉっ…♡気持ち、よすぎぃ…!」
ハヤトは一気に奥まで自分のものを入れると、はぁはぁ荒い息をつきながら玲奈に言った。
「う、動いて、いい?ごめ、声…我慢、する、から…」
「いいから、もう…っ」
玲奈はあきらめた。彼にこういう我慢は不可能だと。
「あっ…♡はぁぁ、くぅっ…んんっ…!」
「っ…!」
だけどせめて自分だけは我慢しようと、玲奈は自分の口を手でふさいだ。
「やっ…なんでっ…、顔、かくしちゃうのっ…」
「顔じゃ、なくてっ、声っ…!」
そんなやりとりをしている間にも、ハヤトは容赦なく奥を突いてくる。玲奈は答えるので精一杯だった。
「はぁっ…玲奈、恥ずかしがりっ…かわい…っ、あっ、んんっ…!」
久々だからか、ハヤトのものを大きく感じる。中をぐいぐい押されて、玲奈の頭もだんだんぽわんと熱くなってきた。
「れいにゃっ…中、せまく、なった…っ?お、俺、俺もう…っ!」
玲奈は顔から手を外して微笑んだ。
「いきそう…?」
ハヤトはその玲奈の手をつかんだ。
「うんっ…いく、いく、あっ、あああああっ…!」
ハヤトは痛いくらいに玲奈の手を握りしめて、中で果てた。
「はぁ、はぁ…」
そして、玲奈の上に倒れた。
「…大丈夫?」
「うん…久々、で…すごい、気持ちよかった」
「そう」
「玲奈は…?」
「私も久々だよ」
「気持ちよかった…?」
「…なんでそういう事聞くかな」
目をそらした玲奈の唇を、ハヤトはふさいだ。玲奈の汗の味。
「知りたいから」
「もうっ!気持ちよかったよっ!うるさいなっ…」
そういって、玲奈はハヤトに背を向けた。
「よかったぁ…へへ…ね、次は俺の部屋でしようね」
「えぇ…はぁ…わかったよ」
「やったぁ!明日くる?」
玲奈は振り向いて、ぎゅっとハヤトの頬をつねった。
「もう寝るから。明日1限からだし、ここから駅まで遠いの」
「そっか、俺のこと起こしてね」
「…わかったよ」
そういって、玲奈は電気を消した。
(あぁぁ…理沙にも、反対となりの男子にも、上の先輩にも、下の人にも、聞かれたな…)
何しろ壁が死ぬほど薄いのだ。まぁいい。明日の事は明日考えよう。玲奈は毛布をひっかぶった。
「ハヤト!起きて!!!もう行くよ!」
「ふあぁ…ま、待って…」
大あくびをするハヤトを引っ張りながら、玲奈は部屋を出た。朝の光がまぶしい。
「れいな、今、何時ぃ?」
「7時だよ、これでもギリギリだよ」
昨日来た道を、2人はてくてく歩いた。しだいにハヤトも目が覚めたようだった。
「…なんでこんな不便なとこに寮あるんだろ?」
「家賃激安だからね、文句は言えないよ」
歩く玲奈は、灰色のだぶだぶのパーカーに、マスクをして顔は良く見えない。ボーイッシュで可愛いともいえるが、ハヤトとしてはまた綺麗に装った玲奈と、街を歩いてみたかった。
「…今度、服もってきていい?」
「え?なんで」
「なんでって…」
そこでハヤトはひらめいた。
「そうだ!こんど服選びにいこう!俺、ずっと玲奈とデートしたかったんだ」
「え…いいよ、そんな気ぃ使わなくて」
「俺がしたくて言ってるんだけど」
玲奈は肩をすくめた。
「この服、気に入ってるんだよ。目立たないし、誰も見てこないから」
ハヤトはうーんとうなった。
「学校ではそれでいいけど。他の奴がちょっかいかけても困るし…とにかく服買いに行こ、明日は?」
「いや普通に学校だよ。だから、いいって。気を使わないで」
「いいって…さ…」
もしかして。ハヤトははっとした。また前回のような事を繰り返さないためにも、ここで疑問は解消した方がいい。
「玲奈…俺のこと、どう思ってる?」
「は?」
突然の発言に、玲奈はとまどった。
「ハヤトはハヤトでしょ」
