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【13】
しおりを挟むポンっと7階に着いた音が鳴り、エレベーターから降りる。
震える手を抑えながら朔夜の後ろに付いていく。
「ここ」
「こ、こ…」
「うん、開けてみ?」
「――開けるの?」
「開けなきゃ、分からないだろ?」
「そうだけ、ど…」
女の人が出てきたりしない?
そう言いたいのに、言葉が出てこない。
――グダグダ考えてもしかたないよ、ね…
私は意を決し、707と書かれているドアの前に立ち、目を瞑りながらドアノブに手を掛け、ゆっくりと引く。
「愛海」
私の名前を呼ぶ朔夜の声。
瞑っていた目を開ける。
「―っ…?」
ドアを開け、最初に見たものは靴も何も置いていない玄関に落ちている紙。
紙を拾うと、そこには
【入ってすぐ右の部屋】
と書いてあった。
後ろを振り返り、朔夜を見る。
「紙に書いてある通りに、な?」
私の大好きな優しい笑顔で言う。
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