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松の位のとばっちり(9)
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でもここは川の上だ。逃げるっていったて、どこに・・・!?そう思った梓を尻目に、桂が川に飛びこんだ。紅もつづく。
「梓、いくぞっ」
渚は飛び込む前に、梓に手を差し伸べた。
「俺、泳げない。お前だけでも・・・・」
「バカ、お前くらい背負って泳げる!はやく!」
渚は無理やり手を引っ張って川に飛び込もうとした。が・・・・
「そこまでです」
男たちの後ろから、ぬっと松風が現れた。
「お前たちは、川に逃げたほうを捕まえろ」
渚と梓は自分一人で捕まえられると踏んでいるのか、松風はそう指示を出した。男たちは川岸のほうへ走り去った
「逃げろ、梓っ」
近づいてくる松風に、渚は向かっていった。
(そんな、渚を見捨てていくなんて・・・・)
ためらった梓はその一瞬のスキを逃してしまった。
「さあ、たっぷり話しを聞きましょうか」
渚をかわした松風が痛いほど、梓の両肩をつかんだ。その両目は裏切られた怒りに燃えている。
「痛っ・・・・」
「梓を離せ!」
渚は松風に飛び掛った。そのとき梓は、松風が懐に手を入れるのを目でとらえた。
「渚、あぶないっ!!」
あっという間だった―――
とめる間もなかった――
松風はためらいなく刃物を取り出し、渚の胸に刀をつきたてた。
「っ・・・・!あず、さ・・・・・!」
松風は刃物を引きぬき、その反動で渚は倒れた。
「渚っ・・・・!!」
梓は彼に駆け寄ろうとしたが、松風はそれを許さなかった。がっしりと梓の手をねじ利上げた。
「さあ、もう無駄な抵抗はやめなさい」
「離せ、この・・・・人殺しっ!」
そこへ、男たちが戻ってきた。すかさず一人が梓をがっちり取り押さえた。
「ご苦労だった。こいつを頼む」
他の男たちは手際よく渚をこもに包んで担いだ。
「まて、まてよ!渚をどこにつれていく気だ!何とか言えよ松風、この人殺し!!」
「いう事があるのはお前のほうだ。・・・・・お前は私のもの。今回のツケは高くつくからな・・・。おい、こいつをだまらせろ」
松風はそう冷たく言うと、後ろの男が梓の口をふさぎ、容赦なく腹を蹴り上げた。
「うぐっ・・・・・」
くぐもったうめきと、血が梓の口から漏れた。
だめだ、ここで倒れては、渚が―――!!
負けまいとしたが、あまりの痛みに梓の意識は遠のいた。
「・・・・どうだ、始末はついたか」
「へえ、まちがいなく諦淨寺の穴に放りこんでおきました」
「後の2人は?」
「蔵に閉じ込めてあります」
「あそこは鍵つきだったか・・・だが見張りを怠るなよ」
「へえ」
障子越しの、ぼそぼそ低いしゃべり声で梓はハッと目が覚めた。身を起こそうとしたが、手足が縛られている。おまけに蹴られた腹が容赦なく痛んだ。普段いろいろな痛みを受けているはずの梓だったが、正面からまともに蹴られるのはさすがに応えた。
一応布団の上にに寝かされていたので、梓は横になったまますばやく考えをめぐらせた。
(渚・・・・諦淨寺・・・・)
桂と紅もつかまってしまったようだ。そして渚。粗末な筵で包まれて、運ばれてしまった・・・。その先は、浄観寺の墓穴だったのだ。
(あそこに担ぎ込まれる死体なんて誰も改めたりしない・・・)
何せ、毎日死んだ遊女が運び込まれるからだ。お経だってまともに上げられないし、誰も参りにもこない。つまり・・・・つまり渚は。
(松風に殺された・・・・誰にも知られないまま・・・・・!)
しかも松風は、筵をあらかじめ用意していた。男たちも驚く風もなく渚の死体を運んでいった。ということは、最初から、渚を・・・・
(殺すつもりだったのか)
「―――目覚めたようですね」
松風がスッと障子を開け、入ってきた。その所作は静か過ぎて、かえって不気味なものを感じさせた。
2人の間に沈黙が落ちる。最初に破ったのは、梓だった。
「・・・・なんで、渚を殺したんだ」
「殺してなど。彼は逃げましたよ」
しれっと松風は嘘をついた。
「なんで、なんで、なんで・・・・!」
梓は冷静さを失って松風にとびかかった。渚はそんな、簡単に殺されていい人じゃない。彼にはこれからやりたいことも、夢もあったのに・・・・!
