3 / 73
別宅
今日は月に数度の休みの日。私はもちろん朝から別宅に来ていた。
別宅にはドレスも宝石も、信用できる侍女と侍従が一人ずつだけどいる。私の隠れ家。本当にお母様、ありがとう!
「お嬢様、本日のドレスはいかがされますか?」
今日はダンスレッスンと、語学レッスンがある。
休みあけでやつれている私の顔をエステしてくれているのは、もともと母付き侍女だったマリア。私の第二の母的存在である。
「あー、癒される~。ありがとう、マリア。私はここがあるから何とか頑張れる!」
「それにしても、学院まで手を回すとは。さすがなのか何なのか……。旦那様も本当に頼りにならないですわ…………」
私のデコルテを触る手に力が入る。毎回愚痴にも付き合ってくれるマリア。頭が上がらない。
「もうお父様にも期待してないから大丈夫。もともと婿養子だし、今はあの人のいいなりだし。きっと私のことなんて、忘れてるのよ。だから、私はとにかく勝手に嫁がされる前に何とかしたいだけ」
そう。目下は学院への入学ではなく、継母が決めるであろう人生が終わってしまう結婚を回避すること。
デビューまであと3年。爵位継承前もあと3年。この3年にすべてがかかってる!
だから、それまでに何とか自分で人脈を作るしかない。
「学院にもしばらく通えないから、人脈作りをどうしようかなーと思って。マリア、何か考えない?」
「そうですねぇ。家庭教師の先生経由でご紹介頂くのはいかがでしょうか?」
家庭教師の先生は、皆そこそこの貴族の出であるが、どこから足がつくかわからないため出来たら避けたかった。
「分かった。ありがとう。もう少し考えてみるね」
マリアがフェイシャルエステの仕上げにマスクをしてくれた。
「戻りました」
マスク姿で横たわっていると、侍従のダニエルが扉越しに声をかけてきた。今日は書き上げた原稿を出版社に届けてもらったのだ。
ちなみに、マリアとダニエルは夫婦で、別宅で住み込で働いてくれている。
「ありがとう。今は用事はないから下がって」
もうじきダンスレッスンが始まる。
至福の時間はもう終わり。
「マリア、今日はあのスカイブルーのドレスにするわ」
私は悩んだ末に最終的に今日の空模様のようなドレスを選んだ。
別宅にはドレスも宝石も、信用できる侍女と侍従が一人ずつだけどいる。私の隠れ家。本当にお母様、ありがとう!
「お嬢様、本日のドレスはいかがされますか?」
今日はダンスレッスンと、語学レッスンがある。
休みあけでやつれている私の顔をエステしてくれているのは、もともと母付き侍女だったマリア。私の第二の母的存在である。
「あー、癒される~。ありがとう、マリア。私はここがあるから何とか頑張れる!」
「それにしても、学院まで手を回すとは。さすがなのか何なのか……。旦那様も本当に頼りにならないですわ…………」
私のデコルテを触る手に力が入る。毎回愚痴にも付き合ってくれるマリア。頭が上がらない。
「もうお父様にも期待してないから大丈夫。もともと婿養子だし、今はあの人のいいなりだし。きっと私のことなんて、忘れてるのよ。だから、私はとにかく勝手に嫁がされる前に何とかしたいだけ」
そう。目下は学院への入学ではなく、継母が決めるであろう人生が終わってしまう結婚を回避すること。
デビューまであと3年。爵位継承前もあと3年。この3年にすべてがかかってる!
