口が悪くてスミマセン。

秋の桜海祭編

体育祭ーブロック別対抗リレー④

ブロック別対抗リレーはいよいよ最後から二番目のランナーにバトンが渡される。





実力が拮抗しているランナーが多いためこのまま総合順位は今と変わらないと思っている人達がほとんどだろう。










だが、彼かれの目は決して死んでなかった。







ここの位置からでもよく分かる、絶対に一位をもぎ取ってやるという覚悟が。














「よしっ！ここなら声がよく届くよ。」






吹雪に言われて連れてこられた場所は、グラウンドで人が集まって応援しているところから離れた所だ。






ここなら他の人の声に掻かき消されることなく声援を届けることができるだろう。










「さくら、恥ずかしがらずに応援してやるんだよ。」







「分かった、頑張る！」







ふぅぅぅ……………。







私は深呼吸をした。







精一杯の声を出すために。













そして最後から二番目のランナーは走り終わりいよいよ最後のランナーにバトンが託されていく。








「おおっ！」








順位が下の方だったにも関わらず、みさは怒濤どとうの勢いで走っていく。






もはや彼の勢いは止まることを知らない。








だが、当然勢也君も速いわけでこのままではよくても二位で終わってしまうかもしれない。








「さくら、松白君来たよ！」







だから私は精一杯の声を上げて、この応援を彼に届ける。














「頑張って！みさ！」












走り抜ける一瞬だったが、彼と目があう。







驚いた顔をしていたが、最後少し笑っていた。







そして、どこからそんなエネルギーが出てきたのかというぐらいスピードを上げて前との距離を詰めていった。