225 / 253
Chapter15 - Side:Other - E
221 > 出社−03(佐藤、色々緩む)
しおりを挟む
[Side:Other]
佐藤の所属する営業部と汐見の所属する開発部は同じ3階にある。
あのまま開発部の前で押し問答するわけには行かなかったため、汐見は瞬時に判断して会議室に佐藤を連行した。
連行された佐藤の方は、挙動不審になりながらも汐見についていく。
〝まったく……どんだけ注目を浴びるつもりなんだお前は……〟
汐見の内心など知らない佐藤は、とにかく汐見の顔を見たくて、本人の姿だけでも確認しておきたくて、つい。
つい、フラッと開発部のドアの前に立っていたのだ。
今日は、週末直前の金曜日だ。
結局、汐見は昨日(木曜日)まで佐藤に姿を見せることはなかった。
当然のことながら、LIMEも総無視。
その間も、結局───佐藤は汐見のマンションに2日に1回は電信柱の影に隠れて、様子を見に行っていた。
最初に行った時、日中だったのもあり、かなり悪目立ちしていることに気づいた佐藤は週明けの月曜日に様子を見に行こうと思った時は、ちゃんと考えて行動した。〝夜に行けばいいじゃないか〟と。
誰かに見つかった場合、相当良くない状況になることを全く考えず、それでも汐見の姿見たさのあまり、その行動の意味までは考えていなかった。
大体は就業後、一旦家に帰ってから濃い色の上下に着替え、黒い帽子を持って佐藤のマンションまで行く。
汐見の部屋が見えるマンション前の電信柱に到着してから、帽子を被り、汐見がベランダに出てくるのを待つ。
しかし──佐藤が行ったところで、汐見がベランダに出てくる瞬間は一度も訪れなかった。
そのことに落胆すると同時に、ベランダから見えない部屋の灯りが点いてる様子がわかると居宅してることにひとまず安心した。だが、時折、その明かりすら見えないことがあると、不安のあまり1日に1回、1通だけ!と自分に課している汐見宛の『LIME日記』に加えて『今どこにいる?』と、もう1度送りたくて仕方なかった。
が、その内容を送ると、後で自分で自分の首を締めそうだと直感した佐藤は入力した後、送信ボタンをタップする直前に決死の思いで消していた。
その状態でなんとか1週間を過ごしたものの、下北沢から『休暇の延長申請されてるらしい』と聞いて、佐藤は絶望した。
〝汐見はもう……俺に会わずに…………俺の、前から……〟
先週1週間の状況からして、汐見は出社してくるまで無反応だろうということを予想してはいたものの、あまりの無反応加減に、もう佐藤のメンタルはズタボロだった。
結局、その1週間の間、橋田からも連絡は来ず、汐見の状況がどうなっているのか、佐藤は全くわからなかった。
汐見に会えない会社に行く意味を見出せず、何度欠勤しようと思ったかわからない。
〝欠勤して、1日中、あそこで張ってれば、絶対に会えるはずなのに……〟
だが、汐見を見張るために欠勤するのはやめた。そんなことが仕事の虫の汐見に知られたら、それこそ、嫌われそうだと思ったからだ。
1日見張ることはしないにしても、先週は火曜日と木曜日だけだったが、今週は月・水・金に様子を見に行くことにしていた。
だから、今日も重い足を引きずりながらちゃんと定時の9時ギリギリに出勤した。そしてしばらくすると、部内の他の女子が
「聞いた!? 汐見さん、今日出勤してるんだって!」
「え?! ほんと?! 今回の休暇、長かったよね~」
「ほんと、そうよね! 1ヶ月くらい?」
「ん~、そんな感じ?」
小声で噂しているのを盗み聞きした佐藤は、その瞬間、何も考えずに汐見の内線番号を押していた。
電話越しに聞く、久しぶりの汐見の声に、思わず涙腺が緩みそうになったのは仕方がない。
〝お昼は無理……でも、仕事の、あと……〟
内線で話した時、汐見が『見ておけよ』と言っていたのが何だったのかわからなかったが、直後にLIMEで『昼は先約があるから、話は終業後に。それでいいか?』と来たのを見た佐藤は、もう天にも昇る気持ちだった。
〝こんなに……お前の一言で……俺は天国にも地獄にも行くんだ……〟
未読だったLIMEのトークが全て既読になったのを見て、佐藤は安堵した。
それから10分くらいはソワソワしながら、それでも汐見の言うことを聞いて部内に留まっていたが。