「いやそういう事じゃなくて!また前みたいなのは御免だからな」
ハヤトは立ち止まってすうっと息を吸った。
「俺と付き合って!」
「うん」
「付き合って!昨日俺に負けたって言ったじゃん!」
「だからうんって」
「えっ」
「うんって言ったじゃん」
ハヤトは目を見開いた。
「本当!?!?」
「本当だよ、なんなの」
そういって歩き出した玲奈に、あわててハヤトはついていった。
「もう俺の事、好きになってくれたの…?」
「あのね…好きでもない奴とやらないよ、私は」
一瞬、ハヤトの顔が固まった。
「い、今のどういうこと、もう一回言って」
「だから、ハヤトの事好きだよ」
「も、もう一回」
ハヤトがじっと見てくるので、玲奈は自分の頬が熱くなるのがわかった。玲奈は唐突に走り出した。
「うっさい!もう言わないっ!」
「ま、待ってよ!」
「待たない!電車乗り遅れる!!ハヤトも走りな!!」
「玲奈ぁ~!!」
玲奈は結構足が速い。追いかけるのに本気で走らなければならなかったが、ハヤトの頬はどうしても笑みで緩んで、足は遅れた。彼女の背中が遠ざかる。
「ま、待ってよぉー!」
嬉しくて嬉しくてしょうがなかった。玲奈は、ハヤトに当たる自分が嫌だといったが、こうして追いかけるのが、ハヤトはやっぱりしっくりきた。
(俺、玲奈を追いかけるのが好きなんだな…)
最初からそうだった。電車で見たあの時から。視線でひそかに、彼女を追いかけていた。
だけどこれからは、追いかけて捕まえても、玲奈は受け入れてくれるのだ。追いついたハヤトはたっぷりと好きなだけ、玲奈を抱きしめるのだ。
「へへ、あきらめないぞっ!まてーっ!」
ハヤトは走る腕に力を込めた。好きだと言ってくれた玲奈を抱きしめるために。
ーハヤトエンド 了ー
「大学の寮だよ」
「玲奈、ここに住んで…?」
驚いてるハヤトに、玲奈は思わず言った。
「そうだよ、夜は真っ暗で怖いよ。その昔、留年しまくって自殺した奴の霊が出るとかでないとか…」
「や、やめろよっ…ひくっ」
ハヤトはまだ嗚咽が止まらないようだった。
「ついここまで歩いちゃったけど、ハヤトはもう帰りな。駅まで送ってくよ」
「……ひくっ…やだっ…だいぶっ…歩いた、じゃんっ」
「…それは…………ごめん」
この寮はだいぶ立地が悪い。最寄りの駅まで徒歩だと40分かかる。つまりそれだけの道を今歩いてきたという事だ。
「あ、上げて、よっ、玲奈の、部屋」
たしかに、歩かせたのは玲奈の責任だ。そう思った玲奈は歩きだした。
「…わかったよ。でも静かにしてね。男連れ込んでるのばれたら困る」
「わ、わかっ、た」
自分の棟の階段を上がり廊下に入ると、後ろのハヤトがびくっとした。
「ぎゃっ、ご、ゴキブリ?!」
「ああ、よく出るよここ。周り雑木林だし、古いし」
「初めて見た…」
玲奈はあきれながらも部屋のドアを開けた。
「ここ、玲奈の、部屋…?」
「そうだよ、ハヤト君が見た事もないようなボロ部屋だよ」
ハヤトは中に入ってしげしげと見まわした。かなり狭いワンルーム。机の上にはいろんな教科書やプリントがつまれている。玲奈は相変わらず勉強熱心なようだ。
「ベッドに座っていいよ」
指さされて座ったベッドは、狭いうえに信じられないほど固かった。ハヤトはふいに、自分が恥ずかしくなった。
(玲奈は必死でバイトして、こんな部屋に住んで、勉強がんばってるんだ。それなのに俺は…)
たしかに玲奈からしたら、ちゃらちゃら遊んでいるように見えるだろう。アイスの店なんかにお金を使って、毎日食べ歩いて、一人暮らしのマンションに帰る生活。
「はいお茶」
玲奈はコップにお茶をついでハヤトに渡した。
「あ、ありがと…」
