74 / 78
73
しおりを挟む
「はい、大泊瀬皇子。私も心の底からあなただけを愛してます」
そういってから韓媛は彼の胸に寄り添う。
そんな彼女を大泊瀬皇子もしっかりと抱きしめた。彼からして見れば、ここまでの道のりは本当に長かった。
「子供の頃から好きだった。本当にずっと、俺はお前だけを見て……」
そういって大泊瀬皇子は韓媛の頬に、自身の頬をそっと寄せる。
そんな彼を見て、韓媛も思わず涙目になりながらいった。
「でもまさか、私が大泊瀬皇子の初恋だったとは本当に夢にも思ってなかったわ」
彼がここまで恋に関して一途だったのは、本当に意外のなにものでもない。
(まぁ、私も人のことは言えないけど……)
「そうはいってもこれは本当のことだ。最初葛城円の後ろに隠れながら俺をじっと見てきたお前が、ひどく可愛く思えてな」
これは恐らく、大泊瀬皇子と韓媛が初めて会った時のことだろう。
それから大泊瀬皇子は韓媛から少し体を離して、照れながら彼女にいう。
「とにかく俺はお前に出会えて本当に良かった」
(大泊瀬皇子のこんな笑った顔を見たのは初めてだわ……)
「ええ、皇子私もです。でも私達は元々幼馴染みだったので、今さらですが本当に不思議な感じですね」
だが昔から気心知れた幼馴染みだったからこそ、互いの心の距離が近いのだと韓媛は思う。
「まぁ、それはそのうち慣れるだろう。もう俺達は単なる幼馴染みじゃないからな」
韓媛も大泊瀬皇子にそういわれて、確かにそれもそうだなと思う。
「うふふ、本当皇子の言う通りですね」
それから2人はお互いの顔を近づけて、ゆっくりと口付けをかわした。
こんなに幸せな気持ちで心を通わすのは、初めてかもしれないと彼らはその時思った。
その後暫くして、大泊瀬皇子の大王への即位が正式に行われることとなる。
またそれと同時に、皇子と韓媛の婚姻も整えられていった。
こうしてこの若い新たな大王こそが、今後の大和に大きな影響をもたらす偉大な王となっていくのだった。
そういってから韓媛は彼の胸に寄り添う。
そんな彼女を大泊瀬皇子もしっかりと抱きしめた。彼からして見れば、ここまでの道のりは本当に長かった。
「子供の頃から好きだった。本当にずっと、俺はお前だけを見て……」
そういって大泊瀬皇子は韓媛の頬に、自身の頬をそっと寄せる。
そんな彼を見て、韓媛も思わず涙目になりながらいった。
「でもまさか、私が大泊瀬皇子の初恋だったとは本当に夢にも思ってなかったわ」
彼がここまで恋に関して一途だったのは、本当に意外のなにものでもない。
(まぁ、私も人のことは言えないけど……)
「そうはいってもこれは本当のことだ。最初葛城円の後ろに隠れながら俺をじっと見てきたお前が、ひどく可愛く思えてな」
これは恐らく、大泊瀬皇子と韓媛が初めて会った時のことだろう。
それから大泊瀬皇子は韓媛から少し体を離して、照れながら彼女にいう。
「とにかく俺はお前に出会えて本当に良かった」
(大泊瀬皇子のこんな笑った顔を見たのは初めてだわ……)
「ええ、皇子私もです。でも私達は元々幼馴染みだったので、今さらですが本当に不思議な感じですね」
だが昔から気心知れた幼馴染みだったからこそ、互いの心の距離が近いのだと韓媛は思う。
「まぁ、それはそのうち慣れるだろう。もう俺達は単なる幼馴染みじゃないからな」
韓媛も大泊瀬皇子にそういわれて、確かにそれもそうだなと思う。
「うふふ、本当皇子の言う通りですね」
それから2人はお互いの顔を近づけて、ゆっくりと口付けをかわした。
こんなに幸せな気持ちで心を通わすのは、初めてかもしれないと彼らはその時思った。
その後暫くして、大泊瀬皇子の大王への即位が正式に行われることとなる。
またそれと同時に、皇子と韓媛の婚姻も整えられていった。
こうしてこの若い新たな大王こそが、今後の大和に大きな影響をもたらす偉大な王となっていくのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる