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王都編 〜勉強する〜
182.おっさん、確認する
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ここ数日ずっと頭を使っていたから、今日の午前中は脳を休ませることにした。
流石に2日連続でSEXして体がだるいし睡眠も足りない。
でもシタいんだから仕方がない。
本当に俺の体はすっかり変わってしまったと自虐的に笑う。
ロイとディーに抱かれて、体の隅々まで曝け出して愛されて、トロトロにとかされてしまっていた。
ふわぁと大きな欠伸をして、隣に座っているディーの肩によりかかると、そのまま少しだけ、と目を閉じた。
午後に予定していたヴィンスが件の俳優を伴って王城を訪ねてきた。
俳優は一般人なので王宮や瑠璃宮に通すわけにもいかず、王城にある応接室を借りる。
各局で働く人達の中に混ざって現れた2人が執事に案内されて先に応接室に入った。
「大丈夫ですよ」
オドオドしている俳優に向かってヴィンスが微笑みかけるが、顔の半分を包帯で包んだ俳優は床を見たまま顔を上げることはなかった。
「お待たせいたしました」
応接室をノックし、キースがまず中に入ると、ソファに座っていたヴィンスが立ち上がり、それに倣うように俳優も慌てて立ち上がった。
「ディーゼル殿下」
キースに続いて入ってきたディーゼルにヴィンスが驚き、体を強張らせた。
「こんにちは、今日は聖女様の護衛としてここにいますので、そう固くならず」
ディーゼルが微笑み、ヴィンスがうやうやしく頭を下げた。
俳優も間近で見た第3王子の姿に、包帯に覆われていない目を見開いて呆然としていた。
「ヴィ、ヴィンス様…」
そしてはっきりと動揺して、隣に立つヴィンスの袖を引っ張っていた。
「こんにちは、ヴィンス様」
最後に応接室に入った翔平が深々と頭を下げる。
「聖女様」
途端にヴィンスの顔が嬉しそうに破顔し、急いで俺の前に近寄ると、その手を取って口付けてきた。
「この度は個人的な願いを聞き入れてくださり、誠にありがとうございます」
「いいえ、これが私の仕事でもありますからお気になさらず」
ニコリとヴィンスに向かって微笑み、その背後、ソファの前でガチガチに緊張して固まっている俳優を見る。
その俳優の姿を見て悲しそうに目を細めた。
あの時の舞台でシュウ役を演じていた俳優の顔を思い出す。だが、今は頭から左頬の下まで包帯が巻かれ、左目を完全に塞がれていた。右目のみでじっと俺を見ているが、その目はなんの希望もなく打ちひしがれていて、悲しみが宿ってどんよりとしていた。
「先日の舞台でシュウ役を務めた、ニールです」
ヴィンスに紹介されてニールが慌てて頭を下げる。
「ニールさん…」
その痛々しい包帯に眉を顰めながら彼に近づいた。
「先日、ヴィンス様と一緒にお芝居を拝見しました。とても感動して、涙が止まらなかった。素晴らしかったです」
ニールに近寄り、俺より少し背の低い彼と向き合うと、彼が片目だけでじっと俺を見つめ、その目が潤みつつ頬を染める。
「ニ、ニールと申します。よ、よろしく、お願いいたします」
震えた声でニールが言った。
その声はあの時舞台で聞いたシュウの声だった。
「こちらへどうぞ」
キースが応接室の壁際にあった椅子を持ってくると、応接ソファのそばに置き、ニールに座るように言った。
「包帯を取ってもよろしいですか」
言われるままに座ったニールに聞くと、彼がゆっくりと頷く。
キースが俺の代わりにゆっくり、丁寧に包帯を取って行く。
おそらく包帯をしたままでも治せるとは思う。だが、実際に怪我の状況を知った方がより早く治せる。
ハラリと包帯が解かれ、その顔の怪我が全員の前に晒された。
「なんて酷いことを…」
その傷に俺は顔を歪める。
ニールの左側の顔に大きな火傷の痕がケロイド状になって残っていた。焼きゴテを押し付けられ、焼け爛れた皮膚が赤黒く変色している。家畜に烙印を施すように、焼きゴテを何度も押し付けられたのだろう。おそらく左目も視力を失っており、その眼球が白く濁っていた。
パトロンであったウォルターが自分の庇護下から離れようとしたニールが2度と舞台に立てないように、顔を焼いたのだ。
よくもこんな酷いことを、と怒りが湧く。それと同時に絶対に治すと決意した。
「聖女様、いかがでしょうか」
不安気にヴィンスが聞いた。
「大丈夫です」
ヴィンスを振り返ってニコリと微笑むと、ニールに向き直る。
「ニールさん、治療しますね。ヒールをかけますから動かないでください」
オドオドしているニールを怖がらせないようにそっと両手を上げると、顔には触れずに、手を添えた。
ニールがギュッと目を閉じてこれから起こることに緊張して膝の上で両手を硬く握りしめたいた。
静かに魔力を解放して手に集中させた。
ポウッとと手のひらが熱くなる。
いつものように床から魔法陣が浮き上がるのではなく、手のひらの前に直接魔法陣が浮かび上がった。広範囲のヒールではないので、この方が効率的だ。
火傷と目を治す。元の状態に。
ただひたすらそれだけを願って魔力を高める。
「ヒール」
詠唱した瞬間、手のひらの魔法陣から白い光と金色の粒がニールの顔を包み込んで行く。
時間にしてほんの数秒。
目の前でニールの傷がみるみるうちに消えて行き、焼け爛れていた肌が正常になった。
「終わったよ。目を開けてみて」
ギュッと目を瞑ったままだったニールが俺に言われて恐る恐る目を開ける。
「なんと…」
ヴィンスが涙ぐんだ声で呟いた。
「見えます…」
「えっと…、鏡は…」
綺麗に治り元の姿になった顔を見せてあげたくて鏡を探すと、すかさずキースがスッと手鏡を差し出し、流石キース、と微笑みながら受け取る。そして彼の顔が映るように鏡を向けた。
「!」
ニールが、自分の顔を両手で触る。
鏡に映った自分の顔に、なんの傷痕も残っていないことを見て、触って確認していた。
その目から大粒の涙が溢れる.