──先週から度々、開発部に顔を出しに行く習慣がついた佐藤は知ってしまったのだ──開発部の就業時刻が10時~19時であるため、10時までならドアが開きっぱなしになっていることを。
なので。
〝ちょっと……ちょっとだけ……汐見の顔見たら、すぐ戻る……そう……だから……〟
「あー、ちょっと自販機行ってくるわ。なんかあったら俺の携帯にLIMEして」
「え? あ、はい。って開発部に行くんですよね?」
「……自販機に行ってくる」
「……わかりました。自販機越えたとこの開発部まで足伸ばすってことですね」
「……とにかく。なんかあったら連絡、な」
そう言って営業部を出た。
ドアの前までは少しゆっくりと。ドアを出てからは、極力足音を立てないように小走りに。全速力で。
〝汐見……汐見……よかった……ちゃんと会社に来てくれた……!〟
少し息が上がったが、そんなことどうでもよかった。
そして、開発部のドアの前に着くと、ちょうど汐見がディスプレイを睨んでいるところだった。
〝っは~~~っっ! いた! いる!! 汐見が! ちゃんと!! そこに!!!〟
見た目以上に視力が良い佐藤は、汐見の顔を凝視した。
〝あっ! 髪切ってる! 髪、短いと出会った時のこと、思い出す……印象がちょっと幼くなるんだよな…………はぁ……かわいぃ……〟
汐見を見ると思考が乙女のようになってIQが残念な仕様になるのは佐藤の通常運行だ。誰が見ても可愛いという感想を抱くことのない汐見の強面を見てそう思えるのは佐藤だけだったが、それでも佐藤には本当にそう見えてるのだから仕方がない。
そして、案の定、目立ちすぎる佐藤は早々に汐見に見つかり
「おい」
「ふぁっ!?」
「……なにやってんだ、こんなところで……」
「し……そ、の……顔、み、たくて……」
「……仕事終わってから、ってLIMEにも送ったよな?」
「そ……だけ、ど……」
剣呑な音声の汐見の声すらも、佐藤には甘美な響きに聞こえる。
「わかったよ。ちょっと、待て」
「え?」
「調べてくる」
「何を……」
何かをしに、また自席に戻った汐見が何事かキーボードを叩いた後、戻ってくると同時に
「行くぞ」
「え? どこに?」
「403会議室」
「えっ?!」
上の階の会議室に行くことを告げられた。
佐藤は、驚きながら、でも汐見に連行されることすら嬉しくて、涙腺の次は頬が緩みっぱなしだった。
〝……会社に来たってことは……どういうあれかわからないけど、でも……よかった……俺見て嫌な顔しなかった……〟
汐見がどういう話をするのか、佐藤は予想すらしていなかった────
佐藤の所属する営業部と汐見の所属する開発部は同じ3階にある。
あのまま開発部の前で押し問答するわけには行かなかったため、汐見は瞬時に判断して会議室に佐藤を連行した。
連行された佐藤の方は、挙動不審になりながらも汐見についていく。
〝まったく……どんだけ注目を浴びるつもりなんだお前は……〟
汐見の内心など知らない佐藤は、とにかく汐見の顔を見たくて、本人の姿だけでも確認しておきたくて、つい。
つい、フラッと開発部のドアの前に立っていたのだ。
今日は、週末直前の金曜日だ。
結局、汐見は昨日(木曜日)まで佐藤に姿を見せることはなかった。
当然のことながら、LIMEも総無視。
その間も、結局───佐藤は汐見のマンションに2日に1回は電信柱の影に隠れて、様子を見に行っていた。
最初に行った時、日中だったのもあり、かなり悪目立ちしていることに気づいた佐藤は週明けの月曜日に様子を見に行こうと思った時は、ちゃんと考えて行動した。〝夜に行けばいいじゃないか〟と。
誰かに見つかった場合、相当良くない状況になることを全く考えず、それでも汐見の姿見たさのあまり、その行動の意味までは考えていなかった。
大体は就業後、一旦家に帰ってから濃い色の上下に着替え、黒い帽子を持って佐藤のマンションまで行く。
汐見の部屋が見えるマンション前の電信柱に到着してから、帽子を被り、汐見がベランダに出てくるのを待つ。
しかし──佐藤が行ったところで、汐見がベランダに出てくる瞬間は一度も訪れなかった。
そのことに落胆すると同時に、ベランダから見えない部屋の灯りが点いてる様子がわかると居宅してることにひとまず安心した。だが、時折、その明かりすら見えないことがあると、不安のあまり1日に1回、1通だけ!と自分に課している汐見宛の『LIME日記』に加えて『今どこにいる?』と、もう1度送りたくて仕方なかった。
