とある虐げられた侯爵令嬢の華麗なる後ろ楯~拾い人したら溺愛された件

紅位碧子 kurenaiaoko

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断罪2

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義母イザベラの甲高い声に、一瞬で会場が静まり返る。
そこに、先程ロビンが呼びにいった護衛が駆けつけた。

命知らずにも、私とレイを護衛が取り囲む。

「とっとと捕まえて!地下牢にブチ込んでおきなさい!」

イザベラの声が響き渡る。

「……サザーランド公爵家を敵に回しても良いんだな?……そもそも、牢屋に入るのは私達ではないが」

レイが護衛に睨みを利かせる。
その圧に護衛が踏み込むのを尻込みしていた。

「何をしてるのっ!」

イザベラはイライラしながら、金切り声で護衛にけしかける。

「……平民の犯罪者の命令なんて、聞けないのでは?ねぇ、レイ?」

「ああ、そうだな。とりあえず、少し越権行為だが、犯罪者には罪状を告げるとしようか」

そうレイが告げると、会場外から王宮騎士団が姿を見せ、護衛と、イザベラ、エリアルを取り囲んだ。

招待客のざわめきも最高潮に達している。

(これで、明日からウワサが流れる……!)

意図した噂は、時として武器になる。
噂を利用して、イザベラとエリアルを徹底的に排除するのみ。

「ちょっ……ちょっと!!あなた達、何なの?」

護衛を上回る王宮騎士団の数に、イザベラとエリアルは身を寄せ合いながらも、威嚇する。

「私は、王宮騎士団長だ。今回は、国王陛下より直々に王宮騎士団が動くよう言付かっている」

「い、いきなり何?王宮騎士団って…」

「そうよ、そうよ!それより、そこの着飾ってる使用人の悪女を捕まえなさいよっ!」

騎士団のメンバーは既に罪状を知っている。
この二人の女の頭がおかしいのは明白だった。

「アルフォンス殿、では私の変わりにこの書類を……」
騎士団長からレイに書類が手渡される。

「では、このパーティにお集まりの皆様。今よりこの罪人に対して罪状を読み上げる。証人として、是非聞いていて欲しい」

レイが招待客にむけて書類を掲げると、会場は一気に静まり返った。

「罪人、イザベラ及び、エリアル。また、現侯爵代行であるジョセフ・フォンデンベルグ並びに、クワイリー伯爵次男ロビン」

4名の名が呼ばれる。

「平民イザベラは、現侯爵代行を騙し、侯爵家の金品を横領並びに、正式な侯爵家の娘であるリリアーヌ嬢を虐待し、使用人として働かせていた。また、自身の娘を現侯爵代行の娘と偽り、侯爵家に居座った。ここに
侯爵家の乗っ取り並びに、横領、詐欺、暴行等複数の罪で逮捕する。ちなみに、イザベラは、侯爵家に籍はない平民だ」

ざわめきが起こる。

「娘のエリアルも同様、次期侯爵に対する虐待、暴行。並びに横領の罪だ。婚約者も寝取ったそうだな?」

エリアルとロビンの顔は完全に色ざめでいた。

ロビンは、エリアルにことあるごとに金銭援助を持ち掛けており、エリアルは無断で(横領)侯爵家のお金をロビンに渡していた。

また、現侯爵代行には家督不行き届と、これらを長年黙認してきたため加担していた、と判断された。

「そういうことなので、護衛の皆様。私とレイを解放してくれないかしら?もちろん、私がお給金を代わりに支払いますわ」

私は力強く微笑んだ。
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