「あ…あぁ…」
そのままニールが泣き崩れた。
ヴィンスが近寄ると泣いているニールの背中をそっと摩った。
「ありがとうございます。ありがとうございます…」
ニールが顔を両手で覆ったまま何度も礼を言う。
「ニールさん、また今度お芝居を見に行きます。頑張ってくださいね」
そうニールに声をかけると、泣きながらコクコクと頷き、顔をくしゃくしゃにして微笑んだ。
「聖女様、本当にありがとうございます」
ヴィンスが立ち上がり涙を拭って俺の手を握った。
「何か対価を…」
「いいえ、何もいりません。しいていうなら、また彼を舞台に立たせてあげてください。
芸術の会、応援しています」
ヴィンスに向かって微笑むと、ヴィンスがまたその目から涙をこぼした。
「聖女様…。ニールが復帰する舞台の招待状を送らせていただきます。ぜひいらしてください」
「はい。楽しみにしております」
ニコリと笑い、ヴィンスと握手を交わした。
「本当にありがとうございました」
帰り際にも何度も何度も礼を言われ、頭を下げられた。
それに対して会釈しつつ応接室から送り出す。
彼らが帰った後、ソファに座って一息つく。
「お疲れ様でした」
ディーが俺の隣に座り、肩を抱き寄せてそのまま俺の頭を引き寄せて撫でてくれる。
「大したもんだな。あの火傷を一瞬で」
オスカーが感心したように言った。
「聖女様ですからね」
それに対してディーがドヤ顔をし、なんでお前が威張るんだ、と笑った。
応接室を後にして、そのまま王城から王宮へ抜けて歩いている途中、アランに出会った。
「おお、いいところで会ったな」
ニコニコしながら近付いて来て、その手にあった手紙を見せてきた。
「来たぞ」
その言葉に、ジョン・ベルトラークからの手紙だと全員が察した。
「談話室に行こう」
そのまま全員で王宮1階にある談話室に向かい、アランが廊下を歩いていたメイドに、お茶を持ってくるように依頼した。
談話室に移動した後、メンバーが揃うまでしばし待つことになった。
サイファーにギルバート、フィッシャー、護衛騎士全員が到着するのを待つ間に、いるメンバーで手紙を回し読みする。
今度の手紙はいつもの報告書のようなものではなかった。
俺に食べられないものはあるか、どこか行きたい場所、見たいものはあるか、など、俺の嗜好を探るような内容のものだった。
そのデートの内容を決めようとしているかのような内容に首を傾げる。
食事だけではなかったのか、と思ってしまった。
しかも、食事する場所の記載はなく、代わりに待ち合わせする日時が記載されていた。
日時は3日後の11月14日。ヴィスタ・ウォールの商業区の中にあるモニュメントの前で10時となっていた。
「これって…」
「まんまデートの約束だな」
オスカーが苦笑し、ディーは明らかにムッとしていた。
先に談話室に来ていた全員が手紙を読み終わる頃、ロイ、ジャニス、アビゲイルが。少し遅れてギルバートとフィッシャーが。最後にサイファーがやってくる。
「困ったことになった」
最後に来たサイファーが開口一番に告げて同時に顔を顰めた。
「何が…?」
そう聞き返したが、まずは手紙を見せてくれ、とすぐにジョンからの手紙を受け取ると目を通す。
「そういうことか」
そして1人で納得したように呟く。
「どういうことですか?」
ディーが首を傾げた。
「ベルトラーク辺境伯が、今度のジョンとの逢瀬に護衛をつけるなと言ってきた」
「はぁ!?」
「えぇ!?」
護衛騎士達が声を上げた。
「なんでそんな話になるんだよ。聖女だぞ。国が守ると決めて護衛をつけてるんだろうが」
ロイが憤慨する。
「それだよ。辺境伯の方で聖女を護衛するから問題ないと」
「問題ありですよ!当然断りましたよね!?」
ディーも怒鳴る。
「……検討すると返事した」
それに対してサイファーがムゥと口を真横に結んだ。
「国で保護した以上、ショーヘイ君は公国の聖女です。護衛にあたって口を出す権利は当然辺境伯にもありますね」
ギルバートが静かに言う。
「でも!」
「要するに、国の重鎮である辺境伯お抱えの兵が護衛するから同じだろって意味だな」
アランもため息混じりに言った。
「同じなもんですか!私達と貴族の私兵と一緒にしないでほしいわ」
ジャニスも憤慨しする。
確かに俺の護衛は泣く子も黙る騎士団第1部隊の団員だ。辺境伯の兵士がどのくらい強いか知らないが、ジャニスが怒るのも頷ける。それだけ第1部隊は桁外れの強さを誇る特別な部隊だ。
「ジョンからの手紙の内容からして、食事だけではないな。
これは完全にデートだ。だから護衛をつけるなってことなのだろう」
「見合いをすっ飛ばしていきなりデートかよ」
オスカーも呆れるように言った。
そんなみんなのやり取りを聞いていたが、もしかするといいチャンスなのかもしれないと思った。
「辺境伯なのかジョンなのか、どっちの思惑なのかはわかんないけど、要するにデートの邪魔をされたくない、無粋な真似をするなってことなんだろうな」
独り言のように呟く。
「考えてみれば、護衛をつける理由が聖女だからってことだろ?
向こうにしたら、王族でも貴族でもない俺に護衛をつける、しかも国内でっていうことがおかしいと思うんじゃないか?」
俺の言葉に、数人がハッとした。
「今現時点で俺に護衛がついているのは、聖女を邪な目的で襲ってくる輩から守る、そして簒奪者や黒幕からも守るっていう意味だよな。
だけど、辺境伯は簒奪の件は知らないし、自分の息子が聖女を襲うなんて考えてもいないだろう」
確かにそうだ。翔平に護衛をつけているのは不埒な輩から聖女を守るという意味もあるが、一番大きな理由は、簒奪者側からの聖女暗殺を防ぐためだ。
だが、その大きな理由を知っているものは少ない。
「確かに…ショーヘイ君の言う通りだ。辺境伯は簒奪の件を知らない。単純にイライジャ・ルメールやジェローム・シギアーノのような輩から守るため、という認識だろう」
「ジョン・ベルトラークがアイツらみたいにショーヘーちゃんを狙ってるかもしれないじゃない」
アビゲイルが怒る。
「アビー、信用問題なんだよ」
怒っている全員に聞こえるように言った。
「辺境伯を疑っているのは王家と限られた人達だけで、もちろん本人も疑われているなんて知らないだろうよ。
だとしたら、辺境伯の話を断ることは、辺境伯を訝しんでいる、信用できないと言っているのと同じじゃないか?