が、その内容を送ると、後で自分で自分の首を締めそうだと直感した佐藤は入力した後、送信ボタンをタップする直前に決死の思いで消していた。
その状態でなんとか1週間を過ごしたものの、下北沢から『休暇の延長申請されてるらしい』と聞いて、佐藤は絶望した。
〝汐見はもう……俺に会わずに…………俺の、前から……〟
先週1週間の状況からして、汐見は出社してくるまで無反応だろうということを予想してはいたものの、あまりの無反応加減に、もう佐藤のメンタルはズタボロだった。
結局、その1週間の間、橋田からも連絡は来ず、汐見の状況がどうなっているのか、佐藤は全くわからなかった。
汐見に会えない会社に行く意味を見出せず、何度欠勤しようと思ったかわからない。
〝欠勤して、1日中、あそこで張ってれば、絶対に会えるはずなのに……〟
だが、汐見を見張るために欠勤するのはやめた。そんなことが仕事の虫の汐見に知られたら、それこそ、嫌われそうだと思ったからだ。
1日見張ることはしないにしても、先週は火曜日と木曜日だけだったが、今週は月・水・金に様子を見に行くことにしていた。
だから、今日も重い足を引きずりながらちゃんと定時の9時ギリギリに出勤した。そしてしばらくすると、部内の他の女子が
「聞いた!? 汐見さん、今日出勤してるんだって!」
「え?! ほんと?! 今回の休暇、長かったよね~」
「ほんと、そうよね! 1ヶ月くらい?」
「ん~、そんな感じ?」
小声で噂しているのを盗み聞きした佐藤は、その瞬間、何も考えずに汐見の内線番号を押していた。
電話越しに聞く、久しぶりの汐見の声に、思わず涙腺が緩みそうになったのは仕方がない。
〝お昼は無理……でも、仕事の、あと……〟
内線で話した時、汐見が『見ておけよ』と言っていたのが何だったのかわからなかったが、直後にLIMEで『昼は先約があるから、話は終業後に。それでいいか?』と来たのを見た佐藤は、もう天にも昇る気持ちだった。
〝こんなに……お前の一言で……俺は天国にも地獄にも行くんだ……〟
未読だったLIMEのトークが全て既読になったのを見て、佐藤は安堵した。
それから10分くらいはソワソワしながら、それでも汐見の言うことを聞いて部内に留まっていたが。
──先週から度々、開発部に顔を出しに行く習慣がついた佐藤は知ってしまったのだ──開発部の就業時刻が10時~19時であるため、10時までならドアが開きっぱなしになっていることを。
なので。
〝ちょっと……ちょっとだけ……汐見の顔見たら、すぐ戻る……そう……だから……〟
「あー、ちょっと自販機行ってくるわ。なんかあったら俺の携帯にLIMEして」
「え? あ、はい。って開発部に行くんですよね?」
「……自販機に行ってくる」
「……わかりました。自販機越えたとこの開発部まで足伸ばすってことですね」
「……とにかく。なんかあったら連絡、な」
そう言って営業部を出た。
ドアの前までは少しゆっくりと。ドアを出てからは、極力足音を立てないように小走りに。全速力で。
〝汐見……汐見……よかった……ちゃんと会社に来てくれた……!〟
少し息が上がったが、そんなことどうでもよかった。
そして、開発部のドアの前に着くと、ちょうど汐見がディスプレイを睨んでいるところだった。
〝っは~~~っっ! いた! いる!! 汐見が! ちゃんと!! そこに!!!〟
見た目以上に視力が良い佐藤は、汐見の顔を凝視した。
〝あっ! 髪切ってる! 髪、短いと出会った時のこと、思い出す……印象がちょっと幼くなるんだよな…………はぁ……かわいぃ……〟
汐見を見ると思考が乙女のようになってIQが残念な仕様になるのは佐藤の通常運行だ。誰が見ても可愛いという感想を抱くことのない汐見の強面を見てそう思えるのは佐藤だけだったが、それでも佐藤には本当にそう見えてるのだから仕方がない。
そして、案の定、目立ちすぎる佐藤は早々に汐見に見つかり
「おい」
「ふぁっ!?」
「……なにやってんだ、こんなところで……」
「し……そ、の……顔、み、たくて……」
「……仕事終わってから、ってLIMEにも送ったよな?」
「そ……だけ、ど……」
剣呑な音声の汐見の声すらも、佐藤には甘美な響きに聞こえる。
「わかったよ。ちょっと、待て」
「え?」
