口が悪くてスミマセン。

秋の桜海祭編

桜海祭新聞

午前中の授業が終わり、今はお昼休みの時間だ。








私と吹雪は甘いデザートを食べたかったので購買部へ向かっている。










「シュークリーム……タルト……チョコパン……。」







吹雪はずっと呪文のようにぶつぶつと喋っている。









「吹雪、そんなぶつぶつ言ってたら怖いよ。」








「だって、食べたいものが多いから仕方ないじゃん！………て、なんだあの人だかり。」










正面に多くの人が集まっている。








しかも、購買部ではなくその近くの広報掲示板に。











「新しい桜海新聞がでたのかな？」







吹雪がいうように、購買部の近くに新聞部が使っている部屋があるのだ。








なので、あそこの掲示板は一番最初に新しい記事が貼られるのだ。










「吹雪、ちょっと見てみない？」








「うん、見にいこ。」






そして私と吹雪は人だかりを抜け、新聞を覗きこむ。










【桜海祭のお知らせ】







どうやら桜海祭についてまとめられているようだ。







桜海祭の歴史に去年や一昨年にあった桜海祭の出来事を記事にしてある。








流石の新聞部きっちりまとめられている。












「へぇ～～。」







まとめられている中でも大きくピックアップされている記事があった。








【橘  蜜柑たちばな  みかん   ミス桜海３連覇なるか？】









橘先輩と言えば私の一つ上の三年生で、大企業「橘商事」のご令嬢である。







それだけでも凄いが、本人もまた高校生モデルとして活躍しておりその名を馳せている。









そして、その橘先輩は恐れ多いことに私と同じ桜海高校四大名物の一人でもある。












(ミス桜海3連覇目……、つまり二年間連続で一位を獲ってきたのか。)






ミス桜海3連覇というのは、今までに一人しかいない偉業でもあるらしい。
















「え、何？さくらもミス桜海出るの？」








「バカっ！出るわけないじゃん。」







吹雪はからかって私に言う。








「ほらっ、購買部に行くよ。」









そう言って吹雪とデザートを買い、教室に戻った。







ひさしぶりのお昼のデザートは美味しく感じた。