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夏の合宿編
合宿2日目ー桜海高校四大名物 竹之葉 勢也と肝だめし②
しおりを挟む「好きな食べ物は?」
「……カレー。」
「合宿で嬉かったことは?」
「……久しぶりに海にこれたこと。」
あれから勢也君と話してて分かったことがある。
どんな話題でもキチンと聞いてくれてるし、短い言葉ではあるがしっかり返してくれるということだ。
勢也君から話すことはほとんどなかったが、最初より会話が弾んできた。
「あっ。」
そうこうしている間に、前方に桜海の制服をきた人の後ろ姿が見えた。
恐らく第2チェックポイントだろう。
「あれっ?」
その見つけた桜海の制服を着た人がうずくまっている。
具合悪いのだろうか?
だとしたらすぐに先生を呼ばなければ。
「大丈夫ですか!?先生呼んできましょうか?」
返事がない。
私はその人の顔を覗きこんだ。
その人もこちらを向き、私はあることに気付いた………。
振り向いたその生徒は顔が無かった。
「きゃーーーーーー。」
私はパニックになってその場から走り去る。
草履ではあったのだが、人間追い込まれるとここまでスピードがでるんだな。
そしてパニックになって走り去った私は当然…………。
迷子になってしまった。
(や、やってしまった。)
よくよく考えてみれば、あれはマスクを被ってるだけだろう。
肝だめしだから、向こうも驚かしにくるにきまってるじゃないか……。
「はぁ……。」
またまた、見事にビックリさせられてしまった。
「とりあえず来た道を戻るか。」
どれくらい走ったか分からないが、来た道を戻ればさっきのところまでたどり着くことはできるだろう。
そして、歩くこと数分……。
ようやく元の道らしき所を見つけることができた。
それと同時に白い服を着た人を見つけることができた。
元の道を戻ったつもりだが、さっきの場所と違う所にきたということは第3チェックポイントだろう。
「すみませーん。」
私はその人に話しかける。
そしてその人は振り向く。
「何か用かしら?」
(この暗い中、白い服をきた女性ってだけで雰囲気あるなー。)
そんなことを思いつつも私は質問した。
「次はどっちですっけ?」
「…………さぁ。」
『さぁ』って……………。
(できたら早く次を教えて欲しいんだけどなぁ。)
すると、その人は不思議なことを話す。
「次なんてどうでもいいじゃない。……それよりあなた羨しいわ、幸せそうで。」
なるほど、こういうタイプのお化けの設定なのか。
「そうでもないですよ。苦労の連続ばっかりで大変ですよ。」
私は自分の気持ちを話す。
苦労しているのは、まぁ事実だ。
でも…………。
「それ以上に楽しい事も多いので、やっぱり幸せかもしれないです。」
ここ最近は、いろんなことに巻き込まれてはいるが充実している気もする。
私がそういうと、その人はきょとんとしている。
「うふふふ………、あなた面白いわね。」
そう言うとその人は指を指す。
「こっちに行けばいいわ…………。」
「はい!ありがとうございます。」
そして私は示された方に歩いて行く。
次のチェックポイントへたどり着くにはそんなに時間がかからなかった。
「あっ、松白君。」
「えっ!さくら?何でそっちから?」
松白君が待っていた。
そして同じタイミングで……。
「あ、見つけた。」
ちょうど勢也君もやってきた。
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