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キドナ編 〜さらなる考察とバシリオの救出〜
219.おっさん、世界を知る
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11月25日。襲撃から6日目。ロイが発って3日が経った。
翔平は王宮の図書室の奥で、本に囲まれていた。
奥にある執務室にあるような重厚な机に、何時間座ってもお尻が痛くならない座り心地の良い椅子。
机の上には何冊も本が積み重ねられており、俺は一冊の分厚くて大きな本を開いて勉強していた。
何かしていないと落ち着かない。
ロイが心配で堪らず、心が不安に蝕まれてしまいそうになる。
なるべく不安を表に出さないように気を付けてはいるのだが、ふとした拍子に俯いてしまうし、ため息が多くなっていると、自分でもわかっていた。
昨日11月24日、ジョンが退院し、辺境伯とシアと共に王への謁見を済ませた後、ディーが3人を連れて瑠璃宮に来てくれた。
ジョンはすっかり顔色も良くなり元の姿に戻っていて、ホッと一安心する。
「聖女様、此度は誠に申し訳なかった。
愚息のせいで御身を危険に晒したばかりか、命を賭して息子を救ってくださるなど…。
心よりお礼を…」
「辺境伯様、お止めください」
土下座しようとしたショーンの肩と腕に触れて起き上がらせようとすると、俺の右手を両手で握り、下からじっと見つめられる。
「このご恩、一生涯忘れません。ベルトラーク家の忠義は、王家と聖女様に捧げる所存です」
ショーンが真剣に言うと、その背後にジョンとシアが俺に跪く。
「聖女様に忠誠を誓います」
ショーンが俺の手に口付け、祈るように額に押し付けた後、再び口付ける。
「あの…」
そんな行為は初めてで狼狽えてしまい、ディーとキースを交互に見て助けを求める。
「受け入れてください」
キースに笑顔で言われるが、返事に困ってしまった。
「ぁ…ゆ、許します…」
忠誠心に対する答え方がわからなかったが、咄嗟に思いついた言葉を言ってしまった。果たしてその言葉が正解かどうかがわからず、焦りながらディーとキースを再び見ると、2人とも笑顔で頷いてくれ、言葉が正解だったとホッとする。
ショーンがニコリと嬉しそうに微笑むと、ゆっくりと立ち上がる。
2mを超える身長に、俺はその顔を見上げた。頭の上で丸い熊耳がピコピコと動いているのを見て、可愛い、と思ってしまった。
ベルトラーク家は黒幕とは全くの無関係であり、かつ王家への絶対的な忠誠心を持っている。
辺境伯という特別な爵位を受けた時から、ベルトラーク家は国のため、領民のためと、実直で献身的な姿勢を貫いていた。
レイブンはそんなショーンを無条件で信頼することに決め、ショーンに現状を全てを話した。
王家を貶めんとし暗躍する何者かを探していること。ベルトラーク家を疑っていたことも、洗いざらい正直に打ち明けた。
話した上で協力を求め、王家に対しての誹謗中傷の噂の調査を依頼した。
ショーン自身、何度か王家に対して議会内で反目し、苦言を呈している。それに至った経緯を改めて思い出して報告してほしいと言うと、じっと話を聞いていたショーンは、眉間に皺を寄せ、何かを思い出すような素振りを見せた。
「王よ。よくぞ話してくださった。
疑いの目を向けるのは当然だろう。ワシも何度か王家に不信感を抱いたこともある。
今思えば、若干腑に落ちない点があったのは事実だが、その時はこういうこともあるだろうとやり過ごしたが…。
今の話を聞くと、ワシが得た情報も、その何者かが落とした種ということになるのだな…」
