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10P《雄朝津間皇子との対面》
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こうして忍坂姫達一行は、その後やっとの思いで雄朝津間皇子のいる磐余稚桜宮に辿り着いた。
宮に着くと、忍坂姫達は一旦訪問者用の部屋へと案内された。
そして部屋で待っていると、この宮の使用人らしき女性がやって来た。
「忍坂姫、お付き添いの皆様。本日は磐余稚桜宮においで下さり、誠に有り難うございます。
ですが雄朝津間皇子が只今外に出られており、まだ戻って来ておりません」
(え、まだ戻って来てない?)
忍坂姫はてっきり雄朝津間皇子が自ら出迎えてくれるものだと思っていた。
たが皇子本人が彼女を置いて出掛けているとは、少し身勝手に思えた。
「それでもう夕方になりますので、本日はお休み下さり、明日雄朝津間皇子とお会い頂きたく思います」
その女性の話しを聞いた忍坂姫は、ふと隣にいる衣奈津に目を向けた。
すると彼女も少し不満げな表情をしていた。
「今回、こちらからわざわざこの宮に出向いたと言うのに、この事について雄朝津間皇子は一体どのようにお考えなのでしょうか」
珍しく衣奈津が不満ありげにその場で言った。彼女からしてみれば大事な皇女が蔑ろにされたと思ったのだ。
「本当に申し訳ありません。恐らく明日はお会いして下さると思いますので、何とぞご理解頂けませんでしょうか」
使用人の女は頭を下げて謝った。
しかし悪いのは雄朝津間皇子本人で、この女性を責めてもどうしようもない。
「分かりました。雄朝津間皇子が戻られてないのであれば仕方ありません。今日は諦めて、明日会う事にします」
忍坂姫はその女にそう言った。
ただでさえ今日は命を狙われて散々な目にあっていた。それなのにここで色々と揉め会う気には到底なれない。
衣奈津も忍坂姫がそう答えた為、これ以上はよう反論が出来ず、渋々納得する事にした。
それを聞いた使用人の女は再度頭を下げてから言った。
「本当に有り難うございます。ではこれから食事をご用意します。それまで、ここで暫くおくつろぎ下さい」
その後その女は部屋を出ていき、暫くして料理が部屋に運ばれて来た。
そして食事が終わると、忍坂姫達は用意された各部屋に案内されて休む事にした。
その後、用意された部屋で横になった忍坂姫は今日の事を色々と思い返していた。
「今日は色々あって本当に疲れたわ。まさかあんな事件に巻き込まれるなんて、思ってもみなかったし。こんな事をお父様やお母様が知ったら、その場で倒れそう……」
それからふと、忍坂姫は今日危ない所を助けてくれたあの青年を思い浮かべた。
あの青年は本当に一体誰だったのだろう。
「簡単に人を殺せるのは正直恐ろしいと思ったけど、でも悪い人では全然無かったわ。むしろとても素敵な男性に思えた」
忍坂姫はそんな事を言って、思わず顔を赤くした。
これではまるでその青年に自分が好意を抱いてるようではないか。
(確かに、ちょっと格好いいとは思ったけど、別にただそれだけよ。それに私は雄朝津間皇子との婚姻がある訳だし)
「はぁー、もうとにかく今日は寝よう!明日はいよいよ雄朝津間皇子と会うんだから」
そう言って忍坂姫はそのまま眠りにつく事にした。今日は散々な目に合った事もあり、もうクタクタの状態だった。
(でも、今日助けてくれた男性のような人が相手だったら良いのに)
こうしてその日は、そのまま何事もなく眠りに入る事が出来た。
翌朝、朝の朝食も終わり、いよいよ雄朝津間皇子と対面出来る事になった。
忍坂姫は衣奈津達と一緒に、昨日と同じ部屋に案内された。そして雄朝津間皇子が来るのを今か今かと待っていた。
(やばい、何か凄い緊張してきたわ)
忍坂姫は柄にもなく凄く心臓をドキドキさせていた。
そんな彼女を見た衣奈津は小さな声でそっと声をかけた。
「姫様、どうか落ち着いて下さい。私もそばにいるので大丈夫ですから」
(そうは言っても、やっぱりドキドキが止まらない)
忍坂姫が心の中でそんな風に思っている丁度その時だった。
ふと何人かの足音が聞こえて来た。どうやらこの部屋に向かっているようだ。
そしてついにこの部屋に雄朝津間皇子とその家臣数名がやって来た。
忍坂姫は緊張の余り、皇子が部屋に入って来ても、中々顔を向ける事が出来ないでいた。
そして皇子が自分の前に来てドシッと座った。
皇子が座ったの確認すると、彼女は自分の名前を名乗った。
「この度は、雄朝津間皇子との婚約の為に参らせて頂きました。私は稚野毛皇子の第一皇女の忍坂姫と申します」
それを聞いた雄朝津間皇子は彼女に答えた。
「とりあえず顔を上げてくれる」
皇子にそう言われたので、忍坂姫は恐る恐る顔を上げた。
するとそこには1人の青年が自分を見ていて、そしてある事に気が付いた。
(あれ、この人どこかで?)