ベルトラークは公国の高位貴族で、その働きは表面上何の問題もない」
俺の言葉にサイファーが頷いた。
「その通りだ。
ベルトラークをこっちから信用出来ないと言うのは極めて悪手なんだ」
腕を組み、困った、とため息をついた。
「それに、何か目的があって俺を誘ってきたと考えるなら、きっと王家側の出方を見てると思う。
もし、ベルトラークが簒奪者側なら、話を断った時点で、疑われていると気付くことになるだろうね」
言葉を区切り、全員が今のセリフを考えているようだった。
「つまりだ。油断させるってことか」
しばしの間の後、ロイが呟く。
「話を受けて護衛を外す理由にそれも含まれるよ。
逆を言えば、信用していると思わせた方が探りは入れやすいかもしれない」
そう言うと、ギルバートとフィッシャーがクスッと笑った。
「表立ってショーヘイ君を守ることは出来ないが、我々の存在を忘れてやしないかね?」
フィッシャーが不敵に笑う。
「それしかないんでしょうか…」
ディーが呟く。
当然、全員が護衛を外れるなら黒騎士を投入するしかないと分かっていた。
だが、それでも自分がそばで守れないというもどかしさが付き纏う。
「クソが。何を企んでやがるのか」
ロイが吐き捨てるように言い、ギルバートが笑う。
「ロイ、そばにいることだけがショーヘイ君を守ることではないんですよ」
そう言われてロイの眉間に皺が寄った。
「もどかしい気持ちはわかるが、今回は専属護衛を外すことにする」
サイファーが決断した。
「認識阻害を使って人知れず、とも思ったが完璧ではない。バレた時のことを考えると余計なことはしない方がいいだろう」
サイファーが組んでいた腕を外しフィッシャーに向き直る。
「ユリアとフィッシャーに人選は任せる。万全な警護を」
「かしこまりました。ショーヘイ君。必ず我々が守るよ」
「はい。よろしくお願いします」
フィッシャーにニコリと微笑みかけられて頷く。フィッシャーの言葉と笑顔だけでも充分に安心できた。
「俺たちは何も出来ねぇのか…」
ロイがボソリと呟いて、そのまま苦悶の表情で黙り込む。ディーも険しい顔になり、じっと何かを考えていた。
ジョンの話が終わり次の話題に移った。
「バシリオの目撃情報があった」
ベネット領北部の森林地帯で行方がわからなくなったバシリオが、同じ北部の街で目撃されたという情報が入ったとアランから報告される。
「従者2人と3人で行動していたらしい。とりあえず生存確認は出来たから、引き続き捜索して見つけ次第秘密裏に保護するつもりだ」
秘密裏にと聞いて、キドナの王太子による謀略を考えれば当然かと思った。
「今はまだキドナから何の音沙汰もない」
サイファーが続ける。
王子が行方不明になったというのに、何のアクションもないのはおかしい。ますます弟を暗殺しようとしていると疑いたくなる。
「国境警備兵によると、キドナからの入国が増えているそうだ。
表向きは王が病に倒れて行く末を案じた者や、内戦を恐れて国を捨て始めているらしい。もちろんバシリオを捜索する者、暗殺目的で入国している者もいるだろう」
「密入国も増えているだろうな。
昨日国軍の部隊を出発させたが、状況を見て追加する」
その報告を聞いて、心がざわついてしまう。
身近で戦争が起こるかもしれない。軍を動かすという状況に少しだけ恐怖を覚えた。
「とにかく今はバシリオを見つけることだな」
アランがため息混じりに言った。
「他に何かあるか?」
サイファーが全員を見渡して無言の返事をすると解散になった。
護衛が交代してアビゲイルとジャニスと3人で瑠璃宮に戻る。
キースはジョンへの返事の件で打ち合わせすると、サイファーとアランとともに王宮に留まった。
「ほんと腹立つわ。護衛がいらないってどういうことよ」
「国で保護した聖女様なのよ。私達が護衛して当然でしょ」
2人が道すがらぷりぷりと怒っているのを見て思わず笑う。
「ショーヘーちゃん、気をつけてね。娼館に入り浸るような男よ。デートなんて、絶対にその気があるに決まってるわ」
「そうよ。ギル様から貰った指輪、絶対に忘れないでね。
貞操は守らなきゃ駄目よ」
「娼館って言えばさ、今夜、オスカーがジョンの情報収集に行くって聞いた?」
2人に教えると、2人ともものすごい表情になった。
「全く…何考えてんのよ、あのおっさん」
「あれよ。経費で娼館に行けるって喜んだんじゃないの」
見抜かれてると、2人の言葉に笑う。
「まぁでも、オスカーならきっと上手く聞き出してくるんじゃないか?」
「まぁあれでも貴族出身だしね。黙ってればいい男だし」
「黙ってればね」
「うわ、ひどw」
「オスカーもいい人が出来ればいいのにな」
「ああ、それは無理よ」
ジャニスに即答された。
「なんで?」
首を傾げて2人を見る。
「ショーヘーちゃんだからいっか」
ジャニスとアビゲイルが顔を見合わせてクスッと笑う。
「オスカーも割と拗らせてんのよ」
ジャニスがニヤニヤしながら言い、あ、これは何かあるなと俺もニヤついてしまう。
「オスカーはね、隊長が好きなのよ」
「へぇ~…って、え!?」
アビゲイルがうふふふと含み笑いを漏らす。
そんな話をしている内に瑠璃宮に到着し、そのまま3階に上がって共有リヴィングで話の続きを聞く。
「オスカーがレインを!?」
「そうよぉ」
ダイニングの椅子に座り、お茶の用意をしながら聞き返した。
「オスカーってダリアと一緒に帝国から公国に来たことは知ってるでしょ?」
「ああ、うん。帝国騎士団から出向っていう形でこっちに来たって聞いてるよ」
トポポポとティーカップにお茶を注ぎながら言い、2人の前にお茶を置いた。
「ありがと。15年くらい前にこっちに来たんだけど、その時に一目惚れしたらしいわ」
「サイファーとダリアが結婚して一度は帝国に戻ったんだけど、帝国騎士を辞めるために戻ったのよ」
「そうそう、すぐにこっちにとんぼ返りしてきたの」
2人がおかしそうに笑う。
「レインはその事知ってるの?」
「もちろん、オスカーはちゃんと求婚したわよ。戻って数年間はそれこそ何度もね」
その当時の状況を見たかったと心から思った。想像すると顔がにやけてしまう。
イケオジのオスカーと美しいレイン。実に絵になると思う。
「レインの反応は?」
「それがねぇ…」
アビゲイルが苦笑する。
