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45P 《半島からやって来た男》
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この時代、隣の半島の国から多くの渡来人が渡って来ていた。
そしてその人達は、大和付近の様々な地域に住むようになった。
そんな彼らは大陸からの技術や物、建築、知識等様々なものを伝えてくれる。
瑞歯別大王のいる丹比柴籬宮から、馬で少し行った所にも、沢山の渡来人が住んでいた。
そしてその半島から、今回ある1人の男が複数の同伴者を率いてこの国にやって来ていた。
「この国に戻って来たのは6年ぶりか。聞いた話しによると、前の大王が崩御し、あの弟皇子が大王になったと聞く。あの忌々しい皇子が」
そう発言した男の名は嵯多彦と言って、元々は豪族葛城の者だ。
6年前、大和に復讐をしようと計画をしたが、当時まだ皇子であった瑞歯別大王によって失敗に終わり、その後隣の半島に逃れていた。
「あの男には、必ず復讐してやる。その為にわざわざ戻って来たんだ」
すると嵯多彦の横に1人の男がやって来た。どうやら彼の同伴者らしい。
「ここが倭国か。初めて来たが、中々活気があって良さそうだ。
何でも、この国は今の王になってからは泰平の世で、とても平和だと聞く」
彼はどうやら半島の人間らしく、この国に来たのは初めてのようだ。
「大炯、そんな事は俺が知った事ではない。まずは今の大王に対しての復讐だ。お前もそれに協力すると言うから、連れて来てやったんだからな」
嵯多彦は隣にいる大炯に対して、少し苛立った。彼は元々半島で殺し屋を生業にしており、そんな彼の腕を買って嵯多彦は仲間に誘い入れた。
「もちろん、それは協力する。ただ俺のいた国はずっと戦の絶えない有り様だった。だからこの国のような平和な治世下の中で暮らせる人々は恵まれている。そんな国に少し興味もあったからな。
それと噂で聞いたが、以前この国には聖帝と呼ばれた王がいたそうだな」
それを聞いた嵯多彦は、さらに怒りが込み上げてきた。
「あぁ、今の大王の父親の事だ。人々はその大王の偉大な功績を称えて、聖帝と呼んでいた。だが俺からしたら、そんなやつの事はどうだって良い!」
嵯多彦は怒りの余り、その場にあった土器を思わず叩き壊してしまった。
(人々から聖帝と称えられた大雀大王。俺も数回しか見た事がないが、あの磐之媛が心の底から惹かれた男だ。
そしてその息子達が今の大和を支えている)
嵯多彦は瑞歯別大王をまず抹殺する事で、大和王権を揺らがせ、それから徐々にこの王権を衰退へと持っていこうとしていた。
そして大和王権が倒れてしまえば、恐らく周りの豪族同士で争いが起こり、倭国内で大混乱になる。
それに半島で倭国を征服したいと考える者達もいる。あとはそいつらに任せたら良い。
瑞歯別大王への復讐、それが今の彼の全てだった。
(今の俺には何の権力も無いし、兵を持てる力もない。であれば、頭を使って動くしかないからな)
嵯多彦はそんなふうに考えていた。そして酷い悲しみを抱いて死んでいった磐之媛の無念を、何とか晴らしてもやりたかった。
そして嵯多彦はその計画を実行する為、しばらくこの辺りに滞在する事にした。瑞歯別大王のいる宮もここからさほど離れていないと聞く。
そんな中ふと彼はある事を思い出した。
(そう言えば、今の大王は妃を1人娶り、その后との間に1人の姫をもうけたと言っていたな。何でもその妃は吉備の姫だとか)
その時嵯多彦の脳裏には、ふとある1人の娘の顔が浮かんできた。
「それはきっとあの吉備から来た娘の事だろう。やはりあの男は、あの娘を自分のものにしていたようだな」
嵯多彦はそんな事を思う中、もう後戻りは出来ないと思っていた。
この復讐の為に自分は半島に行き、そこで6年間も生きてきたのだ。