ところが松風はあっさり梓の足を払って逆に組み敷いた。
「言ったはずだ。お前は俺のものだと」
「違う!俺は俺だ!お前のものなんかじゃないっ!」
梓は長年の疑問を言いつのった。
「俺は見世に売られてきたわけじゃない!そうしようと思えば、いつだって出ていけるんだ!」
松風は一瞬無表情になった。そして・・・
「はははははは・・・・・」
それは、背筋の凍りそうな笑いかただった。声は笑いなのに、顔はぜんぜん笑っていない。
「梓、あなたは私にどのくらい借金をしているか、知らないのでしたね」
「・・・・借金?それどころかいつも稼ぎは全部、お前に渡してるじゃないか!」
「だから、それが返済なのですよ」
「俺はお前に金を借りたことなんて、一度もない!そうだろう!?」
梓は必死に訴えた。まさか松風は、梓に身に覚えのない借金で証文を取っていたというのか。
「そうですよ、「あなた」はね」
「じゃあ何で・・・・」
梓はそこではっと思い当たった。自分は借金の肩代わりをさせられているのだ、今はどこにいるかわからない「母」の・・・!
「・・・・母さんと松風は・・・一体・・・・」
2人の間に何があったのか・・・それはずっと梓が聞きたかったけれど聞けないことだった。とまどう梓を見て、松風の周囲の温度がスッと下がった。
「・・・梓。お前はあの女にそっくりですよ。弱くて、汚い。」
そう言い放った松風の目を見て梓はぞっとした。その表情は、怒っているわけでも、笑っているわけでもない。能面のように冷たく、うつろな目だ。
松風はぐっと梓の前髪をつかみ、引っ張り上げた。
「いいですか、梓。あなたがた親子は、私にとても大きな負債があるのですよ。それをわかってもらいたい」
両手足を縛られている梓は、痛みに耐えながらも聞き返した。
「負債って、なんだよ・・・」
松風の手に、さらに力が入る。ぶちっと髪の毛の抜ける感触がした。
「あなたの母さんを、私はずうっと助けてきたんです。金以外でもね。なのにあの女は裏切った」
そのうつろな目の奥に、じりじりと暗く燃える炎を、梓は見た気がした。
「松風は・・・・客だったのか?」
「ハハハ、違いますよ」
松風は梓の髪をつかんだ手を乱暴に振り払った。梓は無様に畳に叩きつけられた。
「っつ・・・・・・じゃあ、何なんだよ」
痛みに顔をしかめる梓に、松風は言い放った。
「兄妹です」
「・・・・・・は?」
梓はあっけにとられた。じゃあ俺とこいつは、血がつながっていたのか?
「あいつは俺から逃げた・・・お前は、逃がさない。」
梓は悟った。こいつは、今俺を逃がさないためには何でもするだろう。脱出は、不可能だ。
悟ると同時に、梓の中にめらめらと熱い怒りがわきあがった。
疲れている梓の心を癒してくれた、渚の明るい笑顔。
梓が魅せられた、外の夢を語るまっすぐな瞳。
そして・・・・夜空を見上げたときのあの横顔・・・・
すべて、二度と見れなくなってしまった。
(こいつが、渚を殺した―――)
しかし、松風の空ろな目を前にして、熱い怒りは冷たい決意に変わった。
(今の俺の力では、こいつに勝てない。従うしかない・・・。だから従いながらこいつを欺いてやる。俺の力が強くなったら、その時は――)
必ず、逃げてやる。
「わかった・・・逃げて悪かった・・・。これからは、松風の言うとおりにするから」
内心は殺したいと思いながら、梓はそれをおしとどめて言った。その押し込めた気持ちが、腹の中で暴れる。先ほどの傷とあいまってずきずきと腹が熱く痛んだ。
その心の内に気がついているのか、いないのか。松風はそんな梓をチラリと見て冷たくほほ笑んだ。
「怒り」は長続きしない。だが「決意」はちがう。あれから地道に努力しつづけて6年。何度も何度も気持ちを押し殺すたび腹は痛くなったが、そろそろ「機」が熟してきた。
(もうすぐだ、もうすぐ俺は・・・・・)
そう思いながら梓はゆっくり深呼吸した。あいつに報復している自分の姿を想像しながら。そうすると痛みはいくらかマシになる。
