大和の風を感じて【外伝】

藍原 由麗

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その日の夜、今日の狩りで瑞歯別皇子みずはわけのおうじ阿止里あとりとした会話の内容を、そのまま佐由良にも伝えた。

ただ阿止里の佐由良に対する気持ちは伏せたままだった。

『今日はそんな話しになってたんですね。でも阿止里が、そんな理由で皇子が私を后にする事を決めたなんて、さぞ驚かれたでしょうね』

(佐由良、お願いだからその部分は余り触れないでくれ......)

瑞歯別皇子は少し恥ずかしくなり、その場にあったお酒をクィと飲んだ。半分やけくそ状態だ。

(でも阿止里が、私の大和行きを反対してくれてたのは知らなかった。)

佐由良は皇子の話を聞いてとてもニヤニヤしていた。

『でも、皇子。阿止里とはだいぶ打ち解けて話しをされてたみたいですね。』

『いや、そんなに打ち解けれた訳ではないが......ただ中々興味深い男だなとは思った。』

瑞歯別皇子は思わず佐由良を自分に引き寄せた。すると佐由良もそのまま皇子の胸に持たれた。

『でも、皇子が私以外に后を持つ気が無いと言うのは、正直嬉しかったです。それはさすがに無理だろうと始めちょっと思ってたので......』

それを聞いた瑞歯別皇子は、急に佐由良を自分の方に向かせた。

『俺の母親は他の后達との事で、とても苦しんでいた。複数の后を持つとなれば、お前にもそんな苦しみを与えてしまう。そんな事は絶対にさせたくない。』

(皇子、そんな事を考えていたの...)


『それに元々俺が后選びをためらっていたのもその辺が理由の1つだった。どうせなら、たった1人の女性だけを愛してやりたかった。だがそうなると、かなりの覚悟が必要だった。』


『でも皇子、それならどうして私を后に...』

佐由良がそう言うと、瑞歯別皇子は彼女を引寄せて言った。

『そんな自分の意志に関係なく、それでも俺はお前が欲しかった。どうしてもお前を振り向かせたくて。ただこれが俺にとってどれほどの覚悟を有した事か......こんな情けない話しは聞きたくなかったか?』

佐由良はそれを聞いてブンブンと頭を振った。そして彼の胸に飛びついた。

『そんな事ない......』

そして彼女はそのまま瑞歯別皇子にしがみついた。

『だから、俺がお前を絶対に裏切る事は無いし、他の男に渡す気もさらさらない。』

そこまで言われた佐由良は、ふと顔を上げた。そして自分から皇子の唇に口付けた。

(佐由良!!)

瑞歯別皇子は余りの事に、全くの無抵抗状態だった。

そして佐由良は皇子から唇を離すと、笑顔で彼に言った。

『ありがとう。瑞歯別、大好き。』

そう言って彼の首にしがみついた。

(私はこの人が好き。この人以外なんて考えれない。)


これにはさすがの瑞歯別皇子もたまったものではなかった。

『佐由良、そんな事言われたら、もう知らないぞ。』

そう言って、皇子は佐由良を自分の方に向けて、彼女の唇をふさいだ。

そしてだんだんとその口付けが濃くなってきた。

その後、そのままその場に倒れ混み、なおも2人は口付けを止めなかった。

『瑞歯別、本当に好きなの...』

『あぁ、分かってるさ。俺もお前を愛してる。』

そう言って、2人はひたすら互いの唇を求めた続けた。

(駄目だ、もうこれ以上は我慢出来ない。)

ここまで来ると、さすがに皇子の理性も完全に飛んでしまった。

それから皇子は、そのまま佐由良の体に触れ出した。

そして佐由良自身も、そのまま瑞歯別皇子の情熱を素直に受け入れた。


こうして2人は、次の日までお互いの体を求めあい続けた。





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