ハヤトはゆっくりとそれを飲んだ。
「…落ち着いた?」
「……うん」
「じゃ、タクシーでも呼んで帰った方がいいよ。ここはこんなだから」
「玲奈、ごめん」
「もう謝らなくていいって」
「玲奈からしたら…俺、全然ダメだよな、でも」
「?」
「俺が玲奈を好きなことだけは、信じてよ。知ってるでしょ…覚えて、ないの?」
ハヤトは玲奈を見上げた。
「…覚えてるよ。指輪も、持ってるよ」
ハヤトの顔にぱっと赤みが差した。
「ほ、本当?!」
「うん、そこにしまってある」
ハヤトがくしゃっと笑った。
「へへ、よかったぁ…玲奈、俺のこと嫌いになったわけじゃ…ないんだよね?」
玲奈はぐっと詰まった。滝のように流れた涙とこの微笑が、玲奈の打算を流してしまった。玲奈ははあっと乱暴にため息をついた。自分に対してだ。
「わかった、わかったよ…私が悪かった。だから帰って」
ハヤトはきょとんとした。
「え?だって…玲奈は何も悪い事してないよ」
「ハヤトを邪険にした…必要以上に。私…前と何も変わってないんだよ。ひどい人間なんだ。だから嫌になって。ハヤトに当たった。ごめん」
「当たった?」
「…周りに人がいっぱいいて、いい生活してるハヤトがうらやましかった。私には何も、ないから。劣等感でいっぱいになって、抵抗しないハヤトに当たった。最低だね」
「へ?劣等感?玲奈が、俺に?」
「そうだよ悪い?」
「…俺は玲奈の方が、よっぽどすごいと思う」
そういわれて、玲奈はふと既視感を感じた。
「…こんなこと、前にも話したような」
「そうだね。俺たち…変わってないなぁ」
ははとハヤトは笑った。
「玲奈も俺も、頑張ってる。それでいいじゃん。それが事実だよ」
ハヤトが明るく言ったので、玲奈の肩の力はふっと抜けた。
「そうだね…ありがとう、ハヤト」
「ねぇ、玲奈…」
ふいにハヤトが立ち上がって、玲奈の正面から近づいた。
「俺のこと、好き…?」
「え…」
戸惑っているうちに、ハヤトの唇が玲奈の唇に重ねられた。
「…ハヤト」
ハヤトはすぐに唇を放した。触れるだけのキスだった。
「玲奈…答えてよ。あの時玲奈は、俺の事好きになりそうって言ったよね?今は…?」
ハヤトは玲奈の頬を手ではさんだ。唇を真一文字に結んで、目は潤んでいる。その必死な表情を見て、玲奈もとうとう素直になった。
「好き…になる…かも」
その瞬間、ハヤトの目が見開かれて、ぎゅっと玲奈は抱きしめられていた。
「…今俺が…どんな気持ちか…わかる?」
耳元の声が震えている。
「う、嬉しい?」
「嬉しいけど、怖いよ。また、玲奈が逃げるんじゃないかって。消えるんじゃないかって、こんなの嘘じゃないかって」
「嘘じゃないよ。だから…大丈夫」
「本当?」
「本当。だから今日はもう帰りな」
ハヤトは少し下を向いた。
「…やだ。ここにいたい。いさせてよ。今帰ったら、また玲奈が消える気がするんだもん…」
「シャワーくそ狭いよ」
「別にいい」
「ベッド二人なんて寝れない」
「関係ない」
「部屋にもゴキブリ出るよ」
「いい!玲奈と一緒ならゴキブリでもいい!」
玲奈は思わず噴き出した。
「なんじゃそりゃ…」
するとその時、天井からどんどんと音がした。
「うわ!?」
「しっ。ハヤト、声大きい。」
「あっ、ごめん…」
「こんな事で注意されるとかやだからね」
玲奈は立ち上がって机の前の椅子に座った。
「ハヤト、そこで寝てていいよ」
「え…玲奈は」
「レポート仕上げる。」
そういうと、玲奈はいきなり机にむかって集中しだした。もはやハヤトの事など眼中にない。
(玲奈…変わらないなぁ)
あのマンションで問題集に向かっていた横顔と同じ、真剣なその表情はただただ美しかった。