梓は再び歩きだした。大丈夫、俺はきっとやってやる。
「梓、いくぞっ」
渚は飛び込む前に、梓に手を差し伸べた。
「俺、泳げない。お前だけでも・・・・」
「バカ、お前くらい背負って泳げる!はやく!」
渚は無理やり手を引っ張って川に飛び込もうとした。が・・・・
「そこまでです」
男たちの後ろから、ぬっと松風が現れた。
「お前たちは、川に逃げたほうを捕まえろ」
渚と梓は自分一人で捕まえられると踏んでいるのか、松風はそう指示を出した。男たちは川岸のほうへ走り去った
「逃げろ、梓っ」
近づいてくる松風に、渚は向かっていった。
(そんな、渚を見捨てていくなんて・・・・)
ためらった梓はその一瞬のスキを逃してしまった。
「さあ、たっぷり話しを聞きましょうか」
渚をかわした松風が痛いほど、梓の両肩をつかんだ。その両目は裏切られた怒りに燃えている。
「痛っ・・・・」
「梓を離せ!」
渚は松風に飛び掛った。そのとき梓は、松風が懐に手を入れるのを目でとらえた。
「渚、あぶないっ!!」
あっという間だった―――
とめる間もなかった――
松風はためらいなく刃物を取り出し、渚の胸に刀をつきたてた。
「っ・・・・!あず、さ・・・・・!」
松風は刃物を引きぬき、その反動で渚は倒れた。
「渚っ・・・・!!」
梓は彼に駆け寄ろうとしたが、松風はそれを許さなかった。がっしりと梓の手をねじ利上げた。
「さあ、もう無駄な抵抗はやめなさい」
「離せ、この・・・・人殺しっ!」
そこへ、男たちが戻ってきた。すかさず一人が梓をがっちり取り押さえた。
「ご苦労だった。こいつを頼む」
他の男たちは手際よく渚をこもに包んで担いだ。
「まて、まてよ!渚をどこにつれていく気だ!何とか言えよ松風、この人殺し!!」
「いう事があるのはお前のほうだ。・・・・・お前は私のもの。今回のツケは高くつくからな・・・。おい、こいつをだまらせろ」
松風はそう冷たく言うと、後ろの男が梓の口をふさぎ、容赦なく腹を蹴り上げた。
「うぐっ・・・・・」
くぐもったうめきと、血が梓の口から漏れた。
だめだ、ここで倒れては、渚が―――!!
負けまいとしたが、あまりの痛みに梓の意識は遠のいた。
「・・・・どうだ、始末はついたか」
「へえ、まちがいなく諦淨寺の穴に放りこんでおきました」
「後の2人は?」
「蔵に閉じ込めてあります」
「あそこは鍵つきだったか・・・だが見張りを怠るなよ」
「へえ」
障子越しの、ぼそぼそ低いしゃべり声で梓はハッと目が覚めた。身を起こそうとしたが、手足が縛られている。おまけに蹴られた腹が容赦なく痛んだ。普段いろいろな痛みを受けているはずの梓だったが、正面からまともに蹴られるのはさすがに応えた。
一応布団の上にに寝かされていたので、梓は横になったまますばやく考えをめぐらせた。
(渚・・・・諦淨寺・・・・)
桂と紅もつかまってしまったようだ。そして渚。粗末な筵で包まれて、運ばれてしまった・・・。その先は、浄観寺の墓穴だったのだ。
(あそこに担ぎ込まれる死体なんて誰も改めたりしない・・・)
何せ、毎日死んだ遊女が運び込まれるからだ。お経だってまともに上げられないし、誰も参りにもこない。つまり・・・・つまり渚は。
(松風に殺された・・・・誰にも知られないまま・・・・・!)
しかも松風は、筵をあらかじめ用意していた。男たちも驚く風もなく渚の死体を運んでいった。ということは、最初から、渚を・・・・
(殺すつもりだったのか)
「―――目覚めたようですね」
松風がスッと障子を開け、入ってきた。その所作は静か過ぎて、かえって不気味なものを感じさせた。
2人の間に沈黙が落ちる。最初に破ったのは、梓だった。
「・・・・なんで、渚を殺したんだ」
「殺してなど。彼は逃げましたよ」
しれっと松風は嘘をついた。
「なんで、なんで、なんで・・・・!」
梓は冷静さを失って松風にとびかかった。渚はそんな、簡単に殺されていい人じゃない。彼にはこれからやりたいことも、夢もあったのに・・・・!