「あれ、君は昨日の」
雄朝津間皇子も忍坂姫の顔を見てとても驚いている感じだった。
また忍坂姫も、ここに来てやっとこの青年が誰なのかを理解する事が出来た。
「あなた様は、昨日盗賊から助けて下さった……」
昨日、忍坂姫達が盗賊に襲われかけた際に助けてくれたあの青年が、何と雄朝津間皇子本人だったのだ。
それを知った忍坂姫は、余りの事にその場で動けなくなった。
(こんな事ってあるの?)
忍坂姫が動けなくなったのを見て、雄朝津間皇子は思わずその場で笑いだした。
「あはは、まさか昨日盗賊に襲われかけていた君が忍坂姫だったとは。これは驚いたよ」
雄朝津間皇子は余りの事に暫く笑いが止まらなくなった。
忍坂姫はそんな雄朝津間皇子を見て、恥ずかしいやら、悔しいやらで何とも複雑な心境だった。
そしてそれから暫くした後、彼はやっと笑いが収まったらしく、彼女に話しかけた。
「いや、本当にごめん。別に悪気はないんだけど、ちょっと面白かったからさ」
雄朝津間皇子はそう言って、忍坂姫に謝った。
宮に着くと、忍坂姫達は一旦訪問者用の部屋へと案内された。
そして部屋で待っていると、この宮の使用人らしき女性がやって来た。
「忍坂姫、お付き添いの皆様。本日は磐余稚桜宮においで下さり、誠に有り難うございます。
ですが雄朝津間皇子が只今外に出られており、まだ戻って来ておりません」
(え、まだ戻って来てない?)
忍坂姫はてっきり雄朝津間皇子が自ら出迎えてくれるものだと思っていた。
たが皇子本人が彼女を置いて出掛けているとは、少し身勝手に思えた。
「それでもう夕方になりますので、本日はお休み下さり、明日雄朝津間皇子とお会い頂きたく思います」
その女性の話しを聞いた忍坂姫は、ふと隣にいる衣奈津に目を向けた。
すると彼女も少し不満げな表情をしていた。
「今回、こちらからわざわざこの宮に出向いたと言うのに、この事について雄朝津間皇子は一体どのようにお考えなのでしょうか」
珍しく衣奈津が不満ありげにその場で言った。彼女からしてみれば大事な皇女が蔑ろにされたと思ったのだ。
「本当に申し訳ありません。恐らく明日はお会いして下さると思いますので、何とぞご理解頂けませんでしょうか」
使用人の女は頭を下げて謝った。
しかし悪いのは雄朝津間皇子本人で、この女性を責めてもどうしようもない。
「分かりました。雄朝津間皇子が戻られてないのであれば仕方ありません。今日は諦めて、明日会う事にします」
忍坂姫はその女にそう言った。
ただでさえ今日は命を狙われて散々な目にあっていた。それなのにここで色々と揉め会う気には到底なれない。
衣奈津も忍坂姫がそう答えた為、これ以上はよう反論が出来ず、渋々納得する事にした。
それを聞いた使用人の女は再度頭を下げてから言った。
「本当に有り難うございます。ではこれから食事をご用意します。それまで、ここで暫くおくつろぎ下さい」
その後その女は部屋を出ていき、暫くして料理が部屋に運ばれて来た。
そして食事が終わると、忍坂姫達は用意された各部屋に案内されて休む事にした。
その後、用意された部屋で横になった忍坂姫は今日の事を色々と思い返していた。
「今日は色々あって本当に疲れたわ。まさかあんな事件に巻き込まれるなんて、思ってもみなかったし。こんな事をお父様やお母様が知ったら、その場で倒れそう……」
それからふと、忍坂姫は今日危ない所を助けてくれたあの青年を思い浮かべた。