(えらいなぁ…学校いって、バイトして、俺にも会って、そのあと宿題して…)
きっと自分など想像もつかないような難しい宿題なんだろう。ハヤトはそう思いながらじっと玲奈を眺めていた。
だぶだぶのパーカーから覗く細い手。狭い机の下で器用に組まれた白い足…玲奈の身体ばかり見てしまう。そして一時が過ぎた。
「ふぅ…終わった…うわ、」
ベッドを振り返った玲奈は、ハヤトがまだ起きているのを見て驚いていた。
「…寝てていいのに」
「玲奈の事見てた」
「そう」
玲奈はそう言ってからバタンとシャワールームへ入った。水の音がする。ハヤトはにわかに緊張した。
(やばい、どうしよう)
そう思った瞬間に、玲奈がパタンを扉を開けて出てきた。
「えっ…早くない!?」
突っ込みながらも、ハヤトは玲奈から目を離せなかった。サイズオーバーのTシャツから細い足が伸びている。あの下は、下着だろうか…。
「長風呂できるような設備じゃない」
玲奈はクールにそう言ってベッドまで歩いてきた。
「狭いからつめて」
ハヤトがおっかなびっくり詰めると、玲奈が横に入ってきた。
「れ、玲奈、そんな近くにこられると、俺」
「だから狭いって言ったじゃん」
玲奈の腕が、ハヤトの身体に当たった。玲奈の石鹸の匂いがハヤトの鼻をかすめた。このままじっと一晩過ごすのは、無理だった。ハヤトは正直に言った。
「玲奈…し、したい」
「…もう一時だよ…」
玲奈はうんざりした声を出した。彼女は目を閉じている。疲れているようだったが、それが逆に色っぽかった。
「一時じゃなきゃ、してもいいの?」
玲奈はふぅーと長くため息をついた。自分を落ち着かせるように。
「わかったよ」
玲奈は目を開けて体を起こした。
「えっ…いい、のか」
「そう言うと思ったし…もうハヤトを上げた時点で私の負けだよ」
玲奈にしては最大限の譲歩だろう。だがハヤトはさらにつっこんだ。
「いいの?俺と、したいって、思ってくれた?」
「したいっていうか…」
玲奈は目をそらした。頬が少し赤い。
「帰ってって言ってもいるし、寝ないし…てことは相当やりたいんだよね」
「そりゃ、したいよ、玲奈と…!」
「それを我慢させるのは悪いかなって」
玲奈が仏頂面でそう言った。ハヤトは思わず笑った。
「俺が可哀想だから…させてくれるの?ふふ、優しいじゃん」
玲奈はムキになって、墓穴を掘った。
「誰彼させてるわけじゃないからね!?」
「…じゃあ、俺だけ…?」
玲奈はぐっと詰まった後、肩を落として言った。
「そうだよ。ハヤトくん…」
負けたよ。そう言って玲奈はハヤトに口づけた。
「んっ…れい…にゃ…」
久々の舌と舌を絡めるキスに、ハヤトの目はとろんと蕩けた。口づけしながら、玲奈の細い体を、夢中で掻き抱く。
「はぁ、れい、にゃ、すこし、やせた…?」
「そうかもね…っ、なに、」
ハヤトは玲奈のTシャツの下から手を入れて、素肌をなぞった。
「あ…胸はあんま変わってない」
ぷにぷにした柔らかい胸は、前触った時と同じ感触だった。
「よかったぁ…また触れて…」
服をめくって、ハヤトはその胸にかぷりとかぶりついた。
「っ…!」
ちゅっちゅっとそこを吸うと、玲奈は無言で体を震わせた。
「ぷはぁ、美味しい…玲奈、なんで何も言わないの」
玲奈はふいうちで、ぎゅっとハヤトの固くなったそこを握った。
「んあっ…!」
玲奈は小声で怒りをぶつけた。
「あのね、ここ壁薄いの!ハヤトも絶対声出さないでね!?理沙にも聞こえちゃうから!」
「そんなっ…ことっ…ああっ…!」
玲奈はハヤトのパンツの中に手を入れて、それを握って動かした。人に触られるのは、最後に玲奈として以来だ。ハヤトはたまらなくなって声が出た。