すっかり利用されていた、とショーンは悔しそうに顔を顰めた。
「領地に戻り調べた上で、人を介さずにワシ自ら報告に来よう。
ジョンとシアを尋ねるという形ならば、何度来ても怪しまれることはない」
笑いながら言いつつも、すぐに真顔になるとレイブンに頭を下げた。
「どうか、2人をよろしく頼む。守ってやってくだされ」
「うむ。
ショーン、巻き込んで申し訳ないな」
「何をおっしゃる。王家に仇なす者はワシの敵でもある。
臣下として、忠義を示す絶好の機会だ」
武人としての笑顔を見せ、レイブンも騎士の顔で笑った。
「話は変わるが、ショーン…」
レイブンがニヤリと悪戯を考えた子供のように笑う。
「全て片付いたら…。ワシもダンジョンに連れてってくれんか」
王の執務室で、2人だけで話しているのに、こそっと内緒話をするかのように言ったレイブンの言葉に、ショーンが目を丸くした後声に出して笑った。
「なかなかに暴れられる機会がなくてなぁ…。
あ、息子達には内緒でな。言ったら絶対に止められる」
「いいでしょう。その時は一緒に」
ショーンが笑いながら答える。
それから2人でダンジョンの魔物や戦術について語り合い、笑い合った。
ジョンとシアは保護という形で王城に留まることになるが、表向きは勉強のためと公表した。
ジョンは騎士団第1部隊に仮登録され、官舎に部屋を与えられた。今後は戦闘訓練や護衛術、戦略や戦術を学ぶ。
シアは男娼という職業柄、その顔を知っている者もいるだろう。だが、そこは髪色を変えて他人の空似で通すことになった。
表向きは他国貴族の私生児で、辺境伯に預けられていたという素性をでっち上げ、ジョンと同じく騎士団官舎で、使用人として働くことになった。
だが、シアの能力を官舎の使用人にしておくには惜しいと、ダリアとユリアがシアを欲しがり、文官としての教育も受けることになった。
2人とも騎士団官舎に部屋を与えられたのは、事情を知る第1部隊の騎士達が居て、2人の護衛のためでもある。
「今度遊びに行くから」
瑠璃宮を後にする3人を玄関まで見送り、ジョンとシアに笑顔で言った。
「またお茶しよう」
シアに笑いかけると、シアは泣きそうな顔をしながらも嬉しそうに笑う。
もっと話したいと思ったのは本心だ。
小難しい話は抜きにして、他愛のない話をしたい。茶飲み友達になって欲しい。
そう心から願った。
そして今日になって、俺は王宮図書室に篭っている。
襲撃の時、心停止した時に、無意識下で俺は俺に出会った。
今でもはっきりと覚えている。
そして、俺の姿をした何者とは、あれが初対面ではないとも認識した。
いつどこで会ったのかは思い出せないが、心停止した時のことを考えれば、きっと意識を失って昏倒した時だろうと思った。
奴は、俺を呼んだ、と言った。
俺をこの世界に呼び、やってもらいたいことがあると、はっきりとそう言った。
「これってやっぱり召喚ってことになるのか…?」
漫画やアニメで見た、異世界召喚ものを思い出す。
いきなり魔法陣に包まれて、気がついたら異世界。
だが、俺がこの世界に来た時は、魔法陣もなければ、ただ階段を降りていただけだ。降り切った先がこの世界だった。
俺はもう一度ここへ来た時のことを思い出そうとする。
飛び込み営業に出て、古い神社を見つけたから参拝して、上がってきた階段を降りただけ。
目を閉じてあの時の事を考えていると、そういえば、強い光に目を閉じたことを思い出した。
「あの光が、いわゆる召喚魔法的な?」
それが正解なら、俺は誰かにこの世界に召喚されたことになる?
誰が?
何の目的で?
