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婚約破棄
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今、私は学園の卒業パーティーに一人で参加している。
今回も婚約者である王太子のウィリアムズ殿下のエスコートなんてしてもらえないのは想定内。
だったけど……。
私の目の前には、婚約者であるウィリアムズ殿下と何故だか勝ち誇った表情で私を睨み付ける同じ公爵令嬢であるマーガレット様がいた。
マーガレット様は、同じ公爵令嬢でも噂では魔力持ちのため親戚筋から迎えられた養女らしく、何かにつけて私をライバル視し、私のモノを全て奪わなければ気が済まないようだった。
(……友達に、婚約者……)
はぁ……。
こっちはなりたくて婚約者になった訳でもないのに、毎日毎日厳しい教育に耐えながら、他の令嬢のいじめに耐えながら過ごしているというのにーーーー。
この流れは何となく知っているアレじゃないか、と鈍い私でも何となく察してしまう。
そして、案の定ウィリアムズ殿下が口を開いた。
「ミリア・ハーランド公爵令嬢!王太子妃の婚約者でありながら不貞を働き、不貞の子を身籠った罪で、婚約破棄並びに国外追放を言い渡す!」
私はあまりの内容に唖然としてしまい、返す言葉も出なかった。
回りはざわつき、口々に何かを言っているようだが全く耳に入らない。
そして、そこには勝利の微笑みを浮かべる マーガレット様がいた。
(……なるほど!嵌めたのね……!)
もちろん不貞なんかしていない。
更に言うならば、今朝殿下の子を身籠ったことを知ったばかり、だ。
(……この子は殿下に襲われた日に出来た子なのに……!)
2ヶ月程前の夜会の日に、泥酔した殿下に押し倒され強引に襲われたあの日に……!!
(……マーガレット様がきっと魔法で記憶操作したのね…!)
影がいるから調べたらすぐに分かることなのにーー。
マーガレット様の言葉しか信じていないウィリアムズ殿下に何を言っても無駄だった。
「10年も婚約者であるわたくしよりも、マーガレット様を信じるのですね、殿下?」
「……当たり前だろう!愛するマーガレットと、冴えない君では比較するまでもない。一刻も早く書類にサインをして僕たちの前から消えてくれたまえ」
「……左様でごさまいますか。わたくしは、不貞など致しておりません!殿下、今調べもせずに婚約破棄されますと遠くない未来に後悔することになりますわ。それでもよろしいのでして?」
「……ああ構わない。後悔することもないだろう。君の後釜は心配しないで欲しい。マーガレットが立派に務めてくれると期待している。おまけに、マーガレットは、既に僕たちの子を身籠っている…!」
「……それでしたら致し方ありませんね……。畏まりました。不貞は認めませんが、婚約破棄致しましょう。殿下の有責で。そして今後一切、わたくしの回りに近づかないことを条件と致します……!」
婚約なんて破棄で結構……!
ただ、殿下の有責と接見禁止だけはゆずれなかった。
殿下はマーガレット様と余程一緒になりたかったのだろう。
その条件を飲み、私たちは無事婚約破棄をすることになった。
今回も婚約者である王太子のウィリアムズ殿下のエスコートなんてしてもらえないのは想定内。
だったけど……。
私の目の前には、婚約者であるウィリアムズ殿下と何故だか勝ち誇った表情で私を睨み付ける同じ公爵令嬢であるマーガレット様がいた。
マーガレット様は、同じ公爵令嬢でも噂では魔力持ちのため親戚筋から迎えられた養女らしく、何かにつけて私をライバル視し、私のモノを全て奪わなければ気が済まないようだった。
(……友達に、婚約者……)
はぁ……。
こっちはなりたくて婚約者になった訳でもないのに、毎日毎日厳しい教育に耐えながら、他の令嬢のいじめに耐えながら過ごしているというのにーーーー。
この流れは何となく知っているアレじゃないか、と鈍い私でも何となく察してしまう。
そして、案の定ウィリアムズ殿下が口を開いた。
「ミリア・ハーランド公爵令嬢!王太子妃の婚約者でありながら不貞を働き、不貞の子を身籠った罪で、婚約破棄並びに国外追放を言い渡す!」
私はあまりの内容に唖然としてしまい、返す言葉も出なかった。
回りはざわつき、口々に何かを言っているようだが全く耳に入らない。
そして、そこには勝利の微笑みを浮かべる マーガレット様がいた。
(……なるほど!嵌めたのね……!)
もちろん不貞なんかしていない。
更に言うならば、今朝殿下の子を身籠ったことを知ったばかり、だ。
(……この子は殿下に襲われた日に出来た子なのに……!)
2ヶ月程前の夜会の日に、泥酔した殿下に押し倒され強引に襲われたあの日に……!!
(……マーガレット様がきっと魔法で記憶操作したのね…!)
影がいるから調べたらすぐに分かることなのにーー。
マーガレット様の言葉しか信じていないウィリアムズ殿下に何を言っても無駄だった。
「10年も婚約者であるわたくしよりも、マーガレット様を信じるのですね、殿下?」
「……当たり前だろう!愛するマーガレットと、冴えない君では比較するまでもない。一刻も早く書類にサインをして僕たちの前から消えてくれたまえ」
「……左様でごさまいますか。わたくしは、不貞など致しておりません!殿下、今調べもせずに婚約破棄されますと遠くない未来に後悔することになりますわ。それでもよろしいのでして?」
「……ああ構わない。後悔することもないだろう。君の後釜は心配しないで欲しい。マーガレットが立派に務めてくれると期待している。おまけに、マーガレットは、既に僕たちの子を身籠っている…!」
「……それでしたら致し方ありませんね……。畏まりました。不貞は認めませんが、婚約破棄致しましょう。殿下の有責で。そして今後一切、わたくしの回りに近づかないことを条件と致します……!」
婚約なんて破棄で結構……!
ただ、殿下の有責と接見禁止だけはゆずれなかった。
殿下はマーガレット様と余程一緒になりたかったのだろう。
その条件を飲み、私たちは無事婚約破棄をすることになった。
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