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臨時マネージャー?
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しおりを挟む「んじゃ、俺たちはフットワークやんぞー!!」
キャプテンであるお兄ちゃんは皆にそう声を掛けて練習に入っていった。
あたしは渡邊先輩に仕事の説明をしてもらって手帳にメモをしていく。
えっと、部室の掃除は毎日で、合宿の時は栄養バランスを考えて3食作って…
ん~、マネージャーの仕事って本当に大変だなぁ。
ちょっと甘く見てたかも。
「で、洗濯は洗濯機じゃなくてたらいと洗濯板を使ってやるからね」
「ふむふむ…」
「あと救急セットの補充も大事で…あ!テーピングも出来るようにしとかないとね!」
「テーピング、ですか??」
「うん。やったことない?」
「は、はい・・・」
「じゃ、今から練習してみようか!」
そう言ってあたしの手を引っ張っていく渡邊先輩。
改めて見ても、本当に美人。
しかも親切だし、話からして頭もいいだろうなー…
“あたしもこんな女性になりたい”
そう思った。
「ん、渡邊。もう説明し終わったの?」
「まぁね。これからテーピングのやり方教えるの。悼矢はこんな所で暇してて大丈夫なの?」
「俺は裕大待ってんの。パス練しようとしたら、便所!とか言い出すし」
「裕大、相変わらずだね(笑)」
渡邊先輩と悼矢さんって仲いいんだ。
そう思ったら何故か心が痛んだ。
ん―・・・?
何だろう、このモヤモヤ感。
「悪ぃ悪ぃ!」
「便所は部活始まる前に行けって俺何回言ったっけ?」
「いやぁさ、部活始まる前は平気だったんだけど!って、沙奈ここで何してん!?」
「これからテーピング教えてもらうの」
へーへー、と目を輝かせながら言うお兄ちゃん。
「はいはい、いいから早くパス練!」
渡邊先輩はお兄ちゃんの背中を押して練習に戻す。
「じゃ、沙奈ちゃん頑張ってね」
手を振りながらあたしに言ってくれる悼矢さん。
あたしはトクンっと心が高鳴った。
あたし今日なんか変だ。
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