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5 作戦会議
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カフェでの顔合わせが思わぬ展開になり、その後はボールドワルド伯爵家に関する緊急対策会議(大袈裟っ!)が開かれることになった。
議題はもちろん『どうやって婚約者を変更するか?』。
3人で考えた案をそれぞれ発表していく。
正攻法から、かなり際どい方法までかなりの数に及ぶ。
それらを組み合わせて、同時進行して行こう、と言うことになった。
「とりあえずは一番リスクの低い正攻法と、妹のオリーブに婚約者を探すところからかな?」
正攻法は、仮初めの婚約者候補としてロデムこと……
私がロデムのいわゆる釣書を読み上げる。
「えっと……。ロデムこと……ランドール・ロシュナイダー(ランドールって名前だったんだ!)……」
「ジョセフィーヌ?」
「あ、いや、えっと……ランドールって名前なんだなーと思ってたんだけど、ロシュナイダーって、隣国の名前っ!」
今頃そこに気がついたのか?的な雰囲気の中、ロデムが笑いを堪えていた。
「……だ、だって、まさか隣国からとは……。お、おまけに第三王子っ?!」
「フィー、全然資料見なかったのかよ?」
カイトが呆れたような声を出す。
「あはははは。えーっと、ザーっと目は通したよ?皆さん、私にはもったいないくらい素敵な条件だったし……まあ、私が悪いのだけどさ……」
つまり、ロデムは王子様……。
うん、素直に驚くよ。
おまけに、仮初めの婚約者候補なんて不名誉な役柄で本当にごめんなさい。
「本当に大丈夫?王族が仮初めの婚約者候補なんて……」
おまけに、王家と伯爵家ではイマイチ身分も釣り合いが取れない。
「逆に好都合じゃないのか?権力を使うこともできるのだから」
「まあ、そうなんだけど……」
「私が気になるのは、もし私がジョセフィーヌの正式な婚約者になった場合、その……だな。その……」
「?」
「いや、ジョセフィーヌが私を受け入れてくれるかどうかが一番気になっていてだ……」
みるみるうちに頬を赤く染めるロデムが何とも言えず可愛かった。
「そんなこと気にしてたの?ロデム?あ、ロデムで大丈夫?えっと……ほら、ロデムは私の初恋の人なんだ。だから、私こそ何て言えばいいのか…こんな私で大丈夫?」
「お、おい、フィー!初恋なんて聞いてないぞ?」
「え?あ、えっと……。そうなんだよね、初恋……なんだ」
初恋と口に出したら、急に恥ずかしさが込み上げてきて消えてしまいたくなった。
「何だよ、フィー、急にしおらしくなってさ……」
「ご、ごめん……」
「おいおい、カイトライト?そんなに私の婚約者をいじめてくれるなよ」
「……はい、はい。もう婚約者気取りかよ?」
「……いいじゃないか?元々君が持掛けた話だろう?」
「それはそうだが……」
「君は本当は私が羨ましいのだろう?まあ、あのワガママ王女が婚約者ではな……」
「ランドール、余計な話を……!」
羨ましい……?
もしかして、カイトも私を?
だから、今回も協力してくれた?
少し前まで夢見ていたカイトが婚約者だったらどんなに良かっただろう、という私の妄想が……!
私はあれこれ妄想してしまう。
「しかし、カイトとロデムが知り合いだったのが一番意外っ!」
どこで出会ったの?
いつから知り合いだったの?
……など矢継ぎ早に質問しても二人はたじろぐばかりではぐらかされてしまう。
(まあ、いっかぁ……)
今度話はじっくり聞こう。
「私、学園入ってからは、エリオット様じゃなくて、カイトやロデムが私の婚約者だったらいいなあってずーっと思っていたんだよね」
そう話すと、紅茶を飲みかけていたカイトがいきなりむせ始めた。
「だ、大丈夫?カイト??」
私は慌ててカイトの背中を擦る。
「あ、あぁ……大丈夫だ」
ロデムは何でかニタニタしてるし?
「そうそう!オリーブの婚約者のことなんだけど……」
私からしたらオリーブがあんなエリオット様と結婚したら未来はないし、伯爵領のことを考えるときちんとした家柄に嫁いで欲しかった。
一番良いのは本人がきちんと結婚の意味を理解し、お見合いをしたりすることなのだが、今のオリーブは単に私を陥れたい、私を不幸にしたいだけの行動を取っているにすぎない。
(はぁ……)
そう考えると、一筋縄ではいかない。
「囮を使うか?」
エリオット様より、家柄や容姿のレベルが上で、オリーブに愛を囁いてくれさえすれば上手くいきそうな気がするけど……。
「伯爵家からの支援が必要な家柄なら可能だろう?少し調べてみよう」
カイトとロデムはうなずき合い、何やら計画する模様だ。
「とりあえずは、伯爵夫妻が戻り次第、婚約者変更のお願いをしにいくことにしよう。その時までにオリーブ嬢の婚約者候補が見つかれば話が早いだろう」
確かにロデムの言う通りだった。
(……でも、あれ?)
私はその時にある違和感に気がついてしまった。
オリーブは、私と双子。
私は10歳で婚約者がいたのだがーー。
(オリーブ……。なぜか婚約者候補の話すらない?)