ところが松風はあっさり梓の足を払って逆に組み敷いた。
「言ったはずだ。お前は俺のものだと」
「違う!俺は俺だ!お前のものなんかじゃないっ!」
梓は長年の疑問を言いつのった。
「俺は見世に売られてきたわけじゃない!そうしようと思えば、いつだって出ていけるんだ!」
松風は一瞬無表情になった。そして・・・
「はははははは・・・・・」
それは、背筋の凍りそうな笑いかただった。声は笑いなのに、顔はぜんぜん笑っていない。
「梓、あなたは私にどのくらい借金をしているか、知らないのでしたね」
「・・・・借金?それどころかいつも稼ぎは全部、お前に渡してるじゃないか!」
「だから、それが返済なのですよ」
「俺はお前に金を借りたことなんて、一度もない!そうだろう!?」
梓は必死に訴えた。まさか松風は、梓に身に覚えのない借金で証文を取っていたというのか。
「そうですよ、「あなた」はね」
「じゃあ何で・・・・」
梓はそこではっと思い当たった。自分は借金の肩代わりをさせられているのだ、今はどこにいるかわからない「母」の・・・!
「・・・・母さんと松風は・・・一体・・・・」
2人の間に何があったのか・・・それはずっと梓が聞きたかったけれど聞けないことだった。とまどう梓を見て、松風の周囲の温度がスッと下がった。
「・・・梓。お前はあの女にそっくりですよ。弱くて、汚い。」
そう言い放った松風の目を見て梓はぞっとした。その表情は、怒っているわけでも、笑っているわけでもない。能面のように冷たく、うつろな目だ。
松風はぐっと梓の前髪をつかみ、引っ張り上げた。
「いいですか、梓。あなたがた親子は、私にとても大きな負債があるのですよ。それをわかってもらいたい」
両手足を縛られている梓は、痛みに耐えながらも聞き返した。
「負債って、なんだよ・・・」
松風の手に、さらに力が入る。ぶちっと髪の毛の抜ける感触がした。
「あなたの母さんを、私はずうっと助けてきたんです。金以外でもね。なのにあの女は裏切った」
そのうつろな目の奥に、じりじりと暗く燃える炎を、梓は見た気がした。
「松風は・・・・客だったのか?」
「ハハハ、違いますよ」
松風は梓の髪をつかんだ手を乱暴に振り払った。梓は無様に畳に叩きつけられた。
「っつ・・・・・・じゃあ、何なんだよ」
痛みに顔をしかめる梓に、松風は言い放った。
「兄妹です」
「・・・・・・は?」
梓はあっけにとられた。じゃあ俺とこいつは、血がつながっていたのか?
「あいつは俺から逃げた・・・お前は、逃がさない。」
梓は悟った。こいつは、今俺を逃がさないためには何でもするだろう。脱出は、不可能だ。
悟ると同時に、梓の中にめらめらと熱い怒りがわきあがった。
疲れている梓の心を癒してくれた、渚の明るい笑顔。
梓が魅せられた、外の夢を語るまっすぐな瞳。
そして・・・・夜空を見上げたときのあの横顔・・・・
すべて、二度と見れなくなってしまった。
(こいつが、渚を殺した―――)
しかし、松風の空ろな目を前にして、熱い怒りは冷たい決意に変わった。
(今の俺の力では、こいつに勝てない。従うしかない・・・。だから従いながらこいつを欺いてやる。俺の力が強くなったら、その時は――)
必ず、逃げてやる。
「わかった・・・逃げて悪かった・・・。これからは、松風の言うとおりにするから」
内心は殺したいと思いながら、梓はそれをおしとどめて言った。その押し込めた気持ちが、腹の中で暴れる。先ほどの傷とあいまってずきずきと腹が熱く痛んだ。
その心の内に気がついているのか、いないのか。松風はそんな梓をチラリと見て冷たくほほ笑んだ。
「怒り」は長続きしない。だが「決意」はちがう。あれから地道に努力しつづけて6年。何度も何度も気持ちを押し殺すたび腹は痛くなったが、そろそろ「機」が熟してきた。
(もうすぐだ、もうすぐ俺は・・・・・)
そう思いながら梓はゆっくり深呼吸した。あいつに報復している自分の姿を想像しながら。そうすると痛みはいくらかマシになる。
梓は再び歩きだした。大丈夫、俺はきっとやってやる。
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