43 / 124
夏の合宿編
合宿3日目ー合宿の終わり
しおりを挟む「はぁ?」
松白君の一言に勢也君は驚き呆れている。
「お前言ってる意味分かってんの?」
勢也君は思わず聞き返す。
「あぁ。」
松白君は自分の言ったことに否定しなかった。
『一つでも勝てなかったら松白君の負け』
どうして自ら不利になる条件を付けたのかは知らないが正気の沙汰とは思えなかった。
「その発言覚えておけよ?勝負の内容は後日伝える。」
最後にそれだけ話し、勢也君はどこかに行った。
何が松白君を駆り立てたのかは知らないが、とんでもない勝負の内容だった。
そして、思わず……………。
「ちょっと、ちょっと松白君!」
「さくら!?何でここに。」
我慢できずに飛び出してしまった。
「何であんな無茶な内容にしたの?」
思わず私は松白君に聞いた。
「あははは、さくらは俺が負けると思ってるの?」
「そういうわけじゃ…………。」
「じゃあ問題ないだろ。ほら、掃除に戻るぞ。」
そういってもとの場所へ私達は戻る。
私の言ったことを、はぐらかされたような気もするが。
そして、あんな勝負を受けたというのに松白君はいつもと変わらない様子でみんなと喋りながら掃除をしていた。
そして数時間後………。
「この場所とももうお別れか~~。」
掃除も終わり、合宿での全ての日程を終えた私達はバスに乗り込む。
2泊3日という短い期間ではあったが、たくさんの思い出ができた。
「少し寂しいですね。」
星宮ちゃんはしんみりと話す。
「まぁ、でも楽しかったじゃん。」
吹雪は満足しているようだ。
「俺はこのメンバーで合宿過ごせて良かったよ。なっ、みさ?」
「そうだな、おかげでいい夏の思い出になったよ。」
笹山君と松白君は楽しそうに話す。
確かにこのメンバーになれたのは偶然か運命かは分からないけど、とても楽しかったなぁ。
先生の気まぐれな班決めから始まり、みんなで行きたい場所を決めたんだっけ?
ひまわり畑に海にビーチフラッグス、そして肝だめし。
どれも私にとって最高の思い出だ。
「あ!そういえばさ、さくらって肝だめし何をお願いしたの?」
「えっ!?」
唐突な吹雪の質問にビックリした。
「あ、それ私も気になります。」
星宮ちゃんも興味ありげだ。
「言ってもいいけど笑わないでね。」
「うん。」
「笑いませんよ。」
吹雪と星宮ちゃんだけではなく、笹山君と松白君も気になってるようだ。
私は深呼吸をする。
「…………………無病息災。」
「え?」
「みんながこれからも健康でいられますようにって…………。」
「あははは、さくら真面目過ぎない?」
吹雪は笑わないと言ったのに爆笑した。
「もっと、自分の為の願い事でもよかったのでは?」
星宮ちゃんは不思議そうに聞いてくる。
「私も、最初はいろいろ考えたんだけどさ。やっぱりみんなが無事に過ごせたから楽しい合宿ができたと思うんだよね。」
「だからこれからも楽しく過ごしたいからみんなの無病息災を願ったの。」
意外な考えだったのか、みんなはポカーンとしている。
「まぁ、染井らしくて良いな。」
笹山君は満足気にうなずいている。
「本当にさくらは昔から変わらないねぇ。」
吹雪はニコニコして話す。
「でも、本当にそれが一番だな。」
松白君は感心してくれている。
みんなと過ごした夏の合宿。
きっとこの後の人生の思い出の1ページになるだろう。
そしてバスは桜海高校へと向かって行った。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる