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第三章 両思いと甘い日々
楽しい日々と、時々のキス
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1日目。
朝起きて毎日の習慣をこなす。
朝食前に畑の点検と家畜の様子を見つつ餌やりを済ませ、家に戻ると朝食の準備。
1人分ではなく2人分作ることがとても嬉しかった。
「おはよう…」
「おはよう、アシェル」
朝食が出来上がる頃起きてきたアシェルは、朝の仕事をせず寝過ぎてしまったことに申し訳なさそうにしていた。
「ごめん…手伝うって言った次の日に寝坊するなんて…」
「気にしないで。ほら顔洗ってきなよ」
謝りながら小さくなるアシェルに笑い、バスルームへとその広い背中を押した。
2人で向かい合って朝食を食べながら、今日1日の仕事内容の確認をする。
「冬が近いからやらなきゃいけないことがたくさんあるんだよ」
ルシルは作業を順番に指折り数えながら説明し、アシェルは生まれて初めてやる農作業と家畜の世話に、出来るだろうかと少しだけ不安になった。
午前中は2人で黙々と根菜の収穫をする。
茎を掴んで思い切りズボッと根菜を引き抜いたはいいが、その反動で見事にひっくり返ったアシェルを見て、ルシルはケラケラと笑う。
「大丈夫ww?」
転んだアシェルに笑いながら手を差し出され引き起こされる。
「顔に土が」
そう言って持っていたタオルで顔を丁寧に拭いてもらい、アシェルは転んだことも、拭かれたことも恥ずかしくて顔を赤くした。
午後は家の中でチーズ作り。
手際良く作業するルシルに教えられながら進めるが、彼のように上手くいかず悪戦苦闘することになった。
2日目は釣り。
釣りの経験はあったアシェルはいい所を見せようと頑張るが一向に釣れる気配はなく、ルシルばかりいいサイズの魚を釣っていた。
だが、最後の方でようやくアシェルの竿が大きくしなり、慌てたアシェルは足を滑らせて川に落ちてしまった。
何とか獲物は逃げられることなく引き揚げられたが、アシェルはびしょ濡れになり、やはりルシルに笑われた。
3日目は狩りに出かける。
ルシルは手際良く獣の通り道に罠を仕掛けながら奥に進み、そして手作りの弓矢に雷撃の魔法を付与すると、4足歩行の獣を一発で仕留めた。
アシェルはその見事な弓矢捌き、そして付与した魔法、さらに気配を消す隠密魔法にかなり驚く。
騎士時代の遠征において狩りの経験はあったのだが、ルシルの動きはハンターと呼ぶに相応しいものだった。
大物を1匹仕留めると、仕掛けていた罠を確認しながら帰る。5箇所の罠の内2箇所に中型の獣がかかっており、ルシルは持っていた手斧で苦しませることなくとどめを刺すことにも驚いてしまう。
家に戻ると狩った獲物の処理も鮮やかだった。
「俺…ぜんぜんいい所がない…」
その日の夜、アシェルはベッドの中で苦悶した。
ルシルの身体能力は考えていたよりもずっと高く、身体強化などの補助魔法は完璧で、狩りの時に使った攻撃魔法も、アシェルが知っている魔導士と比べてもかなりレベルが高かった。
さらに魔力量も一般人レベルではなくかなりの量であることが伺える。さらに、騎士団においても、ここまで効率良く的確に魔力配分出来る者は少ない。
可愛いだけじゃなくて強いなんて聞いてない。
アシェルは布団を抱え込んで身悶えた。
ルシルを知れば知るほど惹かれていく。
ルシルは毎日が楽しくて仕方がなかった。
そばにアシェルがいるだけで嬉しくて、その顔を見るだけで幸せで、話しかければ応えてくれることが楽しかった。