「レインってエルフでしょ?寿命が違い過ぎるって断ったのよね」
「あー…そっか…」
エルフと人族ではかなり寿命に差がある。数百年の違いはかなり大きい。
「レインはオスカーのことどう思ってるんだろ」
「それね…」
2人とも微妙な顔になる。
「レインもまんざらじゃないみたいよ」
「そうなのよ。割と2人でいい雰囲気になってる時もあるし、それこそSEXだってしてるしね」
「えー…」
その話に眉を顰めた。
それこそこの世界の価値観の違いが顕著に現れている話だと思った。
オスカーはレインに気があり、そういう行為もしているのに、娼館に行く事を嬉しそうにしていた。
性欲と愛がはっきり別であるという考えということだ。
「なんか複雑…」
文句のように口を尖らせて言うと、2人が笑う。
「ピュアなショーヘーちゃんには刺激が強かったかしら?」
ジャニスにニヤニヤしながら言われ、以前キースに言われた精神的処女という言葉を思い出して苦笑した。
「そっかぁ、オスカーも色々拗らせてんだなぁ…」
「まぁ、相手がレインじゃね」
そう言い声に出して笑った。
そんなオスカーの以外な一面を知って、ふと思い出す。
「そういえばさ…」
少しだけ言いづらそうに2人の顔を見た。
「なぁに?」
本当は本人に聞けばいいのだが、聞こうと思っているうちに時間が経ってしまって聞きづらくなってしまっている話を2人に聞く。
「ロイのことなんだけど…」
苦笑しながら話をする。
「ほら、狩猟祭でロイも求婚されただろ?セリオともう1人、帝国の伯爵に」
「ああ、そうね」
「シーグヴァルド伯爵ね」
「そう、その人。…その…ロイとはどういう関係なのかなって思って…。かなり年上だったし…」
話し方や態度と言い、親密な印象を受けた。しかも、求婚した時に、そっちの方でも満足させられる、と言った言葉がずっと引っかかっていたのだ。
想像するに、今から5年前に国外追放された時に何かあったんだろう、とは思う。その何かを、ロイの過去を知りたいと思った。
「そうね…ちょっと聞きづらいかもね」
アビゲイルが俺の気持ちを察してくれて、優しい目で微笑む。
「詳しくは知らないけど、ロイは一時期シーグヴァルド伯爵の所に居たみたいよ」
「それって、追放されて放浪の旅をしている時?」
「そうなるわね。
シーグヴァルド伯爵領には大きいダンジョンがあってね、多分、それが目的で行ったんだと思うわ」
戦闘狂のロイらしい、とジャニスが笑う。
「ロイとあの人って…、その…、そういう関係だったのかな…」
少しだけ声を落として、ティーカップのお茶を見つめながら聞いた。
そんな俺の質問に2人は苦笑する。
「…はっきりとは言えないけど、多分そうだと思うわ」
ジャニスが答えるが、じっと俺を心配そうに見つめる。
「そっか…。そうだよな。でなきゃあんなこと言わないよな…」
ハハハと乾いた笑いを漏らす。
「やっぱり気になるわよね」
「うん…まぁ…ね…。っていうかさ…、あの人とロイがそういう関係だったのなら、ロイはどっち側なのかなって考えちゃって…」
顔を真っ赤にしながらモゴモゴと呟くように聞く。
「どっち側?……あぁ…そういうことね…」
ジャニスが苦笑した。
「多分、どっちもよ。する側とされる側、両方」
アビゲイルの言葉にますます赤面した。
「そ、そうなるのか…?」
ロイと俺のSEXは、俺がされる側で、受け入れる側だ。それに対して今まであまり深く考えたことはなかった。
ロイを好きになって、SEXしたい、抱きたいと言われて自然に受け入れる形になった。決して俺に抱かれたいとは言わなかったから全くその気がないのはわかる。
最初は男に抱かれるという行為にかなり抵抗があったが、ロイを愛した結果そうなっただけで、特に不思議と思わずにいた。
だが、ロイとあの伯爵をセットで思い浮かべると、ロイがあの人を抱く姿が想像出来ない。むしろロイが受け入れる側じゃないのか、と思ってしまったのだ。
ロイも俺と同じように男に抱かれる姿を想像すると、とてつもなく違和感を覚えてしまう。
「でも、基本ロイは抱く側の性質よね」
ジャニスがアビゲイルに確認するように言い、アビゲイルもそうだと頷いた。
「あの伯爵もどっちかっていうと抱く側だと思うし、あっちの相性は合わないんじゃないかしら」
「そ、そっか…」
その言葉に少なからずホッとする。
この世界に男女の性差はない。愛した人を抱きたいのか、抱かれたいのか、その意識の違いがあるだけだ。
俺は…、ロイに抱かれたい。
その行為に慣れてしまったせいなのか、それとも俺自身が元々そういう性質を持っていたのか、と漠然と考えた。
「もしかして、ディーも受け身側の経験があるのかな…」
「そうね…多分だけど、あると思うわ」
ディーも、俺を抱きたいと言い、抱かれたいとは言わなかった。だからディーも基本は抱く側の性質なんだと思う。
「ちなみにあたしはどっちでもいいわね。相手によるかな。
もしあたしがショーヘーちゃんの相手をするなら、やっぱり抱きたいと思うわね」
ジャニスがフフッと笑い、そんなジャニスの言葉に耳まで真っ赤になる。
「そうね。あたしもそうかも」
女性であるアビゲイルにも言われて、えぇと驚いてしまった。
「俺って、そんなに受け身タイプ…?」
以前キースにも似たようなことを言われたのを思い出した。だが、その時は男が抱きたいと思う男である、という認識で、まさか女性からもそう思われているとは思わずに、小さなショックを受ける。
「ショーヘーちゃん、可愛いんだもの」
フフフと美人な2人に言われて、その可愛いというのは、俺の何を指しているのか突き詰めたくなる。
だが、墓穴を掘りそうなのでやめて深いため息をついた。
「俺って、そういう風に見られてるんだな…」
2人に言われて再認識した。
「そうね。自覚しないと駄目よ。
今度のジョンの件もあるし、危機感と自己防衛はしっかりしてね」
2人に真顔で言われ、うん、と頷いた。
その後3人で夕食を取り、寝不足のために早々にベッドに入る。
そして寝る前に先ほどの話を思い出す。
男女問わず、俺は抱きたいと思われるらしい。
何がそうさせているのかは、自分自身では全くわからないが、とにかくそうなのだ。
以前キースにも言われたし、2人にもしっかり身を守れと言われたことで、改めて認識をしっかりしなければ、と考えた。