「ひゃっ…くうっ…!」
「静かにって」
玲奈が手を放した。
「声、ださないなんて…む、無理だよ」
ハヤトが息も絶え絶えにそういうと、玲奈は自らパンツを脱ぎ捨てた。
「じゃあもう入れよう」
ハヤトは口をへの字に曲げた。
「や、やだぁ、もっと玲奈といろいろ、したい…!ぎゅってしたい」
「入れながらぎゅってすればいいじゃん」
玲奈は横になって、両手を広げた。
「ほら、おいで」
その誘いに抗えるはずはなかった。ハヤトは1も2もなく、服を脱ぎ捨てて上から玲奈の身体を抱きしめた。
「玲奈ぁ…」
抱きしめると、玲奈の腹にハヤトのものが当たった。
「早く、入れてよ…」
「うん…」
ハヤトは玲奈の足の間に自分のものをあてがおうとした。が…その前に指で入り口を確かめた。にゅるっと濡れた感触がして、ハヤトの指はするりと入った。
「なぁんだ、玲奈も濡れてるじゃん…えへ、俺の、欲しかった?」
「っ…!」
中で指を動かすと、ちゅぷちゅぷ音がした。玲奈は悔しそうに顔を反らして、口をぎゅっと閉じて耐えていた。
「はぁぁ…なにその表情…えろい…声我慢してんの…?」
玲奈がきっとこちらを睨んだ。
「あはは…ごめんごめん…でも…気持ちい?」
ぐっ、ぐっ、と指で奥を突くと、玲奈の内壁はぎゅうぎゅうとハヤトの指を絞めつけた。
「あ…すごい…♡玲奈の中、うねうね動いてる…入れたら気持ちよさそ…」
玲奈は震えながら怒った。
「じゃっ、さっさとっ…入れて、よっ…!」
「うん…俺も、もう我慢できない…」
ハヤトは指を抜いて、自分のものをそこに押し込めた。玲奈の熱い肉が、ハヤトのものにぎゅうっとからみつく。
「ああああっ…!れ、れいにゃ…っ」
「し、しずかにっ…!」
「む、無理だよぉっ…♡気持ち、よすぎぃ…!」
ハヤトは一気に奥まで自分のものを入れると、はぁはぁ荒い息をつきながら玲奈に言った。
「う、動いて、いい?ごめ、声…我慢、する、から…」
「いいから、もう…っ」
玲奈はあきらめた。彼にこういう我慢は不可能だと。
「あっ…♡はぁぁ、くぅっ…んんっ…!」
「っ…!」
だけどせめて自分だけは我慢しようと、玲奈は自分の口を手でふさいだ。
「やっ…なんでっ…、顔、かくしちゃうのっ…」
「顔じゃ、なくてっ、声っ…!」
そんなやりとりをしている間にも、ハヤトは容赦なく奥を突いてくる。玲奈は答えるので精一杯だった。
「はぁっ…玲奈、恥ずかしがりっ…かわい…っ、あっ、んんっ…!」
久々だからか、ハヤトのものを大きく感じる。中をぐいぐい押されて、玲奈の頭もだんだんぽわんと熱くなってきた。
「れいにゃっ…中、せまく、なった…っ?お、俺、俺もう…っ!」
玲奈は顔から手を外して微笑んだ。
「いきそう…?」
ハヤトはその玲奈の手をつかんだ。
「うんっ…いく、いく、あっ、あああああっ…!」
ハヤトは痛いくらいに玲奈の手を握りしめて、中で果てた。
「はぁ、はぁ…」
そして、玲奈の上に倒れた。
「…大丈夫?」
「うん…久々、で…すごい、気持ちよかった」
「そう」
「玲奈は…?」
「私も久々だよ」
「気持ちよかった…?」
「…なんでそういう事聞くかな」
目をそらした玲奈の唇を、ハヤトはふさいだ。玲奈の汗の味。
「知りたいから」
「もうっ!気持ちよかったよっ!うるさいなっ…」
そういって、玲奈はハヤトに背を向けた。
「よかったぁ…へへ…ね、次は俺の部屋でしようね」
「えぇ…はぁ…わかったよ」
「やったぁ!明日くる?」
玲奈は振り向いて、ぎゅっとハヤトの頬をつねった。
「もう寝るから。明日1限からだし、ここから駅まで遠いの」
「そっか、俺のこと起こしてね」
「…わかったよ」