「召喚したなら、その目的くらい教えろよな」
突然呼ばれて、何も目的も告げられず、放り出される身にもなってみろと、ブツブツと文句を呟く。
開いていた分厚い本、魔導書を閉じるとはぁと息を吐いた。
さっきから、魔法について調べていた。
召喚魔法というものが存在するのかどうか、たくさんの魔導書を見て、それらしい魔法を探していたのだが、見つけることは出来なかった。
そもそも、魔法というものがいまだに腑に落ちない。
魔素が体内で変換されて魔力になり、魔力を体外に放出する手段が魔法。
なぜイメージだけで魔法が生み出されるのか。
なぜ魔法を使うと勝手に魔法陣が浮かび上がるのか。
あの魔法陣はどこから出てくるのか。
魔法陣が浮かぶ魔法と、そうではない魔法の違いは何なのか。
スクロールに描かれた魔法陣と、浮かび上がる魔法陣は同じものなのか。
考えれば考えるほどわからない。
理解も納得も出来ない。
やはり、魔法に詳しい先生が欲しい。
頭の中にロマが思い浮かび、時間取ってくれるかな、と考えた。
席を立つと、持ってきた魔導書を両手に抱え棚に戻して行く。
そして、魔法関連書籍の棚を眺めながら、考える。
俺が呼ばれた理由を知りたい。
俺はこの世界で何をすればいいんだろう。
俺が俺であればいい、とはどういう意味なんだろうか。
そんな事を考えながら本棚の間を歩き、いつのまにか魔法関連の棚から、歴史関連の棚へと移動していた。
以前にも見た公国の歴史書が棚を埋め尽くしているが、棚が変わると、帝国を始めとした諸外国の歴史書も揃っていることに気付いた。
「……」
そして、国の歴史については少し学んだが、この世界そのものの歴史については何も勉強していないことに気付いた。
ロマからこの世界の成り立ちは聞いた。だが、それは神話であり、空想や虚構の域だ。
元の世界にもあったように、地球史のような、この世界の種族が生まれる前の太古の歴史はないのかと閃いた。
そもそも、この世界は地球のような宇宙に浮かぶ星の一つなんだろうか、とその原点が知りたくなる。
国の歴史書の棚を抜け、自然科学とか地理学、生物学、人類史、とかいうジャンルだろうか、と考えつくジャンルを探したが見当たらない。
あっちに行ったり、こっちに行ったり、くまなく探し回った。
「ショーヘイさん?何か探してるんですか?」
本を戻しに行った翔平がいつまでも席に戻って来ないので、一緒に居たキースが俺を探しに来た。
「キース、教えて」
俺はキースに探している本を伝えた。
「世界の歴史…?」
「ああ。国とか人とかじゃなくて、この世界そのものの歴史書ってないのか?」
俺の質問にキースは首を傾げると、あれのことかな、と案内してくれた。
だが、そこは世界創造の神話の棚だった。
「いや、これじゃなくて…」
上手く伝えられないことに悩む。
もしかして、この世界では人類が誕生してからのことしか記録がないのか、と不安になる。
キースがミルコ女史に聞いてみましょう、と言ってくれた。
図書室の入口にいるミルコの元へ向かうと話しかける。
「ミルコ女史、聖女様が読みたい本があるそうなのですが…」
キースが問いかけると、ミルコは嬉しそうに俺を見て、読んでいた本を閉じた。
「どのような本をご所望でしょうか?」
「この世界そのものの歴史書を読みたいんです」
「…世界?」
「世界創造の話ではないようで…」
キースが翔平の言いたいことが理解出来ず、残念そうな表情を浮かべた。
「種族が生まれる前、というか、その種族がどうやって生まれたのか。
人の姿に進化する前の世界の話です」
進化という言葉を出すと、キースもようやっと理解したらしい。
「ああ、なるほど。世界の歴史ですね」
ニコリとキースが微笑み、ミルコも理解して、こちらです、と案内してくれた。