あの青年は本当に一体誰だったのだろう。
「簡単に人を殺せるのは正直恐ろしいと思ったけど、でも悪い人では全然無かったわ。むしろとても素敵な男性に思えた」
忍坂姫はそんな事を言って、思わず顔を赤くした。
これではまるでその青年に自分が好意を抱いてるようではないか。
(確かに、ちょっと格好いいとは思ったけど、別にただそれだけよ。それに私は雄朝津間皇子との婚姻がある訳だし)
「はぁー、もうとにかく今日は寝よう!明日はいよいよ雄朝津間皇子と会うんだから」
そう言って忍坂姫はそのまま眠りにつく事にした。今日は散々な目に合った事もあり、もうクタクタの状態だった。
(でも、今日助けてくれた男性のような人が相手だったら良いのに)
こうしてその日は、そのまま何事もなく眠りに入る事が出来た。
翌朝、朝の朝食も終わり、いよいよ雄朝津間皇子と対面出来る事になった。
忍坂姫は衣奈津達と一緒に、昨日と同じ部屋に案内された。そして雄朝津間皇子が来るのを今か今かと待っていた。
(やばい、何か凄い緊張してきたわ)
忍坂姫は柄にもなく凄く心臓をドキドキさせていた。
そんな彼女を見た衣奈津は小さな声でそっと声をかけた。
「姫様、どうか落ち着いて下さい。私もそばにいるので大丈夫ですから」
(そうは言っても、やっぱりドキドキが止まらない)
忍坂姫が心の中でそんな風に思っている丁度その時だった。
ふと何人かの足音が聞こえて来た。どうやらこの部屋に向かっているようだ。
そしてついにこの部屋に雄朝津間皇子とその家臣数名がやって来た。
忍坂姫は緊張の余り、皇子が部屋に入って来ても、中々顔を向ける事が出来ないでいた。
そして皇子が自分の前に来てドシッと座った。
皇子が座ったの確認すると、彼女は自分の名前を名乗った。
「この度は、雄朝津間皇子との婚約の為に参らせて頂きました。私は稚野毛皇子の第一皇女の忍坂姫と申します」
それを聞いた雄朝津間皇子は彼女に答えた。
「とりあえず顔を上げてくれる」
皇子にそう言われたので、忍坂姫は恐る恐る顔を上げた。
するとそこには1人の青年が自分を見ていて、そしてある事に気が付いた。
(あれ、この人どこかで?)
「あれ、君は昨日の」
雄朝津間皇子も忍坂姫の顔を見てとても驚いている感じだった。
また忍坂姫も、ここに来てやっとこの青年が誰なのかを理解する事が出来た。
「あなた様は、昨日盗賊から助けて下さった……」
昨日、忍坂姫達が盗賊に襲われかけた際に助けてくれたあの青年が、何と雄朝津間皇子本人だったのだ。
それを知った忍坂姫は、余りの事にその場で動けなくなった。
(こんな事ってあるの?)
忍坂姫が動けなくなったのを見て、雄朝津間皇子は思わずその場で笑いだした。
「あはは、まさか昨日盗賊に襲われかけていた君が忍坂姫だったとは。これは驚いたよ」
雄朝津間皇子は余りの事に暫く笑いが止まらなくなった。
忍坂姫はそんな雄朝津間皇子を見て、恥ずかしいやら、悔しいやらで何とも複雑な心境だった。
そしてそれから暫くした後、彼はやっと笑いが収まったらしく、彼女に話しかけた。
「いや、本当にごめん。別に悪気はないんだけど、ちょっと面白かったからさ」
雄朝津間皇子はそう言って、忍坂姫に謝った。
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