だから、それまでに何とか自分で人脈を作るしかない。
「学院にもしばらく通えないから、人脈作りをどうしようかなーと思って。マリア、何か考えない?」
「そうですねぇ。家庭教師の先生経由でご紹介頂くのはいかがでしょうか?」
家庭教師の先生は、皆そこそこの貴族の出であるが、どこから足がつくかわからないため出来たら避けたかった。
「分かった。ありがとう。もう少し考えてみるね」
マリアがフェイシャルエステの仕上げにマスクをしてくれた。
「戻りました」
マスク姿で横たわっていると、侍従のダニエルが扉越しに声をかけてきた。今日は書き上げた原稿を出版社に届けてもらったのだ。
ちなみに、マリアとダニエルは夫婦で、別宅で住み込で働いてくれている。
「ありがとう。今は用事はないから下がって」
もうじきダンスレッスンが始まる。
至福の時間はもう終わり。
「マリア、今日はあのスカイブルーのドレスにするわ」
私は悩んだ末に最終的に今日の空模様のようなドレスを選んだ。
あなたにおすすめの小説
【完結】あなたのいない世界、うふふ。
やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。
しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。
とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。
===========
感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。
4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。
年下の婚約者から年上の婚約者に変わりました
チカフジ ユキ
恋愛
ヴィクトリアには年下の婚約者がいる。すでにお互い成人しているのにも関わらず、結婚する気配もなくずるずると曖昧な関係が引き延ばされていた。
そんなある日、婚約者と出かける約束をしていたヴィクトリアは、待ち合わせの場所に向かう。しかし、相手は来ておらず、当日に約束を反故されてしまった。
そんなヴィクトリアを見ていたのは、ひとりの男性。
彼もまた、婚約者に約束を当日に反故されていたのだ。
ヴィクトリアはなんとなく親近感がわき、彼とともにカフェでお茶をすることになった。
それがまさかの事態になるとは思いもよらずに。
報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を
さくたろう
恋愛
その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。
少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。
20話です。小説家になろう様でも公開中です。
赤貧令嬢の借金返済契約
夏菜しの
恋愛
大病を患った父の治療費がかさみ膨れ上がる借金。
いよいよ返す見込みが無くなった頃。父より爵位と領地を返還すれば借金は国が肩代わりしてくれると聞かされる。
クリスタは病床の父に代わり爵位を返還する為に一人で王都へ向かった。
王宮の中で会ったのは見た目は良いけど傍若無人な大貴族シリル。
彼は令嬢の過激なアプローチに困っていると言い、クリスタに婚約者のフリをしてくれるように依頼してきた。
それを条件に父の医療費に加えて、借金を肩代わりしてくれると言われてクリスタはその契約を承諾する。
赤貧令嬢クリスタと大貴族シリルのお話です。
十年間虐げられたお針子令嬢、冷徹侯爵に狂おしいほど愛される。
er
恋愛
十年前に両親を亡くしたセレスティーナは、後見人の叔父に財産を奪われ、物置部屋で使用人同然の扱いを受けていた。義妹ミレイユのために毎日ドレスを縫わされる日々——でも彼女には『星霜の記憶』という、物の過去と未来を視る特別な力があった。隠されていた舞踏会の招待状を見つけて決死の潜入を果たすと、冷徹で美しいヴィルフォール侯爵と運命の再会! 義妹のドレスが破れて大恥、叔父も悪事を暴かれて追放されるはめに。失われた伝説の刺繍技術を復活させたセレスティーナは宮廷筆頭職人に抜擢され、「ずっと君を探していた」と侯爵に溺愛される——
あなた方には後悔してもらいます!
風見ゆうみ
恋愛
私、リサ・ミノワーズは小国ではありますが、ミドノワール国の第2王女です。
私の国では代々、王の子供であれば、性別や生まれの早い遅いは関係なく、成人近くになると王となるべき人の胸元に国花が浮き出ると言われていました。
国花は今まで、長男や長女にしか現れなかったそうですので、次女である私は、姉に比べて母からはとても冷遇されておりました。
それは私が17歳の誕生日を迎えた日の事、パーティー会場の外で姉の婚約者と私の婚約者が姉を取り合い、喧嘩をしていたのです。
婚約破棄を受け入れ、部屋に戻り1人で泣いていると、私の胸元に国花が浮き出てしまったじゃないですか!
お父様にその事を知らせに行くと、そこには隣国の国王陛下もいらっしゃいました。
事情を知った陛下が息子である第2王子を婚約者兼協力者として私に紹介して下さる事に!
彼と一緒に元婚約者達を後悔させてやろうと思います!
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、話の中での色々な設定は話の都合、展開の為のご都合主義、ゆるい設定ですので、そんな世界なのだとご了承いただいた上でお読み下さいませ。
※話が合わない場合は閉じていただきますよう、お願い致します。
【完結】あなたに抱きしめられたくてー。
彩華(あやはな)
恋愛
細い指が私の首を絞めた。泣く母の顔に、私は自分が生まれてきたことを後悔したー。
そして、母の言われるままに言われ孤児院にお世話になることになる。
やがて学園にいくことになるが、王子殿下にからまれるようになり・・・。
大きな秘密を抱えた私は、彼から逃げるのだった。
同時に母の事実も知ることになってゆく・・・。
*ヤバめの男あり。ヒーローの出現は遅め。
もやもや(いつもながら・・・)、ポロポロありになると思います。初めから重めです。
【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。