普通ならば、いくら後継者でないと言え、少しでも良い嫁ぎ先を探すはずだがーー。
ーー両親からそんな話を聞いたことはなかった。
そして、この時感じた違和感が後に大きな事件になるなんてその時は微塵も思わなかった。
議題はもちろん『どうやって婚約者を変更するか?』。
3人で考えた案をそれぞれ発表していく。
正攻法から、かなり際どい方法までかなりの数に及ぶ。
それらを組み合わせて、同時進行して行こう、と言うことになった。
「とりあえずは一番リスクの低い正攻法と、妹のオリーブに婚約者を探すところからかな?」
正攻法は、仮初めの婚約者候補としてロデムこと……
私がロデムのいわゆる釣書を読み上げる。
「えっと……。ロデムこと……ランドール・ロシュナイダー(ランドールって名前だったんだ!)……」
「ジョセフィーヌ?」
「あ、いや、えっと……ランドールって名前なんだなーと思ってたんだけど、ロシュナイダーって、隣国の名前っ!」
今頃そこに気がついたのか?的な雰囲気の中、ロデムが笑いを堪えていた。
「……だ、だって、まさか隣国からとは……。お、おまけに第三王子っ?!」
「フィー、全然資料見なかったのかよ?」
カイトが呆れたような声を出す。
「あはははは。えーっと、ザーっと目は通したよ?皆さん、私にはもったいないくらい素敵な条件だったし……まあ、私が悪いのだけどさ……」
つまり、ロデムは王子様……。
うん、素直に驚くよ。
おまけに、仮初めの婚約者候補なんて不名誉な役柄で本当にごめんなさい。
「本当に大丈夫?王族が仮初めの婚約者候補なんて……」
おまけに、王家と伯爵家ではイマイチ身分も釣り合いが取れない。
「逆に好都合じゃないのか?権力を使うこともできるのだから」
「まあ、そうなんだけど……」
「私が気になるのは、もし私がジョセフィーヌの正式な婚約者になった場合、その……だな。その……」
「?」
「いや、ジョセフィーヌが私を受け入れてくれるかどうかが一番気になっていてだ……」
みるみるうちに頬を赤く染めるロデムが何とも言えず可愛かった。
「そんなこと気にしてたの?ロデム?あ、ロデムで大丈夫?えっと……ほら、ロデムは私の初恋の人なんだ。だから、私こそ何て言えばいいのか…こんな私で大丈夫?」
「お、おい、フィー!初恋なんて聞いてないぞ?」
「え?あ、えっと……。そうなんだよね、初恋……なんだ」
初恋と口に出したら、急に恥ずかしさが込み上げてきて消えてしまいたくなった。
「何だよ、フィー、急にしおらしくなってさ……」
「ご、ごめん……」
「おいおい、カイトライト?そんなに私の婚約者をいじめてくれるなよ」
「……はい、はい。もう婚約者気取りかよ?」
「……いいじゃないか?元々君が持掛けた話だろう?」
「それはそうだが……」
「君は本当は私が羨ましいのだろう?まあ、あのワガママ王女が婚約者ではな……」
「ランドール、余計な話を……!」
羨ましい……?
もしかして、カイトも私を?
だから、今回も協力してくれた?
少し前まで夢見ていたカイトが婚約者だったらどんなに良かっただろう、という私の妄想が……!
私はあれこれ妄想してしまう。
「しかし、カイトとロデムが知り合いだったのが一番意外っ!」
どこで出会ったの?
いつから知り合いだったの?
……など矢継ぎ早に質問しても二人はたじろぐばかりではぐらかされてしまう。
(まあ、いっかぁ……)
今度話はじっくり聞こう。
「私、学園入ってからは、エリオット様じゃなくて、カイトやロデムが私の婚約者だったらいいなあってずーっと思っていたんだよね」
そう話すと、紅茶を飲みかけていたカイトがいきなりむせ始めた。
「だ、大丈夫?カイト??」
私は慌ててカイトの背中を擦る。
「あ、あぁ……大丈夫だ」
ロデムは何でかニタニタしてるし?
「そうそう!オリーブの婚約者のことなんだけど……」
私からしたらオリーブがあんなエリオット様と結婚したら未来はないし、伯爵領のことを考えるときちんとした家柄に嫁いで欲しかった。
一番良いのは本人がきちんと結婚の意味を理解し、お見合いをしたりすることなのだが、今のオリーブは単に私を陥れたい、私を不幸にしたいだけの行動を取っているにすぎない。
(はぁ……)
そう考えると、一筋縄ではいかない。
「囮を使うか?」
エリオット様より、家柄や容姿のレベルが上で、オリーブに愛を囁いてくれさえすれば上手くいきそうな気がするけど……。
「伯爵家からの支援が必要な家柄なら可能だろう?少し調べてみよう」
カイトとロデムはうなずき合い、何やら計画する模様だ。
「とりあえずは、伯爵夫妻が戻り次第、婚約者変更のお願いをしにいくことにしよう。その時までにオリーブ嬢の婚約者候補が見つかれば話が早いだろう」
確かにロデムの言う通りだった。
(……でも、あれ?)
私はその時にある違和感に気がついてしまった。
オリーブは、私と双子。
私は10歳で婚約者がいたのだがーー。
(オリーブ……。なぜか婚約者候補の話すらない?)
普通ならば、いくら後継者でないと言え、少しでも良い嫁ぎ先を探すはずだがーー。
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そして、この時感じた違和感が後に大きな事件になるなんてその時は微塵も思わなかった。
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