ミルコが案内してくれたのは、俺が探していた棚よりも、もっと奥深くで、一応棚続きではあるが、日の光も届かない暗い場所だった。
「あまりこちらは利用されることがないので…」
ミルコが苦笑しながら言いつつ、魔鉱ランプに灯を灯すと、棚に近づけた。
「聖女様は種族史に興味がおありなんですか?」
種族史と聞いて、人族だけじゃないもんな、と納得した。
「ええ、まぁ。
それと、種族が生まれる前の世界にも興味があります」
「それでしたら古代史かしら」
ミルコが数冊の本を取り出して渡してくれる。
パラパラとその本の目次を見ると、まさに俺が探していた本だと、ニコリと笑った。
ミルコからランプを受け取り、棚に並んだ書籍の背表紙をじっくりと眺める。
「聖女様は本当に勉強熱心ですわね。本達も喜んでおりますわ」
本の気持ちを代弁するかのように語るミルコに微笑むと、数冊の本を選んで、席へと戻った。
俺が迷い込んだ世界は、ガイアーステラと呼ばれていることを初めて知った。
さらに、宇宙の存在、星の概念、太陽系、銀河系、恒星である太陽、惑星、衛星が存在し、この世界が地球と同じような環境で、惑星の一つであることを知った。
その事実に驚き興奮さえ覚える。
「私も詳しくは教えられていませんが、私達が住むガイアーステラは、太陽を中心にその周りを巡る星の一つです。
朝と夜、四季も太陽との位置関係や向きによって生まれると教わりました」
キースがギルバートから学んだと知っていることを教えてくれる。
「月は、ガイアーステラの周囲を回ってるんだろ?」
「そうです。よくご存知ですね」
キースが驚いたように目を丸くした。
「俺のが居た世界でも同じだったから。
太陽と月があった。本当に全く同じなんだ」
「そうなんですか…」
感心したようにキースは頷き、俺は考える。
見たことのある異世界漫画やアニメでは、太陽や月が複数あったり、色が違ったり、全くの別世界だった。
おそらくそういう作り話でも、作者が考える宇宙や太陽系といった基本概念はそのままなんだと思う。
だが、俺が迷い込んだこの世界は、地球と全く同じだったことに、少なからず親近感を覚え嬉しくなった。
だが、キースの話によると、ガイアーステラという星について知っているものは少なく、神話の世界創造の話の方がこの世の常識で、一般的だと言う。
それを聞いて、まぁ知らなくても生活には全く影響ないしな、と笑ってしまった。
ミルコに許可を貰い、ガイアーステラ史と種族史、古代史を数冊を瑠璃宮に貸し出してもらうことにした。
キースが王宮の執事に依頼し、後ほど届けてもらうことにする。
俺を召喚?した奴の目的を考えていて、路線はズレてしまったが、無駄にはならないだろうと、奴については改めて考えようと思いつつ瑠璃宮に戻った。
瑠璃宮に戻ってしばらくすると、護衛の交代で、ディーとオスカーがやってきた。
入れ違いに、今日の担当だったフィンとオリヴィエが官舎に戻って行くが、その前にディーから報告があった。
「黒経由でロイから連絡がありました」
ロイの名前を聞いて、俺は無意識に笑顔になった。だが、ディーは俺が喜ぶ姿を見て申し訳なさそうにしたので、笑顔から不安げな表情に変わる。
「今日、グロスターに到着したそうですが、今後、定期連絡を控えると…」
「え…」
「黒幕がロイ達の動向を察知している可能性を考慮し、無用な連絡を避け情報漏洩を防ぐためだ」
オスカーが説明し、俺はすぐに納得した。
情報戦に長けた黒幕なら、ロイ達が王都を出た情報はすでに得ているだろう。その目的がバシリオ救出であることも、察しているはず。
黒幕が察知してナイゼルに情報を渡せば、すぐに暗殺者を寄越すだろう。
ロイ達の居場所を突き止められないように偽情報を流し、混乱させるのが必須であり重要になってくる。