今日の狩りでは獲物を軽々と肩に担ぐ姿に惚れ惚れしてしまった。流石に自分は中型の獣2匹を担ぐことは出来ず、いつもは引きずって持ち帰るのだ。
自分よりも背が高く腕も太い。その胸板は厚く逞しい。
だが、農作業で土に汚れ、釣りでは慌て過ぎて川に落ちた姿が可愛くて、愛おしくてたまらない。
かっこいいのに、子供みたいで可愛い。
ルシルは布団をぎゅっと抱きしめ顔を埋めて身悶えた。
アシェルを知れば知るほど惹かれていく。
この3日間、食事中、作業中、休憩中、お互いに気になってついついじっと相手を見つめてしまっていた。何度も目があっては、はにかむように笑い、頬を染める。
だが、ふとしたきっかけで雰囲気に呑まれ、唇を重ねた。
1日に何度もそうしてキスをした。
唇を重ねる瞬間は、恥ずかしさと緊張に体が強張るが、いざ重ねてしまうと全身から力が抜け、心の中から温められ体が熱くなるのを感じた。
愛おしい。
日に日に互いを想う気持ちが強くなっていった。
4日目、午前中に野菜の選別作業をし、午後に昨日狩った獲物の肉を加工を始める。燻製や塩漬けにして冬の備蓄食糧にするのだ。
家のキッチンで並んで肉を切って行く。
アシェルは間近にいるルシルに見惚れて動きを止め、頬を染めてポーッとしてしまうことが何度もあった。
「アシェル?」
そんな視線に気付いたルシルが斜め上にあるアシェルの顔を見る。上目遣いで首を僅かに傾ける仕草に、アシェルの胸に、何本も恋の矢が突き刺さり頬を染める。
ルシルの顔をまともに見られず思わず目を逸らし、彼が持つナイフを見た。
「……?」
アシェルはかなり見覚えのあるナイフであることに気付いた。
黒いグリップに柄頭が金色。
「ルシル、そのナイフ……」
「ああ、これ?父さんから貰ったんだ」
ルシルはどうぞとテーブルの上に置き、アシェルは手に取って眺める。
そして間違いなく自分が知っているナイフだと気付く。それと同時に育ての親の名前を思い出し、ナイフと名前が結びついた。
「ルシル…、お前の父さんって、ドン・シルフォードなのか?」
「……ドンを知ってるの?」
ルシルは目を丸くして聞いてくる。
「知ってるも何も……」
今のアシェルは一介の冒険者。元騎士であることは言っていないため、続きの言葉を飲み込んだ。
だが、ドン・シルフォードの名前は国民であれば誰でも知っている。多くの書籍も出回っているし、残っている英雄譚は数知れず。
ルシルは、ドンは元騎士様ですごい人なんだと、養父を自慢するように笑う。
「そのナイフ、騎士様の誇りだって言ってた。亡くなる前にね、僕に譲ってくれたんだ……」
ルシルは少しだけ悲しそうに微笑む。
そう。このナイフは騎士になった証であり、名誉そのものだった。
ナイフの柄には、本来国の紋章が刻まれているが、100年は経過し使い込まれたナイフには、目を凝らしてよく見ないとその紋章を見ることは出来なかった。
当然、元騎士のアシェルもこのナイフを持っている。
それにしても、100年以上経過しているとは思えない。その作りもさることながら、使用者の手入れが完璧であることがわかった。
アシェルの中で、ルシルの身体能力、魔力、魔法、全てにおいて優秀なことが納得がいった。
ルシルは、英雄ドン・シルフォードに育てられた子なのだ。
アシェルはナイフを返し、ルシルをじっと見つめる。
「…何?」
見つめられ、ルシルはドキッとして頬を染め尋ねる。
「ルシル、今夜話をしよう」
アシェルは静かに微笑み、見つめる。
「あ、う、うん……」
その優しげな微笑みに、ルシルは赤面したまま小さく頷く。
アシェルは決意する。