そして、ふと思う。
俺は元の世界では女性を抱いていた。
ロイもディーも受け身側の経験がある。
2人を抱きたいと思うか。
そう考えて、2人を抱く自分を想像してみるが、全くピンと来なかった。
抱かれたいと思うが、抱きたいとは思わない。それが事実だ。
それと同様に、もし俺が2人を抱きたいと言ったら、どういう反応をするのだろうか。
そう思った途端、好奇心が俺の中にムクムクと湧き起こる。
ただの興味で、実際に抱きたいとは思わないが、近いうちに聞いてみようと心に決めた。
その時の2人の反応を想像して、1人でクスクスと笑いつつ、眠りに落ちていった。
流石に2日連続でSEXして体がだるいし睡眠も足りない。
でもシタいんだから仕方がない。
本当に俺の体はすっかり変わってしまったと自虐的に笑う。
ロイとディーに抱かれて、体の隅々まで曝け出して愛されて、トロトロにとかされてしまっていた。
ふわぁと大きな欠伸をして、隣に座っているディーの肩によりかかると、そのまま少しだけ、と目を閉じた。
午後に予定していたヴィンスが件の俳優を伴って王城を訪ねてきた。
俳優は一般人なので王宮や瑠璃宮に通すわけにもいかず、王城にある応接室を借りる。
各局で働く人達の中に混ざって現れた2人が執事に案内されて先に応接室に入った。
「大丈夫ですよ」
オドオドしている俳優に向かってヴィンスが微笑みかけるが、顔の半分を包帯で包んだ俳優は床を見たまま顔を上げることはなかった。
「お待たせいたしました」
応接室をノックし、キースがまず中に入ると、ソファに座っていたヴィンスが立ち上がり、それに倣うように俳優も慌てて立ち上がった。
「ディーゼル殿下」
キースに続いて入ってきたディーゼルにヴィンスが驚き、体を強張らせた。
「こんにちは、今日は聖女様の護衛としてここにいますので、そう固くならず」
ディーゼルが微笑み、ヴィンスがうやうやしく頭を下げた。
俳優も間近で見た第3王子の姿に、包帯に覆われていない目を見開いて呆然としていた。
「ヴィ、ヴィンス様…」
そしてはっきりと動揺して、隣に立つヴィンスの袖を引っ張っていた。
「こんにちは、ヴィンス様」
最後に応接室に入った翔平が深々と頭を下げる。
「聖女様」
途端にヴィンスの顔が嬉しそうに破顔し、急いで俺の前に近寄ると、その手を取って口付けてきた。
「この度は個人的な願いを聞き入れてくださり、誠にありがとうございます」
「いいえ、これが私の仕事でもありますからお気になさらず」
ニコリとヴィンスに向かって微笑み、その背後、ソファの前でガチガチに緊張して固まっている俳優を見る。
その俳優の姿を見て悲しそうに目を細めた。
あの時の舞台でシュウ役を演じていた俳優の顔を思い出す。だが、今は頭から左頬の下まで包帯が巻かれ、左目を完全に塞がれていた。右目のみでじっと俺を見ているが、その目はなんの希望もなく打ちひしがれていて、悲しみが宿ってどんよりとしていた。
「先日の舞台でシュウ役を務めた、ニールです」
ヴィンスに紹介されてニールが慌てて頭を下げる。
「ニールさん…」
その痛々しい包帯に眉を顰めながら彼に近づいた。
「先日、ヴィンス様と一緒にお芝居を拝見しました。とても感動して、涙が止まらなかった。素晴らしかったです」
ニールに近寄り、俺より少し背の低い彼と向き合うと、彼が片目だけでじっと俺を見つめ、その目が潤みつつ頬を染める。
「ニ、ニールと申します。よ、よろしく、お願いいたします」
震えた声でニールが言った。
その声はあの時舞台で聞いたシュウの声だった。
「こちらへどうぞ」
キースが応接室の壁際にあった椅子を持ってくると、応接ソファのそばに置き、ニールに座るように言った。
「包帯を取ってもよろしいですか」
言われるままに座ったニールに聞くと、彼がゆっくりと頷く。
キースが俺の代わりにゆっくり、丁寧に包帯を取って行く。
おそらく包帯をしたままでも治せるとは思う。だが、実際に怪我の状況を知った方がより早く治せる。
ハラリと包帯が解かれ、その顔の怪我が全員の前に晒された。
「なんて酷いことを…」
その傷に俺は顔を歪める。
ニールの左側の顔に大きな火傷の痕がケロイド状になって残っていた。焼きゴテを押し付けられ、焼け爛れた皮膚が赤黒く変色している。家畜に烙印を施すように、焼きゴテを何度も押し付けられたのだろう。おそらく左目も視力を失っており、その眼球が白く濁っていた。
パトロンであったウォルターが自分の庇護下から離れようとしたニールが2度と舞台に立てないように、顔を焼いたのだ。
よくもこんな酷いことを、と怒りが湧く。それと同時に絶対に治すと決意した。
「聖女様、いかがでしょうか」
不安気にヴィンスが聞いた。
「大丈夫です」
ヴィンスを振り返ってニコリと微笑むと、ニールに向き直る。
「ニールさん、治療しますね。ヒールをかけますから動かないでください」
オドオドしているニールを怖がらせないようにそっと両手を上げると、顔には触れずに、手を添えた。
ニールがギュッと目を閉じてこれから起こることに緊張して膝の上で両手を硬く握りしめたいた。
静かに魔力を解放して手に集中させた。
ポウッとと手のひらが熱くなる。
いつものように床から魔法陣が浮き上がるのではなく、手のひらの前に直接魔法陣が浮かび上がった。広範囲のヒールではないので、この方が効率的だ。
火傷と目を治す。元の状態に。
ただひたすらそれだけを願って魔力を高める。
「ヒール」
詠唱した瞬間、手のひらの魔法陣から白い光と金色の粒がニールの顔を包み込んで行く。
時間にしてほんの数秒。
目の前でニールの傷がみるみるうちに消えて行き、焼け爛れていた肌が正常になった。
「終わったよ。目を開けてみて」
ギュッと目を瞑ったままだったニールが俺に言われて恐る恐る目を開ける。
「なんと…」
ヴィンスが涙ぐんだ声で呟いた。
「見えます…」
「えっと…、鏡は…」
綺麗に治り元の姿になった顔を見せてあげたくて鏡を探すと、すかさずキースがスッと手鏡を差し出し、流石キース、と微笑みながら受け取る。そして彼の顔が映るように鏡を向けた。
「!」
ニールが、自分の顔を両手で触る。
鏡に映った自分の顔に、なんの傷痕も残っていないことを見て、触って確認していた。
その目から大粒の涙が溢れる.