「ロイ達は建前上、キドナとの国境警備の視察と状況確認に向かったことになっています」
「砦にいるローガンにもロイが行くと伝えて口裏を合わせている…」
オスカーが続きを言おうとして飲み込んだ。
黒幕相手にどこまで通用するか…。
翔平を不安にさせる言葉は控えた。
「そっか…。仕方ないよな。
大丈夫。ロイのことだから、きっと上手くやる」
そう、取り繕ったような笑顔を浮かべながら言った。
「ええ、ロイですからね」
ディーも絶対的な信頼を込めて言うと、翔平を慰めるように肩を抱いた。
言いようのない不安が押し寄せる。
悪い予感、虫の知らせのようなざわつきを覚えたが、気のせいだ、とわざと気付かないフリをした。
翔平は王宮の図書室の奥で、本に囲まれていた。
奥にある執務室にあるような重厚な机に、何時間座ってもお尻が痛くならない座り心地の良い椅子。
机の上には何冊も本が積み重ねられており、俺は一冊の分厚くて大きな本を開いて勉強していた。
何かしていないと落ち着かない。
ロイが心配で堪らず、心が不安に蝕まれてしまいそうになる。
なるべく不安を表に出さないように気を付けてはいるのだが、ふとした拍子に俯いてしまうし、ため息が多くなっていると、自分でもわかっていた。
昨日11月24日、ジョンが退院し、辺境伯とシアと共に王への謁見を済ませた後、ディーが3人を連れて瑠璃宮に来てくれた。
ジョンはすっかり顔色も良くなり元の姿に戻っていて、ホッと一安心する。
「聖女様、此度は誠に申し訳なかった。
愚息のせいで御身を危険に晒したばかりか、命を賭して息子を救ってくださるなど…。
心よりお礼を…」
「辺境伯様、お止めください」
土下座しようとしたショーンの肩と腕に触れて起き上がらせようとすると、俺の右手を両手で握り、下からじっと見つめられる。
「このご恩、一生涯忘れません。ベルトラーク家の忠義は、王家と聖女様に捧げる所存です」
ショーンが真剣に言うと、その背後にジョンとシアが俺に跪く。
「聖女様に忠誠を誓います」
ショーンが俺の手に口付け、祈るように額に押し付けた後、再び口付ける。
「あの…」
そんな行為は初めてで狼狽えてしまい、ディーとキースを交互に見て助けを求める。
「受け入れてください」
キースに笑顔で言われるが、返事に困ってしまった。
「ぁ…ゆ、許します…」
忠誠心に対する答え方がわからなかったが、咄嗟に思いついた言葉を言ってしまった。果たしてその言葉が正解かどうかがわからず、焦りながらディーとキースを再び見ると、2人とも笑顔で頷いてくれ、言葉が正解だったとホッとする。
ショーンがニコリと嬉しそうに微笑むと、ゆっくりと立ち上がる。
2mを超える身長に、俺はその顔を見上げた。頭の上で丸い熊耳がピコピコと動いているのを見て、可愛い、と思ってしまった。
ベルトラーク家は黒幕とは全くの無関係であり、かつ王家への絶対的な忠誠心を持っている。
辺境伯という特別な爵位を受けた時から、ベルトラーク家は国のため、領民のためと、実直で献身的な姿勢を貫いていた。
レイブンはそんなショーンを無条件で信頼することに決め、ショーンに現状を全てを話した。
王家を貶めんとし暗躍する何者かを探していること。ベルトラーク家を疑っていたことも、洗いざらい正直に打ち明けた。
話した上で協力を求め、王家に対しての誹謗中傷の噂の調査を依頼した。
ショーン自身、何度か王家に対して議会内で反目し、苦言を呈している。それに至った経緯を改めて思い出して報告してほしいと言うと、じっと話を聞いていたショーンは、眉間に皺を寄せ、何かを思い出すような素振りを見せた。
「王よ。よくぞ話してくださった。
疑いの目を向けるのは当然だろう。ワシも何度か王家に不信感を抱いたこともある。
