ふく、猫になる。

ふくりーむ

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来てそうそう

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 我が家から逃げだした。
滞在期間わずか三時間。ーーーーー土地勘もない場所。
彼は…戻らないだろう…。いや、闇雲に逃げ出したとすれば、戻りたくても戻れないだろう。

 家の周囲を探すこと一週間。彼の影も形もない。

 前の家では家の中だけで過ごし、外に出ることもなかったという、いわば箱入り息子の彼。
 初めての外。生き残る術を知らないんじゃないだろうか。不安と絶望しかない。


 失踪してから二週間目。未だ生死不明。ちなみにふくの姿かたちもぼんやり不明。

 そんなある日の夕方。
犬の散歩中、ご近所のコーン畑の中に猫がいるのを見かけた。
白く長い毛。ところどころ墨を落としたような淡い黒斑点。元気は無さげ。

「ふくかな?」
「にゃ~ん」
「!? ふ、ふく?」
「にゃ~ん」
「ほんとうに?」

キャリーバッグを取りに、すぐさま家にとって返し、先程のコーン畑へ。
彼は自分のキャリーバックを見ると、トコトコと近づいてきておとなしく中に入った。



ーーー生きていた…。彼を失わずにすんだ。よ、よかった。いとこに顔向けできないとこだった。


    
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