そんな事を思いながら、嵯多彦は大炯を連れて他の同伴者達の元へと向かって行った。
そしてその人達は、大和付近の様々な地域に住むようになった。
そんな彼らは大陸からの技術や物、建築、知識等様々なものを伝えてくれる。
瑞歯別大王のいる丹比柴籬宮から、馬で少し行った所にも、沢山の渡来人が住んでいた。
そしてその半島から、今回ある1人の男が複数の同伴者を率いてこの国にやって来ていた。
「この国に戻って来たのは6年ぶりか。聞いた話しによると、前の大王が崩御し、あの弟皇子が大王になったと聞く。あの忌々しい皇子が」
そう発言した男の名は嵯多彦と言って、元々は豪族葛城の者だ。
6年前、大和に復讐をしようと計画をしたが、当時まだ皇子であった瑞歯別大王によって失敗に終わり、その後隣の半島に逃れていた。
「あの男には、必ず復讐してやる。その為にわざわざ戻って来たんだ」
すると嵯多彦の横に1人の男がやって来た。どうやら彼の同伴者らしい。
「ここが倭国か。初めて来たが、中々活気があって良さそうだ。
何でも、この国は今の王になってからは泰平の世で、とても平和だと聞く」
彼はどうやら半島の人間らしく、この国に来たのは初めてのようだ。
「大炯、そんな事は俺が知った事ではない。まずは今の大王に対しての復讐だ。お前もそれに協力すると言うから、連れて来てやったんだからな」
嵯多彦は隣にいる大炯に対して、少し苛立った。彼は元々半島で殺し屋を生業にしており、そんな彼の腕を買って嵯多彦は仲間に誘い入れた。
「もちろん、それは協力する。ただ俺のいた国はずっと戦の絶えない有り様だった。だからこの国のような平和な治世下の中で暮らせる人々は恵まれている。そんな国に少し興味もあったからな。
それと噂で聞いたが、以前この国には聖帝と呼ばれた王がいたそうだな」
それを聞いた嵯多彦は、さらに怒りが込み上げてきた。
「あぁ、今の大王の父親の事だ。人々はその大王の偉大な功績を称えて、聖帝と呼んでいた。だが俺からしたら、そんなやつの事はどうだって良い!」
嵯多彦は怒りの余り、その場にあった土器を思わず叩き壊してしまった。
(人々から聖帝と称えられた大雀大王。俺も数回しか見た事がないが、あの磐之媛が心の底から惹かれた男だ。
そしてその息子達が今の大和を支えている)
嵯多彦は瑞歯別大王をまず抹殺する事で、大和王権を揺らがせ、それから徐々にこの王権を衰退へと持っていこうとしていた。
そして大和王権が倒れてしまえば、恐らく周りの豪族同士で争いが起こり、倭国内で大混乱になる。
それに半島で倭国を征服したいと考える者達もいる。あとはそいつらに任せたら良い。
瑞歯別大王への復讐、それが今の彼の全てだった。
(今の俺には何の権力も無いし、兵を持てる力もない。であれば、頭を使って動くしかないからな)
嵯多彦はそんなふうに考えていた。そして酷い悲しみを抱いて死んでいった磐之媛の無念を、何とか晴らしてもやりたかった。
そして嵯多彦はその計画を実行する為、しばらくこの辺りに滞在する事にした。瑞歯別大王のいる宮もここからさほど離れていないと聞く。
そんな中ふと彼はある事を思い出した。
(そう言えば、今の大王は妃を1人娶り、その后との間に1人の姫をもうけたと言っていたな。何でもその妃は吉備の姫だとか)
その時嵯多彦の脳裏には、ふとある1人の娘の顔が浮かんできた。
「それはきっとあの吉備から来た娘の事だろう。やはりあの男は、あの娘を自分のものにしていたようだな」
嵯多彦はそんな事を思う中、もう後戻りは出来ないと思っていた。
この復讐の為に自分は半島に行き、そこで6年間も生きてきたのだ。
そんな事を思いながら、嵯多彦は大炯を連れて他の同伴者達の元へと向かって行った。
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