今思えば、若干腑に落ちない点があったのは事実だが、その時はこういうこともあるだろうとやり過ごしたが…。
今の話を聞くと、ワシが得た情報も、その何者かが落とした種ということになるのだな…」
すっかり利用されていた、とショーンは悔しそうに顔を顰めた。
「領地に戻り調べた上で、人を介さずにワシ自ら報告に来よう。
ジョンとシアを尋ねるという形ならば、何度来ても怪しまれることはない」
笑いながら言いつつも、すぐに真顔になるとレイブンに頭を下げた。
「どうか、2人をよろしく頼む。守ってやってくだされ」
「うむ。
ショーン、巻き込んで申し訳ないな」
「何をおっしゃる。王家に仇なす者はワシの敵でもある。
臣下として、忠義を示す絶好の機会だ」
武人としての笑顔を見せ、レイブンも騎士の顔で笑った。
「話は変わるが、ショーン…」
レイブンがニヤリと悪戯を考えた子供のように笑う。
「全て片付いたら…。ワシもダンジョンに連れてってくれんか」
王の執務室で、2人だけで話しているのに、こそっと内緒話をするかのように言ったレイブンの言葉に、ショーンが目を丸くした後声に出して笑った。
「なかなかに暴れられる機会がなくてなぁ…。
あ、息子達には内緒でな。言ったら絶対に止められる」
「いいでしょう。その時は一緒に」
ショーンが笑いながら答える。
それから2人でダンジョンの魔物や戦術について語り合い、笑い合った。
ジョンとシアは保護という形で王城に留まることになるが、表向きは勉強のためと公表した。
ジョンは騎士団第1部隊に仮登録され、官舎に部屋を与えられた。今後は戦闘訓練や護衛術、戦略や戦術を学ぶ。
シアは男娼という職業柄、その顔を知っている者もいるだろう。だが、そこは髪色を変えて他人の空似で通すことになった。
表向きは他国貴族の私生児で、辺境伯に預けられていたという素性をでっち上げ、ジョンと同じく騎士団官舎で、使用人として働くことになった。
だが、シアの能力を官舎の使用人にしておくには惜しいと、ダリアとユリアがシアを欲しがり、文官としての教育も受けることになった。
2人とも騎士団官舎に部屋を与えられたのは、事情を知る第1部隊の騎士達が居て、2人の護衛のためでもある。
「今度遊びに行くから」
瑠璃宮を後にする3人を玄関まで見送り、ジョンとシアに笑顔で言った。
「またお茶しよう」
シアに笑いかけると、シアは泣きそうな顔をしながらも嬉しそうに笑う。
もっと話したいと思ったのは本心だ。
小難しい話は抜きにして、他愛のない話をしたい。茶飲み友達になって欲しい。
そう心から願った。
そして今日になって、俺は王宮図書室に篭っている。
襲撃の時、心停止した時に、無意識下で俺は俺に出会った。
今でもはっきりと覚えている。
そして、俺の姿をした何者とは、あれが初対面ではないとも認識した。
いつどこで会ったのかは思い出せないが、心停止した時のことを考えれば、きっと意識を失って昏倒した時だろうと思った。
奴は、俺を呼んだ、と言った。
俺をこの世界に呼び、やってもらいたいことがあると、はっきりとそう言った。
「これってやっぱり召喚ってことになるのか…?」
漫画やアニメで見た、異世界召喚ものを思い出す。
いきなり魔法陣に包まれて、気がついたら異世界。
だが、俺がこの世界に来た時は、魔法陣もなければ、ただ階段を降りていただけだ。降り切った先がこの世界だった。
俺はもう一度ここへ来た時のことを思い出そうとする。
飛び込み営業に出て、古い神社を見つけたから参拝して、上がってきた階段を降りただけ。
目を閉じてあの時の事を考えていると、そういえば、強い光に目を閉じたことを思い出した。
「あの光が、いわゆる召喚魔法的な?」
それが正解なら、俺は誰かにこの世界に召喚されたことになる?
誰が?
何の目的で?