今夜、ルシルに一緒に行こうと告げる。
己の素性や事情を全て話し、彼を迎えたいと、結婚を前提に一緒に来て欲しいと、そう言おうと決めた。
朝起きて毎日の習慣をこなす。
朝食前に畑の点検と家畜の様子を見つつ餌やりを済ませ、家に戻ると朝食の準備。
1人分ではなく2人分作ることがとても嬉しかった。
「おはよう…」
「おはよう、アシェル」
朝食が出来上がる頃起きてきたアシェルは、朝の仕事をせず寝過ぎてしまったことに申し訳なさそうにしていた。
「ごめん…手伝うって言った次の日に寝坊するなんて…」
「気にしないで。ほら顔洗ってきなよ」
謝りながら小さくなるアシェルに笑い、バスルームへとその広い背中を押した。
2人で向かい合って朝食を食べながら、今日1日の仕事内容の確認をする。
「冬が近いからやらなきゃいけないことがたくさんあるんだよ」
ルシルは作業を順番に指折り数えながら説明し、アシェルは生まれて初めてやる農作業と家畜の世話に、出来るだろうかと少しだけ不安になった。
午前中は2人で黙々と根菜の収穫をする。
茎を掴んで思い切りズボッと根菜を引き抜いたはいいが、その反動で見事にひっくり返ったアシェルを見て、ルシルはケラケラと笑う。
「大丈夫ww?」
転んだアシェルに笑いながら手を差し出され引き起こされる。
「顔に土が」
そう言って持っていたタオルで顔を丁寧に拭いてもらい、アシェルは転んだことも、拭かれたことも恥ずかしくて顔を赤くした。
午後は家の中でチーズ作り。
手際良く作業するルシルに教えられながら進めるが、彼のように上手くいかず悪戦苦闘することになった。
2日目は釣り。
釣りの経験はあったアシェルはいい所を見せようと頑張るが一向に釣れる気配はなく、ルシルばかりいいサイズの魚を釣っていた。
だが、最後の方でようやくアシェルの竿が大きくしなり、慌てたアシェルは足を滑らせて川に落ちてしまった。
何とか獲物は逃げられることなく引き揚げられたが、アシェルはびしょ濡れになり、やはりルシルに笑われた。
3日目は狩りに出かける。
ルシルは手際良く獣の通り道に罠を仕掛けながら奥に進み、そして手作りの弓矢に雷撃の魔法を付与すると、4足歩行の獣を一発で仕留めた。
アシェルはその見事な弓矢捌き、そして付与した魔法、さらに気配を消す隠密魔法にかなり驚く。
騎士時代の遠征において狩りの経験はあったのだが、ルシルの動きはハンターと呼ぶに相応しいものだった。
大物を1匹仕留めると、仕掛けていた罠を確認しながら帰る。5箇所の罠の内2箇所に中型の獣がかかっており、ルシルは持っていた手斧で苦しませることなくとどめを刺すことにも驚いてしまう。
家に戻ると狩った獲物の処理も鮮やかだった。
「俺…ぜんぜんいい所がない…」
その日の夜、アシェルはベッドの中で苦悶した。
ルシルの身体能力は考えていたよりもずっと高く、身体強化などの補助魔法は完璧で、狩りの時に使った攻撃魔法も、アシェルが知っている魔導士と比べてもかなりレベルが高かった。
さらに魔力量も一般人レベルではなくかなりの量であることが伺える。さらに、騎士団においても、ここまで効率良く的確に魔力配分出来る者は少ない。
可愛いだけじゃなくて強いなんて聞いてない。
アシェルは布団を抱え込んで身悶えた。
ルシルを知れば知るほど惹かれていく。
ルシルは毎日が楽しくて仕方がなかった。
そばにアシェルがいるだけで嬉しくて、その顔を見るだけで幸せで、話しかければ応えてくれることが楽しかった。
今日の狩りでは獲物を軽々と肩に担ぐ姿に惚れ惚れしてしまった。流石に自分は中型の獣2匹を担ぐことは出来ず、いつもは引きずって持ち帰るのだ。