「あ…あぁ…」
そのままニールが泣き崩れた。
ヴィンスが近寄ると泣いているニールの背中をそっと摩った。
「ありがとうございます。ありがとうございます…」
ニールが顔を両手で覆ったまま何度も礼を言う。
「ニールさん、また今度お芝居を見に行きます。頑張ってくださいね」
そうニールに声をかけると、泣きながらコクコクと頷き、顔をくしゃくしゃにして微笑んだ。
「聖女様、本当にありがとうございます」
ヴィンスが立ち上がり涙を拭って俺の手を握った。
「何か対価を…」
「いいえ、何もいりません。しいていうなら、また彼を舞台に立たせてあげてください。
芸術の会、応援しています」
ヴィンスに向かって微笑むと、ヴィンスがまたその目から涙をこぼした。
「聖女様…。ニールが復帰する舞台の招待状を送らせていただきます。ぜひいらしてください」
「はい。楽しみにしております」
ニコリと笑い、ヴィンスと握手を交わした。
「本当にありがとうございました」
帰り際にも何度も何度も礼を言われ、頭を下げられた。
それに対して会釈しつつ応接室から送り出す。
彼らが帰った後、ソファに座って一息つく。
「お疲れ様でした」
ディーが俺の隣に座り、肩を抱き寄せてそのまま俺の頭を引き寄せて撫でてくれる。
「大したもんだな。あの火傷を一瞬で」
オスカーが感心したように言った。
「聖女様ですからね」
それに対してディーがドヤ顔をし、なんでお前が威張るんだ、と笑った。
応接室を後にして、そのまま王城から王宮へ抜けて歩いている途中、アランに出会った。
「おお、いいところで会ったな」
ニコニコしながら近付いて来て、その手にあった手紙を見せてきた。
「来たぞ」
その言葉に、ジョン・ベルトラークからの手紙だと全員が察した。
「談話室に行こう」
そのまま全員で王宮1階にある談話室に向かい、アランが廊下を歩いていたメイドに、お茶を持ってくるように依頼した。
談話室に移動した後、メンバーが揃うまでしばし待つことになった。
サイファーにギルバート、フィッシャー、護衛騎士全員が到着するのを待つ間に、いるメンバーで手紙を回し読みする。
今度の手紙はいつもの報告書のようなものではなかった。
俺に食べられないものはあるか、どこか行きたい場所、見たいものはあるか、など、俺の嗜好を探るような内容のものだった。
そのデートの内容を決めようとしているかのような内容に首を傾げる。
食事だけではなかったのか、と思ってしまった。
しかも、食事する場所の記載はなく、代わりに待ち合わせする日時が記載されていた。
日時は3日後の11月14日。ヴィスタ・ウォールの商業区の中にあるモニュメントの前で10時となっていた。
「これって…」
「まんまデートの約束だな」
オスカーが苦笑し、ディーは明らかにムッとしていた。
先に談話室に来ていた全員が手紙を読み終わる頃、ロイ、ジャニス、アビゲイルが。少し遅れてギルバートとフィッシャーが。最後にサイファーがやってくる。
「困ったことになった」
最後に来たサイファーが開口一番に告げて同時に顔を顰めた。
「何が…?」
そう聞き返したが、まずは手紙を見せてくれ、とすぐにジョンからの手紙を受け取ると目を通す。
「そういうことか」
そして1人で納得したように呟く。
「どういうことですか?」
ディーが首を傾げた。
「ベルトラーク辺境伯が、今度のジョンとの逢瀬に護衛をつけるなと言ってきた」
「はぁ!?」
「えぇ!?」
護衛騎士達が声を上げた。
「なんでそんな話になるんだよ。聖女だぞ。国が守ると決めて護衛をつけてるんだろうが」
ロイが憤慨する。
「それだよ。辺境伯の方で聖女を護衛するから問題ないと」
「問題ありですよ!当然断りましたよね!?」
ディーも怒鳴る。
「……検討すると返事した」
それに対してサイファーがムゥと口を真横に結んだ。
「国で保護した以上、ショーヘイ君は公国の聖女です。護衛にあたって口を出す権利は当然辺境伯にもありますね」
ギルバートが静かに言う。
「でも!」
「要するに、国の重鎮である辺境伯お抱えの兵が護衛するから同じだろって意味だな」
アランもため息混じりに言った。
「同じなもんですか!私達と貴族の私兵と一緒にしないでほしいわ」
ジャニスも憤慨しする。
確かに俺の護衛は泣く子も黙る騎士団第1部隊の団員だ。辺境伯の兵士がどのくらい強いか知らないが、ジャニスが怒るのも頷ける。それだけ第1部隊は桁外れの強さを誇る特別な部隊だ。
「ジョンからの手紙の内容からして、食事だけではないな。
これは完全にデートだ。だから護衛をつけるなってことなのだろう」
「見合いをすっ飛ばしていきなりデートかよ」
オスカーも呆れるように言った。
そんなみんなのやり取りを聞いていたが、もしかするといいチャンスなのかもしれないと思った。
「辺境伯なのかジョンなのか、どっちの思惑なのかはわかんないけど、要するにデートの邪魔をされたくない、無粋な真似をするなってことなんだろうな」
独り言のように呟く。
「考えてみれば、護衛をつける理由が聖女だからってことだろ?
向こうにしたら、王族でも貴族でもない俺に護衛をつける、しかも国内でっていうことがおかしいと思うんじゃないか?」
俺の言葉に、数人がハッとした。
「今現時点で俺に護衛がついているのは、聖女を邪な目的で襲ってくる輩から守る、そして簒奪者や黒幕からも守るっていう意味だよな。
だけど、辺境伯は簒奪の件は知らないし、自分の息子が聖女を襲うなんて考えてもいないだろう」
確かにそうだ。翔平に護衛をつけているのは不埒な輩から聖女を守るという意味もあるが、一番大きな理由は、簒奪者側からの聖女暗殺を防ぐためだ。
だが、その大きな理由を知っているものは少ない。
「確かに…ショーヘイ君の言う通りだ。辺境伯は簒奪の件を知らない。単純にイライジャ・ルメールやジェローム・シギアーノのような輩から守るため、という認識だろう」
「ジョン・ベルトラークがアイツらみたいにショーヘーちゃんを狙ってるかもしれないじゃない」
アビゲイルが怒る。
「アビー、信用問題なんだよ」
怒っている全員に聞こえるように言った。
「辺境伯を疑っているのは王家と限られた人達だけで、もちろん本人も疑われているなんて知らないだろうよ。
だとしたら、辺境伯の話を断ることは、辺境伯を訝しんでいる、信用できないと言っているのと同じじゃないか?