「召喚したなら、その目的くらい教えろよな」
突然呼ばれて、何も目的も告げられず、放り出される身にもなってみろと、ブツブツと文句を呟く。
開いていた分厚い本、魔導書を閉じるとはぁと息を吐いた。
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召喚魔法というものが存在するのかどうか、たくさんの魔導書を見て、それらしい魔法を探していたのだが、見つけることは出来なかった。
そもそも、魔法というものがいまだに腑に落ちない。
魔素が体内で変換されて魔力になり、魔力を体外に放出する手段が魔法。
なぜイメージだけで魔法が生み出されるのか。
なぜ魔法を使うと勝手に魔法陣が浮かび上がるのか。
あの魔法陣はどこから出てくるのか。
魔法陣が浮かぶ魔法と、そうではない魔法の違いは何なのか。
スクロールに描かれた魔法陣と、浮かび上がる魔法陣は同じものなのか。
考えれば考えるほどわからない。
理解も納得も出来ない。
やはり、魔法に詳しい先生が欲しい。
頭の中にロマが思い浮かび、時間取ってくれるかな、と考えた。
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俺が俺であればいい、とはどういう意味なんだろうか。
そんな事を考えながら本棚の間を歩き、いつのまにか魔法関連の棚から、歴史関連の棚へと移動していた。
以前にも見た公国の歴史書が棚を埋め尽くしているが、棚が変わると、帝国を始めとした諸外国の歴史書も揃っていることに気付いた。
「……」
そして、国の歴史については少し学んだが、この世界そのものの歴史については何も勉強していないことに気付いた。
ロマからこの世界の成り立ちは聞いた。だが、それは神話であり、空想や虚構の域だ。
元の世界にもあったように、地球史のような、この世界の種族が生まれる前の太古の歴史はないのかと閃いた。
そもそも、この世界は地球のような宇宙に浮かぶ星の一つなんだろうか、とその原点が知りたくなる。
国の歴史書の棚を抜け、自然科学とか地理学、生物学、人類史、とかいうジャンルだろうか、と考えつくジャンルを探したが見当たらない。
あっちに行ったり、こっちに行ったり、くまなく探し回った。
「ショーヘイさん?何か探してるんですか?」
本を戻しに行った翔平がいつまでも席に戻って来ないので、一緒に居たキースが俺を探しに来た。
「キース、教えて」
俺はキースに探している本を伝えた。
「世界の歴史…?」
「ああ。国とか人とかじゃなくて、この世界そのものの歴史書ってないのか?」
俺の質問にキースは首を傾げると、あれのことかな、と案内してくれた。
だが、そこは世界創造の神話の棚だった。
「いや、これじゃなくて…」
上手く伝えられないことに悩む。
もしかして、この世界では人類が誕生してからのことしか記録がないのか、と不安になる。
キースがミルコ女史に聞いてみましょう、と言ってくれた。
図書室の入口にいるミルコの元へ向かうと話しかける。
「ミルコ女史、聖女様が読みたい本があるそうなのですが…」
キースが問いかけると、ミルコは嬉しそうに俺を見て、読んでいた本を閉じた。
「どのような本をご所望でしょうか?」
「この世界そのものの歴史書を読みたいんです」
「…世界?」
「世界創造の話ではないようで…」
キースが翔平の言いたいことが理解出来ず、残念そうな表情を浮かべた。
「種族が生まれる前、というか、その種族がどうやって生まれたのか。
人の姿に進化する前の世界の話です」
進化という言葉を出すと、キースもようやっと理解したらしい。
「ああ、なるほど。世界の歴史ですね」
ニコリとキースが微笑み、ミルコも理解して、こちらです、と案内してくれた。
ミルコが案内してくれたのは、俺が探していた棚よりも、もっと奥深くで、一応棚続きではあるが、日の光も届かない暗い場所だった。
「あまりこちらは利用されることがないので…」
ミルコが苦笑しながら言いつつ、魔鉱ランプに灯を灯すと、棚に近づけた。
「聖女様は種族史に興味がおありなんですか?」
種族史と聞いて、人族だけじゃないもんな、と納得した。
「ええ、まぁ。