自分よりも背が高く腕も太い。その胸板は厚く逞しい。
だが、農作業で土に汚れ、釣りでは慌て過ぎて川に落ちた姿が可愛くて、愛おしくてたまらない。
かっこいいのに、子供みたいで可愛い。
ルシルは布団をぎゅっと抱きしめ顔を埋めて身悶えた。
アシェルを知れば知るほど惹かれていく。
この3日間、食事中、作業中、休憩中、お互いに気になってついついじっと相手を見つめてしまっていた。何度も目があっては、はにかむように笑い、頬を染める。
だが、ふとしたきっかけで雰囲気に呑まれ、唇を重ねた。
1日に何度もそうしてキスをした。
唇を重ねる瞬間は、恥ずかしさと緊張に体が強張るが、いざ重ねてしまうと全身から力が抜け、心の中から温められ体が熱くなるのを感じた。
愛おしい。
日に日に互いを想う気持ちが強くなっていった。
4日目、午前中に野菜の選別作業をし、午後に昨日狩った獲物の肉を加工を始める。燻製や塩漬けにして冬の備蓄食糧にするのだ。
家のキッチンで並んで肉を切って行く。
アシェルは間近にいるルシルに見惚れて動きを止め、頬を染めてポーッとしてしまうことが何度もあった。
「アシェル?」
そんな視線に気付いたルシルが斜め上にあるアシェルの顔を見る。上目遣いで首を僅かに傾ける仕草に、アシェルの胸に、何本も恋の矢が突き刺さり頬を染める。
ルシルの顔をまともに見られず思わず目を逸らし、彼が持つナイフを見た。
「……?」
アシェルはかなり見覚えのあるナイフであることに気付いた。
黒いグリップに柄頭が金色。
「ルシル、そのナイフ……」
「ああ、これ?父さんから貰ったんだ」
ルシルはどうぞとテーブルの上に置き、アシェルは手に取って眺める。
そして間違いなく自分が知っているナイフだと気付く。それと同時に育ての親の名前を思い出し、ナイフと名前が結びついた。
「ルシル…、お前の父さんって、ドン・シルフォードなのか?」
「……ドンを知ってるの?」
ルシルは目を丸くして聞いてくる。
「知ってるも何も……」
今のアシェルは一介の冒険者。元騎士であることは言っていないため、続きの言葉を飲み込んだ。
だが、ドン・シルフォードの名前は国民であれば誰でも知っている。多くの書籍も出回っているし、残っている英雄譚は数知れず。
ルシルは、ドンは元騎士様ですごい人なんだと、養父を自慢するように笑う。
「そのナイフ、騎士様の誇りだって言ってた。亡くなる前にね、僕に譲ってくれたんだ……」
ルシルは少しだけ悲しそうに微笑む。
そう。このナイフは騎士になった証であり、名誉そのものだった。
ナイフの柄には、本来国の紋章が刻まれているが、100年は経過し使い込まれたナイフには、目を凝らしてよく見ないとその紋章を見ることは出来なかった。
当然、元騎士のアシェルもこのナイフを持っている。
それにしても、100年以上経過しているとは思えない。その作りもさることながら、使用者の手入れが完璧であることがわかった。
アシェルの中で、ルシルの身体能力、魔力、魔法、全てにおいて優秀なことが納得がいった。
ルシルは、英雄ドン・シルフォードに育てられた子なのだ。
アシェルはナイフを返し、ルシルをじっと見つめる。
「…何?」
見つめられ、ルシルはドキッとして頬を染め尋ねる。
「ルシル、今夜話をしよう」
アシェルは静かに微笑み、見つめる。
「あ、う、うん……」
その優しげな微笑みに、ルシルは赤面したまま小さく頷く。
アシェルは決意する。
今夜、ルシルに一緒に行こうと告げる。
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