ベルトラークは公国の高位貴族で、その働きは表面上何の問題もない」
俺の言葉にサイファーが頷いた。
「その通りだ。
ベルトラークをこっちから信用出来ないと言うのは極めて悪手なんだ」
腕を組み、困った、とため息をついた。
「それに、何か目的があって俺を誘ってきたと考えるなら、きっと王家側の出方を見てると思う。
もし、ベルトラークが簒奪者側なら、話を断った時点で、疑われていると気付くことになるだろうね」
言葉を区切り、全員が今のセリフを考えているようだった。
「つまりだ。油断させるってことか」
しばしの間の後、ロイが呟く。
「話を受けて護衛を外す理由にそれも含まれるよ。
逆を言えば、信用していると思わせた方が探りは入れやすいかもしれない」
そう言うと、ギルバートとフィッシャーがクスッと笑った。
「表立ってショーヘイ君を守ることは出来ないが、我々の存在を忘れてやしないかね?」
フィッシャーが不敵に笑う。
「それしかないんでしょうか…」
ディーが呟く。
当然、全員が護衛を外れるなら黒騎士を投入するしかないと分かっていた。
だが、それでも自分がそばで守れないというもどかしさが付き纏う。
「クソが。何を企んでやがるのか」
ロイが吐き捨てるように言い、ギルバートが笑う。
「ロイ、そばにいることだけがショーヘイ君を守ることではないんですよ」
そう言われてロイの眉間に皺が寄った。
「もどかしい気持ちはわかるが、今回は専属護衛を外すことにする」
サイファーが決断した。
「認識阻害を使って人知れず、とも思ったが完璧ではない。バレた時のことを考えると余計なことはしない方がいいだろう」
サイファーが組んでいた腕を外しフィッシャーに向き直る。
「ユリアとフィッシャーに人選は任せる。万全な警護を」
「かしこまりました。ショーヘイ君。必ず我々が守るよ」
「はい。よろしくお願いします」
フィッシャーにニコリと微笑みかけられて頷く。フィッシャーの言葉と笑顔だけでも充分に安心できた。
「俺たちは何も出来ねぇのか…」
ロイがボソリと呟いて、そのまま苦悶の表情で黙り込む。ディーも険しい顔になり、じっと何かを考えていた。
ジョンの話が終わり次の話題に移った。
「バシリオの目撃情報があった」
ベネット領北部の森林地帯で行方がわからなくなったバシリオが、同じ北部の街で目撃されたという情報が入ったとアランから報告される。
「従者2人と3人で行動していたらしい。とりあえず生存確認は出来たから、引き続き捜索して見つけ次第秘密裏に保護するつもりだ」
秘密裏にと聞いて、キドナの王太子による謀略を考えれば当然かと思った。
「今はまだキドナから何の音沙汰もない」
サイファーが続ける。
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「国境警備兵によると、キドナからの入国が増えているそうだ。
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「密入国も増えているだろうな。
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その報告を聞いて、心がざわついてしまう。
身近で戦争が起こるかもしれない。軍を動かすという状況に少しだけ恐怖を覚えた。
「とにかく今はバシリオを見つけることだな」
アランがため息混じりに言った。
「他に何かあるか?」
サイファーが全員を見渡して無言の返事をすると解散になった。
護衛が交代してアビゲイルとジャニスと3人で瑠璃宮に戻る。
キースはジョンへの返事の件で打ち合わせすると、サイファーとアランとともに王宮に留まった。
「ほんと腹立つわ。護衛がいらないってどういうことよ」
「国で保護した聖女様なのよ。私達が護衛して当然でしょ」
2人が道すがらぷりぷりと怒っているのを見て思わず笑う。
「ショーヘーちゃん、気をつけてね。娼館に入り浸るような男よ。デートなんて、絶対にその気があるに決まってるわ」
「そうよ。ギル様から貰った指輪、絶対に忘れないでね。
貞操は守らなきゃ駄目よ」
「娼館って言えばさ、今夜、オスカーがジョンの情報収集に行くって聞いた?」
2人に教えると、2人ともものすごい表情になった。
「全く…何考えてんのよ、あのおっさん」
「あれよ。経費で娼館に行けるって喜んだんじゃないの」
見抜かれてると、2人の言葉に笑う。
「まぁでも、オスカーならきっと上手く聞き出してくるんじゃないか?」
「まぁあれでも貴族出身だしね。黙ってればいい男だし」
「黙ってればね」
「うわ、ひどw」
「オスカーもいい人が出来ればいいのにな」
「ああ、それは無理よ」
ジャニスに即答された。
「なんで?」
首を傾げて2人を見る。
「ショーヘーちゃんだからいっか」
ジャニスとアビゲイルが顔を見合わせてクスッと笑う。
「オスカーも割と拗らせてんのよ」
ジャニスがニヤニヤしながら言い、あ、これは何かあるなと俺もニヤついてしまう。
「オスカーはね、隊長が好きなのよ」
「へぇ~…って、え!?」
アビゲイルがうふふふと含み笑いを漏らす。
そんな話をしている内に瑠璃宮に到着し、そのまま3階に上がって共有リヴィングで話の続きを聞く。
「オスカーがレインを!?」
「そうよぉ」
ダイニングの椅子に座り、お茶の用意をしながら聞き返した。
「オスカーってダリアと一緒に帝国から公国に来たことは知ってるでしょ?」
「ああ、うん。帝国騎士団から出向っていう形でこっちに来たって聞いてるよ」
トポポポとティーカップにお茶を注ぎながら言い、2人の前にお茶を置いた。
「ありがと。15年くらい前にこっちに来たんだけど、その時に一目惚れしたらしいわ」
「サイファーとダリアが結婚して一度は帝国に戻ったんだけど、帝国騎士を辞めるために戻ったのよ」
「そうそう、すぐにこっちにとんぼ返りしてきたの」
2人がおかしそうに笑う。
「レインはその事知ってるの?」
「もちろん、オスカーはちゃんと求婚したわよ。戻って数年間はそれこそ何度もね」
その当時の状況を見たかったと心から思った。想像すると顔がにやけてしまう。
イケオジのオスカーと美しいレイン。実に絵になると思う。
「レインの反応は?」
「それがねぇ…」
アビゲイルが苦笑する。
「レインってエルフでしょ?寿命が違い過ぎるって断ったのよね」
「あー…そっか…」
エルフと人族ではかなり寿命に差がある。数百年の違いはかなり大きい。
「レインはオスカーのことどう思ってるんだろ」
「それね…」
2人とも微妙な顔になる。
「レインもまんざらじゃないみたいよ」
「そうなのよ。割と2人でいい雰囲気になってる時もあるし、それこそSEXだってしてるしね」