それと、種族が生まれる前の世界にも興味があります」
「それでしたら古代史かしら」
ミルコが数冊の本を取り出して渡してくれる。
パラパラとその本の目次を見ると、まさに俺が探していた本だと、ニコリと笑った。
ミルコからランプを受け取り、棚に並んだ書籍の背表紙をじっくりと眺める。
「聖女様は本当に勉強熱心ですわね。本達も喜んでおりますわ」
本の気持ちを代弁するかのように語るミルコに微笑むと、数冊の本を選んで、席へと戻った。
俺が迷い込んだ世界は、ガイアーステラと呼ばれていることを初めて知った。
さらに、宇宙の存在、星の概念、太陽系、銀河系、恒星である太陽、惑星、衛星が存在し、この世界が地球と同じような環境で、惑星の一つであることを知った。
その事実に驚き興奮さえ覚える。
「私も詳しくは教えられていませんが、私達が住むガイアーステラは、太陽を中心にその周りを巡る星の一つです。
朝と夜、四季も太陽との位置関係や向きによって生まれると教わりました」
キースがギルバートから学んだと知っていることを教えてくれる。
「月は、ガイアーステラの周囲を回ってるんだろ?」
「そうです。よくご存知ですね」
キースが驚いたように目を丸くした。
「俺のが居た世界でも同じだったから。
太陽と月があった。本当に全く同じなんだ」
「そうなんですか…」
感心したようにキースは頷き、俺は考える。
見たことのある異世界漫画やアニメでは、太陽や月が複数あったり、色が違ったり、全くの別世界だった。
おそらくそういう作り話でも、作者が考える宇宙や太陽系といった基本概念はそのままなんだと思う。
だが、俺が迷い込んだこの世界は、地球と全く同じだったことに、少なからず親近感を覚え嬉しくなった。
だが、キースの話によると、ガイアーステラという星について知っているものは少なく、神話の世界創造の話の方がこの世の常識で、一般的だと言う。
それを聞いて、まぁ知らなくても生活には全く影響ないしな、と笑ってしまった。
ミルコに許可を貰い、ガイアーステラ史と種族史、古代史を数冊を瑠璃宮に貸し出してもらうことにした。
キースが王宮の執事に依頼し、後ほど届けてもらうことにする。
俺を召喚?した奴の目的を考えていて、路線はズレてしまったが、無駄にはならないだろうと、奴については改めて考えようと思いつつ瑠璃宮に戻った。
瑠璃宮に戻ってしばらくすると、護衛の交代で、ディーとオスカーがやってきた。
入れ違いに、今日の担当だったフィンとオリヴィエが官舎に戻って行くが、その前にディーから報告があった。
「黒経由でロイから連絡がありました」
ロイの名前を聞いて、俺は無意識に笑顔になった。だが、ディーは俺が喜ぶ姿を見て申し訳なさそうにしたので、笑顔から不安げな表情に変わる。
「今日、グロスターに到着したそうですが、今後、定期連絡を控えると…」
「え…」
「黒幕がロイ達の動向を察知している可能性を考慮し、無用な連絡を避け情報漏洩を防ぐためだ」
オスカーが説明し、俺はすぐに納得した。
情報戦に長けた黒幕なら、ロイ達が王都を出た情報はすでに得ているだろう。その目的がバシリオ救出であることも、察しているはず。
黒幕が察知してナイゼルに情報を渡せば、すぐに暗殺者を寄越すだろう。
ロイ達の居場所を突き止められないように偽情報を流し、混乱させるのが必須であり重要になってくる。
「ロイ達は建前上、キドナとの国境警備の視察と状況確認に向かったことになっています」
「砦にいるローガンにもロイが行くと伝えて口裏を合わせている…」
オスカーが続きを言おうとして飲み込んだ。
黒幕相手にどこまで通用するか…。
翔平を不安にさせる言葉は控えた。
「そっか…。仕方ないよな。
大丈夫。ロイのことだから、きっと上手くやる」
そう、取り繕ったような笑顔を浮かべながら言った。
「ええ、ロイですからね」
ディーも絶対的な信頼を込めて言うと、翔平を慰めるように肩を抱いた。
言いようのない不安が押し寄せる。
悪い予感、虫の知らせのようなざわつきを覚えたが、気のせいだ、とわざと気付かないフリをした。
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