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秋の桜海祭編
体育祭ーブロック別対抗リレー⑤
しおりを挟む四位、三位………そして、二位。
二周目に入る頃には、みさは二位にまで上り詰めた。
しかしここからが鬼門である。
あの勢也君に追い付かなければならない。
「みさ!頑張れ!」
最後の一周を走る彼に私は最後の最高の応援を届ける。
「吹雪っ!ゴールの方行くよっ!」
「え、あ、分かった。」
私と吹雪は急いでゴールの方に向かった。
私は最後のゴール瞬間を見守っていたかったのである。
どんな気持ちで、こんなことをするのかは自分でもよく分からない。
ただ気づけばゴール前まで私は走り出していた。
ゴール前にはたくさんの人達が集っている。
私はその人ごみを掻き分けながらゴールの目の前までやって来た。
そしてみさと勢也君は最後の一直線に差しかかっていた。
「「頑張れー勢也!」」
「「松白君頑張って」」
桜海高校のグラウンドにこの二日間で一番の声援が響き渡る。
それほどまでに熱気を帯びていた。
生徒も先生も来ている人も関係なくみんな心の底から応援し、勝負の行方を見守っていた。
「頑張って!みさ。」
私も周りに負けないように声を出す。
そして……………。
走り抜ける一瞬だったが、スローモーションのように私の目にはゴールの瞬間が目に映った。
わずか半歩差ほどで、ぎりぎり勝ったのは……。
みさの方だった。
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