「えー…」
その話に眉を顰めた。
それこそこの世界の価値観の違いが顕著に現れている話だと思った。
オスカーはレインに気があり、そういう行為もしているのに、娼館に行く事を嬉しそうにしていた。
性欲と愛がはっきり別であるという考えということだ。
「なんか複雑…」
文句のように口を尖らせて言うと、2人が笑う。
「ピュアなショーヘーちゃんには刺激が強かったかしら?」
ジャニスにニヤニヤしながら言われ、以前キースに言われた精神的処女という言葉を思い出して苦笑した。
「そっかぁ、オスカーも色々拗らせてんだなぁ…」
「まぁ、相手がレインじゃね」
そう言い声に出して笑った。
そんなオスカーの以外な一面を知って、ふと思い出す。
「そういえばさ…」
少しだけ言いづらそうに2人の顔を見た。
「なぁに?」
本当は本人に聞けばいいのだが、聞こうと思っているうちに時間が経ってしまって聞きづらくなってしまっている話を2人に聞く。
「ロイのことなんだけど…」
苦笑しながら話をする。
「ほら、狩猟祭でロイも求婚されただろ?セリオともう1人、帝国の伯爵に」
「ああ、そうね」
「シーグヴァルド伯爵ね」
「そう、その人。…その…ロイとはどういう関係なのかなって思って…。かなり年上だったし…」
話し方や態度と言い、親密な印象を受けた。しかも、求婚した時に、そっちの方でも満足させられる、と言った言葉がずっと引っかかっていたのだ。
想像するに、今から5年前に国外追放された時に何かあったんだろう、とは思う。その何かを、ロイの過去を知りたいと思った。
「そうね…ちょっと聞きづらいかもね」
アビゲイルが俺の気持ちを察してくれて、優しい目で微笑む。
「詳しくは知らないけど、ロイは一時期シーグヴァルド伯爵の所に居たみたいよ」
「それって、追放されて放浪の旅をしている時?」
「そうなるわね。
シーグヴァルド伯爵領には大きいダンジョンがあってね、多分、それが目的で行ったんだと思うわ」
戦闘狂のロイらしい、とジャニスが笑う。
「ロイとあの人って…、その…、そういう関係だったのかな…」
少しだけ声を落として、ティーカップのお茶を見つめながら聞いた。
そんな俺の質問に2人は苦笑する。
「…はっきりとは言えないけど、多分そうだと思うわ」
ジャニスが答えるが、じっと俺を心配そうに見つめる。
「そっか…。そうだよな。でなきゃあんなこと言わないよな…」
ハハハと乾いた笑いを漏らす。
「やっぱり気になるわよね」
「うん…まぁ…ね…。っていうかさ…、あの人とロイがそういう関係だったのなら、ロイはどっち側なのかなって考えちゃって…」
顔を真っ赤にしながらモゴモゴと呟くように聞く。
「どっち側?……あぁ…そういうことね…」
ジャニスが苦笑した。
「多分、どっちもよ。する側とされる側、両方」
アビゲイルの言葉にますます赤面した。
「そ、そうなるのか…?」
ロイと俺のSEXは、俺がされる側で、受け入れる側だ。それに対して今まであまり深く考えたことはなかった。
ロイを好きになって、SEXしたい、抱きたいと言われて自然に受け入れる形になった。決して俺に抱かれたいとは言わなかったから全くその気がないのはわかる。
最初は男に抱かれるという行為にかなり抵抗があったが、ロイを愛した結果そうなっただけで、特に不思議と思わずにいた。
だが、ロイとあの伯爵をセットで思い浮かべると、ロイがあの人を抱く姿が想像出来ない。むしろロイが受け入れる側じゃないのか、と思ってしまったのだ。
ロイも俺と同じように男に抱かれる姿を想像すると、とてつもなく違和感を覚えてしまう。
「でも、基本ロイは抱く側の性質よね」
ジャニスがアビゲイルに確認するように言い、アビゲイルもそうだと頷いた。
「あの伯爵もどっちかっていうと抱く側だと思うし、あっちの相性は合わないんじゃないかしら」
「そ、そっか…」
その言葉に少なからずホッとする。
この世界に男女の性差はない。愛した人を抱きたいのか、抱かれたいのか、その意識の違いがあるだけだ。
俺は…、ロイに抱かれたい。
その行為に慣れてしまったせいなのか、それとも俺自身が元々そういう性質を持っていたのか、と漠然と考えた。
「もしかして、ディーも受け身側の経験があるのかな…」
「そうね…多分だけど、あると思うわ」
ディーも、俺を抱きたいと言い、抱かれたいとは言わなかった。だからディーも基本は抱く側の性質なんだと思う。
「ちなみにあたしはどっちでもいいわね。相手によるかな。
もしあたしがショーヘーちゃんの相手をするなら、やっぱり抱きたいと思うわね」
ジャニスがフフッと笑い、そんなジャニスの言葉に耳まで真っ赤になる。
「そうね。あたしもそうかも」
女性であるアビゲイルにも言われて、えぇと驚いてしまった。
「俺って、そんなに受け身タイプ…?」
以前キースにも似たようなことを言われたのを思い出した。だが、その時は男が抱きたいと思う男である、という認識で、まさか女性からもそう思われているとは思わずに、小さなショックを受ける。
「ショーヘーちゃん、可愛いんだもの」
フフフと美人な2人に言われて、その可愛いというのは、俺の何を指しているのか突き詰めたくなる。
だが、墓穴を掘りそうなのでやめて深いため息をついた。
「俺って、そういう風に見られてるんだな…」
2人に言われて再認識した。
「そうね。自覚しないと駄目よ。
今度のジョンの件もあるし、危機感と自己防衛はしっかりしてね」
2人に真顔で言われ、うん、と頷いた。
その後3人で夕食を取り、寝不足のために早々にベッドに入る。
そして寝る前に先ほどの話を思い出す。
男女問わず、俺は抱きたいと思われるらしい。
何がそうさせているのかは、自分自身では全くわからないが、とにかくそうなのだ。
以前キースにも言われたし、2人にもしっかり身を守れと言われたことで、改めて認識をしっかりしなければ、と考えた。
そして、ふと思う。
俺は元の世界では女性を抱いていた。
ロイもディーも受け身側の経験がある。
2人を抱きたいと思うか。
そう考えて、2人を抱く自分を想像してみるが、全くピンと来なかった。
抱かれたいと思うが、抱きたいとは思わない。それが事実だ。
それと同様に、もし俺が2人を抱きたいと言ったら、どういう反応をするのだろうか。
そう思った途端、好奇心が俺の中にムクムクと湧き起こる。
ただの興味で、実際に抱きたいとは思わないが、近いうちに聞いてみようと心に決めた。
その時の2人の反応を想像して、1人でクスクスと笑いつつ、眠りに落ちていった。
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