そういって、玲奈は電気を消した。
(あぁぁ…理沙にも、反対となりの男子にも、上の先輩にも、下の人にも、聞かれたな…)
何しろ壁が死ぬほど薄いのだ。まぁいい。明日の事は明日考えよう。玲奈は毛布をひっかぶった。
「ハヤト!起きて!!!もう行くよ!」
「ふあぁ…ま、待って…」
大あくびをするハヤトを引っ張りながら、玲奈は部屋を出た。朝の光がまぶしい。
「れいな、今、何時ぃ?」
「7時だよ、これでもギリギリだよ」
昨日来た道を、2人はてくてく歩いた。しだいにハヤトも目が覚めたようだった。
「…なんでこんな不便なとこに寮あるんだろ?」
「家賃激安だからね、文句は言えないよ」
歩く玲奈は、灰色のだぶだぶのパーカーに、マスクをして顔は良く見えない。ボーイッシュで可愛いともいえるが、ハヤトとしてはまた綺麗に装った玲奈と、街を歩いてみたかった。
「…今度、服もってきていい?」
「え?なんで」
「なんでって…」
そこでハヤトはひらめいた。
「そうだ!こんど服選びにいこう!俺、ずっと玲奈とデートしたかったんだ」
「え…いいよ、そんな気ぃ使わなくて」
「俺がしたくて言ってるんだけど」
玲奈は肩をすくめた。
「この服、気に入ってるんだよ。目立たないし、誰も見てこないから」
ハヤトはうーんとうなった。
「学校ではそれでいいけど。他の奴がちょっかいかけても困るし…とにかく服買いに行こ、明日は?」
「いや普通に学校だよ。だから、いいって。気を使わないで」
「いいって…さ…」
もしかして。ハヤトははっとした。また前回のような事を繰り返さないためにも、ここで疑問は解消した方がいい。
「玲奈…俺のこと、どう思ってる?」
「は?」
突然の発言に、玲奈はとまどった。
「ハヤトはハヤトでしょ」
「いやそういう事じゃなくて!また前みたいなのは御免だからな」
ハヤトは立ち止まってすうっと息を吸った。
「俺と付き合って!」
「うん」
「付き合って!昨日俺に負けたって言ったじゃん!」
「だからうんって」
「えっ」
「うんって言ったじゃん」
ハヤトは目を見開いた。
「本当!?!?」
「本当だよ、なんなの」
そういって歩き出した玲奈に、あわててハヤトはついていった。
「もう俺の事、好きになってくれたの…?」
「あのね…好きでもない奴とやらないよ、私は」
一瞬、ハヤトの顔が固まった。
「い、今のどういうこと、もう一回言って」
「だから、ハヤトの事好きだよ」
「も、もう一回」
ハヤトがじっと見てくるので、玲奈は自分の頬が熱くなるのがわかった。玲奈は唐突に走り出した。
「うっさい!もう言わないっ!」
「ま、待ってよ!」
「待たない!電車乗り遅れる!!ハヤトも走りな!!」
「玲奈ぁ~!!」
玲奈は結構足が速い。追いかけるのに本気で走らなければならなかったが、ハヤトの頬はどうしても笑みで緩んで、足は遅れた。彼女の背中が遠ざかる。
「ま、待ってよぉー!」
嬉しくて嬉しくてしょうがなかった。玲奈は、ハヤトに当たる自分が嫌だといったが、こうして追いかけるのが、ハヤトはやっぱりしっくりきた。
(俺、玲奈を追いかけるのが好きなんだな…)
最初からそうだった。電車で見たあの時から。視線でひそかに、彼女を追いかけていた。
だけどこれからは、追いかけて捕まえても、玲奈は受け入れてくれるのだ。追いついたハヤトはたっぷりと好きなだけ、玲奈を抱きしめるのだ。
「へへ、あきらめないぞっ!まてーっ!」
ハヤトは走る腕に力を込めた。好きだと言ってくれた玲奈を抱きしめるために。
ーハヤトエンド 了ー
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