「調べてくる」
「何を……」
何かをしに、また自席に戻った汐見が何事かキーボードを叩いた後、戻ってくると同時に
「行くぞ」
「え? どこに?」
「403会議室」
「えっ?!」
上の階の会議室に行くことを告げられた。
佐藤は、驚きながら、でも汐見に連行されることすら嬉しくて、涙腺の次は頬が緩みっぱなしだった。
〝……会社に来たってことは……どういうあれかわからないけど、でも……よかった……俺見て嫌な顔しなかった……〟
汐見がどういう話をするのか、佐藤は予想すらしていなかった────
0
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
経理部の美人チーフは、イケメン新人営業に口説かれています――「凛さん、俺だけに甘くないですか?」年下の猛攻にツンデレ先輩が陥落寸前!
中岡 始
BL
社内一の“整いすぎた男”、阿波座凛(あわざりん)は経理部のチーフ。
無表情・無駄のない所作・隙のない資料――
完璧主義で知られる凛に、誰もが一歩距離を置いている。
けれど、新卒営業の谷町光だけは違った。
イケメン・人懐こい・書類はギリギリ不備、でも笑顔は無敵。
毎日のように経費精算の修正を理由に現れる彼は、
凛にだけ距離感がおかしい――そしてやたら甘い。
「また会えて嬉しいです。…書類ミスった甲斐ありました」
戸惑う凛をよそに、光の“攻略”は着実に進行中。
けれど凛は、自分だけに見せる光の視線に、
どこか“計算”を感じ始めていて……?
狙って懐くイケメン新人営業×こじらせツンデレ美人経理チーフ
業務上のやりとりから始まる、じわじわ甘くてときどき切ない“再計算不能”なオフィスラブ!
今日もBL営業カフェで働いています!?
卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ
※ 不定期更新です。
家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます
なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。
そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。
「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」
脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……!
高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!?
借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。
冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!?
短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~
柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】
人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。
その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。
完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。
ところがある日。
篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。
「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」
一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。
いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。
合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる